特集・2 日町や鷹匠小路等のナイトの部に誘 うといった形で、市民の方々に楽し んで頂ければと思う。いずれにして も、現在の中心市街地は憩える場所 が限られている。 六日町のビルでは、 そのための新たな空間を提供する」 ―自宅と職場の他の第 3 の居場所、 サードプレイスを、来街者に提供す るのが、我々の役割と思う― 同ビルを市民のための第 3 の居 場所として提案し、来街者一人一人 の滞留時間を増やすことにより、中 心市街地に賑わい溢れる空間を創造 するとの、先代の遺志を継いだ中村 社長の大戦略を垣間見ることができ た。 ■三日町にぎわい拠点施設■ 六日町複合ビルと連結する形で八 戸市で整備するのが、三日町にぎわ い拠点施設だ。同施設は、1 階のイ ベント等、多目的に使用できる広場 に加え、一部 2 階も造成。高い天井 空間を確保し、屋根をかけ、全天候 型の広場を創造する施設の計画であ る。 広場は、機能を固定せずに、日常 利用を基本としつつ、多目的に利用 可能な空間として整備。施設の機能 として「広場」 「休憩スペース」を 主体とし、付随するトイレ等も設け る計画である。 同施設構想は、六日町複合ビルと 連結させ、広い歩行者空間を確保す るだけに止まらず、寺横町から中央 通りまでの花小路の整備も含まれ る。 にぎわい拠点施設の完成により、 多くのイベントや事業の開催が見込 まれる。 また、全天候型の歩行者空間が新 たに確保されることから、同施設完 成後も、継続的に市民を始めとした 来街者が、確実に増加するものと期 待されている。 多彩な事業で顧客を誘引 小中野新丁商店会 「Buy はちのへ補助は、第 38 回湊まけ る日抽選会で申請。八戸のイベントとして PR できるので最高です」。湊商栄会の三 浦会長は、同運動の宣伝役も買って出る。 深夜 0 時頃からの朝市に始まり、早朝の 魚菜市場、 午前 ・ 午後の各商店営業と “日 の沈まない商店街”の活動は目まぐるしい。 春はグレット観桜会、夏は七夕まつり、そし て秋は恒例の「イサバのカッチャコンテス ト」、冬は郷土芸能他の合同発表会等の 季節イベントに加え、春と冬には“感謝際” を開催。毎月第一日曜日には、日曜新鮮 市も実施。「現在、陸奥湊駅の観光案内 所を運営。海の朝市や魚菜市場等への 観光案内をすることもある。昔は市場を抱 え、賑わいに満ちた商店街だった。湊に 来れば面白い!そう言われる商店街を目指し たい」と決意の程を語る。 会長 河村和男 様 湊商栄会 「毎年 12 月に実施している“お買い物イ ベント”は今年で 6 回目。Buy はちの への補助を頂き、助かってます」と語る のは、八戸駅前商店会の工藤会長。同商 店会では、このイベントの他、 “ふるさ とフェスタ”との共同出店(鰯の稗ご 飯や、甘酒等)や、屋台が並ぶ程の春 のお花見会を町内会と共同開催する等、 多彩な事業が目立つ。 「今後は、数年前 まで行っていた飲食系のラリーを復活 させたい。また、新幹線の駅前との利 点を活かすため、市に対し、駅東口へ の観光バス乗り場の設置を要望。台湾 等からの観光客もチラホラ見受けられ るため、外国人観光客への対応も急務。 新幹線北海道延伸を視野に入れた品揃 えの提案等、八戸の玄関口として、成 すべき事業は多い」と気を引き締める。 会長 三浦辰男 様 会長 工藤悠平 様 八戸駅前商店会 八戸では中心市街地以外の商店街でも活発な事業を行っている。八戸商店街連盟(類家徳昌会長) では、 「Buy はちのへ運動」の目的に沿った商店街事業に対する補助制度を設ける等、事業支援を行っ ている。中心街以外の元気な商店街について、その事業活動と今後の方向性を聞いた。 「数年前から休会に近い状態だった。事業は 小中野新丁夜店くらいで……」 小中野新丁 商店会の河村会長は、開口一番、そう語った。 震災での住民減少や旧旭商会の取壊し等、 商店街活性化に向けた好条件が減少する中、 新丁夜店 100 周年を迎えた H25 年に、Buy はちのへの補助や全信連のにぎわい補助を申 請。「これまでの夜店に、大抽選会やステージ イベントを加えた所、大いに盛り上がった。100 年も続いた新丁夜店を、今後も更に盛り上げ ていく」と決意の程を語った。今後の意気込 みについて、河村会長はこう語る。「今後は、 会員交流事業等を充実させて、商店街活性 化に導きたい。また、近隣商店会との交流を 密にし、タイアップ企画等も考えてみたい。ただ、 その前に、駅に近く、バスの本数も多い、この 恵まれた条件を活かした、歩行者通行量の増 加と、空き店舗の解消が急務だ」。 今年の「イサバのカッ チャコンテスト」 お買い物イベント抽選 会の様子 新丁夜店 ・ ステージイベントの一つ「カラ オケ大会」 HCCI 2015. 01. 05 6 変貌する八戸の商業地図 中心街活性化と 元気溢れる商店街 特集・2 合ビルの建設計画で、事 業主体は㈱八日町プロ 八戸市では、 「第 2 期八戸市中心 ジェクト(代表取締役 ・ 市街地活性化基本計画」の認定を受 田名部智之氏)である。 け、それに基づき現在、中心街活性 同計画は、震災前から 既に存在した。平成 2 年 化に取り組んでいる。 第 2 期基本計画は、メインター の長崎屋閉店後から比較 ゲットを、市民や圏域住民等地域 的長期間にわたり遊戯施 の 生 活 者 と し、 「 多 彩 な 人 々 が 集 設 が 1、 2 階 を 使 用。 震 い、多様な機能が集積する「八戸の 災数年前から遊戯施設も 顔」にふさわしい個性溢れるまちづ 閉鎖されたままとなって くり」をテーマとして、4 つの基本 おり、首都圏の会社が管理していた 方針のもとハード、ソフト合わせて 状況が続いた。 この状況に危機感を抱いた、中心 50 事業を実施中だ。 市街地近隣で幼年期を過ごした方々 ■八日町複合ビル整備事業■ が中心となり、㈱八日町プロジェク 第 2 期計画の目玉となるハード事 トを設立。㈱田名部組 (代表取締役・ 業について、八日町複合ビル整備事 田名部智之氏)で土地を購入し、職 業がある。 旧長崎屋の建物を解体し、 住一体型となった複合ビルの建設決 職住一体型となった 14 階建ての複 定に至った。 同ビルは、5 mの歩行空間を確保 したり、中心街ターミナル ・ 中央通 りバス停の待合所を新設する等、公 共的なスペースも提供。1 ~ 3 階は 物販や飲食等の商業スペースとし て、4 ~ 7 階まではオフィス向けに、 そして8~ 13 階を分譲マンション として建設。最上階(14 階)は展 望レストランとし、市民 ・ 観光客共 に楽しめる施設として整備する。 平 成 28 年度中には完成予定だ。 ―昔の賑わい溢れる中心街を再度 我々、地元の“オール八戸”集団で 創り上げなければならない― 行政や関係機関、地元商店街との 連携の元、 “はっち”や六日町複合 ビルとの相乗効果で、中心市街地活 性化を期す、田名部社長を始めとし たプロジェクトメンバーの熱い想い 八日町複合ビルのイメージ が伝わる。 ■第 2 期計画が始動■ 7 HCCI 2015. 01. 05 六日町複合ビルのイメージ(六日町側から) ■六日町複合ビル整備事業■ 六日町複合ビル整備事業も、第 2 期計画の大きな事業の一つ。旧レッ ク並びに、 旧マルマツビルを解体し、 4 階建ての商業ビルを建設する計画 だ。事業主体は㈱江陽閣(代表取締 役 ・ 中村彰氏)である。 同地区も震災前に㈱江陽閣が取 得。構想としては、1、 2 階並びに 4 階に飲食や物販のテナントを配し、 3 階はオフィススペースとして提供 予定。 また、 「屋上にテラスを設けて、 植栽を行い、ちょっとした都市公園 的なビルとして整備したい」と中村 社長は語る。 同事業では、賑わい形成に繋がる 新たな都市空間“マチニワ”の提供 を計画のコンセプトとし、隣接する 三日町にぎわい拠点施設(八戸市で 計画)からトンネル回廊で六日町に 貫く構造とする等、中心市街地に回 遊性をもたらす仕掛けづくりを行 う。平成 28 年の春に完成する予定 だ。 「 “はっち”で様々な体験を行い、三 日町のにぎわい拠点施設で演奏会等 を楽しんで頂いた後、六日町のビル で少し飲食等を楽しんでもらい、六
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