新しい不均 系金触媒の開発 新しい不均一系金触媒の開発

東北大学ナノテク融合技術支援センター
Center for Integrated Nano Technology Support
平成22年度 トピックス
物質・材料(ナノ素材)領域における支援成果
新しい不均 系金触媒の開発
新しい不均一系金触媒の開発
東北大学 原子分子材料科学高等研究機構
孟根巴特尓,
金
鉄男,浅尾
直樹,山本
嘉則
【研究目的】
ナノスケールの細孔を有するナノポーラス金は、新しい不均一系触媒として最近注目
されている。そこで本金属材料を様々な反応系に適用し、有機合成化学におけるその有
用性を明らかにすると共に、その触媒機能発現メカニズムの解明や細孔サイズと触媒活
性の相関を明らかにする。また本触媒を利用した分子変換反応を用いて、機能性材料の
開発を目指す。
【成
果】
有機シラノールはシリコンポリマーの材料やカップリング剤として利用価値の高い化
合物であり、その簡便な合成法の開発は工業化学の分野において極めて重要である。ケ
イ素−水素結合を一つ以上有する有機シラン化合物は、触媒存在下で水により有機シラ
ノールに変換されることが知られている。しかし従来型の触媒は、触媒活性の低さや、
適用できる基質の制限、触媒の耐久性の低さなど様々な問題点を抱えていた。これに対
し、金銀合金から銀を選択的に溶出させて作成したナノポーラス金を本反応の触媒とし
て適用したところ、高い触媒活性、広い基質適応性、簡便な操作性、高い耐久性を有す
ることが明らかとなり、本反応の優れた触媒として機能することがわかった。本触媒は
無数の細孔を持つため比表面積が大きく、また細孔という特殊な反応場が触媒活性の発
現に大きな影響を与えていると考えられる。
ナノポーラス金触媒を用いた有機シランから
有機シラノールへの変換反応
ナノポーラス金触媒の電子顕微鏡画像