臨床医に必要なバイオシミラーの基礎 - BS online journal

第43回 日本臨床免疫学会総会
The Japan Society for Clinical Immunology
JSCI
日程 2015年10月22日(木)‒ 24日(土)
会場 神戸国際会議場
2015
【スイーツセミナー 4】
(共催:日本化薬株式会社)
臨床医に必要なバイオシミラーの基礎
座長:川人
豊氏 <京都府立医科大学 免疫内科学 病院教授> 演者:亀田秀人氏 <東邦大学医学部内科学講座 膠原病学分野 教授(医療センター大橋病院)>
2015 年 10 月 23 日に神戸国際会議場(神戸市)で開催された第 43 回日本臨床免疫学会総会のスイー
ツセミナー 4 において、東邦大学医学部の亀田秀人氏は、インフリキシマブ先行品とバイオシミラーで
ある CT-P13 の同等性/同質性を比較した品質試験や
の生物活性試験など、公表されることの
少ないデータを詳細に解説し、
「バイオシミラーの登場は、バイオ医薬品を見直すきっかけとなった」と
述べた。
バイオ医薬品とバイオシミラーの基礎
近年、様々な疾患に対する治療薬としてバイオ医薬品が台頭してきており、医療現場でもバイオ医薬品を取り扱
うケースが増えているが、その複雑な分子構造や製造方法に精通している臨床医は多くはないだろう。亀田氏はイ
ンフリキシマブを例として取り上げ、製品開発から製造管理までを詳細に説明しながら、
「インフリキシマブ産生細
胞の樹立、細胞培養の段階的なスケールアップ、クロマトグラフィーでの精製やウイルス除去など、抗体薬の製造
はかなりの手間とコストがかかる。」と述べた。
医療費高騰を抑えるために世界中で開発が進められているバイオシミラーについては、先行品との同等性/同質
性の検証が必要となる。
「インフリキシマブのバイオシミラーの場合、臨床試験だけでなく、様々な品質試験や生物
活性試験で先行品との比較が行われ、一定の基準範囲に収まっているとして同等性/同質性が検証された」と解説
し、先行品とバイオシミラーで何らかの差がみられたとしても、それが基準範囲内であるかどうかが重要との認識
を示した。
バイオシミラーに関する臨床データ
インフリキシマブ先行品が投与され抗インフリキシマブ抗体が出現した炎症性腸疾患(IBD)患者の血清を用い
て、先行品とバイオシミラーに対する交差反応性を調べた報告では、先行品に対する抗体がバイオシミラーにも同
程度反応することがわかった 1)。亀田氏は、
「インフリキシマブ先行品の投与により 2 次無効となった患者では、バ
イオシミラーに切替えても効果は期待できない。このことは、先行品とバイオシミラーが同等であることを示して
いると考えられる」と述べた。
最後に亀田氏は、
「バイオシミラーの登場によって、バイオ医薬品に対する理解が深まった。今後は、治療におけ
るコスト意識が高まることで、患者へ提供される医療の質がさらに向上することが期待される」と結んだ。
1)Ben-Horin S et al. Gut. 2015 Apr 20. pii: gutjnl-2015-309290. [epub ahead of print] (http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25897019)
本記事は、共催の日本化薬株式会社了承のもと、BS online journal事務局で作成しました。
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作成:2015年11月
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