2014 年度 ESP フォーキャスト調査の評価に関する テクニカルノート 河越正明∗ 2015 年 9 月 25 日 本稿は、日本経済研究センターが公表した「ESP フォーキャスト調査」 (以下、ESPF と呼ぶ。 )の 2014 年度 予測に関するフォーキャスターの評価について、その技術的な側面の細部を解説することを主な目的とする。 今回の評価では従来の点予測 (point forecast) の評価に加えて、分布予測 (density forecast)、すなわち点予測の 不確実性に関する主観的確率分布についても評価を試みた。正式な評価は従来通りの対象項目で行うことと し、分布に関する評価は参考指標という扱いである。自己完結的な解説とするため、昨年度またはそれ以前の 解説と重複するところも含め、全体を解説することとした。また、本稿においては、 ESPF 利用者への情報提 供という観点から、高位・低位 8 者平均や中期予測など種々の参考情報を提供しており、適宜参考にされたい。 1 評価対象データの概要 今回の評価は 11 回目となり*1 、2014 年度予測を対象としている。具体的には、 • 年度予測に関しては、実質・名目の GDP 成長率のほか、為替レート (円ドルレート、年度平均) も加え た計 3 項目について*2 、2014 年 1 月以降、実績値がでる直前までの予測値 (GDP 成長率は 2015 年 5 月 まで毎月の計 17 ヶ月分、為替レートは 2015 年 3 月までの 15 ヶ月分) • 四半期予測に関しては、実質 GDP 成長率 (季調済前期比・年率)、CPI 上昇率 (除く生鮮食品、前年同期 比)、失業率 (季調値) の 3 項目について、2014Q2∼2015Q1 までの 4 四半期分について実績値が出る直 近の 6 ヶ月分の予測値 が対象である。 評価の対象としたフォーキャスターの総数は 40 人(評価対象期間の最初の月である 2014 年 4 月時点)で あり、後述のような無回答調整を行った上での総合評価の対象者数も同数である。 ∗ *1 *2 ESP フォーキャスト調査委員会委員 ((公財)連合総合生活開発研究所主任研究員) 過去 10 回の評価の結果については、日本経済研究センターの HP 上に掲載されている資料を参照せよ。 実質 GDP 成長率は毎回取り上げているが、名目 GDP 成長率は 2004 年度及び 2005 年度の評価の際には取り上げなかった。また、 これら以外の 3 番目の年度予測の評価対象となる指標は、毎回入れ替えている。2012 年度、13 年度の評価では実質民間設備投資、 実質輸出をそれぞれ対象とした。 1 2 評価方法 2.1 概説 今年度はデータの基準改定等がないため、評価方法は例年通りである。予測者 i が指標 k について時点 j に 作成した t 期の予測値を fikjt とし、その実現値を ytk とすれば、その予測誤差は、 ekijt ≡ ytk − fikjt (1) と表される。この予測誤差 ekijt にウェイト wkjt を乗ずることで、予測者が直面している各時点での不確実性の 大きさを調整する*3 。ウェイト自体は第 2.2 節で述べるように推計式を用いて求めた。 予測誤差の大きさは RMSE (Root Mean Squared Error) を基に評価し、以下のように各年度予測値、四半期 予測値についてそれぞれ計算を行った (t = FY 2014)*4 。ただし、wkjt は予測時点の違いを反映したウェイトで ある。 ( )1/2 1 k k 2 , k = RGDPY, NGDPY, EXCH. = (w jt ei jt ) 17 ∑ j [ )]1/2 ( 1 1 k k k 2 RMSEit = , k = GDPQ,CPIQ,UNQ ∑ 6 ∑(w jQ ei jQ ) 4 Q∈t j RMSEitk (2) (3) 6 つの指標の総合評価のための指標は、それぞれの指標のいわば偏差値 (平均 50, 標準偏差 10) の平均値を もって総合評価とすることを考え、 ) ( RMSEitk − Mean(RMSEtk ) 1 T T Lit = ∑ 50 + 10 × , 6 k Std(RMSEtk ) t = FY 2014 (4) を計算する。この 2014 年度の平均偏差値を用いて、各予測者のランキングを行った。ただし、通常の成績の 偏差値と異なり、偏差値が小さいほど成績が良い。 フォーキャスターの中には、回答をしない月がある場合がある。こうした無回答の扱いについては、これま で、(1) 年度予測については 17 回中 3 回以上、(2) 四半期予測については各四半期 6 回中 2 回以上の無回答 があった場合はその項目は評価しないこととし、全項目評価された者だけを総合評価の対象とした。さらに、 評価の対象にした場合であっても無回答にはペナルティを与えることとし、当該月の有効回答の (wkjt ekijt )2 の 平均値を 1.5 倍した数値をその者の値として計算を行った。ただし、2014 年 4 月から参加したフォーキャス ター (1 人) については、4 月以降毎月回答が得られていることから例外的に評価の対象にすることとし、1∼3 月の計算に当たってペナルティなし、つまり 1.5 倍しない平均値を使用した*5 。 予測誤差 ekijt の計算に当たって、何が実現値 ytk なのかという点が問題となる。特に GDP 統計については、 公表のたびに過去の値が更新されるので、この点が問題となるが、これについては (これまでと同様に) 第 1 次 速報を実現値とすることとした。 *3 例えば 2014 年度の実質 GDP 成長率を同じ 0.1 ポイントだけ外した2人の予測者がいた場合に、2014 年 1 月時点 (2013 年 7∼9 月 期の実績まで利用可能) の予測で外した予測者と、2014 年 5 月時点 (2014 月 10∼12 月期の実績まで利用可能) で外した予測者を 同じように扱うのは適当ではない。 *4 式 (2) において、変数が EXCH の場合は、17 ヶ月の平均ではなく 15 ヶ月の平均をとる。 *5 この新規フォーキャスターの扱いは 2008, 13 年度の評価の際と同様である。 2 表1 モデル AR モデル 2変数モデル 推計方法のまとめ 変数 ・年度予測:実質・名目 GDP 成長率、為替レート(年度平均値) ・四半期失業率 ・四半期実質 GDP 成長率 (補助変数の IIP は AR モデルに従う) ・四半期 CPI 上昇率 (補助変数の東京都区部速報は AR モデルに従う) 2.2 ウェイト計算 評価の対象とした 6 変数のウェイト計算の考え方は、昨年度から変わっていない。ウェイト計算に当たって 必要となる推計方法についてまとめると、表 1 の通りである。 2.2.1 自己回帰モデルの活用 四半期の実質 GDP 成長率及び CPI 上昇率以外の 3 項目については、以下で述べるような自己回帰モデルを 利用してウェイトを計算する。実績値 ytk が式 (5) のような自己回帰過程に従って発生していると想定すると、 式 (6) が示すように ut の MA 過程としてあらわせる。これを基に、予測作成時点が異なる予測誤差に与える ウェイトを計算した。 k ytk = ak + ∑ akm yt−m + utk , m A(L)ytk = ak + utk ytk = A(L)−1 ak + A(L)−1 utk utk ∼ iidN(0, σk2 ) = ãk + B(L)utk (5) (6) ■年度の成長率予測 t 年度の実質経済成長率を例に考えると、年度の成長率は毎四半期の前年同期比の平均 として計算でき、 1 ytk ≈ (yt,Q2 + yt,Q3 + yt,Q4 + yt+1,Q1 ), 4 k = RGDPY, NGDPY (7) と表せる (右辺の上添え字の k は簡単化のために省略)。予測時点 j で利用可能な実績値に基づく条件付き期 待値が、予測値である。そこから求められる予測誤差は、utk の線形結合で表され、その係数は B(L) の係数 bkm (m = 1, 2, ...) の関数である*6 。その結果、予測時点 j の予測誤差の分散は一般的に、 Var(ekj,t ) = 1 2 Φ j σkQ 16 (8) と表せる (詳細は、付録 A.1 を参照)。式 (5) の推計結果を利用して式 (8) の Φ j を求め、ウェイトを ( )−1/2 wkj,t ≡ Φ̂ j (9) と定義する。これを予測誤差に乗じることで、予測時点にかかわらず予測誤差の分散を一定化することが可能 となる。式 (5) の推計結果は付録 B の表 7 に示す通りであり、この推計結果に基づき計算したウェイトが表 2(1) で示される。 *6 bkm (m = 1, 2, ...) はさらに、式 (5) の akm の関数で表される。 3 表 2 予測時点別ウェイト 予測時点 t年5月 t年4月 t年3月 t年2月 t年1月 t-1 年 12 月 t-1 年 11 月 t-1 年 10 月 t-1 年 9 月 t-1 年 8 月 t-1 年 7 月 t-1 年 6 月 t-1 年 5 月 t-1 年 4 月 t-1 年 3 月 t-1 年 2 月 t-1 年 1 月 予測時点 8月 7月 6月 5月 4月 3月 2月 (1) 年度予測 実質 GDP 成長率 名目 GDP 成長率 1.000 1.000 1.000 0.486 0.486 0.486 0.314 0.314 0.314 0.230 0.230 0.230 0.211 0.211 0.211 0.206 0.206 1.000 1.000 1.000 0.493 0.493 0.493 0.322 0.322 0.322 0.239 0.239 0.239 0.222 0.222 0.222 0.220 0.220 (2) 四半期予測 (4-6 月期の例) 実質 GDP 成長率 CPI 上昇率 1.000 0.954 0.910 0.868 0.857 0.845 1.000 0.413 0.229 0.158 0.127 0.108 為替レート 1.000 0.460 0.283 0.192 0.141 0.110 0.088 0.073 0.062 0.053 0.047 0.041 0.037 0.034 0.031 失業率 1.000 0.460 0.283 0.221 0.187 0.164 ■失業率の四半期予測 また、以上と同様のやり方で失業率の四半期予測におけるウェイトを計算できる。た だし四半期値であるので、式 (7) では月次データの 3 ヶ月分の平均をとることになる。付録 B の表 9 に示され た推計結果から、式 (9) と同様の計算を行い、その結果を 4-6 月期を例に示せば、表 2(2) の通りである。 ■為替レートの年度予測 為替レートの年度平均値については、毎月のデータを 12 ヶ月分平均することによ り求められる。式 (7) を 12 ヶ月分の平均をとるように修正して計算する。実績値は年度終了後に直ちに明ら かになるので、予測期間は 2014 年 1 月から 2015 年 3 月までである。付録 B の表 7 で示された推計結果か ら、式 (9) と同様の計算を行い、その結果は表 2(1) の通りである。 2.2.2 若干の拡張 ■成長率の四半期予測 四半期の実質 GDP 成長率 (季調済前期比年率) については、式 (5) の右辺に他の説明 変数 xt− j ( j = 0, 1, ...) も加えたモデルを考えた。具体的には以下のように、t 期に観察可能である xt を yt の 予測に使うことができると想定する (式 (10) の上添え字 GDPQ は簡単化のために省略) *7 。なお、式 (11) で は撹乱項について MA 過程を想定したものを示しているが、2014 年度については MA 過程を入れないで推計 *7 02 2 は、σGDPQ と区別して用いられている。後者は前年同期比の推計式の撹乱項のバラツキを示すのに対し、前者は 式 (18) で σGDPQ 前期比年率の撹乱項のバラツキを示す。 4 を行っているので、以下の式の展開において式 (13) 及び (16) において、F(L) = I と簡単化される。 yt = αy + M N m=1 n=0 ∑ βm yt−m + ∑ ζn xt−n + ut , P Q p q xt = αx + ∑ η p xt−p + ∑ θq vt , 02 ut ∼ iidN(0, σGDPQ ) vt ∼ iidN(0, σx2 ) (10) (11) これを書き換えると、 C(L)yt = αy + D(L)xt + ut E(L)xt = αx + F(L)vt (12) yt = ᾱ + P(L)ut + Q(L)vt (14) (13) となって、その結果、 P(L) = C(L)−1 (15) −1 −1 Q(L) = C(L) D(L)E(L) F(L) (16) と表せる。 より具体的に 4∼6 月期の実質 GDP 成長率の予測する場合について検討する。xt として鉱工業生産指数 (季 調済前期比伸び率) を用いることを考えると、予測誤差の分散は、 02 2 Var(eGDPQ j,2007Q2 ) = Ψ̄ j (p)σGDPQ + Θ j (q)σIIPQ 02 = Ω j (p, q, r)σGDPQ r≡ 2 σIIPQ 02 σGDPQ (17) (18) (19) と計算される。式 (10) 及び (11) の推計結果 (付録 B の表 8) から Ω j を計算し (その詳細は A.3 を参照)、 wGDPQ = [Ω j ]−1/2 を求める。この結果が表 2(2) である。QE が公表される月である 2,5,8 月のウェイトは推計 jt 結果から直接から与えられ、その間の月のウェイトは一定の比率で補間している。 ■四半期 CPI 予測 月次の CPI 上昇率を式 (10) 及び (11) のスキームで考えることとし、xt としては東京都区 部の CPI 上昇率を用いた。東京都区部の中旬速報は全国よりも 1 月早く得られ、これを予測に使うと考える のは自然であろう (詳細は A.4 節参照)。ただし、東京都区部の CPI 上昇率について、式 (11) は AR モデルで 推計している。 2.2.3 留意点 以上説明したウェイトの計算方法は、次のような点から必ずしも正確ではない点に留意が必要である。ま ず、推計に用いたデータは、データの事後的な改定によって、毎月の調査時点で予測者が予測を作成するのに 用いたデータとは異なっている。二番目に、上の方法はパラメータの推計誤差、さらには定式化のミスに起因 する予測誤差を無視している。三番目に、予測時点の違いから生じるウェイトの違いから明らかなように、四 半期予測における CPI 上昇率や失業率では、公表直前月の誤差が極めて重要である。しかし、ESPF では予測 値を小数点第 1 位までしか求めていないために、大まかな計算となっている。 5 3 評価結果 ESPF の毎月の調査結果の公表にあたって報告している総平均、高位・低位 8 者平均の成績評価は、表 3 及 び 4、図 1 及び 2 に示す通りである。いわゆるコンセンサス予測 (総平均) については、2014 年度は総合 7 位 と 11 年連続で一桁の良い順位を維持している (平均では 6.2 位)。 ただし、個別の予測項目項目では成績は必ずしもそれほどよいわけではなく、例えば今回は年度及び四半期 の実質 GDP 成長率においては 20 位台の順位であった。しかし、表 3 及び図 1 が示すように、総平均は毎年 度全ての予測項目で偏差値は 50 未満と平均以上の成績をあげており、この安定性は際立っている。総平均の 優れた成績の原因は大きく外れないことにあり、河越 (2007) の結論が確認された*8 。これに比べ、高位・低位 8 者平均の成績は良い時と悪い時の振れが大きく、特に個々の指標については(四半期実質 GDP 成長率が典 型であるが)激しい変動がみられる。 各予測項目について、予測時点毎の予測(総平均、高位・低位 8 者)と実績値をプロットしたものが図 3 であ る。2014 年度の GDP 関連項目の予測は振り返ってみると、四半期予測のグラフが示すように、2014Q3 のマ イナス成長が大きく予測を裏切るものであった。年度全体でも実質で-1 %となり、各フォーキャスターは夏以 降毎月予測の下方修正に追われることとなった。その過程で強気シナリオに固執して者は結果的に大きく予測 を外すこととなった。今回は予測誤差が大きい者が一定数いるなど、成績のバラツキの大きい結果となった。 実質 GDP 成長率の予測誤差の原因は主として消費の見方にかかわるので、図 4 の民需のグラフの動きに予 測誤差の動きが集約されている。公需や外需は概ね正確に予測されていた。 CPI 上昇率や失業率の四半期予測については、月々の実績がわかるため大きく外れることは少ないが、今回 は原油価格が 6 月以降大きく低下したため、その影響が年度後半の CPI 上昇率が縮小として現れた。2014Q4 及び 2015Q1 はともに予測を大きく下回る結果となり、ここでも強気シナリオの者の予測が大きく外れる結果 となった。 4 分布調査の活用 2008 年 6 月以降、年度の実質 GDP 成長率と CPI 上昇率については、各フォーキャスターから点予測 (point forecast) だけではなく、分布予測 (density forecast) について提出を求めている。具体的には、それぞれ 0.5 %ポイント、0.25 %ポイント刻みの幅を示して、その幅の中に実績値が入る確率を数値で尋ねている。その結 果は、各区切りについて平均値を求め、平均的な確率分布 (MPD, mean probability distribution) として公表し ている*9 。 4.1 総平均、高位・低位 8 者平均の平均確率分布における位置 ここでは、毎月公表している総平均及び高位・低位 8 者平均のそれぞれが MPD においてどのような位置 (パーセンタイル) となっているかを検討する。ただし、計算上の簡単化のために、それぞれの刻みの幅の中で は一様分布 (uniform distribution) を仮定する。 *8 ベスト 5 の優秀フォーキャスターの平均は 2004 年度 41.54、2005 年度 41.81、2006 年度 41.46、2007 年度 43.49、2008 年度 40.42、 2009 年度 41.17、2010 年度 41.60、2011 年度 42.64、2012 年度 42.19、2013 年度 42.49、2014 年度 43.05 である。これらの平均 値は 41.99 であるので、コンセンサスの期間平均の偏差値 (43.99、表 3 参照) と比べ 2 ポイント程度成績がよい。 *9 ESPF の調査項目の見直しについては、河越 (2008) を参照せよ。 6 表 3 総平均及び高位・低位平均の評価(偏差値平均) 年度予測 年度 2004 高位平均 総平均 低位平均 2005 高位平均 総平均 低位平均 2006 高位平均 総平均 低位平均 2007 高位平均 総平均 低位平均 2008 高位平均 総平均 低位平均 2009 高位平均 総平均 低位平均 2010 高位平均 総平均 低位平均 2011 高位平均 総平均 低位平均 2012 高位平均 総平均 低位平均 2013 高位平均 総平均 低位平均 2014 高位平均 総平均 低位平均 期間平均 高位平均 総平均 低位平均 四半期予測 総合評価 実質 GDP 成長率 名目 GDP 成長率 その他 実質 GDP 成長率 CPI 上昇率 失業率 60.63 44.57 45.23 41.60 46.92 56.32 68.71 46.59 29.35 65.47 43.85 34.62 71.84 46.74 21.32 31.62 44.49 60.57 64.73 46.76 34.96 53.84 39.11 50.70 62.04 46.63 42.99 62.71 43.04 49.69 68.25 48.78 32.87 59.22 45.23 41.69 66.45 47.62 33.41 64.86 45.48 29.52 70.84 47.17 26.10 61.78 38.15 56.48 66.44 47.25 36.15 62.23 44.96 40.54 64.77 46.84 38.64 64.85 44.56 43.40 66.92 44.50 41.55 65.46 45.17 38.42 71.97 48.67 29.49 41.98 43.02 66.84 60.56 45.19 50.56 - 52.47 41.70 55.63 38.76 45.15 66.81 53.83 42.08 62.17 30.07 45.17 71.29 73.32 47.15 26.21 23.48 45.87 73.66 75.83 42.91 33.35 51.70 42.16 64.97 67.53 44.04 40.21 65.43 44.50 48.35 70.38 46.65 35.08 54.80 44.31 52.52 62.15 44.53 46.19 40.47 42.10 66.82 66.37 41.91 46.78 37.04 47.47 68.32 48.85 46.93 48.49 59.36 37.93 53.20 48.62 41.89 64.53 42.49 43.67 63.56 67.57 39.24 46.92 49.25 43.42 63.74 60.86 42.95 52.17 53.00 42.93 56.56 63.75 43.71 45.26 51.69 44.80 55.37 55.99 38.03 59.47 62.82 41.04 46.04 61.01 39.56 51.75 67.87 44.96 42.45 63.10 40.88 49.47 65.26 45.09 43.82 68.33 38.73 40.09 63.15 43.05 46.63 61.65 41.02 52.70 62.24 42.11 49.98 59.75 43.63 48.05 43.13 44.74 61.33 62.27 43.26 46.24 52.05 44.60 49.97 65.17 45.51 34.77 48.82 42.28 57.27 63.74 43.94 43.69 55.10 43.20 52.72 67.04 44.02 39.72 57.90 43.60 53.11 64.77 44.85 44.15 58.16 43.99 48.61 (注)年度予測の「その他」欄は、2012、13、14 年度それぞれ実質民間設備投資、実質輸出等、為替レートである。 2008∼14 年度の結果に基づき、調査月別に 3 者それぞれのパーセンタイルを示したのが図 5 である。これ によれば、全期間の平均では実質 GDP 成長率、CPI 上昇率とも総平均はほぼ中央値(メジアン)に相当する が、CPI 上昇率の方が中央値からの乖離は小さい。また、低位・高位の 8 者平均は、それぞれ 17 ヶ月 (また は 16 ヶ月) の予測期間を横断的に平均してみれば、それぞれ 25 %、75 %タイルにそれぞれ相当するけれど も、予測期間が短くなるにつれ、低位 8 者は上昇、高位 8 者は低下する傾向にあることがわかる。したがって 両者の間に挟まれている区間は、平均的には 50 %信頼区域に相当するが、予測期間が長い場合にはそれより 大きく、短い場合はそれより小さくなる傾向がある。特に、実績値が公表される直前の数ヶ月では 30 %程度 になっている点に留意が必要である。 7 表 4 総平均及び高位・低位平均の評価(ランキング) 年度予測 年度 2004 その他 実質 GDP 成長率 CPI 上昇率 失業率 35 10 14 6 16 34 33 17 1 33 8 1 33 13 1 1 12 31 37 15 4 27 5 24 35 11 8 37 11 21 38 24 1 28.6 12.9 12.7 31 15 1 32 12 1 31 13 1 33 4 28 37 15 1 38 12 6 36 13 5 35 12 10 38 12 6 34.6 12.0 6.6 38 19 2 6 8 37 38 14 32 - 26 8 27 2 14 37 23 8 32 1 11 29 31 10 2 1 13 34 38 8 2 26 7 36 38 12 6 37 11 20 41 21 1 24.0 11.2 20.6 34 16 17 6 6 35 31 7 17 3 13 29 20 7 18 29 1 24 19 6 35 9 10 36 34 4 16 25 11 37 36 8 31 22.4 8.1 27.1 35 11 15 27 13 31 28 4 30 25 6 13 28 1 21 33 14 9 35 5 21 35 15 10 36 3 5 36 10 18 39 6 30 32.5 8.2 20.3 高位平均 低位平均 高位平均 総平均 低位平均 2006 高位平均 総平均 低位平均 2007 高位平均 総平均 低位平均 2008 高位平均 総平均 低位平均 2009 高位平均 総平均 低位平均 2010 高位平均 総平均 低位平均 2011 高位平均 総平均 低位平均 2012 高位平均 総平均 低位平均 2013 高位平均 総平均 低位平均 2014 高位平均 総平均 低位平均 期間平均 総合評価 名目 GDP 成長率 総平均 2005 四半期予測 実質 GDP 成長率 高位平均 総平均 低位平均 36 5 15 5 8 35 30 6 13 21 9 17 27 7 1 17 3 30 38 6 6 31 4 27 37 6 1 35 7 30 40 7 7 28.8 6.2 16.7 (注)表 3 の脚注を参照せよ。 4.2 分布予測の評価 今回参考指標として計算する各フォーキャスターの分布予測の評価は、Ban, Kawagoe and Matsuoka (2013) で行われている RPS(Ranked Probability Scoring) に基づくものであり、具体的には以下の通りである。フォー キャスター i が t 期に実現する変数について t − τ 期に予測される分布を pi,t−τ (B jt ) とする。B jt は分布の 区切り (bin) であり、J 個の区切りがあるとすると、∑Jj=1 pi,t−τ (B jt ) = 1 である。 pi,t−τ (B jt ) の累積分布を Pi,t−τ (B jt ) とあらわす。同様に、実現値の累積分布 Yt を考えると、実現値を含む区切り B j0 t まではゼロ、それ 以降は 1 の値をとる階段状の累積分布となる。各フォーキャスターの RPS が予測期間 τ 別に以下のように計 8 表 5 平均確率分布の評価 期間 GDP CPI 偏差値 順位 サンプル数 2009-11 年度 含む 2008 年度 46.78 46.80 5 3 37 36 <今回評価> 2014 年度 2009-11 年度 含む 2008 年度 49.81 46.06 46.13 13 6 4 38 35 35 <今回評価> 2014 年度 49.62 10 (出所)2014 年度以外は Ban et al. (2013) による。 39 算される。 RPSiτ = 1 T T J ∑ ∑ (Pi,t−τ (B jt ) −Yt )2 (20) t=1 j=1 これが各変数 k の予測期間 τ 毎に計算される。Ban et al. (2013) では、実質 GDP 成長率と CPI 上昇率の 2 変数 (k = RGDPY,CPIY ) の年度予測について、2008 年 6 月以降 2011 年度までの調査結果を用いて計算して おり、その結果は表 5 の通りである。その際、変数毎に異なる τ (= 1, 2, .., Λk ) の RPS を合計する必要がある ことから*10 、第 2.1 節に倣って標準偏差値に変換した上で合計しており、具体的には以下に示す通りである。 k RPSi,t− τ = J ∑ ( )2 k k Pi,t− , τ (B jt ) −Yt t = FY 2008, ..., 2011 (21) j=1 k k RPSi,t− τ − µt−τ k = 50 + 10 × DVi,t− τ k σt− τ ( ) 1 1 1 T Λk k ADVi = ∑ ∑ ∑ DVit−τ 2 k T Λk t=1 τ =1 (22) (23) 今回この式を用いて、各フォーキャスターの予測分布及びその平均値である MPD を評価した。2014 年度 の MPD は表 5 が示すように、偏差値は 50 を下回り、順位は 2 桁台前半となった。2011 年度までの成績と比 べると、やや悪くなったものの、依然、MPD が比較的良好な成績を収めていることには変わりない。 来年度からは、この評価方法によって各フォーキャスターの分布予測が評価されるので、点予測 6 項目に分 布予測 2 項目が加わり、計 8 項目で総合評価されることとなる。 5 中期予測の活用 ESPF においては、2009 年 6 月以降、6 月と 12 月の年 2 回、毎月の予測対象期間最終年の次の 5 年間につ いて、実質 GDP 成長率と CPI 成長率を尋ねている。こうした中期予測の質問項目が設けられるようになった *10 点予測値の評価に倣い、実質 GDP 成長率については 17 ヶ月、CPI 上昇率については 16 ヶ月分のデータを用いた。 9 動機は、一つは、政府が示す年 2 回(1 月と年央)の中長期の試算との比較可能性を確保することである。も う一つは、米国のフィラデルフィア連銀が実施する SPF (Survey of Professional Forecasters) において、金融政 策が中長期のインフレ期待に与える影響を調査する点が重視されていることを踏まえたものであった。 これまでの 13 回分の結果をまとめたものが表 6 である。調査対象としている期間は毎年 1 年ずつずれるの で厳密な比較はできない点に留意が必要であるが、いわゆるアベノミクスの効果が見てとれる。まず直近 2 回 について、実質 GDP 成長率には目立った変化はないが、CPI 上昇率には変化が現れている。政権交代直後の 2012 年 12 月調査では高位 8 者がわずかながら上方修正されただけであったが、黒田新総裁が「異次元の緩 和」を 4 月に実施した後での調査である 2013 年 6 月時点では、総平均が 0.5 % pt 上昇し、また高位・下位 8 者ともに上方修正され、分布全体が上方に移動する大きな変化が見られた。それ以降は 2013 年 12 月に再び 期待が情報に修正されたが、それ以降は目だった変化は生じていない。 成長率については 1 %台前半、CPI 上昇率については 1 %台半ばというのがフォーキャスターの総平均であ り、政府の目標としている 2 %成長、日銀の「物価安定の目標」CPI2 %上昇に比べ、どちらもやや低めとなっ ている。 表6 総平均 2009 年 6 月 2009 年 12 月 2010 年 6 月 2010 年 12 月 2011 年 6 月 2011 年 12 月 2012 年 6 月 2012 年 12 月 2013 年 6 月 2013 年 12 月 2014 年 6 月 2014 年 12 月 2015 年 6 月 中期予測結果 実質 GDP 成長率 高位 8 者 低位 8 者 1.4 1.4 1.4 1.5 1.4 1.3 1.2 1.1 1.2 1.2 1.3 1.2 1.3 1.9 1.9 1.9 2.0 2.0 1.7 1.7 1.7 1.7 1.9 1.7 1.9 1.7 総平均 0.4 0.9 1.0 1.1 0.9 0.8 0.7 0.6 0.7 0.7 0.8 0.7 0.8 CPI 上昇率 高位 8 者 低位 8 者 0.5 0.3 0.5 0.5 0.6 0.4 0.6 0.7 1.2 1.5 1.6 1.5 1.6 1.0 0.7 1.0 1.2 1.2 0.9 1.2 1.4 2.2 2.5 2.4 2.5 2.4 -0.1 -0.2 -0.1 -0.0 0.2 0.1 0.1 0.1 0.5 0.9 1.0 0.9 1.0 予測期間 2011∼15 年度 同上 2012∼16 年度 同上 2013∼17 年度 同上 2014∼18 年度 同上 2015∼19 年度 同上 2016∼20 年度 同上 2017∼21 年度 参考文献 Ban, Kanemi, Masaaki Kawagoe, and Hideaki Matsuoka (2013) “Evaluating Density Forecasts with Applications to ESPF.”.ESRI Discussion Paper Series No.302, Economic and Social Research Institute, Cabinet Office, Japanese Government. 河越正明 (2007)『コンセンサス予測は単なる平均的な予測か?: ESP フォーキャスト調査の評価の再検討』. ESRI Discussion Paper Series No.180 内閣府経済社会総合研究所. 河越正明 (2008)「コンセンサス予測の利便性改善に向けて: ESP フォーキャスト調査の調査項目の見直しの意 義」ESP. 第 434 号,50–54 頁. 10 付録 A 予測時点に応じたウェイトの計算の詳細 ここでは、本文の式 (8) 及び (18) がどのように導出されるかを説明する。 A.1 実質及び名目 GDP 成長率の年度予測値 例として、t − 1 年度内最後の四半期 t 年 1-3 月期の実績がまだわからない t 年 3-5 月時点 (添え字は中間月 の 4 で表す) における年度成長率の予測を考える。t − 1 年 10-12 月期の実績と式 (5) を活用して 1-3 月期の予 測を行うと、その予測誤差 e4−6|40 は、 e1−3|40 = y1−3 − y1−3|40 = u1−3 (24) となる*11 。ここから式 (7) によって、以下のように年度予測値の予測誤差を求められる。 1 1 eFY 40 = e1−3|3 = u1−3 4 4 1 2 Var(eFY σ 40 ) = 16 y (25) (26) 次に、1 四半期遡って 10-12 月期の実績がまだわからない 12-2 月時点 (添え字は中間月の 1 で表す) におけ る年度成長率の予測を考える。この時点では、7-9 月期までの実績と式 (5) を活用して 10-12,1-3 月期の予測 を行うと、その予測誤差は、それぞれ、 e10−12|1 = y10−12 − y10−12|1 = u10−12 (27) e1−3|1 = y1−3 − y1−3|1 = u1−3 + a1 (y10−12 − y10−12|1 ) = u1−3 + b1 u10−12 (28) となる。上と同様に年度値の予測誤差を計算すると、以下の通り。 1 1 0 eFY 1 = (e10−12|1 + e1−3|1 ) = (u1−3 + Ψ1 u10−12 ) 4 4 1 (1 + Ψ21 )σy2 Var(eFY 1 )= 16 (29) (30) 同様の計算をずっと遡って行うと、式 (8) の Φ j は以下のように示すことができる。 1 1 + Ψ21 1 + 2 Ψ2 ∑i=1 i Φj = 1 + ∑3i=1 Ψ2i 1 + ∑4i=1 Ψ2i 1 + ∑5i=1 Ψ2i j= j= j= j= j= j= t 年 3−5 月 t − 1 年 12 月− t 年 2 月 t − 1 年 9 − 11 月 t −1 年 6−8 月 t −1 年 3−5 月 t −1 年 1−2 月 (31) ただし、Ψi は以下のように定義される。 1 + b1 1 + b1 + b2 = Ψ1 + b2 Ψi = 1 + b1 + b2 + b3 = Ψ2 + b3 b1 + b2 + b3 + b4 = −1 + Ψ3 + b4 b + b + b + b = −b + Ψ + b 2 3 4 1 4 5 5 *11 「40 」としているのは、t 年 4 月を示し、t − 1 年 4 月を示す「4」とは区別している。 11 i=1 i=2 i=3 i=4 i=5 (32) 上で求めた式 (31)-(32) に、式 (5) の推計結果 âi (付録 B を参照) から、B(L) = A−1 (L) によって求めた b̂i を 代入して Φ̂ j を計算することができる。 A.2 失業率の四半期予測値 失業率については、月次の値から四半期の値を予測することになるが、基本的には A.1 と同様に求められ る。違いは、式 (7) ではなく、 1 yk4−6 ≈ (yk4 + yk5 + yk6 ) 3 (33) のように、3 つの月次データの平均となることである。その結果、式 (8) は 1 Var(ekj,2007 ) = Φ̃ j σk2 , 9 k = UNQ (34) となる。式 (34) の Φ̃ j は、式 (31) の j をそれぞれ 1 ヶ月前、2 ヶ月前等と読み替えればよい。ただし、Ψi は 以下の Ψ̃i に置き換える。 1 + b1 1 + b1 + b2 = Ψ̃1 + b2 Ψ̃i = b1 + b2 + b3 = −1 + Ψ̃2 + b3 b2 + b3 + b4 = −b1 + Ψ̃3 + b4 b + b + b = −b + Ψ̃ + b 3 4 2 4 5 5 i=1 i=2 i=3 i=4 i=5 (35) A.3 実質 GDP 成長率の四半期予測値 4 − 6 月期の実質成長率 (季調済前期比伸び率) を予測する場合を例に考え、自己ラグの他に鉱工業生産指数 (季調済前期比伸び率) を用いる。8 月の ESPF の時点では、y1−3 及び x4−6 の実績まで明らかになっているの で、式 (10)-(11) から予測誤差は e4−6|8 = u4−6 (36) と計算される。5 月時点では、y10−12 及び x1−3 の実績までしか公表されていないので、予測誤差は e4−6|5 = u4−6 + p1 u1−3 + q0 v4−6 (37) である。同様にして、2 月時点で予測誤差を計算すれば、 e4−6|2 = u4−6 + p1 u1−3 + p2 u10−12 + q0 v4−6 + q1 v1−3 (38) となる。以上から、予測誤差の分散を計算する式 (18) は以下のようになる。 1 Ω j = 1 + p21 + q20 r 1 + p21 + p22 + (q20 + q21 )r i=8 i=5 i=2 (39) 式 (42) の pi ,qi は、式 (10)-(11) の推計結果 (表 8) 及び式 (15)-(16) から求められる。この結果、表 2(2) のよ うにウェイトが計算できる。2,5,8 月のウェイトは直接計算され、その間の月のウェイトは一定の比率で補間 している。 12 A.4 CPI 上昇率の四半期予測値 CPI 上昇率については、失業率と同様に月次の値から四半期の値を予測するので、式 (33) 及び (34) を活用 する。しかし、CPI 上昇率の予測にあたっては、自己ラグの他に、全国の値よりも 1 月先行して公表される東 京都区部の中旬速報 (前年同期比) を用いると考える。 前節同様に 4 − 6 月期の CPI 上昇率 (前年同期比) を予測する場合を例に考えると、7 月の ESPF の時点で は、y5 及び x6 の実績まで明らかになっているので、式 (10)-(11) から予測誤差は e4−6|7 = u6 (40) と計算される。6 月時点では、y4 及び x5 の実績までしか公表されていないので、予測誤差は e4−6|6 = u6 + p1 u5 + q0 v6 (41) である。このように計算すれば、式 (34) において Φ̃i は以下の Φ̂i に置き換える。 1 2 2 1 + Ψ̂1 + rΞ1 Φ̂i = 1 + ∑2j=1 Ψ̂2j + r ∑2j=1 Ξ2j ... 1 + 5 Ψ̂2 + r 5 Ξ2 ∑ j=1 j ∑ j=1 j i=7 i=6 i=5 (42) i=2 ただし、Ψ̂ j 、Ξ j はそれぞれ以下のように定義される。なお、 pi 、qi は式 (15)、(16) のラグ・オペレータ Li の 係数である i=1 1 + p1 Ψ̂i = 1 + p1 + p2 i=2 pi−2 + pi−1 + pi i = 3, 4, 5 q0 i=1 q + q i=2 0 1 Ξi = q + q + q i =3 0 1 2 qi−3 + qi−2 + qi−1 i = 4, 5 13 (43) (44) 付録 B 推計結果 ここでは、表 2 の基になっている推計結果を示す。まず、同表の (1) のうち、実質・名目 GDP 成長率の予 測誤差に与えるウェイトについては、四半期伸び率(前年同期比)について、式 (5) のような自己回帰モデル の推計結果から計算しており、その推計結果は、表 7 に示す通りである。また、為替レートの年度平均値につ いては、月次データについて同様の推計を行い、その推計結果も同表に示している。 表 7 年度予測に関する推計結果 被説明変数 推計期間 実質 GDP(前年同期比) 名目 GDP(前年同期比) 1996Q2-2015Q1 1996Q2-2014Q1 No. of obs. No. of para. 76 5 76 5 定数項 自己ラグ 1 期 自己ラグ 4 期 自己ラグ 5 期 ダミー (08Q4-09Q1) ダミー (09Q1) σ R2 Coeff. 0.0046 0.7643 -0.4662 0.2545 -0.0546 S.E. 0.0015 0.0584 0.0852 0.0881 0.0081 ** ** ** ** ** 0.0110 0.8143 被説明変数 推計期間 為替レート(月次、平均) No. of obs. No. of para. 259 7 定数項 自己ラグ 1 期 自己ラグ 5 期 自己ラグ 6 期 自己ラグ 8 期 自己ラグ 12 期 ダミー (98M9-10) σ R2 Coeff. 0.0003 0.7988 -0.4433 0.2807 S.E. 0.0014 0.0654 0.0970 0.0974 -0.0596 0.0121 0.0117 0.7590 ** ** ** ** 1993M9-2015M3 Coeff. S.E. 2.1156 1.2790 1.0623 0.0232 -0.2341 0.0654 0.1386 0.0761 0.1256 0.0433 -0.1105 0.0230 -12.0022 1.8260 2.5053 0.9703 * ** ** * ** ** ** (注)*は 10 %で有意。**は 5 %で有意。 次に、表 2(2) の実質 GDP 成長率の四半期値(季節調整値)の予測誤差に与えるウェイトは、表 8 に示す推 計結果に基づいて計算されている。ただし、ここでは式 (10)-(11) に基づき、自己ラグの他に、同期及びラグ をとった IIP 伸び率(季調済前期比)を説明変数に加えている。 表 2(2) の四半期予測のうち、CPI 上昇率 (前年同期比) については、月次のデータから式 (10)-(11) に基づ き、自己ラグの他に、同期及びラグをとった東京都区部の値を説明変数としており、表 9 上段がその推計結果 を示している。 最後に、失業率 (季調値) の四半期値の予測誤差に与えるウェイトは、月次のデータから式 (5) のような自己 回帰モデルを推計し、表 9 下段で示す推計結果から求めている。 14 表8 実質 GDP 成長率の四半期予測に関する推計結果 被説明変数 推計期間 実質 GDP(季調済前期比) IIP(季調済前期比) 1995Q3-2015Q1 1995Q3-2015Q1 No. of obs. No. of para. 79 5 79 7 定数項 g(GDPV)Lag1 g(GDPV)Lag2 g(IIP) g(IIP)Lag1 g(IIP)Lag2 g(IIP)Lag3 ダミー 08Q4 ダミー 09Q1 ダミー 09Q2 ダミー 11Q3 σ R2 Coeff. 0.0026 -0.0933 -0.2269 0.2339 0.0008 0.0793 0.1096 0.0223 ** 0.0844 0.0317 ** S.E. Coeff. -0.0000 0.0019 0.5259 0.0837 ** -0.1970 -0.0811 -0.1797 0.1651 0.0901 0.0504 0.0166 0.0186 0.0258 0.0166 0.0160 0.8258 ** ** ** ** ** S.E. ** ** 0.0066 0.6304 (注)*は 10 %で有意。**は 5 %で有意。 表9 被説明変数 推計期間 No. of obs. No. of para. 定数項 ZKK ラグ 1 期 ZKK ラグ 3 期 ZKK ラグ 12 期 ZKK ラグ 13 期 TKY TKY ラグ 1 期 TKY ラグ 5 期 TKY ラグ 6 期 TKY ラグ 10 期 TKY ラグ 11 期 TKY ラグ 12 期 TKY ラグ 13 期 ダミー (08M5) ダミー (09M9) ダミー (14M4) σ R2 CPI 上昇率と失業率の推計結果 CPI(全国、前年同期比) 1999M1-2015M3 195 12 Coeff. S.E. 0.0004 0.0002 * 0.8929 0.0462 ** −0.0898 0.0334 ** −0.4158 0.0629 ** 0.4074 0.0638 ** 0.9082 0.0460 ** −0.6789 0.0648 ** −0.1300 0.0542 ** 0.0802 0.0488 ** 0.4302 −0.4010 0.0043 0.0765 0.0723 0.0013 ** ** ** 0.0013 0.9860 被説明変数 失業率 (季調値) 推計期間 1999M1-2015M3 No. of obs. 195 No. of para. 4 Coeff. S.E. 定数項 0.0647 0.0754 ** 自己ラグ 1 期 0.9295 0.0528 自己ラグ 3 期 0.2119 0.0843 ** 自己ラグ 4 期 -0.1568 0.0724 ** σ 0.1227 R2 0.9425 (注)*は 10 %で有意。**は 5 %で有意。 15 CPI(東京都区部、前年同期比) 1999M1-2015M3 195 8 Coeff. S.E. −0.0002 0.0001 1.0202 0.0145 ** −0.1035 0.1206 −0.4185 0.3202 0.0522 0.0726 0.0792 0.0575 ** * ** ** −0.0052 0.0173 0.0016 0.0016 0.0016 0.9744 ** ** 図1 総平均、高位・下位8者平均の偏差値の推移(2004~2014 年度) 年度:実質GDP成長率 年度:名目GDP成長率 80 80 総平均 高位8者 低位8者 70 70 60 60 総平均 偏差値 偏差値 高位8者 50 40 40 30 30 20 20 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 年度 年度 四半期:CPI伸び率 四半期:実質GDP成長率 80 80 70 70 60 60 偏差値 偏差値 低位8者 50 50 50 40 40 総平均 30 30 高位8者 総平均 高位8者 低位8者 低位8者 20 20 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 年度 年度 総合評価 80 70 70 60 60 偏差値 偏差値 四半期:失業率 80 50 50 40 40 総平均 総平均 30 30 高位8者 高位8者 低位8者 低位8者 20 20 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 年度 年度 16 図2 総平均、高位・下位8者平均のランキングの推移(2004~2014 年度) 年度:実質GDP成長率 年度:名目GDP成長率 40 40 35 35 30 30 ランキング ランキング 25 総平均 高位8者 低位8者 20 15 25 総平均 高位8者 20 低位8者 15 10 10 5 5 0 0 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 年度 年度 四半期:CPI伸び率 四半期:実質GDP成長率 45 40 40 総平均 総平均 高位8者 35 低位8者 高位8者 低位8者 35 30 25 ランキング ランキング 30 25 20 20 15 15 10 10 5 5 0 0 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 年度 年度 四半期:失業率 総合評価 45 45 総平均 総平均 40 40 高位8者 35 35 30 30 ランキング ランキング 高位8者 低位8者 低位8者 25 20 25 20 15 15 10 10 5 5 0 0 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 年度 年度 17 1.8 7月 3.0 2.8 2.6 2.4 総平均 高位8者 低位8者 3.4 実績 3.3 3.2 18 総平均 高位8者 低位8者 実績 5月 3.5 4月 3.6 4月 3.7 3月 3.8 3月 四半期:失業率 2月 -8 15年1月 15年1月 14年12月 2月 15年1月 12月 11月 10月 14年9月 -6 2月 12月 3.9 14年11月 3.2 12月 3.4 15年1月 4.0 11月 四半期:CPI上昇率 10月 3.6 9月 -10 14年8月 実績 11月 低位8者 10月 高位8者 10月 総平均 9月 -2 8月 0 106 9月 2 8月 108 5月 4月 3月 2月 15年1月 12月 11月 10月 9月 8月 7月 6月 5月 4月 3月 年度:名目GDP成長率 7月 4 110 7月 年度平均:為替レート 6月 6 112 14年6月 114 7月 8 14年5月 116 8月 低位8者 7月 総平均 6月 1.5 2月 0.5 6月 2.0 5月 14年1月 1.0 5月 2.5 4月 1.5 4月 3.0 14年3月 低位8者 2.0 3月 5月 4月 3月 2月 15年1月 12月 11月 10月 9月 8月 7月 6月 5月 総平均 3.5 14年2月 3月 100 4月 102 3月 2月 15年1月 12月 11月 10月 9月 8月 7月 6月 104 2月 15年1月 12月 14年11月 15年1月 12月 11月 10月 9月 14年8月 10月 9月 8月 7月 5月 4月 3月 2月 14年1月 0.5 6月 4月 3月 2月 14年1月 1.0 14年5月 2.0 6月 2.2 5月 4月 98 3月 0.0 14年2月 図3 総平均、高位・下位8者平均の予測と実績の推移(2014 年度) 年度:実質GDP成長率 高位8者 実績 -0.5 0.0 高位8者 実績 -1.0 -1.5 四半期:実質GDP成長率 -4 総平均 高位8者 低位8者 実績 19 総平均 高位8社平均 低位8社平均 実績 0.0 総平均 高位8社平均 低位8社平均 実績 -0.5 201503 201505 0.5 201504 外需寄与 201505 1.0 201504 201503 0.5 201502 201501 201412 201411 201410 201409 201408 201407 1.0 201502 201501 201412 201411 -0.5 201410 公需寄与 201409 0.0 201406 内需寄与 201408 0.5 201407 1.0 201406 -1.5 201405 -1.0 -1.0 201405 -0.5 201404 -0.5 201404 0.0 0.0 201403 0.5 201403 総平均 高位8社平均 低位8社平均 実績 201402 2.0 201402 -2.0 201401 201505 201504 201503 -1.5 201401 201505 201504 201502 1.0 201503 201501 201412 201411 201410 201409 201408 201407 201406 201405 201404 201403 201402 201401 1.5 201502 201501 201412 201411 201410 201409 201408 201407 201406 201405 201404 201403 201402 201401 図4 年度実質GDP成長率の内訳(2014 年度) 1.5 民需寄与 総平均 高位8社平均 低位8社平均 実績 -2.0 -2.5 図 5 総平均及び高位・低位 8 者平均の分布上の位置 (2008~2014 年度平均、パーセンタイル) 20
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