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わたしたちの「 真 岡自慢 」2
Cotton
木 綿 の 歴 史 と伝 統 を受け継ぐまち
かつて江戸時代、真岡といえば木綿の代名詞とし
その後、開国による輸入錦糸の流入などで真岡木
て知られていました。丈夫で質が良く、
絹のような肌ざ
綿は衰退し、戦後はほとんど途絶えていましたが、昭
わりの真岡木綿は絶大な人気を博し、江戸の問屋に
和61年に真岡商工会議所が中心となって「真岡木
よる木綿の仕入高の約8割が真岡木綿であったとの
綿保存振興会」を立ち上げ、昔ながらの技術と伝統
記録も残っています。
をしっかりと受け継いで今に伝えています。
若い人たちに真岡木綿の素晴らしさを伝えていきたい。
栃木県伝統工芸士(真岡木綿) 花井恵子さん・渡邉恵子さん・後藤ケイ子さん
真岡木綿を受け継ぐ伝統工芸士の3名。左から花井
さん、
渡邉さん、
後藤さん。
「使えば使うほど風合いが変わり、
柔らかくなじんでく
るのが木綿の良さ」
と話す花井さん。
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私は真岡育ちで、昔から家で祖母が綿を作って
機織りで難しいのは、
自分がイメージしていた色を
機織りをするのを見ていました。真岡では、
家で使う
どのように出せるかという、
経糸と緯糸の加減です。
布は自分で織るのが当たり前だったんですね。
そう
糸の合わせ具合でまったく違うものになり、
隣りの色に
して育ったこともあって、
「真岡木綿」の復活事業が
よっても色が変わって見えるなど、
糸の微妙な合わせ
始まったときに私も参加させてもらいました。
自分で
具合が出来上がりを大きく左右します。
自分の考えて
布を作るなんて、
やはり女性にとっては憧れの一つ
いた色味通りに出せるかどうかは難しく、
それを追求
ですし、
純粋な興味もありましたから。
(後藤さん)
していく奥深さが、
難しさでもあり、
面白さですね。
木綿作りは綿の種まきに始まり、栽培して収穫ま
最初の綿作りに始まり、丹念に心を込めて織りな
で行い、
糸を紡ぐことでようやく準備が整います。緯
がら、最終的に一反の木綿が出来上がるととても
糸のための糸紡ぎでは15グラムの紡ぎ玉を40個、
愛おしい。
それが着物や小物になって皆さんに使っ
全部で600グラム作ることが必要です。
それまでに
てもらえるととても嬉しいです。
(渡邉さん)
は大変な手間と時間がかかります。
私は織子の代表をやらせていただいています
糸を染めたあと機織りの行程へと進み、
それが
が、
先輩方に長く続けていただけるように、
また若い
布になっていくわけですが、
その全てを手作業で行
人に真岡木綿の素晴らしさを伝えていくために頑
うことが、真岡木綿づくりの行程なんです。1人で最
張りたいですね。江戸時代から続く真岡の伝統工
初から最後までを行うものづくりの面白さが、真岡
芸を、
次の世代にしっかり継承できるようなパイプ役
木綿の醍醐味ですね。
(花井さん)
になっていきたいと思います。
(花井さん)
わたしたちの
「真岡自慢」
Inheriting the History and Tradition of
Cotton
In the Edo period (1603‒1868) Moka was famous for its
production of cotton. Moka cotton enjoyed immense
popularity thanks to its toughness, good quality, and silky
touch. Today the Society for the Preservation and
Promotion of Moka Cotton engages in activities to continue
and transmit this historical technology and tradition.
真岡木 綿の機 織り
传承木棉的历史与传统的城市
筬通し
(おさとおし)
した糸を織り機の手前の布に
そう
固定し、
織り始める。踏木を交互に踏みながら綜こ
うを上下させ、
その間に杼(ひ=シャトル)
を使って
緯糸を一本一本入れながら布を織っていく。
At the Moka Cotton Hall you can observe spinning and the
production process and actually experience weaving and
dyeing. As a commemorative event marking the 60th
anniversary of the city administration, the Moka Cotton
Fashion Show was held at the Okabe Kinenkan Kinreiso,
at which past Miss Cottons appeared dressed in Moka
cotton.
江户时代提到真冈,就会令人联想到木棉。结
实且优质、丝绸般触感的真冈木棉受到极大的
欢迎。现在“真冈木棉保存振兴会”忠实地继
承了昔日的技术和传统,延续至今。
在真冈木棉会馆除了可参观纺纱及生产工序之
外,还可体验机织及染色技术。为纪念行政市
制度施行60周年,在冈部纪念馆金鈴庄主办了
“真冈木棉时装展”,身着真冈木棉的历代木
棉小姐登场展示。
綿(わた)
の栽培と収穫
綿の種は5月中旬にまかれ、
7月から8月
になると花が咲き始め実を付ける。9月
頃から実がはじけ始め、
白い綿のコッ
経糸(たていと)
と緯糸(よこいと)の合わせ具合で色を
表現していく。
トンボールとなり収穫する。
この白い綿
色 鮮 や かな 真 岡 木 綿 の
数々。織りや染めによるさまざ
まな色の変化が楽しめるのも
真岡木綿の魅力の1つ。
白く可愛らしい実をつける綿。
ちなみに綿の
花は真岡市の「市の花」でもある。
糸紡ぎを経て、木綿の布
になる。
この糸を作るまで
にも大変な手間と時間が
かかっている。
が一本の糸になる。
真岡木綿のファッション
ショーを開催
市制施行60周年を記念して、岡部記
念館金鈴荘で「真岡木綿ファッション
ショー」
を開催。真岡木綿を身にまとっ
た歴代のミス・コットンたちが登場。
白い綿から糸に紡いでいく。
こうしたひとつずつの地道な
作業の積み重ねを経て真岡木綿の布が出来上がる。
真岡木綿が作られる
「真岡木綿会館」
真岡木綿会館では糸紡ぎや生産工程が見学でき
るほか、
機織りや染色体験ができる。
伝統工芸士ほ
か織り子の皆さんがここで真岡木綿を作っている。
真岡木綿会館/荒町2162番地1 TEL.0285-83-2560
色鮮やかな真岡木綿の着物がステージを
飾った。
Cidade que herda a história
e a tradição de algodão
No período Edo, Moka era conhecida como a
cidade do algodão. O algodão de Moka era
resistente, de boa qualidade, com a sua
textura como a de seda, e fazia muito
sucesso. A Associação de preservação e
promoção do algodão de Moka herdou as
técnicas e a tradição antigas e atualmente
faz a sua divulgação.
No Salão do Algodão da Cidade de Moka
podem-se conhecer os processos de produção
e fiação, além de experimentar o tecer e o
colorir. Em comemoração ao sexagésimo
aniversário do município de Moka, foi
realizado o desfile de moda de algodão de
Moka na Residência Okabe Kinrei-so.
Desfilaram as sucessivas misses algodão com
roupas feitas de algodão de Moka.
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