離 島 病 院 で 内 視 鏡 診 療

い の ち
離島病院で内視鏡診療
消化器内科が年2万809件
件数は2万809件に上った。目指すのは徳洲会の外科医師有志らで結成するSS
内視鏡診療を行った。同院は
年、自院で1万6887件の内視鏡診療件数を行い
岸和田徳洲会病院(大阪府)消化器内科は、2014年に離島病院で3922件の
ね」(尾野センター長)
生方も意欲が高いです
ら、外部から来られた先
面に打ち出していますか
欠かせません」
(尾野セ
ネットワークを形成
医師不足が深刻な離島
病院では、1人の応援医
師が診療に入れないだけ
で影響が大きい。尾野セ
ンター長は「不都合が生
じれば、すぐに次の医師
が代打で入れるような体
制が必要です」と訴える。
応援は科の通常業務」と
支える空気が醸成されて
る医師も、それを自然に
でおり、岸和田病院に残
常業務の一環に組み込ん
常勤医師として勤務した
尾野センター長がここ
EA)
だ。
これは同院と吹
のは、名瀬病院で1年間、 ぶ関西内視鏡グループ
(K
まで離島応援にこだわる
田徳洲会病院(大阪府)
、
医師をネットワークで結
徳洲会病院の消化器内科
そこで考案したのが、
いう認識と、教育の充実
経 験 が あ る た め。
「医師
ンター長)
。
にあると明かす。
いる。
A(湘南外科グループ)
のような切れ目なく続く離島応援体制の確立だ。
を各島の需要に合わせ 施
「もともと徳洲会病院で
SSAのような応援体制確立を
行した(表)
。
同科では離島応援を日
つつ、徳洲会グループの離島病院に消化器内科医師を派遣。離島と同院の合計施術
※2014年1~12月
医師が多く、離島医療の
初期・後期研修を受けた
見守るなか、若い医師に
また同院では上級医が
島に残ることも考えまし
不足が深刻で、そのまま
成した医師らを関連病院
病院とし、基幹病院で育
応援先の離島病院を関連
名瀬病院を基幹病院に、
応援先と同院の 年 の
合計施術件数2万80 9
たが、一般社団法人徳洲
毎週月~金曜 2531件
週1日
257件
月3日
169件
月6日
33件
4カ月に1回開催目指す
EAとして都会に負けな
すが、頑張ってください」
島応援は大変だと思いま
す」と抱負を語る。
SSA第1期生でもあ
会の満元洋二郎・常務理
外で医療を受けることを
積極的に手技を行わせる
る一般社団法人徳洲会の
な ど 教 育 を 重 視。「 と に
拒否されたエピソードを
篠崎伸明・専務理事は、
必要性は科全体に浸透し
披 露 し、
「離島では都会
KEAがSSAを参考と
ています。当科はスタッ
今年度、初めてKEA
との医療格差を仕方がな
していることについて
件を同科の医師 ・5 人
として、徳洲会の全離島
いと諦めがちですが、そ
病院のニーズどおりに医
い内視鏡治療を提供しま
とエールを送っている。
(常勤換算)が分担して
病院をカバーするに至っ
れはあまりに悲しい。K 「光栄です」としつつ、「離
師を派遣できないことも
す」と熱い思いを表明。
に派遣したり、教育ノウ
た。現状は岸和田病院が
でのプレゼンテーション
あるが、ほかの基幹病院
事から『本当に、その思
したりすることを目的と
応援の大半を担い、離島
を経て、発足した。
と協力しつつ体制の充実
かく症例数が多いですか
した組織。徳洲会医療経
尾野センター長がKE
を図る。将来的には、離
フ募集の際、離島応援に
で医師を集めて教育し、
営戦略セミナーの院長会
をもつスタッフを集めた。 Aを思いついたきっかけ
島の中核病院である名瀬
担当した。1人当たり の
派遣してほしい』と言わ
は、長年にわたって離島
ハウやプログラムを共有
自分の技術の上達スピー
れ、断腸の思いで奄美を
井上太郎・消化器内科部
応援体制を維持している
病院に常勤医師2人を配
ら、他病院の同期と比べ、 いがあるなら岸和田病院
ドが速いと気付くことも
ラムが目指す医師像は
長も離島医療に強い関心
SSAの存在だった。
置し、奄美群島で有事の
力を入れていることを前
ンスタントに応援し続 け
「確かな消化器内視鏡技
をもって5年前、同科の
「名瀬病院で勤務してい
際は、そこから医師を緊
年間施術件数は平均1 4
あると思います」と尾野
離れました」
。
術をもった総合内科医
門をたたいたひとり。井
た時のことです。応援医
急派遣する構想だ。
岸和田病院消化器内科
センター長は同科の魅力
師」だ。専門性を追求し
上部長は福岡徳洲会病院
師が風邪を引いて来られ
00件を超える計算だ 。
上下部内視鏡検査や大腸
るモチベーションをど の
ながら、敢えて総合内科
での初期研修医時代に、
ないと連絡があったので
同科の後期研修プログ
少しずつ離島医療に興味
その後、同院を拠点に
医師を主としたのは、島
計 カ月の離島研修を行
をアピールする。
によって総合内科として
が あ る か ら だ。「 ニ ー ズ
を実感し、とにかく医師
「都会と離島の医療格差
尾野センター長は振り返
たのが印象的でした」と
診療に支障を来さなかっ
来島すると報告があり、
すが、すぐに別の医師が
活躍に期待。
く訴えており、KEAの
システム化すべき」と強
いなくなっても続くよう
に頼るのではなく、誰が
島応援は医師個人の良心
う特殊な研修プログラム
として成長して帰ってこ
り、
「あれほどの短時間
井上部長はその強烈な経
SSAのような切れ目な
療だけで十分です」と島
さんから「島でできる医
医時代に喜界病院の患者
井上部長は、後期研修
なくてはという思いでい
満元・常務理事は「離
の能力も必要とする病院
年、徳洲会の離島7
ポリープ切除に加え、専
ように維持しているの か 。
385件
月6日
1件
処置必要時
多忙な業務のなか、 コ
門医でないと施術が難し
同科応援体制を確立し た
546件
月6日
院に医師を応援派遣し、
い消化管出血の止血術、
尾野亘・内視鏡センタ ー
おおよその頻度 総件数
診療先
訪問リハ周知に尽力
い応援体制をつくること
っぱいの研修でした」と、 で別の医師を派遣できる
に合った医療の提供には、 を受けた。
総合内科の知識や技術は
「都会に負けない消化器内視鏡治
療を提供したい」
と井上部長
はく り
東上院長(左)
と高沢奈苗リポーター
沖永良部徳洲会病院
が、KEAの最終目標で
名瀬徳洲会病院(鹿児島県)の応援
団的存在である名瀬健康友の会は、
車いす10台、歩行器5台、AED(自動体
外式除細動器)1台を同院に寄贈した。
これは会費などの余剰予算を利用した
もので、同会から
「(余剰金を使い)何
松浦院長(右)
に寄贈品の目録を手 らかの形で病院に貢献したい」
と同院
渡す武村会長
に打診があり、同院が車いすなどを要
望。同会はこれまでにも歩行器の寄贈などを行っている。
贈呈式で同会の武村雅夫会長から寄贈品の目録が手渡されると、
名瀬病院の松浦甲彰院長は満面の笑みを浮かべ、謝意を表した。
大久保吉章事務長は「当院の備品が古くなってきていたので、大変
ありがたい。患者さんのために有効活用させていただきます」
。
14
14
している。
今回は年間9,000件の救急搬送受け入れ実績をもち、大阪
府の民間病院として初めて救命救急センターの指定を受けた
岸和田徳洲会病院。
同院の東上震一院長は年間500例の心臓血管外科手術を行
う心臓血管センターの先頭に立ち、
患者さんのために絶えず新
しい治療法を模索している。
番組では、これら2つのセンターと、がんの早期発見・治療に
力を入れている内視鏡センターの取り組みを放映。東上院長は
「一人ひとりの患者さんの医療の質に加え、症例数にもこだわっ
ています」
と意気込みを伝えている。
番組へのアクセスは、徳洲会
グループのホームページ(http://
www.tokushukai.or.jp)
のトップ
徳洲会グループのホームページに
画面にあるバナー
「どんな場所でも あるこのバナーをクリックすると、
番組にアクセスできる
生命だけは平等だ!」
をクリック!
胆道系処置、内視鏡的粘
ウェブ動画で紹介
屋久島徳洲会病院
名瀬徳洲会病院
瀬戸内徳洲会病院
喜界徳洲会病院
徳之島徳洲会病院
与論徳洲会病院
石垣島徳洲会病院
は
岸和田病院を拠点として14年は離島7院で応
援診療
験が離島応援の原動力に
歩行器やAEDの寄贈も
14
長は、その秘訣を「離 島
酒井英二院長(右)
と藤田真奈美リポーター
13
なっていると明かす。
健康友の会から車いす
岸和田病院消化器内科の離島応援
体制を確立した尾野センター長
「どんな場所でも生命だけ
は平等だ!」
徳洲会グループはインタ
ー ネット上 の 動 画 サイト
「YouTube」に、グループ病
院の医療への取り組みを紹
介する番組を毎月1回配 信
膜下層剥 離術(ESD)
医療の質と症例数
「もっと訪問リハビリテーションを活用して
もらいたい」
そんな思いから、
沖永良部徳洲会病院
(鹿児
島県)
は、訪問リハビリの周知を目的としたケ 訪問リハビリについて熱心に学ぶケ
アマネジャーら
アマネジャー対象の研修会を開催した。
訪問リハビリは在宅医療や在宅介護に重要な役割を果たすが、同島内
で訪問リハビリを行っているのは同院のみということもあって医療・介護
関係者にも認知率が低い。同島の2013年度要介護・要支援認定者の
うち登録者数はわずか8人、利用率は1%未満だった。
そこで同院は島内初の訪問リハビリ研修会を企画。
「当日は介護
報酬改定の勉強会と重なったので、参加人数が少ないのではと心
配しましたが、予想以上の入りで関心の高さがうかがえました」
と
内山将哉・リハビリ室主任
(作業療法士)
は笑みを浮かべた。
会場いっぱいの36人を前に、訪問リハビリ担当のスタッフ2人
が登壇。高山里沙・理学療法士が導入のための手順や制度につ
いて、伊地知正悟・作業療法士が同島の訪問リハビリの現状や実
際の症例をとおし、
どのような患者さんが対象となるかなどについて、
それぞれ説明した。
参加者はうなずいたり、
メモを取ったりと熱心に聴講。終了後も多
くの質問が上がり、参加者は導入のヒントを得た様子。
アンケートで
は「サービスとして利用してみたい」という声が多数上がっていた。
同院は今後、4カ月に1回程度開催し、島内専門職間の情報共有
と連携を図っていく考えだ。
名瀬徳洲会病院
岸 和 田
徳洲会病院
14
岸和田徳洲会病院
2014年 岸和田病院
消化器内科 離島応援実績
平成 27 年 5 月 11日 月曜日│No.979 ❹
聞
新
洲
徳
生 命だけは平等だ