2015/9/7 究極の電波望遠鏡アルマと、 その科学成果 国立天文台教授 アルマ地域センター・マネージャー 立松 健一 電波望遠鏡って何? • ベランダのパラボラ・ア ンテナ • 長野の野辺山にある電 波望遠鏡 • 直径(大きさ):45m • 重さ:700トン 車700台分 1 2015/9/7 目でみたオリオン座 電波で見ると Seiichi Sakamoto et al. http://jira.alma.cl/browse/SCOPS‐1234 ©文部科学省 一家に1枚 天体望遠鏡400年 2 2015/9/7 光で見る宇宙と、 電波で見る宇宙 • 目で見えるのは「可視光」(波長0.数ミクロン) – 表面が6000度の太陽の光(を物体が反射したも の)を見るのに最適に設計されている – よって、夜、空に見えるのは表面温度が数千度~ 数万度の太陽のような「大人の星」 • 「ミリ波サブミリ波」波長1mm程度の電波 – 温度がマイナス150度以下の(絶対温度で10~ 100K)の「冷たい宇宙」がみえる 宇宙の輪廻(りんね) 3 2015/9/7 アルマ電波望遠鏡の紹介 • 国立天文台が、日米欧19か国の世界協力で、 地球の反対側のチリにつくっている電波望遠 鏡 • 正式な名前:アタカマ大型ミリ波サブミリ波干 渉計 • チリで使われているスペイン語で「たましい」 の意味がある • 2002年建設開始(2004年日本参加)、2013年 開所式 アタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計 • 電波の種類 – 波長1~10ミリはミリ波と呼ばれる • 野辺山の45m電波望遠鏡などでも観測している人気 の電波 – 波長0.1~1ミリはサブミリ波と呼ばれる • 電波天文学のフロンティア:宇宙での謎の解明に大き く活躍すると期待されている • しかし、空気中の水蒸気で大きく吸収される • 観測は、標高5000m以上か大気圏外のみで可能 4 2015/9/7 アタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計 ALMA観測所の現地(チリ・アタカマ砂漠) 【最適な立地条件】 ミリ波サブミリ波を吸収する水蒸気が少なく観測条件が良い 高地(標高5,000m)で乾燥サブミリ波が観測可能 十分広い平坦地(10数km) アクセス、治安も良い 山麓施設(標高2,900m) 山頂施設(標高5,000m) アタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計 • 電波望遠鏡には2種類ある。 – 単一鏡(パラボラアンテナ1つ) – 干渉計(パラボラアンテナ複数) • 干渉計は、敷地の大きさのパラ ボラアンテナに相当する視力を 持つ。 • 干渉計の原理 ケンブリッジ大学 のマーティン・ライル博士がノー ベル賞を受賞した(1974年)。 • アルマでは66台以上のアンテナ を組み合わせます。 5 2015/9/7 アタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計 • 山手線サイズ(18km) • 望遠鏡の分解能=実効的大きさ/観測波長 • ハッブル宇宙望遠鏡(視力600)の10倍の分 解能(視力6000) 観測対象に応じて専用の移動台車でアンテナを移動 日本が担当したモリタアレイ © ALMA/ESO/NAOJ/NRAO 視力 • 角度の1分角(1/60度) を見分けられるのが視 力1.0 • 視力2.0は0.5分角が見 分けられる 6 2015/9/7 視力 視力 ∝ 望遠鏡の大きさ÷波長 目 視力1.0 瞳孔4mm 波長0.5ミクロン(可視光) ハッブル視力600 口径2.4m 波長0.5ミクロン(可視光) 視力600 直径1.8km 波長0.3mm(サブミリ波) アルマ 視力6000 直径18km 波長0.3mm 視力6000のアルマだと、東京から大阪にある1円玉が 見分けられる! ALMAのアンテナ 驚異のハイテク・マシン • 鏡面精度(‐20~20℃、日射、風、重力の影響 下で) – 25ミクロン以下(12mアンテナ) – 20ミクロン以下(7mアンテナ) – ある温度での実測値は数ミクロン • 絶対指向精度(全天で):2秒角以下 • 相対指向精度(近傍の標準電波源を参照し て):0.6秒角以下 7 2015/9/7 日本のアンテナ モリタアレイ • 12m4台+7m12台 ALMAの特徴 (1)ハッブル宇宙望遠鏡を10倍超える視力(解 像度) 望遠鏡の大きさ=アンテナ間の最大間隔 (2)これまでの電波望遠鏡を30-100倍超え る感度 アンテナの台数、高感度超伝導受信器、広い受信帯域幅 (3)星、惑星、銀河の誕生をとらえるのに最適 な波長「サブミリ波」への挑戦 (1)(2)「桁違いの性能の望遠鏡」 8 2015/9/7 ALMAの歴史 日:LMSA構想(1983) 米:MMA構想(1983) 欧:LSA構想(1995) 2013年 開所式 • ..¥電波天文とは¥uhd_comp_alma_2014.mov 9 2015/9/7 アルマがめざすサイエンス 科学目標 1 惑星系の誕生 科学目標 2 銀河の誕生と進化 科学目標 3 宇宙の物質進化 以上の科学目標を達成するため、アルマ望遠鏡は次の性能を持つ ①高い視力で天体を細かく観測:ハッブル宇宙望遠鏡の10倍 ②高い感度で遠くの天体を観測:これまでの電波望遠鏡の30-100 倍 私たちの好奇心 • 宇宙で、どのように天体(星や惑星、そして銀 河)が誕生し、どのような一生を送るのか – 電波望遠鏡で、天体の誕生を調べる • 宇宙における生命の起源=我々の起源 – 地球のように生命をはぐくむ惑星はほかにありえ るのかーハビタブル・プラネット – 生命はどのように誕生したのかー宇宙での生命 関連分子の探査 10 2015/9/7 惑星系の「誕生」 われわれの太陽系 1995年まで我々が知っていた唯一の惑星系 Credit: NASA 11 2015/9/7 「京都モデル」 (林忠四郎ほか) • 太陽系の形成モデル としては「キャメロンモ デル」(重力不安定性) に圧勝 • しかし、多様な惑星系 の存在がありらかに • 京都モデルで説明す るのが難しそうな例。 キャメロンモデル? • 惑星移動の可能性:誕 生した場所から移動す る Jupiter-like gas giants Disk Mass Terrestrial Ice giants Distance from a star 24 © Eiichiro Kokubo 12 2015/9/7 われわれの太陽系 1995年まで我々が知っていた唯一の惑星系 Credit: NASA Credit: NASA 我々の太陽系 数千個の系外惑星の発見 惑星系の多様性 我々の太陽系は普通じゃない?? Hot Jupiter 灼熱の木星 13 2015/9/7 太陽系外惑星 • 1995年以降、ドップラー法、トラン シット法、直接撮像で、約3000個の 太陽系外惑星が見つかってきた。 • 水星軌道以内の巨大惑星、海王 星軌道以遠の巨大惑星の発見 我々の太陽系は普通ではなかった。 惑星系の多様性。 • さまざまな惑星形成モデル:集積モ デル?重力不安定性モデル?惑 星移動メカニズム?アルマで実証 的に解明 • アルマで人類史上初めて惑星形成 の現場を見る すばるで発見された太陽 型恒星の周りの木星の10 倍の重さの惑星(直接撮 像) 高温の系外惑星 我々の太陽系 トランシット法による発見Credit: NASA 京都モデル(集積モデル)vsキャメロンモデル(重力不安定性) • そして惑星移動 14 2015/9/7 視力6000で初めて観測可能となる惑星系 形成の現場 ハッブル宇宙望遠鏡による観測 ©STScI オリオン大星雲を背景として円盤の端の部分が影と して見える。中心星は生まれたばかりの若い星。 計算機シミュレーション例(Bryden et al. 1999)。 原始惑星が円盤のガスや塵を集めながら成長。どのモ デルが正しい?⇒アルマの観測で検証 野辺山45mでみたオリオン大星雲 Field 5 Field 4 Field 3 15 2015/9/7 上:ハッブル画像(視力600) Mann et al. 2014 下:初期運用のアルマ345GHz(視力120) 原始星HL Tau周りの原始惑星系円盤 T Tau型星 年齢約100万年 視力2000 Bryden et al. (2000) ALMA Partnership, Brogan, et al. (2015) 16 2015/9/7 HL Tau ALMA Partnership, Brogan, et al.(国立天文台チリ観測所研究者を14名含む ) (2015) ApJL, in press • D1:D2:D3:D4=1:2:4:8 レゾナンス(共鳴) • Spectral index I∝ • dust emissivity index = = 0.8 for D1 0.7 for D2 0.6 for D5 0.3 for D6 Drain 2006 17 2015/9/7 HL Tau Zhang et al. (2015) mid‐plane condensation front CL=包接水和物、ハイ ドレート(水分子のか ご状構造の中に他の 物質の分子が入り込 んだもの HL Tau (100万歳) では惑星が非常に 早く形成!! (C. Hayashi+85, PPII) 18 2015/9/7 Ros and Johansen 2013 Ice condensation as a planet formation mechanism 水の3態 19 2015/9/7 ハビタブル・プラネット 生命居住可能惑星 • 生命が誕生するのに適した環境の惑星 – 液体の水が存在 – 温室効果(二酸化炭素が凍ってドライアイスに なってしまうほどには遠くない) – 地球型惑星 Credit: ESO HD142527を取り巻くガスと 固体微粒子の円盤 深川美里(阪大)ほか2013 Herbig Fe star, 2 Mo • アルマ望遠鏡が観測した固体微粒子の分布 を赤色、ガスの分布を緑色、すばる望遠鏡が 近赤外線で観測した円盤を青色で示した。 20 2015/9/7 天文学における角運動量(回転)問題 • 角運動量=Iω=mr2ω=mrv rot • (トルクがない場合)角運動量は 保存する • 角運動量が保存したままだと、 星が誕生しない(あるところで原始 星付近の重力と遠心力がつりあっ てしまい「落ち込めない」) Copyright © The Worlds of David Darling Bodenheimer+95 Ann. Rev, Astron. Astrophys. 33, 199 J/M ∝R1.6 GMC 21 2015/9/7 原始星からのジェットHH 46/47 Class I 原始星 Arce et al. 2013 ピンクと 紫:可視光 (Credit: ESO/Bo Reipurth) オレンジと緑:アルマ • 角運動問題の1つの解決法 • ジェットで角運動量を外へ持ち出す 位置速度図 距離=450 pc, 1 arcmin=0.15pc 周期的な放出=200-300yr, 円盤の不安定性 22 2015/9/7 原始星周りの円盤 L1527 Class 0原始星 坂井南美(東大)ほか L1527 Nature誌 坂井南美(東大)ほか Nature誌 • (星付近の重力と遠心力が釣り合う)「遠心力 バリア」の発見 • バリアにぶつかることによる加熱SO分子の 生成 23 2015/9/7 ハビタブル・プラネット 生命居住可能惑星 • 生命が誕生するのに適した環境の惑星 – 液体の水が存在 – 温室効果(二酸化炭素が凍ってドライアイスに なってしまうほどには遠くない) – 地球型惑星 Credit: ESO 24 2015/9/7 原始惑星系円盤での「CO雪線」の発見 • 原始星TW Hya (T Tau型星)の周りのN2H+ 分子で観 測した円盤 Chunhua Qi et al. Science, "Imaging of the CO Snow Line in a Solar Nebula Analog“ 60AU hole 若い主系列星(新成人)の周りの残骸塵 円盤でCO分子ガスの発見、Dent et al. 2014, Science 25 2015/9/7 星のセカンドライフ 26 2015/9/7 シニアな星R Scl のアルマ画像 ガスの宇宙空間への放出(CO分子) Maercker et al. 2012, Nature 490, 232 (Cy0) • ..¥電波天文とは¥R_Scl¥eso1239d.mov 27 2015/9/7 望遠鏡はタイムマシン 光速を超える情報伝達はできないので、遠い天体は昔の天体 Credit: NASA, ESA, S. Beckwith (STScI) and the HUDF Team 28 2015/9/7 科学目標 (2) 銀河形成と諸天体の歴史の解明 膨張宇宙の晴れ上がり直後まで見通す高い感度により、誕生する銀河 を捉え、可視光では見えない銀河や諸天体の歴史を解明。ミリ波サブミ リ波では、遠方になっても強度が落ちないので、宇宙初期の銀河の誕 生や進化を研究するのに大変有利。 ミリ波 サブミリ波 可視光 赤外線 アルマで観測する ミリ波サブミリ波 遠方で急激に暗く ほとんど同じ明るさ 29 2015/9/7 赤方偏移z • • • • • • • • • z さかのぼる時間 0 0億年 0.5 51億年 1 78億年 3 116億年 5 126億年 6 128億年 7 130億年 10 133億年 宇宙年齢 138億年 現在 87億年 60億年 22億年 12億年 10億年 8億年 5億年 アルマが観測する深宇宙 (シミュレーション) アルマで観測できる近傍銀河は少なく、遠方銀河が多い。 宇宙初期(遠方)の銀河の誕生や進化の研究に有利。 Source: Wootten and Gallimore, NRAO アルマが観測する深宇宙 の近傍銀河の予想 アルマが観測する深宇宙 の遠方銀河の予想 ビッグバンから50億年後(赤方偏移1.5 )で近傍、遠方を区別 30 2015/9/7 ハッブルが観測した深宇宙 ハッブルで観測できるのは近傍銀河が多く、 遠方銀河は少ない。 Source: K. Lanzetta, SUNY-SB ハッブルが観測した深宇宙 の近傍銀河 ハッブルが観測した深宇宙 の遠方銀河 ビッグバンから50億年後(赤方偏移1.5 )で近傍、遠方を区別 銀河の化学進化 サブミリ波銀河LESS J033229.4 ビッグバン後は水素とヘリウムだけ、いつ炭素、窒素ができたのか • 長尾透(京大愛媛大学) • 宇宙の初めでの炭素、窒素量比の初めての測定(z=4.76, ビッグバンから13億年後) • 炭素、窒素量比は現在と変わらず • 非常に早く銀河の化学進化が進んだ! 31 2015/9/7 銀河の誕生:100個以上の 遠くの原始銀河の発見 赤:アルマ870um、緑・水色:赤外(Spitzer) Hodge et al. 2013 銀河あたりの星誕生率 <103 太陽質量/年の上限! Karim et al., MNRAS 432, 2, LESS B7 Some SF model LABOCA ALMA 32 2015/9/7 2つの銀河の「出会い」 次世代の星の誕生 • アンテナ銀河 • 青:ハッブル • 赤と黄:アルマ • 銀河間の潮汐 力で、次世代 の星の誕生が 活発化 Credit: ALMA (ESO/NAOJ/NRAO). Visible light image: the NASA/ESA Hubble Space Telescope アンテナ銀河 2つの銀河の「出会い」 次世代の星の誕生 Espada, 小麥,Muller, 中西,齋藤, 立松ほか • 潮汐効果で星の 誕生率が1桁増加 していることを発 見 log SFE (/yr) = ‐8.2 33 2015/9/7 Merger Remnantsの観測 植田、伊王野、Espada、廿日出、松田、(チリ観測所)ほか(2014)ApJS214,1 • nuclear and extended molecular gas disks are common in the final stages of mergers 渦巻銀河の中心にある超巨大ブラッ クホールから噴き出すジェット • NGC1433と、その 中心部のクロー ズアップ • 青:ハッブル • 赤・黄:アルマ • Combes et al. 2013 34 2015/9/7 青:ハッブル 赤・黄:アルマ CO(3‐2) • Seyfert 2 重力レンズ天体SDP.81(z~3.04)の高解 像度画像(視力2000) • • 2015年2月17日に公開された試験観測データですでに論文が7本投稿・出版されている – アルマ・プロジェクトALMA Partnership, Vlahakis, et al. 2015 (国立天文台チリ観測所研 究者を13名含む) ApJL, in press – 廿日出、伊王野(国立天文台チリ観測所)ほか – 田村陽一(東大)ほか (2015) PASJ, in press 銀河の最中心部の質量分布 約3億太陽質量以上 35 2015/9/7 SDP.81 ALMA B6 and B7 Dye et al. (2015) SDP.81 ALMA vs Hubble Dye et al. (2015) 36 2015/9/7 SDP.81 ALMA CO(5‐4) and CO (8‐7) mom0 Dye et al. (2015) SDP.81 ALMA CO (8‐7) and CO(5‐4) mom1 and mom2 Dye et al. (2015) 37 2015/9/7 重力レンズ caustic 焦線 ブラックホールと母銀河の共進化 • 共進化とは、 – 2001年、銀河の成長にはブラッ クホールの成長が深く関わって いることが初めて示唆された。 McConnell & Ma 2013 Ferrarese & Merrit 2000 M-σ関係の発見 – 近年、早期銀河と晩期銀河の 間で、微妙に違うM-σ関係が見 つかった。(左図) – しかし、まだまだこれらを優位 議論できるレベルではなく、特 に、ブラックホール質量の 精密な測定法の確立が求 められている。 McConnell et al. 2011, McConnell & Ma, 2013 76 38 2015/9/7 ALMAによるブラックホール観測 大西響子(総研大)、井口(チリ観測所)ほか2015 ApJL • N1097 – ALMA Cycle 0 – ALMAの高感度観測により NGC1097 のブ ラックホール質量 の測定に成功!(右の図) Onishi+ 2015 ApJL – 観測 on-source 時間 20分。ALMAの、この圧 倒的感度を持って、今後、他の天体でも測定 を開始する予定。 宇宙最大級の爆発 「ガンマ線バースト」 • 廿日出(国立天文台)ほか、Nature誌 • バーストが発生した場所では塵が多い。紫外 線による分子ガスの散逸の結果では? GRB 020819B Z = 0.41 ガス分布(ALMA CO 3‐2) ダスト分布(ALMA1.2 mm) optical (Gemini North) 39 2015/9/7 小惑星3 Juno 科学目標 (3) 宇宙の物質進化 実験室での周波数測定との比較などにより、これまで100以上の分子が宇 宙空間で発見されてきた(一酸化炭素、酢酸、アルコール、アンモニア、な ど)。アルマの感度で、アミノ酸などの生命関連分子を含む興味深い物質 の宇宙での発見や、物質進化の研究が大きく進むと期待される。 野辺山45m電波望遠鏡で発見された分子 アミノ酸の一種「グリシン」。電波 望遠鏡でまだ観測されてない。 40 2015/9/7 生命関連分子 • • • • • • 生命、タンパク質、アミノ酸 アミノ酸には左手系(L体)と右手系(D体)がある。 地球上の生命のアミノ酸はほとんどすべて左手系 隕石でも左手系アミノ酸が多い 右円偏光があると左手系アミノ酸ができやすい。 オリオン座大星雲での円偏光の発見 福江翼ほか ALMAが赤ちゃん星のまわりに生命構 成要素を発見 Jorgensen et al. ApJ 757, L4 (SV) • NASAの赤外線 観測衛星WISE による赤外線 画像とグリコー ルアルデヒド分 子(糖)のイメー ジイラスト Credit: ESO/L. Calçada & NASA/JPL‐ Caltech/WISE Team October 2012 82 41 2015/9/7 太陽系外のアミノ酸 • 2003年に台湾の研究者が電波望 遠鏡でもっとも簡単なアミノ酸であ るグリシンを発見したと論文を書い て、世界中の天文学者が驚いた。 • 実はガセネタだった。 • グリシン、次に簡単なアミノ酸アラニ ン(左手系右手系あり)の検出。今 後30年、可能性があるのはアルマ のみ。 42 2015/9/7 星の終焉 マゼラン雲の超新星1987A 超新星爆発で作られた大量の塵(赤) >0.2 Mo ハッブル可視光(緑)、チャンドラ衛星によるX線(青) Credit: ALMA (ESO/NAOJ/NRAO)/A. Angelich. Visible light (H) image: the NASA/ESA Hubble Space Telescope. X‐Ray image: The NASA Chandra X‐Ray Observatory 43 2015/9/7 まとめ • アルマが明らかにする宇宙 – 惑星の誕生:ガスと塵の偏在、遠心力バリアの発見、CO 雪線の発見(H2O雪線はハビタブルプラネットに重要) – 星のシニア時代:謎の渦巻き模様、宇宙へのガスの還元 – 星の終焉:大量の塵の宇宙への放出 宇宙の輪廻 – 銀河の出会い:潮汐力、次世代の星の誕生へ – (ふつうの)銀河中心のブラックホールからのジェット – 宇宙最大の大爆発:カンマ線バーストの詳細 – 生命関連分子:糖の発見 • 視力は600から6000へ!、乞うご期待 44
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