ナノ構造物質の高密度少数多体電子正孔系の 顕微分光と光機能 京都大学 化学研究所 山田泰裕、太野垣健、山本真平、金光義彦 我々の研究室では「超高速レーザー分光」と「単一顕微分光」の2つの光学的実験手法を柱とし、半導体 ナノ構造や低次元強相関電子系物質などの高密度励起状態の解明と新しい光機能の探索を行っています。 単一カーボンナノチューブの顕微分光と 励起子微細構造 カーボンナノチューブの光学応答の解明 Single-Walled Carbon Nanotube 1 nm > 1 µm 半導体ナノ構造におけるマルチエキシトン生成 ・ ナノ構造中のキャリアのように 強く閉じ込められた電子系で は、多体効果が重要。 ・ 強いクーロン相互作用のため にAuger再結合とその逆過程 であるimpact ionization(マル チ エキシトン生成)が顕著になる。 カーボンナノチューブにおけ るマルチエキシトン生成効果 CdSe/ZnSナノ粒子における 量子化されたAuger再結合 単一ナノチューブの発光スペクトル: 架橋ノチューブ 500nm Aharonov-Bohm効果による dark 励起子 発光の直接観測 A. Ueda, T. Tayagaki, Y. Kanemitsu: J. Phys. Soc. Jpn. 78, 083706 (2009). A. Ueda, K. Matsuda, T. Tayagaki, Y. Kanemitsu: Appl. Phys. Lett. 92, 233105 (2008). K. Matsuda, T. Inoue, Y. Murakami, S. Maruyama, Y. Kanemitsu: Phys. Rev. B 77, 033406 (2008). R. Matsunaga, Y. Miyauchi, K. Matsuda, and Y. Kanemitsu: Phys. Rev. B 80, 115436 (2009). Y. Miyauchi, H. Hirori, K. Matsuda, and Y. Kanemitsu: Phys. Rev. B 80, 081410(R) (2009). R. Matsunaga, K. Matsuda, Y. Kanemitsu: Phys. Rev. Lett. 101, 147404 (2008). 半導体超格子における光キャリアダイナミクス とAuger再結合の制御: シリコンレーザへの道 井戸間の結合により非局在状態が生成される: 波動関数がシリコンバリア層に分布する Si1-xGex/Si SLs 酸化物における高密度キャリアダイナミクスと Auger再結合 キャリア密度に依存した Auger再結合が支配 SrTiO3の青色発光ダイナミクス Si1-xGex/Si SQWs dn = − An − Bn 2 − Cn 3 dt シリコンバリア層へ波動関数が分布する オージェ係数が小さくなる C SiGe SL → CSi (<< C SiGe SQW ) ノンドープSrTiO3 Nb1%ドープSrTiO3 I (t ) = Bn(t ) 2 超格子構造では小さなオージェ損失が期待される Auger 係数を利用したキャリア密度分布の決定 キャリアダイナミクスの温度依存性 Auger 再結合からsingle-carrier trappingへのcrossover Auger再結合の強いキャリア密度依存性を利用して、発 光ダイナミクスからSrTiO3中のキャリア密度を決定 Ar+ irradiate d SrTiO3 単一量子井戸(右)と比べて超格子(左)は、高密度励起で もAuger再結合が顕著にならない T. Tayagaki, S. Fukatsu, Y. Kanemitsu: Phys. Rev. B 79, 041301(R) (2009). (Editors' Suggestion) 希薄磁性半導体ナノ粒子の高密度励起状態と 磁気光学効果 CdS:Mn/ZnS core-shell 型ナノ粒子 CdS Core CdS:Mn interface Y. Yamada, H. Yasuda, T. Tayagaki, Y. Kanemitsu: Phys. Rev. Lett. 102, 247401 (2009). Y. Yamada, H. Yasuda, T. Tayagaki, Y. Kanemitsu: Appl. Phys. Lett. 95, 121112 (2009). H. Yasuda, Y. Yamada, T. Tayagaki, Y. Kanemitsu: Phys. Rev. B 78, 233202 (2008). 混晶における励起子分子の局在と光機能 AlxGa1-xN E Mn-Mn 反強磁性ペア 高濃度Mnドープによる発光 の濃度消光のメカニズムを 磁気光学効果で明らかに。 Exx E0 ZnS Shell Ex k 0 I(E) E0 E 励起子分子の束縛エネルギーが局在 ポテンシャルによる閉じ込め効果に よって増大することを明らかにし、 局在化の定量的評価方法を開発した。 Mnイオンペアの反強磁性カップリングがMCDシグナ ルの減少の原因であることを発見 sp-d splitting energy (●) PL intensity(×) S. Taguchi, A. Ishizumi, T. Tayagaki, Y. Kanemitsu: Appl. Phys. Lett. 94, 173101 (2009). D. Hirano, T. Tayagaki, Y. Yamada, Y. Kanemitsu: Phys. Rev. B 80, 075205 (2009). D. Hirano, T. Tayagaki, Y. Kanemitsu: Phys. Rev. B 77, 073201 (2008). D. Hirano, T. Tayagaki, Y. Yamada, Y. Kanemitsu: Phys. Rev. B 77, 193203 (2008).
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