ZORBAX Rapid Resolution High Throughput (RRHT) 1.8 μm カラムへの スケールダウンによる LC パフォーマンスの最適化 はじめに アジレントのカラム&サプライ部門の LC アプリケーションスペシャリスト、John Henderson が皆 さんにラボの時間と費用節約を実現する方法をご説明します。 現在の機器を使用して、わずかな変更でメソッドを従来の 5 μm カラムから Agilent ZORBAX Rapid Resolution High Throughput (RRHT) 1.8 μm カラムにスケーリングすると、ラボの時間と費 用を節約できます。アイソクラティックメソッドの場合、時間の節約はカラム長さの変化に比例しま す。 プラグ&プレイイインストール 参考資料: 5989-2908EN 「 Plug & Play Fast and Ultra-Fast Separations Using 3.5-µm ZORBAX Rapid Resolution and 1.8 µm Rapid Resolution High Throughput (RRHT) Columns」(英 文) *下記サイトでpart numberに5989-2908ENを入力すると検索されます。 http://www.chem.agilent.com/en-US/Search/Library/Pages/LibrarySearch.aspx RRHT カラムと従来のカラムとの違い カラム長さが短い 1.8 μm 粒子の Agilent ZORBAX RRHT カラムは、従来のカラムに比べて分 析時間を短縮します。この場合は、3 分の 2 に短縮できます。 RRHT カラムに関する製品情報 http://www.chem-agilent.com/contents.php?id=9818 柔軟性のあるキャピラリの利点 必要な各種キャピラリがパッケージされたキャピラリキットを用意しています。RRHT 最適化につ いては、次のキットをお使いください。 1100 については、キャピラリキット #5065-9947 1200 については、キャピラリキット #G1316-68716 メソッドのスケールを変更するために:LC を最適化する アイソクラティックメソッドの場合、Agilent ZORBAX Rapid Resolution High Throughput (RRHT) カラ ムにスケーリングすると、4 つの作業がメソッドの最適化に役立ちます。 1) 流量の調整 2) チューブ長さの最小化 3) データ採取レートの調整 © Agilent Technologies, Inc. 2010 Page 1/5 4) 注入量の低減 詳細については、5988-9251JAJP 「2 μm以下の粒子(充てん剤)が高分解能高速HPLCに与え る影響」を参照してください。 http://www.chem-agilent.com/pdf/00042271.pdf 流量の調整 元のメソッドで指定された流量から開始して、流量を増やします。圧力への影響を確認してくださ い。標準 LC では 350 bar を超えないようにしてください。 チューブ長さの短縮 ヒント: チューブが長すぎると余分なカラム容量が発生し、ピークの広がりが生じます。適切な長さ を用いることが、クロマトグラムを向上させる簡単な方法です。 データ採取レートとピーク幅 ピークが広がって見える、またはピークの効率の低いクロマトグラムは、データ採取レートが遅す ぎることを示している場合があります。より高速な RRHT カラムの分析に合わせて調整すると、ク ロマトグラムが改善されます。 参考資料:5989-5810EN、「Optimize Data Sampling Rate to Take Advantage of RRHT Columns」 (英文) *下記サイトでpart numberに5989-5810ENを入力すると検索されます。 http://www.chem.agilent.com/en-US/Search/Library/Pages/LibrarySearch.aspx メソッドを移行する場合は、ピーク幅設定を調整し、ピークが最適化されるまでサンプル分析を行 います。最適なピーク幅設定をメモし、メソッドに組み込みます。 注入量 ヒント:メソッドをスケーリングする場合は、新しいカラムの容量の変化に合わせて注入量を調整し ます。同じ内径のカラムでは、カラム長さの変化に比例します。 内径 2.1 mm RRHT カラムへの変更 5 μm または 3.5 μm からより短い内径 2.1 mm の RRHT 1.8 μm カラムにスケーリングす る場合は、次の追加変更を行います。 1) オートサンプラニードルシート部分も含め、すべてのチューブを標準の緑色 (0.17mm) から赤 色 (0.12 mm) に切り替えます。 2) フローセルをマイクロフローセルに変更します。 © Agilent Technologies, Inc. 2010 Page 2/5 チューブ容量の最小化 さまざまなサイズのキャピラリをご用意しています。1100 LC または 1200 LC で RRHT カラムを 使用する場合は、次のキットを使用できます。 1100 については、キャピラリキット #5065-9947 を使用します。 1200 については、キャピラリキット #G1316-68716 を使用します。 次のサイトでキットを参照いただけます。 http://www.chem-agilent.com/contents.php?id=18915 緑色のチューブと赤色のチューブの違い 内径 2.1 mm のカラムには、赤いチューブ (内径 0.12 mm) を使用する必要があります。赤いチ ューブは容量が小さいので、より狭いカラムに適しているからです。これにより、全体的なクロマト グラフ性能が向上します。 内径 2.1 mm カラム用のキャピラリチューブの変更 緑色の 0.17 mm チューブを赤い 0.12 mm チューブに変更します。 1) ニードルシート 2) オートサンプラから TCC (サーマルカラムコンパートメント) 3) TCC からカラム、そして 4) カラムからフローセル 手締フィッティング: 部品番号 0100-1516 システムに適したニードルシートを探すには www.chem-agilent.com/contents.php?id=8351 「カラム分析機器部品カタログ」およびその他の役に立つガイドは、下記サイトをご覧ください。 www.chem-agilent.com/contents.php?id=1000311 ニードルシートの変更手順: Maintenance Posi tions (WPS メンテナンスポジション)」に移動します。 1) ChemStation ウィンドウで、「Method & Run Control (メソッド & ラン コントロール)」ビューから 「Diagnosis (診断)」ビューに移動します (上のタブを参照)。 2) 「Maintenance (メンテナンス)」メニューで、「Wellplate Sampler (WPS) (ウェルプレート サンプラ (WPS))」にスクロールし、「WPS Maintenance Posi tions (WPS メンテナンスポジション)」に移動しま す。 © Agilent Technologies, Inc. 2010 Page 3/5 3) 「Change needle seat (ニードルシートの交換)」で、「start (開始)」を選択します。インジェクタニ ードルが移動します。 4) 小さなスクリュードライバで、インジェクタシートをゆっくりと開けます。インジェクタシートの上部 にあるリングは開けないでください。 5) キャピラリを引き出して交換し、新しいニードルシートを差し込みます。小さなレンチでキャピラ リフィッティングを軽く締めます。 6) ドアを閉めて「end (終了)」を選択します。ニードルが再配置されます。 フローセルの変更 さまざまなフローセルが提供されています。Agilent 1100 LC と 1200 LC のどちらを使用している かに応じて必要なものが異なる場合があります。詳細については、「カラム分析機器部品カタロ グ」で LC および LC/MS 検出器の項目を参照してください。詳細については、アジレントのカス トマコンタクトセンタまでお問い合わせください。 カラム、チューブ、フローセルなど、LC の調整に必要なすべての部品を含むキットがあります。内 径 2.1 mm のカラム用は部品番号 5188-5328 です。このキットはダイオードアレイ検出器および 質量分析計用です。 ミニユニプレップフィルタ ユニプレップフィルタの詳細については下記をご覧ください。 http://www.chem-agilent.com/contents.php?id=1000497 まとめ アイソクラティックメソッドの場合、内径 4.6 mm の RRHT カラムにスケーリングするときには、4 つの作業がメソッドの最適化に必要です。 1) 流量の調整 2) チューブ長さの最小化 3) データ採取レートの調整 4) 注入量の低減 参考資料(英文): 「Step-by-step upgrade of Agilent 1100 Series LC systems to Agilent 1200 Series Rapid Resolution LC systems for higher performance , parts 1 and 2」。 資料番号 5989-6336EN および 5989-6337EN *下記サイトでpart numberに5989-6336EN、5989-6337ENを入力すると検索されます。 © Agilent Technologies, Inc. 2010 Page 4/5 http://www.chem.agilent.com/en-US/Search/Library/Pages/LibrarySearch.aspx 内径 2.1 mm の RRHT 1.8 μm カラムにスケーリングする場合は、次の追加変更を行います。 5) オートサンプラニードルシート部分も含め、すべてのチューブを標準の緑色 (0.17mm) から赤 色 (0.12 mm) に切り替えます。 6) フローセルをマイクロフローセルに変更します。 7) サンプルを必ず事前にろ過します。 さらにサポートが必要な場合は、担当営業あるいはカストマコンタクトセンタ (フリーダイヤル 0120-477-111) までお問い合わせください。 © Agilent Technologies, Inc. 2010 Page 5/5
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