登録基礎工基幹技能者試験

平成 27 年度
登録基礎工基幹技能者試験
一般社団法人 日本基礎建設協会
Ⅰ
基幹技能に関する一般知識
[ 問 1 ] 登録基幹技能者が建設現場において求められる役割に関する記述で、適切で
ないものは次のうちどれか。
1. 現場の状況に応じた建物の設計
2. 現場の作業を効率的に行うための技能者の適切な配置、作業方法、作業手順の構
成
3. 生産グループ内の技能者に対する施工に係る指示、指導
4. 前工程・後工程に配慮した、他の職長との連絡調整
[ 問 2 ] 登録基幹技能者に求められる能力に関する記述で、適切でないものは次のう
ちどれか。
1.
2.
3.
4.
十分な経験を有し、熟達した作業能力
技術の進展等に的確に対応した知識
全体工事を把握した工程調整能力
現場をまとめ、体系だった効率的な作業を実施するための管理能力
[ 問 3 ] 登録基幹技能者は初級・中級技能者の指導・教育を行うことも役割となるが、
OJT 教育における基本認識に関する記述で、適切でないものは次のうちどれか。
1.
2.
3.
4.
信頼とコミュニケーション
適性に合わせた指導育成
継続的に日常的に実施
担当職務に限ることとし、組織外の実態、考え方などに触れさせないよう視野を
限定するよう心掛ける
[ 問 4 ] OJT 教育における指導方法について、部下の能力等を向上させる基本的な手
法に関する記述で、適切でないものは次のうちどれか。
1. 教える → やってみせる → やらせてみる → 修正する、を繰り返す(教える)
2. 模範を示し、やってみせて見習わせることが効果的(見習わせる)
3. 経験はなるべくさせず、技能を習得して成長してからにする(安易に経験させな
い)
4. 部下が進んで自己啓発に励むよう動機付けする(自己啓発を行わせる)
Ⅱ
基幹技能関係法令
[ 問 5 ] 建設業法令遵守ガイドラインについて、□□□ 内に入る適切な記述は次の
うちどれか。
建設産業は、激しい競争の時代に突入し、過剰供給構造にある建設業にとって、適
正な競争を通じて、技術と経営に優れた企業が生き残り伸びていくことが求められて
います。しかしながら、建設業においては、従来から、適切な施工能力を有しない、
いわゆるペーパーカンパニーなどの不良・不適格業者の存在を始め、一括下請負、技
術者の不専任、不適正な元請下請関係等の法令違反が問題となっています。このよう
な状況下で、建設業に対する国民の信頼回復、建設業の □□□ 、建設業者の法令遵
守の徹底が求められている。
1.
2.
3.
4.
魅力の向上のため
発展のため
将来のため
正当性を主張するため
[ 問 6 ] 書面による契約締結に関する記述で、建設業法上違反とならない行為は次
のうちどれか。
1. 下請工事に関し、書面による契約を行わなかった場合。
2. 書面契約に代えて、建設業法で定める一定の事項を記載した CI-NET 等による電子
契約をした場合。
3. 下請工事に関し、建設業法第 19 条第 1 項の必要記載事項を満たさない契約書面を
交付した場合。
4. 元請負人からの指示に従い、下請負人が書面による請負契約の締結前に工事に着
手し、工事の施工途中または工事終了後に契約書面を相互に交付した場合。
[ 問 7 ] 元請下請契約時の見積り条件の提示について、建設業法違反になる恐れを超
えて、明らかに建設業法違反となる行為は、次のうちどれか。
1. 元請負人が不明確な工事内容の提示等、曖昧な見積り条件により下請負人に見積
りを行わせた場合。
2. 元請負人が下請負人から工事内容の見積り条件に関する質問を受けた際、元請負
人が未回答あるいは曖昧な回答をした場合。
3. 元請負人が、予定価格が 700 万円の下請契約を締結する際、見積り期間を 3 日と
して下請負人に見積りを行わせた場合。
4. 元請負人が、予定価格が 6,000 万円の下請契約を締結する際、見積り期間をやむ
を得ない事情があったので、10 日として下請負人に見積りを行わせた場合。
[ 問 8 ] やり直し工事に関する記述で、建設業法上違反となるおそれがあるものは
次のうちどれか。
1. 元請負人は、やり直し工事が発生したが、下請負人の責めに帰すべき場合でなか
ったので元請負人がすべて費用を負担し施工させた。
2. 元請負人は、下請負人の責めに帰さないやり直し工事を、下請負人と契約変更を
行って施工させた。
3. 元請負人は、下請負人から施工内容等を明確にするよう求めがあったが明確にせ
ず、下請負人に工事を継続して行わせた。その後、下請工事の内容が契約内容と異
なったので、下請負人に費用を負担させやり直し工事を施工させた。
4. 元請負人は、下請負人の施工が契約書面に明示された内容と異なったので、元請
負人が費用を全く負担することなく、下請負人に対してやり直し工事を求めた。
[ 問 9 ] 特定建設業者である元請負人が支払う手形に関する記述で、□□□ 内に入
る適切な数字は次のうちどれか。
下請代金の支払いを行う場合、□□□ 日を超える手形により支払った場合は、建設
業法違反となるおそれがある。
1.
2.
3.
4.
30
60
90
120
[ 問 10 ] 社会保険・労働保険に関する記述で、□□□ 内に入る適切な数字は次の
うちどれか。
法人の場合はすべての事業所について、個人経営の場合においても常時 □□□ 人
以上の従業員を使用する場合は、必ず加入しなければならないと規定されている。
1.
2.
3.
4.
Ⅲ
3
5
10
15
建設工事の施工管理
[ 問 11 ] 建設工事現場における施工管理の目的は、3 要素に集約できるが、3 要素に
含まれない管理は次のうちどれか。
1.
2.
3.
4.
安全管理(より安全に)
工程管理(より早く)
品質管理(より良く)
原価管理(より安く)
[ 問 12 ] 建設現場の一般的な事前調査に必要な検討事項について、特に必要でない
ものは次のうちどれか。
1.
2.
3.
4.
地形・地質・土質・土壌・植生・動物・地下水調査(設計との照合を含む)
施工法、仮設規模、施工機械の選択に関する事項
騒音、振動などに関する環境保全基準、各種指導要綱
優良工事表彰制度の有無
[ 問 13 ] 施工計画作成にあたり、設計図書と事前調査をもとに施工手順と施工方法
を決定するが、決定手順の流れで適切なものは次のうちどれか。
A
B
C
D
E
1.
2.
3.
4.
A
A
A
D
事前調査結果から現場状況の把握
施工手順、組み合せ機械・設備の検討
工程・工費・安全性の総合評価
複数の施工方法案の作成
施工手順・施工方法の決定
→
→
→
→
B
D
D
A
→
→
→
→
D
B
B
B
→
→
→
→
C
E
C
C
→
→
→
→
E
C
E
E
[ 問 14 ] 次の文章の □■■ 内に入る適切なものは次のうちどれか。
工程表の作成について、作業可能日数の算定は、工程計画ひいては施工計画の基本
となる重要事項の一つであり、暦日による日数から定休日、天候その他に基づく作業
不能日数を差し引いて推定するが、建設工事は屋外作業が多く、現地の地形、地質、
気象等の自然条件を十分に調査し、対象工事の □□□ を考えて算定しなければなら
ない。
1.
2.
3.
4.
技術的特性
重要性
完成後の使用目的
発注者の意向
[ 問 15 ] ネットワーク工程表の作成上の基本ルールに関する記述で、適切でないも
のは次のうちどれか。
1. 実線の矢線は作業を表し、上段に作業名、下段に所要日数を記入する。
2. 左から右に向かう矢線の長さ・形状は、所要日数に関係なく自由である。
3. 破線の矢線をダミーといい、作業の相互関係を表し、有作業、有時間(日数)で
ある。
4. ○印は、作業の結合点で、○印内の数字は、作業の順序を示す番号である。
[ 問 16 ] ネットワーク工程の用語について、誤っているものは次のうちどれか。
1.
2.
3.
4.
EST とは、最早終了時刻のことである。
EFT とは、最早終了時刻のことである。
LFT とは、最遅終了時刻のことである。
LST とは、最遅開始時刻のことである。
[ 問 17 ] 資材の現場搬入の前に、工場検査を行う場合の確認事項について、適切で
ないものは次のうちどれか。
1.
2.
3.
4.
製作図どおりに製作されているか
設計図、仕様書に合致しているか
試験成績の数値は規格に合格しているか
製作時に周辺環境に及ぼす影響はどうであったか
[ 問 18 ] 急施工(突貫工事)を行う場合、原価管理上デメリット、メリット双方の
要素があるが、メリットとなる要素は次のうちどれか。
1.
2.
3.
4.
作業段取りが大規模になりがちとなる。
材料の入場量に余裕が見込まれがちとなる。
基礎工事や根切り工事のような初期工事の場合は全工程に余裕ができる。
納入業者との価格折衝の繰り返しが時間制限により出来ず難航する。
[ 問 19 ] 建設現場で発生した原価の把握に関する記述で、適切でないものは次のう
ちどれか。
1. ある時点までに投入された人工の累積を、その工事現場での所要人工数全体で割
ったものを「投入率」という。
2. ある時点までの出来高(完成した分の数量)を査定し、それを全体の設計数量で
割ったものを「進捗率」という。
3. ある時点で、進捗率≦投入率の場合、人工の減が可能、つまり増益傾向にある。
4. ある時点で、進捗率≦投入率の場合、最終的に予定人工を上回る可能性があり、
つまり減益傾向にある。
[ 問 20 ] 建設現場の品質管理の効果に関する記述で、適切でないものは次のうちど
れか。
1.
2.
3.
4.
品質が向上し、不良品が減少すると共にクレームが減少する。
原価が下がる。
品質がばらつく。
無駄な作業が無くなり、手直しが減少する。
[ 問 21 ] 場所打ちコンクリート杭の杭長を推定する方法として、杭頭部を軽打しそ
の打撃により発生する波動の伝播時間を利用する方法があるが、次の計算式
で □□□ 内に入る数字で正しいものは次のうちどれか。
L :杭長(m)
1.
2.
3.
4.
2
5
10
20
L=
CT
□
C :波動の伝播速度(m/s)
T :波動が杭を 1 往復する時間(s)
[ 問 22 ] ワイヤロープを玉掛け用具として使用する場合について、適切でないもの
は次のうちどれか。
1.
2.
3.
4.
安全係数の値が 5 のワイヤロープを使用した。
直径の減少が公称径の 3%のワイヤロープを使用した。
キンクしていないものを使用した。
形崩れや腐食のないものを使用した。
[ 問 23 ] 安全衛生規則に規定する特別教育を必要とする業務に関する記述で、適切
でないものは次のうちどれか。
1. 基礎工事用機械で動力を用い、かつ不特定の場所に自走できるもの以外のものの
運転業務
2. つり上げ荷重が 20 トン未満のクレーンの運転業務
3. ボーリングマシンの運転業務
4. 基礎工事用機械の作業装置の操作(車体の運転席における操作を除く)の業務
[ 問 24 ] 土粒子の粒径による土の分類(地盤工学会:日本統一土質分類法)の値で、
次の □□□ 内に入る、正しい数字は次のうちどれか。
1.
2.
3.
4.
A
B
C
D
=
=
=
=
0.005mm
0.085mm
3.0mm
45mm
A
粘土
B
シルト
C
砂
D
礫
石
[ 問 25 ] 安定液に関する記述で、適切でないものは次のうちどれか。
1. ベントナイトは、Na 系と Ca 系に分けられ、Ca 系の方が膨潤性が高い。
2. 高比重、高粘性の安定液は、孔壁の崩壊防止には適しているが、コンクリートと
の置換性が悪い。
3. 安定液の温度が 20℃になるとバクテリアの繁殖活動が活発となり、CMC の変質に
より安定液の粘性が低下する。
4. マッドケーキ厚が薄くて、ろ過水量が少ない状態の安定液は造壁性が良好である。
[ 問 26 ] オールケーシング工法での使用機材に関する記述で、適切でないものは次
のうちどれか。
1. ケーシングチューブは、掘削孔の崩壊を防止するために使用する。
2. カッティングエッジは、ケーシングチューブ先端に取り付ける地盤切削用の刃先
である。
3. ロックピンは、ケーシングチューブ接続のための特殊ボルトである。
4. ベッセルは、ケーシングチューブ内径に適合したもので、孔底処理に使用する。
[ 問 27 ] リバースサーキュレーションドリル工法での使用機材に関する記述で、適
切でないものは次のうちどれか。
1.
2.
3.
4.
スタンドパイプは、設計杭径と同じ内径のものを使用する。
四翼ビットは、三翼ビットに比べて大口径や硬質地盤に適している。
コニカルビットは、軟岩の掘削に適している。
ロータリーテーブルは、ケリーバを介してドリルパイプに取り付けたビットを回
転させる装置である。
[ 問 28 ] 鉄筋を溶接する場合の注意事項に関する記述で、適切でないものは次のう
ちどれか。
1.
2.
3.
4.
溶接棒の保管に注意し、湿気を含んでいる場合は、乾燥機を使用して乾燥させる。
風速 10m/秒以上での作業は行わない。
外気温が 0℃以下の場合は、予熱を実施する。
点溶接によるアークストライクなどが起こらないよう十分注意し、断面欠損(ア
ンダーカット)が生じないようにする。
[ 問 29 ] 場所打ちコンクリ-ト杭に用いるコンクリートの打ち込みに関する記述で、
適切でないものは次のうちどれか。
1. コンクリートの打ち込み速度は、1~2 ㎥/分とすることが望ましい。
2. トレミー管のコンクリート中への挿入長さは、2m以上を確保する。
3. ソケット式のトレミー管は、フランジ式と比較すると水密性に対する信頼性が高
い。
4. トレミー管先端は、プランジャが抜け落ちるよう 0.2m程度孔底より離す。
[ 問 30 ] 地中壁杭工法で、掘削時の溝壁の安定性に関連する主な要因として上げら
れる項目の中で、「土質」に関する要因として含まれないものは、次のうちどれか。
1.土の粘着力
2.土の内部摩擦角
3.土の pH
4.土の単位体積重量