発展途上国であるマレーシアで日本

マレーシア 報告書
医学科医学部5年次 O.Y (Male)
「目的」
発展途上国であるマレーシアで日本とは違った医療を見ることで、日本の医療を再認識す
る。
「何を学んだか」
マレーシアは発展途上国の中の医療システムとしては国際的に高評価を得ている。実際に、
自分の目で各地を見てそのことを肌で感じることができた。簡潔に述べると、まず公的な
病院と私的な病院がはっきりと分かれており、医療費の負担において公的な病院ではほと
んど無償で行なわれる。ただし、カナダなどで言われるように公的な病院は混雑するため、
緊急性の低いものは長期間待つことになる。そのため余裕のある人は私立病院で自己負担
で治療を受ける。もうひとつの大きな特徴としては、マレーシアでは医師不足のために、
田舎のほうではメディカルアシスタントといわれる人がプライマリーケアなどを行なうこ
とで医療を提供していることが挙げられる。彼らは二年間のトレーニング期間によって資
格を得て、ナースとともに田舎における医療を担っている。そして、田舎で方で特徴的で
あったことは母子医療に重点が置かれていて、一般診療とは別に母子医療の区画を設置し、
生後短い子供の場合は訪問診療を行なっている。これらのほかに、結核に対する医療機関
の存在や、保健所の行いなどを見てきたが、別紙に詳細を記載した。
このように、マレーシアでは日本と全く違った医療システムによって医療が行なわれてい
ることを見てきた。マレーシアのシステムでは、ある程度医療費も抑えられて国民に広く
医療を提供する事が可能であり、母子保健に力を注ぐことで出産や育児におけるリスクを
減らしている。このような点ではマレーシアは非常に優れていると思う。しかし問題点は、
貧富の格差が現れやすいことである。また、日本ではより先進的な医療が行なわれている
など、相違点も数多く存在するため、どちらがいいかなどと言うことはできない。ただ、
メディカルアシスタントのような制度は参考にできる点が少なくないと思う。
今回、一番学んだことはどういった医療制度がベストなのかを模索する必要があるという
ことだ。以前、TPP によって自由診療の枠組みが広がり医療格差が広がる、といった議論
なども起こったように、国際社会の状況、日本の経済状況によっても医療体制は変わりう
る。その中で、現行の医療制度の中でどう対応するかという視点以外に、医療制度自体を
変えるという可能性を強く感じることが出来たということが一番大きいと思う。