明日へ向けてのアピール(27) 大阪が守り続けてきた 手話による教育を さらに発展させ全国に広げていこう 大阪においては 26 年ぶりに、第 27 回ろう教育を考える全国討論集会が文部科学省の後 援を初めて得て 2015 年8月1日、2日の二日間にわたり開催されました。全国から集まっ た約 350 名の参加者が、 「手話言語法(仮称)と子どもたち」をテーマに、記念講演、分科 会、講座、ワークショップ、小中高生企画等に参加し、学習、討論を行いました。 大阪市立ろう学校、大阪府立生野ろう学校、大阪府立堺ろう学校のそれぞれの卒業生、 大阪府立だいせん聴覚高等支援学校の元教諭による記念講演では、大阪のろう教育の過去、 現在、未来が語られました。ここ大阪で、高橋潔先生らによって育まれ守り続けてきた手 話によるろう教育を学び直すことにより、これからの取り組みへの確信を持つことができ ました。そして、全国初の手話言語条例を制定した鳥取県の地域の学校及びろう学校での 手話普及と活用の取り組みを学びました。一方で、人工内耳装着に関わる情報提供が不十 分であり、社会モデルにたった考え方が必要であるなど、熱心に意見交換が行われました。 また、保護者のろう・難聴児との関わりへの支援をはじめ、重複障害児教育、教員養成な ど、ろう教育を取り巻く様々な現状について学習することができたと思います。 これまでの討論集会が積み重ねてきた手話による教育、ろう・難聴児(者)が主体とな る教育の確立というメッセージをより明確に発信していくとともに、ろう・難聴者、ろう 教職員をはじめとする教職員、保護者、研究者、手話に関わる人々がさらに連帯して取り 組んでいかなければなりません。ここ大阪が守り続けた手話による教育をさらに発展させ 全国に広げていくために、手話言語法(仮称)の制定への取り組みとも連動して取り組ん でいきましょう。 そのために、ろう教育を考える全国協議会は学校教育の現場で活用できる「学校の手話」 等の本を教職員・保護者・生徒・地域などの多くの方々に普及するなどの環境整備の一翼 を担い、来年度の全国討論集会を全国初の手話言語条例制定の地・鳥取県において開催す る準備を進めます。また、本年度は一般社団法人奈良県聴覚障害者協会に加入頂きました。 今後、さらに私たちの目的に賛同いただく団体・個人に入会を呼びかけていきます。 この大阪集会で語り合った参加者一人ひとりが、ろう教育の未来の実現に向けて、地域 で、仲間とともに、様々な関係者や専門家とともに考え、語り合い、実践していきましょ う。そして来年の夏、鳥取で、その取り組みの成果を持ち寄って、再会しましょう。 2015 年8月2日 第 27 回ろう教育を考える全国討論集会 in 大阪 参加者一同
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