ファイバレーザ励起用高出力レーザダイオードモジュールの光給電応用

新 製 品 ・ 技 術 ト ピ ッ ク ス
新 製 品 ・ 技 術 ト ピ ッ ク ス
ファイバレーザ励起用高出力レーザダイオードモジュールの光給電応用
インフラ設備の老朽化に伴う保守需要の高ま
を,マルチチップ LD モジュールは複数の発光素
りや,遠隔監視によるセキュリティー強化など,
子を使用している.この LD モジュールは,ファ
屋外や遠隔地でセンシングを行うニーズが高ま
イバレーザ励起用光源として開発したものであ
っている.このような,屋外や遠隔地では,電
り,①ファイバレーザ励起用光源のため高出力
源の確保が容易にできないため,光でエネルギ
で あ る, ② シ リ コ ン 太 陽 電 池 の 感 度 が 高 い
ーを送り,駆動電力を確保する「光給電」の技
900 nm の波長であり効率よい電力変換ができる
術が注目されている.光給電は,電気ノイズや
(図 2)
,③ファイバレーザ用に多く製造するた
落雷の影響を受けにくいことに加え,光線路で
めコスト低減が可能であるなど,光給電用の光
ある光ファイバの伝搬損失が小さいため長距離
源として有利な条件を有している.
今後,光給電市場が拡大するのに伴い,これ
の給電も可能となる.
らの光源の活躍の場が増えると期待される.
光給電用の光源として,弊社で開発した高出
力レーザダイオード(Laser Diode 以下 LD と略
(先端技術総合研究所 ファイバレーザ研究部
す;半導体レーザ)モジュールの応用が期待さ
坂元)
れている.図 1 に LD モジュールの外観を示す.
シングルチップ LD モジュールは一つの発光素子
Multi Chip LD Module
Single Chip LD Module
Normalizea Spectral Response of silicon
photovoltaic cell(A/W)
図 1 LD モジュール外観
1.2
1
Wavelength of LD Module
0.8
0.6
0.4
0.2
0
300
400
500
600
700
900
1100
1300
1200
800
1000
Wavelength(nm)
図 2 シリコン太陽電池感度の波長依存性と LD モジュールの発振波長
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先端技術総合研究所 ファイバレーザ研究部
E - mail:[email protected]
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