廃棄物(ごみ)のこと - 大阪府医師会員へのお知らせ

 朝起きればまず朝刊を読みます。そこに
薬品セールス等のファクス、郵便物では大
は多くの中折り広告が入っていますが、少
量のダイレクトメールや雑誌の封筒も不用
し目を通すだけで大半はごみ箱へ行きま
ですし、薬品が届けばダンボール箱、買物
す。牛乳やジュースを飲めばパックや缶は
をすれば包装紙に買物袋と少し思い出すだ
廃棄されます。診察を始めれば注射器、針
けでもこれだけの物が少しの利用でごみに
や点滴回路、最近では予防接種製品の包装
なっていきます。診療所からの廃棄物は産
が多く、それも即廃棄です。昼食の材料も
業廃棄物で、そのうち使用後の物は分別
肉、魚や野菜等皆パックに入っており、そ
し、感染性廃棄物として処分されるわけで
れはごみになります。また看護師紹介や医
すが、今は感染性廃棄物以外も廃プラ混合
廃棄物(ごみ)のこと
広報委員
福田 彦
物は分けないといけないため多量のごみ処
ある誌面で読みました。残しておくべき書
理が大変になっています。
類をその封筒に入れ、見出しを付け書棚に
私が研修を受けた三十数年前、大学病院
並べておき、1年間使用しなければ棄てる
ではディスポの注射器を使用していました
というものでしたが、結局書類より封筒が
が、市中病院や開業医ではガラスの注射器
多くたまり、加えてその当時クリアファイ
を使っていましたし、手術中の術衣や覆布
ルが安く多量に手に入るようになったこと
は布製で何度も再生して使用していまし
もあり、うまく活用できませんでした。ま
た。現在と比較して廃棄物は3分の1もな
た、看護師さんがエコーフィルムやロール
かったと思います。今は腹腔鏡用の手術器
シーツの紙芯を集めていすを作ったりしま
具等は高価で再使用禁止の物が多くあり、
したが、有効利用には至りませんでした。
なぜ複数回使用可の製品ができないのか不
小さい再利用ですがそれもなかなか難しい
思議に思っています。
ものです。我が国には古より物を大事にす
新聞によれば、正倉院に伝わる宝物の一
る文化があります。地球環境内では物質は
万数千点の文書の半数以上において裏にも
無限に循環するかもしれませんが、資源は
文字を書き再利用されていたとのことで、
有限です。医療に携り多量のごみを出す
徹底的に紙を使う「もったいない文化」が
我々は、近未来のために早急に廃棄物を減
徹底していたとのことです。二十年程前、
らし、再利用、リサイクルを皆で考え行う
郵便物の再利用として学会誌等の封筒を残
べきだと思います。
しておき、それを書類整理に用いる方法を
大阪府医師会報1月号
(vol.385)