簡易線源からの放射線の減衰関数-その 2 202 Attenuation Function of Radiation from Simplified Source in Angular Distribution ㈱ ナイス ○ 江連 秀夫 Hideo Ezure 要約:デスク線源から放出する放射線が余弦角度分布を持つ場合における線束の減衰関数を求め、それ らの課題を明らかにする。 キーワード:線源、角度分布、減衰関数、楕円積分、高次 まえがき:簡易面線源からの放射線の減衰関数 1)は整理されていないところがある。そのために、低次及 び高次の余弦分布を持つ線源からの線束の減衰関数を整理した。今回は、デスク線源に対する減衰関数を 求め、その課題を提示する。 整理:デスク線源から法線上に放射するとすると、偶数次の角度分布の場合に測定点(MP)における線束 φ及び減衰関数 W(a/R,d/R,j)は次のように求められる。 2 R j g jS d 0 0 r a jr 2 d 2 rd cos a 2 W a / R , d / R , j 2 aj 2 R 2 (a 0 0 2 1 j / 2 a d dr 2 g jSW s , , j R R (1) r drd r 2 2 rd cos d 2 )1 j / 2 (2) m 1 j n m 1 m 1 n n T(m - j 1, N) a2 d2 R 2 2 n 1 a 2 n 2 2 m 0 m j 0 ( m j 2 N ) [ a ( d R ) 2 ][ a 2 ( d R ) 2 ] n N 1 / 2 a2 d2 T( 3, N) 16 d 2 ( a 2 d 2 )T( 4 , N) a2 d2 R 2 4 ( a 2 d 2 ) - ( 2 N 3) d 2 2 2 2 2 2 ( N 1) 2N 3 [ a ( d R ) ][ a ( d R ) ] N 1 ( N 1)( N 2 ) ( N k ) ( 2 N 3)( 2 N 5 ) ( 2 N 2 k 1) 2 k 1 m 2N j N 1 / 2 1 a d R ( 2 N 1) a 2 ( k 1) d 2 ( k 1) [ a 2 ( d R ) 2 ][ a 2 ( d R ) 2 ] 2 k2 2 1 4 ( 2 N 1) a 2 d 2 a2 d2 2 2 N 1 (a d ) 2 2 N 1 / 2 k a2 d2 ( a d 2 ) 2 N 1 2 k 2 (3) gj:角度分布に対する基格化定数、S:線源強度、j:角度分布の次数、n+m+1/2=N+1/2、その他:図 1 参照。 偶数次の解は、初めに角度分布について積分すると、ルジャンドル関数で表され、更に半径方向について 積分すると、上記のように角度分布の次数に対する漸化式で表される。T(m-j+1,N)は二次式の分数関数の 積分結果を整理するための係数からなる関数である。奇数次の角度分布の場合は、半径方向について積分 し、その結果を部分分数分解によって生ずる関数列毎に角度について積分すると、複雑になるが、角度分 布の次数に対する楕円積分の漸化式で表される。半径方向の下限値に対する積分値はルジャンドル関数で 表せるが、二項定理で、簡便に表せる。Haselgrove metod2)を用いた数値計算結果の例を図2に示す。こ の結果は a/R→0 の時に減衰関数の収斂値は d/R<1、d/R=1、d/R>1 の三つのグループ 3)に分かれる。 d d/R<1 +d/R=1 ・ a Edge Angular component d/R>1 r dS 図1 図2 MP R S デスク線源 減衰関数(角度分布次数:15) まとめ:高次の余弦分布を持つ簡易面線源からの線束の減衰関数は二、三重和で表される。そのために基 本関数を中心に統一的に整理できない。また、簡略化もできない。 文献:1)江連秀夫、簡易線源からの放射線の減衰関数、日本原子力学会[2015 年春の年会]、N49(2015)、 2)H.Ezure, “Application of Haselgrove Method to Attenuation Calculation of Flux from Disk and Plane Source ”, J. Nucl. Sci.Technol., 41(1), pp.68-72(2004)3)H.Ezure, “Attenuation Function of Radiation from Disk Source with Direction in Cosine Distribution”, J. Nucl.Sci.Technol., 45(8), pp.773-783(2008)
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