Ziehl-Neelsen 染色と蛍光染色を組み合わせた組織内抗酸菌検索の検討

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Ziehl-Neelsen 染色と蛍光染色を組み合わせた組織内抗酸菌検索の検討
◎金城 浩和 1)、金本 涼子 1)、市村 直子 1)、軣 愛美 1)、中村 恵美子 1)
JA 長野県厚生連 篠ノ井総合病院 1)
【はじめに】
【結果】
結核は今日でも患者数の多い感染症の一つであり、抗結
通常のキシレン・アルコールを通った脱パラフィンのも
核薬の導入により死亡率が低下したとはいえ、近年再び増
のと比べ、ファイト法のオイル・キシレンを用いたものは
加の傾向にある。結核菌を代表とする抗酸菌の証明として、
良好な結果を得られた。さらに、過ヨウ素酸酸化法を行っ
主に Ziehl-Neelsen 染色が用いられるが、その同定には難渋
たものは染色性が良くなり蛍光強度があがったように感じ
することが多く、また環境による染色性の優劣も経験され
られた。また、Ziehl-Neelsen 染色で発見が困難な菌数が少
る。そのため細菌検査室では蛍光染色を利用しており、検
量の標本でも、蛍光染色を用いたものでは弱拡の段階でス
出感度も高く、染色液の安定性も良好で手技も比較的簡単
クリーニングに引っかかるため、時間効率の向上も望める
である。この手法を、病理組織標本へ導入すべく検討した。
ものとなった。
【方法】
【まとめ】
脱パラフィンにはファイト法を組み合わせたもので、オ
病理組織標本への抗酸菌蛍光染色は比較的容易に導入す
イル・キシレン(1:2 で混合)を用いた。また、嫌色素性
ることができた。Ziehl-Neelsen 染色と比べると、染色の手
を示す抗酸菌のために過ヨウ素酸酸化法も行い、10%過ヨ
間・作業時間が軽減され、技師間の技術差による染色性の
ウ素酸水溶液で酸化処理を経て蛍光染色を行った。染色液
違いも生じにくくなった。導入するにあたり、蛍光顕微鏡
には極東製薬工業のアクリステイン(アクジリンオレンジ
など必要となるものはあるが、病理医の診断プロセスの短
染色キット)を用いた。
縮にもつながるため、検討する価値はあると思われる。
【連絡先】
篠ノ井総合病院 臨床検査科 (026-262-2261
内線 4971)