2回北杜市ふるさと創生会議 議事録

第2回北杜市ふるさと創生会議 議事録
1.会議名
第2回北杜市ふるさと創生会議
2.開催日時
平成27年7月27日(月) 午後13時30分~15時15分
3.開催場所
北杜市役所北館大会議室
4.出席者
(1)北杜市ふるさと創生会議委員
清水謙雄、舩木良、坂本榮富、中谷なおみ、清水正隆、仁科香奈子、今井久志、吉田百加
利、日向勝、山田一郎、深澤虎太郎、清水正敏、輿水順彦、桶本隆男、小林昭治、藤巻眞
史、藤原真史、清水裕、鈴木和幸、岩下明、大芝正和
(2)北杜市
市長、教育長、企画部長、総務部長、市民部長、福祉部長、生活環境部長、産業観光部長、
建設部長、議会事務局長、教育部長、監査委員事務局長、農業委員会事務局長、会計管理
者、明野総合支所長、須玉総合支所長、高根総合支所長、長坂総合支所長、大泉総合支所
長、小淵沢総合支所長、白州総合支所長、武川総合支所長、産業観光部次長、政策秘書課
長、財政課長
5.会議次第
(1)開会
(2)委員長あいさつ
(3)市長あいさつ
(4)議事
①北杜市人口ビジョン(案)について
②北杜市総合戦略(案)について
③その他
6.公開・非公開の別
公開
7.傍聴人の数 4名
8.審議内容
■会議次第(2)委員長あいさつ
今回、第 2 回ふるさと創生会議として忙しいなかお集まりいただいた。過日、TV で北杜
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市に農業生産法人が多く進出していることについて報道されたが、そのなかで、北杜市の
対応が非常に良いとの話があった。市の窓口が相談に乗ってくれて、他の地域よりも土地
も見つけやすかった、いろいろな形で優遇がされているなどの話があった。この会議では、
10 年後の人口をどうするかということが議題となっているが、雇用の場の創出と住宅の整
備などについて、総合的に検討する必要があると思う。今回は総合戦略について骨格の提
案・説明がある。内容を聞いていただき、いろいろなご意見を伺うなかで、いい方向に向
かいたいと思っている。活発な議論をお願いしたい。
■同(3)市長あいさつ
北杜市合併から 11 年目を迎えた。平成の大合併は、規制緩和、地方への活力、財政健全
化が大きな柱であったが、北杜市は「新しい時代に新しいふるさとをつくろう」というこ
とで誕生した。そのなかで、財政健全化が一丁目一番地と思い、職員とともに進めてきた
が、いい成果が出ていると思う。次の大きな課題は、人口減少と少子高齢化への対応であ
るが、そのなかで、昨年、市では定住促進計画を策定した。今後、行政も人口構成を見な
がらかじ取りをしなければならない。人口構成の是正をしないと、国も地方も先が見えな
いと思う。国も地方創生が内政の最大の課題となっているが、一つの大きな柱は、人口減
少にどう歯止めをかけるか、もう一つの柱は、地方の疲弊をどう克服していくか、という
ことである。より具体的には、①東京一極集中の是正で地方に疲弊をどう止めるか、②若
者の就労の場を地方につくり、結婚、子育て、育児への切れ目ない支援をどう行っていく
か、③地方の特性、潜在能力を活かして、どう産業を興していくか、この 3 点が大きな政
策課題である。どの自治体も地方版総合戦略をつくることになっているが、雇用の機会創
出が重要な課題である。また、住宅も大きな課題である。市としても 5 年計画の総合戦略
策定するにあたり、スピード感を持って対応していくつもりである。産学官金労言の皆さ
んにメンバーになっていただき、市としても心強く思っている。
北杜市の総合戦略は非常に注目されていると思う。国土国交省、観光省の事業として八
ヶ岳観光圏、総務省の事業として八ヶ岳定住自立圏を進めている。また、昨年ユネスコエ
コパークに南アルプスが登録されたが、本市の誇りである「水」について、
「世界に誇る水
の山宣言」を行うなど、地方創生に並行して話題もたくさんある。北杜市としてもキャッ
チフレーズとして、
「一流の田舎まち(住んでいる人が誇りをもって、都会の人の心や体が
自然と北杜市に向くようなまちづくり)
」を標榜しているところである。また、委員長から
も話があったが、食が注目されるなか、農業生産法人が 20 社を超えて進出してきているな
かで、
「安全安心日本の台所
北杜市」を宣言している。教育、環境でも「たくましい北杜
っ子、原っぱ教育」などを推進している。今後、地域に若者が就労できるような場を作る
こと、そして住宅政策をしっかりと位置付けていく必要があると思う。皆さんの知見を総
結集していただき、北杜市版の総合戦略を作っていきたい。戦略の最終年度である 2020 年
に向けて、いい北杜市の未来をつくっていけるよう、英知を結集してほしい。
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■同(4)議事①北杜市人口ビジョン(案)について
資料1により北杜市人口ビジョン(案)の説明がなされた。
■質疑応答
【委員】
P22 の将来人口推計において、平成 52 年、平成 72 年時点での人口を社人研の推計と比
べて各々7,000 人の上乗せとなっているが、自然増減、社会増減の内訳はどう見込んでいる
か。また、総合戦略の期間が 5 年間となっているが、5 年後の平成 32 年の数値についても
自然増減、社会増減をどうみているのか。
【北杜市】
社会増減については、今後住宅施策を重点的に進めることにより、5 年後には 1,800 人の
増加を見込んでいる。また、転入者に対して、子育て支援施策に力を入れることで段階的
に 1,700 人程度の自然増を目指すものである。
■同(4)議事②北杜市総合戦略(案)について
資料1により北杜市総合戦略(案)の説明がなされた。
■質疑応答
【委員】
P39 の④空き家の利活用促進について、KPI で空き家バンクの成約件数が年間 20 件にな
っているが、この目標を達成するための具体的な方法論があったら教えてほしい。
【北杜市】
空き家バンクへの登録を増やす取り組みとして、5 月より行政区長の協力のもと市内の空
き家を調査している。その結果、320 件程度の空き家があることが判明した。各地域に移住・
定住アドバイザーを設置するが、空き家バンクへの登録が可能かどうか個別に確認をしな
がら、空き家バンクの登録・成約件数を増やしていきたい。
【委員】
提案だが、空き家は所有者だけの問題ではなく、各行政区としても問題であるという意
識を持つことが重要である。空き家の調査を進めているのはいいことだと思うが、空き家
バンクへの登録、成約が進んだ場合に、行政区に対して補助金を出し、移住者へのサポー
トに使ってもらってはどうか。各行政区も人口が減るなかで財政も厳しくなってくるが、
空き家問題の解決や若者の移住へのインセンティブになるのではないか。子育て支援住宅
を建設するよりも経済的であると思う。行政区に対する空き家問題の意識付けが必要であ
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り、また、具体的な個人への補助よりも、地域全体にお金が回るようにしたほうがよいの
ではないかと思う。
【北杜市】
即答はできないが、提案として承りたい。移住者の不安に対しては、アドバイザーや移
住・定住窓口の設置など、相談に乗れる体制を整備していく。
【議長】
空き家バンクには数年前から取り組んでいるが、貸す側の立場に立つと、知らない人に
貸すのはハードルが高い。先ほどの農業生産法人の例でも、企業がすべて取りまとめるの
ではなくて、市の担当が取りまとめてくれれば進出しやすいという話があった。現状、空
き家バンクに登録していない空き家がたくさんあると思うが、そのあたりがクリアできれ
ば、貸す側も安心して貸し出せるのではないか。また、新しく入ってくる人に対して、教
育や雇用、医療などについ相談できる体制があると、不安が取り除ける。このような相談
窓口などが充実してくると空き家バンクの活用も進むのではないか。
空き家をもう一度住めるようにするには費用が掛かる。賃貸料などで賄えればいいが、
そうでなければ、そのまま何もしなくてもいいやとなる。リフォームなどの補助制度をう
まく活用できるようにすれば、空き家バンクの実効性も高まるのではないか。
【委員】
八ヶ岳観光圏の立場で、道の駅の整備・拡充についてお聞きしたい。道の駅こぶちざわ
が全国 49 の重点道の駅の一つに認定されたが、今後どのような方針で取り組むのか。計画
があれば教えてほしい。
【北杜市】
今年 4 月から観光案内所を道の駅内に設置し、重点道の駅にも指定されたところである。
今後については、八ヶ岳定住自立圏のなかで富士見町、原村と協議を始めたところであり、
その中で検討していきたい。議会でも駐車場が狭いのではないかという意見があり、今年
の GW には調査も行った。今後、その辺の整備も含めて検討していく。
【委員】
P50 の特定空き家について、KPI の行政代執行 0 の意味を教えてほしい。本人の責任で
処理しろという意味か。市では何もしないという意味か。
【北杜市】
行政代執行に至る前に処理したい、という意味である。所有者の方に説明するなかで根
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気よく進めていきたい。
【委員】
行政代執行となる前に、話し合いで解決するという意味か。
【北杜市】
内容により、いろんなケースがあると思うが、相続人の確定などいろいろな方法により、
行政代執行に至る前に、解決したいという思いである。
【委員】
良い方向であると思う
【委員】
北杜市には幼稚園がない。認定こども園を設置する予定となっているが、以前にあった
帝京短期大学の幼稚園の再開について、市からお願いをしていただきたい。
【北杜市】
帝京短期大学の幼稚園について、市からお願いをすることは考えていない。市としては、
今ある保育園の中に、幼稚園の機能を持たせた認定こども園の設置を進めていきたい。現
在、八ヶ岳南麓、須玉・明野、南アルプス・甲斐駒の3エリアで検討を進めている。
【委員】
P34 の「地域に声が響くまち」で、KPI が相談件数となっている。本来は相談がないほ
うが良いと思うので、相談件数よりも満足度のほうが指標としては良いのはないか。
【北杜市】
ご指摘のとおりである。指標の変更を検討する。
【委員】
P45 の KPI 観光客入込数が 451 万人、5 年間で 2 割増となっているが、国内市場が縮小
するなかでは目標達成にはインバウンドの取り込みが必要であると考える。また、
「世界に
誇る」、
「世界の顔」という文言があるが、戦略の本文中には「インバウンド」が一言も載
っていない。戦略の中で「インバウンド」をしっかりと位置付けるべきではないか。
5つの重点プロジェクトの相乗効果があらわれるようなマネジメントが肝要である。こ
の地域の生産性を維持するためにも、また、交流人口拡大という意味でも、
「国際交流」を
戦略の中で位置付けてほしい。
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【北杜市】
インバウンドについては検討していくが、戦略の本文中に「世界に誇る~」や「DMO」
、
「多言語パンフレット」などが記載されており、インバウンドは自明のものとして捉えて
いる。この戦略に基づいて、世界に向かって市の観光資源を発信していくということであ
る。
【委員】
空き家で周りに草が生い茂っているが、敷地には立ち入り禁止というケースがある。こ
のようなケースにおける相談窓口はあるか。
【北杜市】
市内に特定空き家は 500~600 戸程度あると認識している。今現在では、個人の敷地内に
は立ち入りできない。この件に関しては、協議会などで計画を立てていく段階である。相
談窓口は建設部まちづくり推進課となっている。特定空き家に関する要望もいくつか聞い
ているが、今後計画に沿って事業を進めたい。
【委員】
本件の空き家所有者が法律に詳しいため、草が生えていても何もできず、周りの人が迷
惑している。早めの対応をお願いしたい。
【議長】
行政代執行 0 を目指すという話もあったが、
話し合いで解決できるようにお願いしたい。
【市長】
冒頭で「住宅施策」が重要であるとの問題提起を行ったが、空き家も重要な課題である。
空き家については、借り手よりも貸し手が圧倒的に不足している。先祖代々住んでいた家
を貸したくないという気持ちもわかるし、東京などに住んでいても、年に 1~2 回くらいは
実家に戻りたいという気持ちもあると思う。借り手対策よりも貸し手対策が重要である。
実際の貸し借りということになれば、民・民での契約になると思うが、行政がどれだけ中
に入り込むことができるか、また、借り手と貸し手がどれだけ安全に契約できるのか、真
剣に考えていきたい。今、詳細を詰めているところであるので、ご理解いただきたい。
【委員】
総合戦略の方向性として、大局的にはこれでよいと思う。一方、地方交付税が減少し、
人口も減少していけば財源は減っていく。限られた予算の中で、いかに合理的・効率的に
財源を使っていくのか、見極めが必要である。戦略の重要度をみながら、効率的な予算策
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定が重要である。具体的施策を明確にしながら、どれくらい予算をかけることができるの
か、その費用対効果はどうなのか、そのあたりを含めて議論を進めてほしい。
【委員】
戦略の位置づけについて 1 点、KPI について 2~3 点質問したい。まず、戦略の 5 つ目の
「山紫水明プロジェクト」の④移住・定住促進に向けた情報発信について、内容的には、
2つめの「一流の田舎まちプロジェクト」に入れたほうがふさわしいのではないか。
【北杜市】
ご指摘いただいたとおりである。変更のうえ、次回提示する。
【委員】
P50 特定空き家に関する KPI の行政代執行数について、市内には空き家数が多く、実際
に周りの迷惑になる空き家もある。国が KPI の達成を強く求める中で、0 件という目標は
どうなのか。所有者のなかには、のらりくらりとかわす人もいるかもしれない。行政とす
れば適切な指導で解決することが望ましいが、権力の行使をちらつかせることも時には必
要なのではないか。ここで 0 件を目標とすることが、もしかすると事業を進めえるうえで
手かせ足かせにはならないか。
【北杜市】
次回会議までに検討させていただきたい。
【委員】
P32 の基本目標に対する KPI で、合計特殊出生率と出生数があるが、出生率の改善が出
生数の増加に繋がるという理解でよいか。その場合、先ほど子供を産む世代(0~40 歳)が
5 年間で 1,800 人増えるとの説明があったが、そうだとすると、出生数はもっと増やしても
いいのではないか。このあたりの数字の整合性はどうなのか。
【北杜市】
P32 は転入なども含んだ数字である。相当頑張る必要があるとは思うが、何とか達成し
たいと考えている。
【委員】
P37 社会増減について、KPI が H26 年の 173 人増から H31 年には 410 人増となってい
る。人口ビジョンの説明で、転入者は高齢者、転出者は若年層が多いということであった。
また、子育て支援策により、0~40 歳の子供を産み育てる世代が 5 年間で 1,800 人増加する
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とすれば、年平均 360 人増となる。このほか、現在の転入増を支えている高齢者層・退職
世代も考慮すると、理屈とすれば、もっと上乗せした KPI の設定も可能ではないか。
【北杜市】
子育て世代に特化した住宅施策を導入するが、若い世代に限らず全体の中で社会増を増
やしていきたい。
【委員】
若年層への働きかけを重視しないと社会増を達成できないと思うので、メリハリをつけ
て進めてほしい。
【委員】
P50 防災体制について、地域間で防災対策ができればよいと思う。先日、白馬で大きな
地震があったが、幸い大きな被害はなかった。それは地域間で助け合ったこと、地域間の
つながりが強かった効果が大きいと聞いている。北杜市もそのような体制が取れればよい
と思う。
【北杜市】
地域のつながりを大事にした防災意識の定着について、今後防災教育、防災意識の啓蒙
を進めるなかで参考にしたい。
【委員】
計画はおおむね良いと思う。市長にお願いであるが、P24 にある「近隣自治体との連携
を深め、地域の中心市としての役割を高めます」について、ぜひ実現してほしい。非常に
重要なことなので、記載場所をもっと目立つところにしてほしい。
また、P38 の子育て支援住宅と就労支援住宅の整備については、子供を増やすために有
効な手段であると思う。ぜひ実現してほしい。
【市長】
高度に発達した社会では、ヒト・モノ・カネ・情報が都市に一極集中する傾向がある。
そのため、各地域がそれぞれ独自に地方の活性化について知恵を出そうというのが、総務
省の定住自立圏構想のなかに表れていると思う。参考までに山梨県で定住自立圏の中心市
となっているのは甲府市、富士吉田市、北杜市である。これは昼間人口が夜間人口よりも
多い都市である。その中で、機関車になれるようなモデルを作ろうというのが定住自立圏
の狙いである。北杜市は定住自立圏においては富士見町、原村とタッグを組むわけである
が、北杜市が中心となって地方活性化の機関車になるというのが定住自立圏構想であると
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考えている。地方創生の中でもプライドをもって、地域の中心市としての役割を果たして
いきたい。そして、北杜市が地方活性化のモデルになれるように取り組んでいきたい。
【委員】
子育て世代の定住促進に注力するのであれば、特色ある教育にこだわるべきではないか。
北杜市には甲陵中学・高校と中高一貫の進学校があり、いい環境であると思う。原っぱ教
育との二本柱で、わかりやすく差別化を図ってはどうか。子育て世代にインパクトのある
PR をする必要がある。教育にこだわったほうが、子育て世代が増えていくのではないか。
オリンピックキャンプ地の誘致はいいと思う。財政再建も重要ではあるが、お金がかか
っても進めるてほしい。候補地になれば、宣伝効果は大きいと思う。ぜひ PR を頑張ってほ
しい。
【北杜市】
甲陵高校で中高一貫教育を進めており、より一層 PR を進めていきたい。また地域の小中
学校でも、各校とも頑張って原っぱ教育などに取り組んでいる。積極的に情報発信をして
いきたい。オリンピックについては、練習地になるかどうかはともかく、手を上げること
が、北杜市を知っていただくいい機会であると思う。ぜひ PR していきたい。
【議長】
総合戦略について、何点かご意見をいただいた点については、次回までに検討するとの
回答であった。その点を踏まえて、原案は賛成ということでよいか。
■同(4)議事③その他
次回の会議について、8 月 18 日(火)の午後、ふれあい館で開催する予定である。
■閉会の言葉(副委員長)
本日、総合戦略の大綱を承認していただいた。5 つのプロジェクトそれぞれでシナジー効
果が発揮されるには、PDCA サイクルをしっかりと回していくことが非常に重要である。
各々が役割を踏まえながら、今後も創生会議を通じて、北杜市が日本を代表する機関車に
なれるように頑張ってほしい。
平成 27 年 7 月 31 日
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