結城紬染色生地見本帳の作成と新製品開発

平成26年度共同研究
紬織物分野
結城紬染色生地見本帳の作成と新製品開発
担当部所
共同研究者
: 栃木県産業技術センター紬織物技術支援センター
: 渡辺染色店
背景
色彩にこだわりを持つ消費者が増加
⇒“色見本”への潜在的な要望が徐々に顕在化
染色/製織業者が単独で見本用生地を製織するの
は、設備、手間等に課題
需要動向に対応するため、代表的な色彩と組み合わ
せについて生地見本帳を作製し、要望に応える。
本研究に関連するセンターの
技術的蓄積
地機(じばた)
※結城紬の製織に用いられる
研究目標と結果
研究目標
●色無地の需要動向及び流行色情報を収集して、必要性の高い色彩を選定する。
●選定した色彩について、染色技術を検討するとともに、色無地の製織シミュレーションを活用
して、見本用生地を効率的に製織する。
実施内容
①
製織条件の検討
②
できるだけ多くの色数を得るため、
たて糸1色あたりの幅を狭く(6cm)
し、広幅の筬(おさ)を使用した。
製織シミュレーションの実施と一反目色の決定
4D-Box Plansを用い
製織シミュレーションを
実施 → 一反目色を選定
通常
幅広
図①−1
③
通常の筬と広幅の筬
図①−2
図②−1
シミュレーション
の例
各色の製織量
糸の染色
④
試染を手紡糸(てぼうし)で実施→染色条件、染料濃度決定
・実際の使用を想定し、シミュレーションよりも抑えめの色
・よこ糸は1色あたり量が少ない為、
ビーカー、ウォーターバスを使用
図③−1
手紡糸の試染
図③−2
染色した糸の例
図②−2
シミュレーション結果の測色
→今後実際に製織した生地を測色機で測定し、
同様の結果が得られるか確認する予定
紬織物生地の製織
たて糸は、通常の機織りと同様に
糊付け等の下拵えを行い、機巻き
・通常の結城紬と同様に製織
・色見本+測色、堅ろう度試験に
必要な量(合計20cm)を確保
図④−1 糊付け
図④−2
生地の製織
まとめ
●幅広の筬を使用し、たて糸の色数増やすことで、見本生地を効率的に製織することが可能となった。
●製織シミュレーションを活用することで、生地見本を作成する色の選定が効率的に行える。
御来場の皆様へ
問い合わせ先:栃木県産業技術センター紬織物技術支援センター TEL 0285(49)0009
本研究で作成予定の生地見本帳は、当センターにて閲覧を可能とする予定です。
結城紬産地での企画、デザイン支援に関する技術力向上が期待されます。
Industrial Technology Center of Tochigi Prefecture