事業計画書(2015年度) - パブリックヘルスリサーチセンター

2015年度
事業計画書
自:2015年4月 1日
至:2016年3月31日
公益財団法人パブリックヘルスリサーチセンター
2015 年度事業計画
目次
事業活動方針 ............................................... 1
事業計画概要 ............................................... 3
事業計画 ................................................... 5
ストレス科学と生命医科学に関する調査研究事業(公益目的事業1) ...... 5
Ⅰ.ストレス科学研究事業 ........................................ 5
Ⅱ.先端生命医科学研究事業....................................... 8
Ⅲ.研究助成事業 ............................................... 16
Ⅳ.倫理審査委員会 ............................................. 16
Ⅴ.情報公開 ................................................... 17
一般健診・人間ドッグ事業(収益事業1) ..........................17
Ⅵ.一般健診・人間ドッグ事業.................................... 17
管理運営 .......................................................... 17
事業活動方針
2015 年度は、公益財団法人への移行(2013 年 4 月 1 日)後 3 年目となる。グローバル化や IT 化が急速
に進み社会が変化する中で、当法人を取り巻く事業環境・医療環境においても様々な変化が起きてい
る。こうした状況変化に鑑み、本年度は、当法人が果たすべきミッションについて確認・徹底すると
ともに、組織基盤を強化し、事業及び財政基盤の構築に努め、法人の持続的発展と安定した経営を目
指すことを方針とする。
Ⅰ 組織基盤の整備・強化
ガバナンス、コンプライアンス、ディスクロージャについて適正性を確立する。
(1) ガバナンスの一層の強化、コンプライアンスの確立に必要な整備を行う。
「役員構成」の適正化を図る。
「内部監査室」及び「事業企画推進室」を設置する。
(2) 経営会議による経営計画の点検・評価・改善を行う。
(3) 利益相反に関するマネジメントを強化する。
(4) 個人情報の保護、セキュリティ対策を一層強化する。
(5) 職員に対して、コンプライアンスについての教育を行う。
Ⅱ 事業基盤の確立と財政基盤の確立
ストレス科学・先端生命医科学研究に関する調査研究事業の中長期計画を策定し、定期的に事
業評価・財務確認を行い事業及び財政基盤の確立に努める。
<事業>
(1) ストレス科学研究事業は、ストレス科学研究、健康支援に関する研究の充実に努め、事
業の成果を健康診査事業に反映させる。
(2) 健康診査事業は、公益事業の積極的な推進、健康診査事業の品質管理、受診者の満足度
を高める健康増進サービスの充実に努め、
「良い健診、良いサービス」を目指す。
(3) 臨床研究支援事業は、治療における QOL の向上の評価及び至適な治療法の標準化に努
め、疾病制圧を目標とした最適な個別化治療研究を支援する。当法人が行う臨床研究支
援事業の公益性を積極的に公表する。
(4) 研究の実施においては、科学性、安全性、倫理性、公平性の確保に努める。
(5) 三事業が三位一体となって事業の付加価値を高めるとともに社会のニーズを的確に把
握し、将来を見据えた事業を策定する。
(6) ストレス科学と生命医科学分野の学術の振興に寄与するため、若手研究者への研究助成
を行う。
<財政>
収入の確保と支出削減により、正味財産の増額確保に努める。
(1) 公益財団法人としての財務基準を確保する。
(2) 各事業においては、収入の安定的な確保の努力、また、新たな公益事業収入の確保、寄
附金収入の確保に取り組む等、収入の多様化を図る。
(3) 人事計画、業務効率化、支出点検等を行い、コスト削減に努める。
(4) 予実管理システムの導入により、財務管理を徹底する。
(5) 2015 年度経営目標として、収支の黒字化に努める。
Ⅲ 管理運営
業務の効率化、適正化に努め、経営の健全化を図る。
(1) 財務・会計、事業企画等について、三事業一体として取り組む。
(2) 内部監査室の機能を充実させる。
(3) 事務システムの標準化マニュアルを完成させる。
(4) 一人ひとりが業務目標を設定し、経営意識の向上を図る。
(5) 健康な職場環境づくりに努める。
(6) 職員のスキルアップ、人材育成に努める。
本年度は、内閣府の立ち入り検査が予定されている。その対応に関する整備事項を点検し、申請時
の公益目的事業の充実に努める。
事業計画概要
ストレス科学と生命医科学に関する調査研究事業(公益目的事業1)
Ⅰ.ストレス科学研究事業
ストレス科学研究事業では、ストレスに関する各種調査研究の成果を広く活用させるとともに、日
本人のストレス調査の実施及び汎用性の高いストレスアセスメントの開発等他、
研究の充実に努める。
教育・研修事業、相談事業は健康増進センターとともに事業を推進する。出版事業は、機関誌「スト
レス科学研究」
、情報誌「ストレスアンドヘルスケア」の内容の充実に努める。
附属健康増進事業では、
国の施策に対応するため、
新健診システムに新たなストレス調査票を加え、
企業の健康管理ニーズに応える。また、健診データとストレスとの関連研究を推進し、保健指導に役
立てる。
(1) ストレスに関する調査研究事業(4 題)
日本人のストレスの実態に関する大規模調査、ストレスチェック票のシステム開発
ストレスと生活習慣に関するコホート調査、ストレスアセスメントに関する調査等
(2) 健康支援に関する調査研究事業(3 題)
勤労者における腸内細菌とストレスに関する研究、生活習慣指導プログラム介入研究、
健康診断時に得られたデータから新しい健康・メンタルヘルスの指標を考案する研究
(3) 受託事業(2 題)
脳卒中及び生活習慣病の重症化予防事業等 2 題
(4) 健康診査事業
過疎地及び離島を含む職域と地域での健診、ストレスチェック等
(5) 教育・研修事業
一般を対象としたストレスセミナーシンポジウムの開催、専門家を対象とした研修会の実
施、留学生向けメンタルヘルス支援プログラムの作成、 健康増進セミナーの開催
(6) 相談事業
面接・電話カウンセリング、傾聴ボランティア活動支援等
(7) 広報・出版事業
専門家向け学術誌の発行、一般向け情報誌の発行、外国人留学生向けメンタルヘルス支援
パンフレット作成等
Ⅱ.先端生命医科学研究事業
先端生命医科学研究事業では、基礎研究として、本年度も胎生期の発育環境に関する「次世代のこ
ころとからだの健康確保」の研究を継続して実施する。
臨床研究支援事業は、治療における QOL の向上の評価及び至適な治療法に関するエビデンスとし
て、
「診断・治療と予防のガイドライン」に標準的推奨治療法を提案する。QOL を考慮した最適な個
別化治療を推進して、国民の疾患制圧を目標とした安心安全の治療戦略の構築に貢献する臨床研究の
実施を支援する。
(1)胎生期エピジェネティック制御研究(1 題)
(2)臨床研究支援事業・受託研究事業(55 題)
がん臨床研究支援、生活習慣病臨床研究支援、骨粗鬆症至適療法研究支援、ヘルスアウト
カムリサーチ、連携臨床研究等の実施の支援
(3)教育・研修事業
乳がん患者対象の研修会の実施、一般及び専門家対象の生命医科学市民講座の開催等
(4)広報・出版事業
乳がん情報ネット等
Ⅲ.研究助成事業
ストレス科学及び生命医科学分野における基礎研究並びに臨床研究のテーマについて公募により若
手研究者への研究助成を行う。
(1)助成対象:ストレス科学・生命医科学
(2)期間:原則 1 年間
(3)助成件数:10 件以内
(4)募集方法:財団ホームページ、大学病院医療情報ネットワーク等に募集情報を掲載、大学・
研究機関・学会等にチラシを配布し公募情報を周知。
(5)金額:1 件 100 万円以内、助成総額 1,000 万円以内
(6)対象:40 歳以下の若手研究者(個人、グループいずれも可)
Ⅳ.倫理審査委員会
臨床研究、疫学研究、ストレス科学研究に対しての倫理審査委員会の開催
Ⅳ.情報公開
ホームページによる情報公開等
一般健診・人間ドッグ事業(収益事業1)
職域における健診、住民健診、人間ドッグ
事業計画
ストレス科学と生命医科学に関する調査研究事業(公益目的事業1)
【ストレス科学研究所】
Ⅰ.ストレス科学研究事業
1.ストレスに関する調査研究事業
(1)
日本人のストレス調査(長期研究・継続研究)
本研究は、日本における地域や職域、世代ごとのストレスの実態を社会指標から算出される
“ストレス指数”として示し、その時系列的変化を把握する。本年度は、ストレスとの関連
が想定される社会の実態が反映された社会指標を選定するため、ストレスと関連性が多数検
討されている社会指標の抽出を継続するとともに、将来的にストレス指数の妥当性検討を行
う際に必要となるデータ収集のため、ストレスの実態調査を実施する。
研究代表者:青木和夫(日本大学)
(2)
PHRF ストレスチェックリストの活用に関するシステムの構築(中期研究・継続研究)
当財団法人が開発した PHRF ストレスチェックリストの価値をより高めるために、これまで
の信頼性と妥当性の検討に加え、再検査信頼性や予測的妥当性の検討を行う。構成概念妥当
性の検証の一環として、ストレス耐性尺度の作成を行う。さらに、商品化を目指して結果返
却や指導内容の標準化、結果返却システムの基本設計を行う。
研究代表者:今津芳恵(ストレス科学研究所)
(3)
ストレスと生活習慣に関するコホート調査(長期研究・継続研究)
早稲田大学スポーツ科学学術院との共同研究として、早稲田大学同窓生を対象とした長期縦
断大規模コホート研究(WASEDA’S Health Study)を継続する。疾病予防やストレス対策、健
康づくりに役立つデータの提供を目指す。対象者に対するストレス調査の項目提供と日帰り
ドックレベルでの健康診断を実施する。昨年度の東京に加え、本年度は、研究参加申し込み
状況に応じて、札幌、大阪、福岡でも同様の健診を実施する。早稲田大学とは、データ収集
や分析等に関する情報交換を実施する。
研究代表者:青木和夫(日本大学)
(4)
ストレスアセスメントツールの開発(中期研究・継続研究)
年齢や性別、職業などの異なる属性間のストレス状態を比較するためのスケール開発を行う。
ストレス反応を測定するためのスケールとして PHRF ストレスチェックリストが標準化済み
であるが、認知的評価傾向や対処(コーピング)方略選択傾向を測定するスケールは、大学
生を対象とした標準化にとどまっている。本研究で広く一般を対象とした標準化を目指すス
ケールは、“WASEDA’S Health Study”や“日本人のストレス調査”実施時に収集されたデータを
使用し標準化に着手する。また、生化学的ストレス指標に関する最新研究動向の情報収集を
行う。
研究代表者:児玉昌久(早稲田大学)
2.健康支援に関する調査研究事業
(1)
勤労者における腸内細菌とストレスに関する研究(中期研究・継続研究)
腸内細菌がストレス評価の客観的指標になるか否かを検討するとともに、生活習慣病の発症
予防を目的とした腸内細菌への介入研究を企画する基礎資料を得ることを目的に、勤労者に
おける健診時測定項目、腸内細菌、ストレス、生活習慣等の調査を 3 年間実施してきた。本
年度は昨年度に引き続き、データ解析及び学会発表、論文化を行う。
研究代表者:中西久(健康増進センター パブリック診療所)
(2) 生活習慣指導プログラム介入研究(中期研究・継続研究)
勤労者における腸内細菌とストレスに関する研究より、生活習慣、生活習慣病、ストレス、
腸内細菌の関連が明らかになり、従来の行動変容中心の保健指導に加え、生活習慣やストレ
スマネジメントに対する介入を検討する必要性があることが示唆された。そこで、従来の保
健指導に睡眠、ストレスマネジメント、腸内細菌等を加えた新たな保健指導プログラムを作
成する。
研究代表者:大橋靖雄(中央大学)
(3)健康診断時に得られたデータから新しい健康・メンタルヘルスの指標を考案する研究
健診データ及び職業性ストレス簡易調査票のデータの解析から、職場のストレスと生活習慣
並びに生活習慣病との関連を継続研究する。
研究代表者:中西久
3.受託事業
(1) 鹿児島県や都市部における生活習慣病の重症化予防対策と保健指導モデル事業
2011 年度から進めている伊仙町の脳卒中重症化予防事業を鹿児島県内の「脳卒中対策プロジ
ェクト」や、都市部(特に神奈川県内)において展開してきた。本年度は、各保険者(国保)
が目指すデータヘルス計画における生活習慣病の重症化予防対策や新しい保健指導モデル
等について検討する。
事業担当者:浜崎伸夫(ストレス科学研究所)
(2)健康保険組合のデータヘルス計画における生活習慣病重症化予防支援
これまで実施して来た生活習慣病重症化予防対策に関する成果を基に健康保健組合等が進め
るデータヘルス計画への応用・展開を検討する。健診やレセプト等から得られるデータを分
析し、生活習慣病の重症化予防策や、さらに効果的な保健指導の在り方を検討する。
事業担当者:浜崎伸夫(ストレス科学研究所)
4.健康診査事業
(1)職域における健診
過疎地及び離島を含む職域を対象として、健診を実施する。またがん健診の普及や改正労衛
法のストレスチェックの重要性を啓発すると共に、特殊健診(じん肺健診、鉛健診、有機溶
剤健診など)及び行政指導による健診(VDT健診等)を実施し、ストレスとの関係を研究
する目的でのデータ蓄積と分析を体系的に実施する。
(2)一般住民健診
過疎地域を含む地域での「一般住民健診」を行い、過疎地域での公衆衛生面での活動に貢献
すると共に、地域の保健指導を担う保健師と連携し、情報交換やストレスを含む保健指導に
於ける指導レベルの向上を図る。
(3)がん検診
胸部X線検査、胃部X線検査、便検査(大腸がん検査)などのがん健診を実施し、そのデータの
蓄積と分析を行う。胃部・胸部デジタル健診車を暫時配車し、フルデジタル化による精度向
上とフィルムレス化による費用削減と環境対策に努める。今後、がん健診の公益性を確立す
べく、
「ストレスと生活習慣病でもあるがんとの関係などの研究」について、分析研究を本格
化する。
5.教育・研修事業
(1)
傾聴カウンセリング研修会
広く一般及び医師や保健師等の専門家を対象に、傾聴カウンセリングの研修を行う。
開催予定:1 回 1 日間を年 3 回
(2)
参加者:各 20 名
健康教育研修会
医師、保健師、管理栄養士、臨床心理士等の専門家を対象に、ストレスやメンタルヘルスを
対象とした保健指導に関する研修を行う。
開催予定:1 回 1 日間を年 3 回
(3)
参加者:各 20 名
ストレス科学シンポジウム
日本心身医学会と共催で、広く一般を対象に、メンタルヘルスの啓発を目的にストレスやメ
ンタルヘルスに関する講演会を開催する。
開催日:2015 年 6 月
テーマ:
「うつにならない第 6 弾」
参加者:400 名
(4)
留学生メンタルヘルス支援プログラム作成
大学・大学院へ留学する学生について、留学生のセルフコントロールおよび教職員への教育
から成るメンタルヘルス支援プログラムを作成する。2014 年度に実施した早稲田大学職員
研修参加者の声や留学生のメンタルヘルスに対する実態調査をもとに、より実践的な内容
のプログラムを提案する。
参加者:30 名
(5)健康増進セミナー
全国の企業従業員・人事労務担当者・保健師及び広く一般の方を対象とした健康増進セミナ
ーを全支部単位で実施する。今期もストレスを中心とするテーマで、健康増進に関する啓発
セミナーとして開催する。
開催日:2015 年 11 月(東京)
、12 月(大阪・札幌)
、2016 年 1 月(福岡)
6.相談事業
(1) 面接カウンセリング
企業従業員及び広く一般を対象として、予約制にて臨床心理士が面接カウンセリングを実施
する。また、その傾向についての分析やカンファレンスを行う。
(2) 東日本大震災被災者向け電話相談
2011 年 3 月に発生した東日本大震災の被災者及びその家族を対象に、臨床心理士によるフ
リーダイヤルでの電話相談を継続実施する。
(3) 傾聴ボランティア活動支援
PHRF ヘルスケアカウンセラー資格認定者及び傾聴カウンセリング研修修了者による東京
都立松沢病院及び東京都健康長寿医療センターでの患者を対象とした傾聴ボランティア活
動を継続支援する。
7.広報・出版事業
(1) 機関誌「ストレス科学研究」の発行
ストレス科学を研究する専門家を対象にストレス科学に関する最新情報を提供するため、
「ストレス科学研究」第 30 巻を発行する。発行部数は 50 部。また、ストレス科学研究を
行う若手研究者の研究発表の場を提供するため、査読付き投稿論文を受け付ける。
(2) 情報誌「ストレスアンドヘルスケア」の発行
広く一般を対象にストレスや健康増進に関する情報を提供するため、発行部数 1000 部で季
刊発行を行ない、無料配布する。
(3) ストレスチェック
ストレスに関する知識の啓発のために、広く一般を対象に、ホームページ上でストレスの基
礎知識やストレスチェック、ストレス解消法などについて発信する。
(4) 留学生メンタルヘルス支援パンフレット
住み慣れた環境を離れ、学業や仕事のために海外に住む日本人、あるいは海外から日本に在
住する外国人に向けたメンタルヘルス支援パンフレットの作成をする。
【先端生命医科学研究所】
Ⅱ.先端生命医科学研究事業
1.先端生命医科学研究事業
(1)胎生期エピジェネティック制御研究
アレルギー疾患、発達障害、小児がん・白血病、口蓋烈や二分脊髄等様々な小児疾患が近年
漸増している。これらの疾病の傾向は、胎児・乳幼児期から始まっていることが最近解り始
めており、これらの原因となる環境要因、遺伝要因を明らかにすることと、それら 2 つの要
因の相関を明らかにすることが社会的要請である。しかし、これらに関する研究は、新たな
科学・技術開発を必要とするためにほとんど進んでいない。そこで、小児疾患の病態発生機
序を担う環境要因による障害を検証するための基礎研究を行う。その成果として、細胞を標
的とする新たな診断や治療法を創出することを目指す。
1)子宮内環境変化が胎仔エピゲノム状態に与える影響についての研究
研究代表者:浅野茂隆 (早稲田大学)
2.臨床研究及び臨床研究支援事業
(1)がん臨床研究支援事業(長期研究・継続研究)
「がん患者の QALY(Quality Adjusted Life Year) 向上のための社会心理的介入を含む治療
法開発支援事業(略称:がん臨床研究支援事業)」である。患者の心理社会的ストレスと
QOL を、目的別に適切な尺度で測定して、治療がストレスや QOL に及ぼす影響を具体的
に明らかにするとともに、臨床研究の主要評価項目である生存期間について、ストレスや
QOL が及ぼす影響を検討する。具体的には、以下を行う。①手術後の乳がん患者に対する
化学療法剤、
分子標的薬剤もしくはホルモン剤の再発予防効果と QOL に及ぼす影響を明ら
かにするための比較臨床研究を推進する。
②がん治療における副作用コントロールにより治
療成績向上や QOL 向上を検討する。③がん治療におけるバイオマーカーの研究は、今後の
個別化医療における重要な意義がある。大腸癌における KRAS 遺伝子変異や肺癌のEGF
Rm+変異に関して追跡調査をすることで分子標的薬剤の選択が行われ患者のコスト・QOL
の面から検討する。④生活習慣(食事・肥満・運動)や相補代替療法を含む支持療法、スト
レスやうつ病等が乳がんの発症リスクや QOL に及ぼす影響に関する疫学研究を引き続き
実施する。
1) 腋窩リンパ節転移陽性乳がん症例を対象とした術後化学療法ランダム化比較試験:N-SAS
BC 02 N-SAS BC:National Surgical Adjuvant Study Breast Cancer
昨年度にて、
試験開始 10 年余を迎え追跡調査データを含めた最終解析を行った。
本年度は、
その結果に基づく論文投稿を実現する。
研究代表者:渡辺亨(浜松オンコロジーセンター)
2) ホルモン感受性閉経後乳がん術後補助療法におけるタモキシフェン継続投与とタモキシフ
ェン-アナストロゾール順次投与のランダム化比較試験:N-SAS BC 03
研究代表者:相原智彦(相原病院)
3) ホルモン感受性閉経後乳がん術後補助療法におけるエキセメスタン、アナストロゾール、タ
モキシフェン投与のランダム化比較試験:N-SAS BC 04
研究代表者:穂積康夫(自治医科大学)
4) ホルモン感受性閉経後乳がん術後補助療法の初回治療としてアナストロゾール 5 年間服用
した症例を対象としてアナストロゾール 5 年延長の有用性を検討するランダム化比較試
験:N-SAS BC 05
研究代表者:岩瀬拓士(癌研有明病院)
5) レトロゾールによる術前内分泌療法が奏効した閉経後乳がん患者に対する術後化学内分泌
療法と内分泌単独療法のランダム化比較試験:N-SAS BC 06
2013 年 6 月に登録総症例 905 例にて登録終了済みで、今年度は中央病理判定及び
Translational research を開始する。本試験の追跡調査期間終了は 2023 年 6 月の見込み。
研究代表者:岩田広治(愛知県がんセンター中央病院)
6) HER2 陽性の高齢者原発性乳癌に対する術後補助療法に関するトラスツズマブと化学療法
併用のランダム化比較試験:N-SAS BC 07
2014 年 11 月 14 日に、総症例 275 例(目標 300 例)にて登録を終了した。しばらくは経過観
察で試験が継続となる。
研究代表者:澤木正孝(名古屋大学大学院)
7)
術前化学療法、原発巣手術施行後、病理学的に腫瘍が残存している乳がん患者を対象にした
術後補助療法における Capecitabine 単独療法の検討-第Ⅲ相比較試験-:JBCRG04
JBCRG:Japan Breast Cancer Research Group
研究代表者:増田慎三(国立病院機構大阪医療センター)
8) 治癒切除不能進行・再発大腸癌に対する初回化学療法の治療成績のプール解析による検討研
究:EMERALD 研究
最終結果報告を国内外の学会に発表を行い論文化に向けた検討を実施する。
研究代表者:大橋靖雄(中央大学)
9) 進行・再発非小細胞肺癌初回化学療法終了後患者の観察研究:SAPPHIRE 研究
論文化に向けて実行中。
研究代表者:國頭英夫(日赤医療センター病院)
10) 根治切除不能または転移性の腎細胞癌患者に対する 1st line TKI 療法不応後のエベロリム
スの有効性及び安全性の検討:J-ACTOR
本研究は 2011 年 2 月から登録開始し 2015 年 1 月にて最終登録症例の観察終了をもって
終了となった。今後の研究資金面の支援として、研究成果のとりまとめについては、別途、
ノバルティスファーマ株式会社と委受託契約にて実施となった。
研究代表者:大園誠一郎(浜松医科大学)
11) 肝細胞癌に対する肝切除またはラジオ波焼灼療法施行後の再再発症例に対する治療選択と
予後に関する観察研究
研究代表者:国土典宏 (東京大学)
12) 切除不能な大腸癌症例におけるセツキシマブを含む一次治療の観察研究:Cmab研究会
症例登録終了し、1 年目以降の追跡調査の中間報告を国内外の学会で発表する。
研究代表者:板橋道朗(東京女子医科大学)・ 室圭 (愛知県がんセンター中央病院)
13) 切除不能進行膵癌(局所進行又は転移性)に対する TS-1 通常投与法と TS-1 隔日投与法の
ランダム化比較試験
2013 年 8 月で目標症例の 190 例に達したため登録を終了した。安全性に関する中間解析を
実施し、学会発表を行う。
研究代表者:山上裕機(和歌山県立医科大学)
(2)生活習慣病臨床研究支援事業(中・長期研究・継続研究)
エビデンス発信を目指し、主要な生活習慣病である循環器疾患患者、慢性腎臓病患者、脂質
異常症患者等の病態や治療の実態と予後を調査する。患者の予後、心血管(CVD)イベン
ト発現等について、治療様式、併存疾患、ストレスや QOL が及ぼす影響などのリスク要因
を検討するために、様々な臨床研究・臨床試験、疫学研究を支援する。
1) 高齢者高血圧コホート研究 Sub-study:AI 測定追加調査
研究代表者:大内尉義(元・東京大学、現・虎の門病院院長)
2) 重症虚血肢における悪性腫瘍発生率に関する前向き観察研究
全例観察を終了、データの集積、解析を完了した。成果を学会誌に投稿、公表する。
研究代表者:重松 宏(東京医科大学)
3) 冠動脈プラークを有する患者に対するスタチンによる積極的脂質低下療法についての検
討:CSP-LD01
全例観察を終了、データの集積、解析を実施して成果を学会で報告した。投稿の際に支援を
行う。
研究代表者:横井宏佳(元・小倉記念病院、現・国際医療福祉大学)
4)
高 LDL コレステロール血症を有するハイリスク高齢患者(75 歳以上)に対するエゼチミ
ブの脳心血管イベント発症抑制効果に関する多施設共同無作為化比較試験:EWTOPIA75
試験 CSP-LD08
日本老年医学会との共同研究を継続し、症例登録を終了した。全例観察を継続する。
研究代表者:大内尉義(元・東京大学、現・虎の門病院院長)
5) 冠動脈疾患患者に対するピタバスタチンによる積極的脂質低下療法または通常脂質低下療
法のランダム化比較試験:REAL-CAD CSP-LD09
症例登録を終了した。全例観察を継続する。
研究代表者:永井良三(自治医科大学)
・松崎益徳(山口大学大学院)
(3)ヘルスアウトカムリサーチ(HOR)支援事業(長期研究・継続研究)
健康関連 QOL や医療経済評価を副次評価項目として実施し、ヘルスアウトカム研究を推進
する。CSPOR の SELECT BC、N-SAS BC 05、06、07 において健康関連 QOL などを副
次評価項目とし調査研究する。調査終了の研究については、学会発表及び論文公表を行う。
また、HOR13 及び HOR16 は調査を終了し、学会発表及び論文化を進める。
1) 乳がん患者の QOL・医療経済評価に関する調査研究(HOR 乳がん委員会で行っている調
査研究)
① 乳がんホルモン療法施行患者のホルモン関連症状スケールの開発:HOR01 研究
研究代表者:高山智子(国立がんセンター)
② 乳癌化療経験者に対する脱毛調査:HOR20
脱毛患者アンケートの集計および結果の論文化および学会発表を行う。
研究代表者:渡辺隆紀(仙台医療センター)
③ 乳がん化学療法に伴う脱毛等に対する医療者向け教育資材の開発:HOR21
脱毛に関する医療者向け教育資材の作成を行う。
研究代表者:渡辺隆紀(仙台医療センター)
2) 乳がん患者以外の QOL・医療経済評価に関する調査研究
① 肺癌患者における骨転移・骨関連事象に関する調査研究:HOR13 研究
QOL および CRC の活動に関する論文 2 報の投稿を行う。
研究代表者:江口研二(帝京大学)
② 抗がん剤の神経毒性に関する QOL 研究:HOR16 研究
最終論文を作成し投稿を行う。
研究代表者:島田安博(国立がんセンター中央病院)
(4)骨粗鬆症至適療法研究支援事業(長期研究・継続研究)
骨粗鬆症は、運動器不安定症、骨折・寝たきりなどさまざまな日常生活活動の障害につなが
り、高齢化社会の大きな問題となっている。骨粗鬆症に関する対処法、評価法をはじめ、重
症化抑制、骨折予防、QOL 向上について検討する。日本骨粗鬆症学会内に組織された骨粗
鬆症至適療法研究会(A-TOP 研究会)との連携のもとに疫学的研究(JOB、JOB-01)
、
および介入研究(JOINT-02、JOINT-03、JOINT-04)を継続する。
1) アレンドロネートと活性型ビタミン D3 製剤による大規模ランダム化比較臨床研究:
JOINT-02
骨密度変化と骨折率の変化の追加研究を論文化する。レスポンダー群とノンレスポンダー
群の違いの原因を明らかにする。
研究代表者:折茂 肇(骨粗鬆症財団)
2) リセドロネートとビタミン K2 製剤による大規模ランダム化比較臨床研究:JOINT-03
エンドポイントデータを 2013 年日本骨粗鬆症学会にて予報として発表したが、全解析を進
めて、国際学会発表するとともに、論文化を行う。また、QOL に対する影響の研究結果を
論文化する。Hcy と骨粗鬆症との関係を検証する。
研究代表者:折茂 肇(骨粗鬆症財団)
3) ミノドロネートとラロキシフェンによる大規模ランダム化比較臨床研究:JOINT-04(骨粗
鬆症患者におけるミノドロン酸水和物の非椎体骨折抑制効果の検証(Nominate:非椎体骨
折頻度に関する研究)を含む)
登録目標を 3500 例とし症例登録を継続中であるが、登録期間を 6 か月延長し、仮説検証に
必要な登録症例数を確保する。進捗状況報告、中間解析結果を日本骨粗鬆症学会にて発表す
る。last-patient out は、2016 年 8 月の予定である。
研究代表者:折茂 肇(骨粗鬆症財団)
4) 顎骨壊死と骨粗鬆症の関係を調査して明らかにしていくため、骨粗鬆症学会の中に委員会が
設置されたが、骨吸収薬治療との関係を調べる JOINT-04 研究の副次研究に合わせて、
ATOP 施設における歯科疾患の診断力調査と、歯科医との連携調査を行い、学会委員会に
報告するとともに緊急に論文化する。
(JOINT-04 付随研究)
研究代表者:田口 明(松本歯科大学)
(5)連携臨床研究支援事業(短期研究・継続研究)
上記(1)から(4)に関連する短期的な研究で、主に疫学研究や観察研究を実施する。
1) HPV(Human Papiloma Virus)に関する大規模臨床研究
日本人女性における子宮頸がん及びHPV関連疾患の実態調査を検討する大規模臨床研究と
して、医療機関受診者より採取した子宮頸部細胞のDNA型別検査によるHPVタイプの同定
(J-HERS3)と、尖圭コンジローマ患者を対象としたQOL調査(J-HERS4)の2つの研究を実
施した。本年度は、国外雑誌への投稿に向け論文作成を行う。
研究代表者:笹川 寿之(金沢医科大学)
2) 定期的な治療を受けていない COPD 患者に対するガイドライン標準治療効果の検討
COPD(慢性閉塞性肺疾患)患者のQOL向上については、早期からの治療が有効であること
が大規模臨床試験データで示唆されているが、現在、我が国において、未治療の患者への
ガイドラインに基づいた標準治療の効果は明らかになっていない。本研究では、QOLへの
影響、アドヒアランスに与える影響を調査している。解析結果については昨年度取りまとめ
が終わり学会発表も行った。本年度は論文投稿を行う。
研究代表者:瀬戸口靖弘(東京医科大学)
3) 2型糖尿病患者における治療薬の効果の検討
慢性疾患の代表であり国民病である糖尿病について、近年、2型糖尿病の治療薬として画
期的な作用機序を有するインクレチンが発売された。しかし、有効性、安全性については明
らかになっていない。本研究では、既存のスルホニルウレア薬で治療効果が低減した患者
へのシタグリプチン切り替えによる効果の検討(研究名STRICT-1)、未介入の患者への同剤
の効果、影響(同STRICT-2)を調査する。
研究代表者:荒木 栄一(熊本大学)
4) 癌化学療法時の悪心嘔吐観察研究
癌化学療法時には、高度催吐性及び中等度催吐性抗悪性腫瘍薬投与に起因する急性及び遅発
性の消化器症状が問題となる。本研究ではこれらの実態と、制吐療法の実態、さらに、医療
者側の CINV に対する予測の精度についても調査を行う。解析を進め、本年度は昨年度に引
き続き、論文化を進め、各癌腫ごとの結果についての論文作成を進める。
研究代表者:田村和夫(福岡大学)、相羽惠介(東京慈恵会医科大学)、佐伯俊昭(埼玉医科大学)
5) 中等度催吐性リスクのがん化学療法に伴う悪心・嘔吐の観察研究
中等度催吐性化学療法に対して標準的な制吐療法を確立するため,5-HT3 受容体拮抗薬とデ
キサメタゾンの 2 剤併用が行われた場合の悪心・嘔吐の実態について前向き調査を実施する。
本年度は、解析、論文作成を行う。
研究代表者:後藤 功一(国立がん研究センター東病院)
6) 重度腎機能障害(末期腎不全を含む)を伴う 2 型糖尿病患者に対するシタグリプチンの
有効性と安全性に関する観察研究
従来投与が禁忌とされていた重度腎機能障害の患者へのシタグリプチン投与が認められた
が、安全性、有効性に関するデータは得られていない。本研究では、カルテ情報を収集し、
シタグリプチン切り替え後の有効性、安全性に関するデータを収集する。
研究代表者:西田 健朗(国家公務員共済組合連合会 熊本中央病院)
(6)研究受託事業(中・長期研究・継続研究)
1)
転移・再発乳がんに対するタキサン系薬剤とティーエスワンのランダム化比較試験:
SELECT BC SELECT BC:Selection of effective chemotherapy
2013 年 7 月にて追跡調査を終了し、
最終解析を行った。
また、
その成績を ASCO2014(5 月)、
乳癌学会(7 月)等で披露した。本年度はさらに医療経済的評価を盛り込んだ学会発表を行う。
研究代表者:向井博文(国立がんセンター)
受託先:大鵬薬品工業株式会社
2) 乳がん患者のコホート研究 05、乳がん患者のコホート研究 06、乳がん患者のコホート研究
07
研究代表者:山本精一郎(国立がん研究センター・がん対策研究班)
受託先:国立がん研究センターがん対策情報センターがん情報部・統計部研究班
3) TAP-144-SR(3M)の閉経前乳癌患者に対する術後補助療法に関する比較研究 (終了後の追
跡調査)
3年目の追跡調査を実施する。
研究代表者:紅林淳一(川崎医科大学)
受託先:武田薬品工業株式会社
4) 転移・再発乳がんに対するアンスラサイクリン系薬剤とティーエスワンのランダム化比較試
験:SELECT BC-CONFIRM
2013 年 12 月 27 日、総 230 例の症例集積にて登録終了済みで、経過観察実施中である。
研究代表者:向井博文(国立がん研究センター東病院)
受託先:大鵬薬品工業株式会社
5) エストロゲン受容体養成 HER2 陰性乳癌に対する S-1 術後療法ランダム化比較第Ⅲ相試
験:POTENT
症例集積が順調に推移したことを受け、解析精度を向上させる目的で目標症例を 1,860 例に
変更し、症例登録推進中である。
(2015 年 1 月 1,576 例集積)
研究代表者:戸井雅和(京都大学医学部付属病院)
受託先:大鵬薬品工業株式会社
6)
エストロゲンレセプター陽性再発乳癌を対象としたエベロリムス使用症例における口内炎
予防のための歯科介入無作為化第 III 相試験(Oral Care-BC)
研究代表者:新倉直樹・太田嘉英(東海大学医学部)
受託先:ノバルティスファーマ株式会社
7) イソフラボン・乳酸菌の摂取と前立腺癌発症リスクの関連性を検証する予備的症例対象研究
研究代表者:伊藤一人(群馬大学大学院院医学系研究科)
受託先:株式会社ヤクルト本社
8)
低リスク前立腺癌患者を対象とした低用量クロルマジノン酢酸エステルのアクティブサーベ
イランス継続率に対する効果を検討する多施設共同、プラセボ対照、無作為化二重盲検群
間比較試験
本年末まで症例登録を継続する。
研究代表者:赤座英之 (東京大学 先端科学技術研究センター)
受託先:あすか製薬株式会社
9) 局所進行頭頸部扁平上皮癌に対する導入化学療法(ドセタキセル+シスプラチン+セツキシ
マブ)と放射線治療及びセツキシマブ併用療法の第 II 相試験
本年 10 月までに登録を終了する。
研究代表者:田原信、全田貞幹(国立がん研究センター東病院)
受託先:ブリストル・マイヤーズ株式会社
10) 再発・転移頭頸部扁平上皮癌に対する Paclitaxel + Carboplatin + Cetuximab(PCE)併用
療法の第 II 相試験
2014 年 10 月で目標症例に達したため登録を終了し、今後国内外の学会で発表予定である。
研究代表者:田原信(国立がん研究センター東病院)
受託先:メルクセローノ株式会社
11) EGFRm+の進行・再発肺癌(NSCLC)治療の観察研究(CSPOR-LC02)
最終データを国際学会及び国内学会に発表し論文化をする。またLC-2Aとしてゲフィチ
ニブ使用症例だけの新たな解析を行い、国際学会及びJSMOに発表予定。論文化に向けて
の解析を実施し投稿予定。
研究代表者:國頭英夫(日赤医療センター)
受託先:アストラゼネカ株式会社
12) 病理病期(P-STAGE)T1N0M0 及び T2N0M0の非小細胞肺癌完全切除例における術後治
療についての観察研究
研究代表者:國頭英夫(日赤医療センター)
13) 根治切除不能または転移性の腎細胞癌患者に対する 1st line TKI 療法不応後のエベロリムス
の有効性および安全性の検討
同名の臨床研究で、J-ACTOR 研究グループが推進・実施したもので、研究成果発表のため、
ノバルティスファーマ株式会社から受託研究として資金提供を受けるものである。
研究代表者:大園誠一郎(浜松医科大学泌尿器科)
受託先:ノバルティスファーマ株式会社
14)フッ化ピリミジン系薬剤、オキサリプラチン、イリノテカン、セツキシマブ、ベバシズマブ不応の
RAS 野生型切除不能・進行再発大腸癌を対象としたセツキシマブ再投与の有効性・安全性
を検討する第Ⅱ相臨床試験
研究代表者:水沼信之(公益財団法人がん研究会 がん研有明病院)
15)進行悪性黒色腫に対するニボルマブの有効性評価とバイオマーカーに関する研究
研究代表者:山崎直也 国立がん研究センター中央病院
河上 裕 慶應義塾大学 先端医科学研究所
16) 日本 CKD コホート(CKD-JAC)研究:慢性腎臓病患者を対象とした疫学研究
13本の論文を作成支援を行い、投稿する。
研究代表者:菱田 明(浜松医科大学内科学)
受託先:協和発酵キリン株式会社
17) 本邦における糖尿病と睡眠時無呼吸症候群に関する疫学研究:JEDAS study
英語論文を作成、投稿する。
研究代表者:赤沼安夫(財団法人朝日生命成人病研究所)
受託先:帝人ファーマ株式会社
18) Ⅱb 型高脂血症患者に対するフェノフィブラートとエゼミチブの併用療法における臨床効
果(EFECTL Study)
:CSP-LD07
全例の観察を終了した。データを解析し、結果を論文化、公表する。
研究代表者:及川眞一(日本医科大学)
、山下静也(大阪大学医学部附属病院)
、
中谷矩章(中谷内科クリニック)
受託先:あすか製薬株式会社
19) 慢性心不全患者を対象とした Adaptive Servo Ventilator に関するレトロスペクティブコホ
ート研究(SAVIOR-R)
:CSP-LD11
論文を作成し投稿、公表する。
研究代表者:百村伸一(自治医科大学附属さいたま医療センター)
受託先:帝人ファーマ株式会社
20) 慢性心不全患者を対象とした Adaptive Servo Ventilator に関するランダム化比較試験
(SAVIOR-C)
:CSP-LD12
観察を終了した。データを解析し、結果を論文化、公表する。
研究代表者:百村伸一(自治医科大学附属さいたま医療センター)
受託先:帝人ファーマ株式会社
21) 潰瘍性大腸炎に対する B.ブレーベ・ヤクルト株を含む発酵乳とプラセボ飲料とのランダム
比較試験(パイロット試験):CSP-LD10
症例登録終了後、中間解析を実施した結果、試験中止となった。データ解析を実施し、実行
委員会開催の準備を行う。
研究代表者:日比清勝(慶應大学病院)
受託先:ヤクルト本社
22) 小児アトピー型軽~中等症喘息に対する SHARP 製プラズマクラスターイオン®発生機と
プラセボ機の二重盲検ランダム化比較試験
研究代表者:勝沼俊雄(東京慈恵会医科大学付属第三病院)
論文を作成して投稿、公表する。
受託先:シャープ株式会社
23) 第3期慢性腎臓病を伴う高尿酸血症患者を対象としたフェブキソスタット製剤の腎機能低
下抑制効果に関する多施設共同,プラセボ対照,二重盲検,ランダム化並行群間比較試験
(FEATHER Study)
症例登録は終了した。観察を継続する。
研究代表者:木村健二郎(聖マリアンナ医科大学)
・細谷龍男(東京慈恵会医科大学)
受託先:帝人ファーマ株式会社
24) レセプトデータベースを用いた大腿骨骨折幹部骨折発生頻度の検証:JOB-01
研究代表者:細井孝之(医療法人財団健康院 健康院クリニック)
受託先:日本イーライリリー株式会社
25) 骨折リスクの高い原発性骨粗鬆症に対するテリパラチドとアレンドロネートの大規模ラン
ダム化比較臨床研究 JOINT-05:週 1 回テリパラチド製剤の非椎体骨折抑制効果の検証研究
について、施設参加、症例登録を開始し、推進する。
研究代表者:折茂 肇(骨粗鬆症財団)
受託先:旭化成ファーマ株式会社
3.教育・研修事業
(1)
CSP-HOR(ヘルスアウトカムリサーチ)研修会
ヘルスアウトカムリサーチ関連の研究発表及び情報提供の場として、一般を対象とし研修
会を開催する。
開催日:2015年6月27日
(2)
参加人数:200名
生命医科学市民講座
広く一般及び専門家を対象に、健康な子どもを育てることを社会全体で考えるための生命医
科学の最先端の情報を分かりやすく提供することを目的に、市民講座を行う。
開催日:2016年3月
参加人数:200名
4.広報・出版事業
(1)乳がん情報ネット
乳がん患者及びその家族の不安やストレスの軽減を目的に、webを通じた乳がんの治療等に
関する正確な医学情報を提供する。
Ⅲ.研究助成事業
ストレス科学及び生命医科学分野における学際的な学術の振興を目指し、基礎研究ならびに臨床研究
のテーマについて、公募により、若手研究者への研究助成を行う。
(1)研究助成選考委員会の開催
研究助成選考委員会において、2014年度助成対象研究の研究成果確認、2016年度の募集内容
の決定、2016年度助成対象研究の採択を行う。
(2)研究の公募と選考委員会
財団ホームページ、大学病院医療情報ネットワーク等に募集情報を掲載、大学・研究機関・
学会等にチラシを配布し2016年度公募情報を周知する。2016年度助成対象の選考は、研究助
成選考委員会(2016年2月開催予定)において行い、選考基準に則り助成対象者および助成
額を決定する。研究期間は1年間、助成額は1件100万円以内、助成件数は10件以内、助成総
額1,000万円以内、助成対象者は40歳以下の若手研究者(個人、グループいずれも可)を予定
する。
(3)成果報告
助成期間終了後に提出された成果報告の概要を財団のホームページに掲載する。また、研究
成果を機関誌「ストレス科学研究」に掲載し、研究成果報告会(2016年12月開催予定)を開
催する。
Ⅳ.倫理審査委員会
臨床研究、疫学研究、ストレス科学研究に対しての倫理審査委員会を月に 1 回開催し、
外部からの審査も受託する。
委員長:森眞由美(東京都保健医療公社多摩北部医療センター)
Ⅴ.情報公開
事業活動及び情報公開事項については、随時ホームページで更新する。
一般健診・人間ドッグ事業(収益事業1)
Ⅵ.一般健診・人間ドッグ事業
職域における健診、地域における住民健診、人間ドッグを実施する。
管理運営
財団の事業活動について、一層の公益増進を図るとともに、管理面においては経営の健全化及
びコンプライアンスについての意識の向上や個人情報の保護をはじめとした情報セキュリテ
ィの強化を図る。
(1)評議員会
2015 年 6 月
定時評議員会
2016 年 3 月
臨時評議員会
その他、必要に応じて臨時評議員会を開催
(2)理事会
2015 年 6 月
通常理事会
2016 年 3 月
通常理事会
その他必要に応じて臨時理事会を開催
(3)監事監査
2015 年 5 月及び必要に応じて実施
(4)外部監査
外部監査の実施
(5)業務執行運営会議の開催
以上