2015 WINTER (第 5 号)

医療法人松田会
松田病院
2015 WINTER
(第 5 号)
平成 27 年 1 月 1 日発行
医療法人松田会 松田病院
Vision(理事長の夢)
-
日本一安心でぬくもりのある医療・福祉サービスをお届けし、人々の幸せづくりのお手伝いをいたします。
新年を迎え
医療法人松田会 理事長
松田惠三郎
新年明けましてお
物と感謝を申し上げる次第です。私共、医療
めでとうございま す 。
法人松田会の職員は、全ての患者様に 「 安心 」
平成 27 年の新年を迎
をお届けすることを目指しております。本認
え、皆様に心より新
定を取得は致しましたが、現段階では、安心
春のお喜びを申し上
して頂ける医療安全レベルの第一段階に到達
げます。
したに過ぎません。さらなる安心をお届けす
私共の病院もこ
るために、職員一同、今後も研鑚を積み重ね
の地に根を下ろして
る決意でございます。
満 33 年を迎えようとしております。これも一
皆様もご存じの通り、昨年 6 月に医療・介
重に皆様のご協力があっての賜物と深く感謝
護一括法が国会で成立しております。2000 年
を申し上げる次第でございます。
に導入された介護保険は、それまでの医療制
皆様と松田病院を繋ぐ、本機関紙「エバー
度では対応できなくなった高齢者福祉を、医
グリーンライフ 」 も創刊2年目を迎えまし た 。
療保険と切り離して、さらに充実させること
未だ皆様に納得をして頂ける紙面内容に達し
を目的としたものでした。ところが状況は一
ておりませんが、本年第1号となりますので
変し、社会保障に関する予算が膨らみ続ける
一言ご挨拶をさせて頂きたく存じます。
中で、介護保険制度を維持することの困難性
さて、当院の昨年1年間を振り返りますと 、
が顕在化し、医療・介護一括法が制定される
まず(公財)日本医療機能評価機構における
運びとなりました。その内容は、医療と介護
病院機能評価を受審したことが上げられます 。
の密な連携を促すもので、その観点から、皆
「患者様に安心して頂ける、質の良い医療」
様も最近よく耳にする「地域包括ケアシステ
を提供する目的にて受審させて頂きました。
ム」という言葉が浮上して参りました。厚生
審査は書面による審査と、現地審査にて構成
労働省は、団塊の世代の方々が 75 歳に達する
されており、9 月末には 2 日間にわたる訪問
2025 年(平成 37 年)を目途に、高齢者の尊
審査が実施されました。その結果、お蔭様で
厳の保持と自立生活支援を目的とし、可能な
12 月 4 日に認定証を受理することが出来まし
限り住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを
た。これも一重に、地域の方々のご支援の賜
人生の最期まで続けることができるよう、地
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January 1, 2015
医療法人松田会
松田病院
域の包括的な支援・サービス提供体制(地域
ナル DVD を作成致しました。編集も最終段階
包括ケアシステム)を構築するとの方針を示
にきておりますので、近日中に完成する予定
しました。
でございます。先ず、松田病院外来の複数の
以上のような国の指針を踏まえ、当法人
では「連携」を「融合」まで進化させ、今年
場所で放映させて頂きたいと存じます。
更に、ご希望がございましたら、病院外に
を「医療と介護の融合」元年と捉え、地域の
も赴き、リハビリスタッフにより直接指導さ
方々に必要な医療と介護を、スムーズな連携
せて頂くことも考えております。健康に関す
の下に提供出来る仕組みを構築することを目
ることであれば、リハビリ分野のみならず栄
標に掲げました。
養課の分野でも、さらには医学の分野でも直
統計によりますと、3 世代同居家族の割合
接赴いて講演会など企画させて頂ければと考
は、1980 年には 60%でしたが、2013 年には 10%
えておりますのでお気軽にご相談下さい。地
まで低下しているとのことです。少子高齢化
域の方々の健康増進のため、お役にたてまし
という社会構造の変化がもたらした現象と捉
たら幸いでございます。
えることが出来るのではないでしょうか。時
「まことに小さな国が、開化期を迎えよう
計の針を 30 年前まで戻し高齢化社会の前に戻
としている。」で始まる司馬遼太郎の素晴ら
ることは叶いませんが、私どもが今後の人生
しい著作「坂の上の雲」は、日本が明治以後
における健康づくり等に関して、アドバイス
に近代国家へと変貌して行く様を描き、目指
をして差し上げることは可能かと存じます。
す近代国家を「雲」に例えた作品で、皆様も
また、元気作りの応援団になって励まして差
良くご存じと思います。私ども松田会は職員
し上げることも出来ると思っております。私
一丸となって、皆様に満足して頂ける「地域
共は、多くのご高齢の方々と仕事をさせて頂
包括ケアシステムの構築」と「地域の方々の
いた経験より、「何歳からでも新しいことを
健康増進」を目標とし、「(寺岡)山の上の
始めることが出来る」と信ずるに至っており
雲」を目指して、地域の皆様とごー緒に歩み
ます。
を進めて参りたいと考えております。
松田会では、皆様方の健康増進をお手伝い
したいとの思いから、リハビリテーション
最後になりましたが、皆様方のこの一年の
科・渡邊科長の指導の下に、「医療法人松田
ご健康と、ご活躍をお祈りして、新年のご挨
会・健康増進プロジェクト」を立ち上げまし
拶とさせていただきます。
た。手始めにリハビリに関する2本のオリジ
西棟玄関付近に、イーネット ATM が設置されております。
使用出来る主な金融機関
七十七銀行・仙台銀行・ゆうちょ銀行・JA バンク・各都市銀行
など、ほとんどの金融機関のカードが土日も含め、ご使用になれます。
(各金融機関所定の手数料が別途かかります)
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January 1, 2015
医療法人松田会
松田病院
この度、松田病院では、公益財団法人日本医療機能評価機構が行っている「病院機能評
価 3rdG,ver1.0」一般病院 1(主たる機能)及び回復期リハビリテーション(副機能)に
おいて認定基準を達成し、認定病院となりました。病院機能評価とは、患者様が安心して
安全な医療を受けることが出来る病院かどうかを様々な角度から、2 日間にわたり書類確
認、面接調査、部署訪問で審査を受け一定の基準に達していれば、認定されるものです。
現在、全国3割程の病院が認定病院を取得しています。
私たちは、医療の質向上、安心で安全な医療の提供という観点より、平成 25 年 6 月か
ら 1 年 3 か月にわたり改善を進め、昨年 9 月に調査員 4 名が来院し病院の機能を審査して
いただきました。この認定に恥じぬよう今後とも、患者様に選ばれる病院を目指し邁進し
てまいります。
病棟での審査
公益財団法人日本医療機能評価機構ホームページ
より抜粋
医療を見つめる第三者の目。それが病院機能評
価です。
病院機能評価は、病院が組織的に医療を提供する
ための基本的な活動(機能)が、適切に実施されてい
るかどうかを評価する仕組みです。評価調査者(サ
ーベイヤー)が中立・公平な立場にたって、所定の評
価項目に沿って病院の活動状況を評価します。評価
の結果明らかになった課題に対し、病院が改善
に取り組むことで、医療の質向上が図ら
診療記録(カルテ等)の審査
れます。
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January 1, 2015
医療法人松田会
松田病院
リハビリテーション科 (脳神経疾患担当)
医師
須貝和幸
‹脳卒中と回復期リハビリテーション›
‹当院回復期リハビリテーション部の歩み
脳
は人間の生命に直結する最重要臓
器の一つです。この大事な脳に関
わる疾患は実に多種多様に渡って
存在します。しかし私達の日常生活と最も馴染
と現状›
当
院の黎明期は「東北股関節疾患セ
ンター」に象徴される整形疾患診
療を中核としておりました。おの
み深い脳疾患と云えば、通常は脳卒中であるこ
ずと回復期リハビリテーション病棟に入院され
とを皆様方にも広く周知頂いているかと存じま
る患者さんの多くは骨折手術後等の方々でした
す。脳卒中には脳梗塞・脳出血・くも膜下出血
。しかし近年は周辺医療機関から脳疾患リハビ
などが含まれます。これらは脳血管の破綻もし
リに対する御要望を頂戴する機会が飛躍的に増
くは閉塞によって脳にダメージを残す疾患群で
加したため、整形疾患に並んで脳卒中リハビリ
あり、罹患者数で見た場合、脳卒中に次ぐ頭部
にも注力してまいりました。
外傷や難治性神経疾患をはるかに上回っていま
脳卒中リハビリに関しては、神経内科・脳神
す。脳卒中はかつて死亡原因のトップを占めた
経外科の医師~看護師~理学療法士~作業療法
時代もありましたが、現在は 癌・心臓病・肺
士~言語聴覚士~管理栄養士~社会福祉士等が
炎に上位を譲り 4 位にまで後退しています。こ
各人の専門知識や技術を駆使し、かつ緊密に連
れは完全とは言えないまでも救急医療体制が整
携しながら治療にあたっております。具体的に
備され、並行して救急病院での診断~治療方法
は、各患者さんの疾患内容~心身の状態~後遺
が進歩した結果、脳卒中を発病しても急性期中
症の内容と重さ~年齢・性別や病前の社会的役
(発病して概ね 2 週間目まで)に死亡するケース
割~御家庭の環境~退院後に希望される生活様
が大幅に減少したためです。
式等々の多岐にわたる要素を正確に把握し、個
脳卒中で命まで奪われる事例は減りました。
別の到達目標(ゴール)を設定するところからリ
しかしながら、急性期以降に大なり小なりの後
ハビリ治療が開始されます。そしてゴールに向
遺症を残すケースは依然として多く、脳卒中が
けたリハビリ計画(機能訓練のメニュー・入院
手強い病気であることは今日でも変わりありま
期間)を担当スタッフ全員が共有し、場合によ
せん。後遺症によって家庭生活復帰や社会復帰
っては計画を軌道修正しつつ練習を進めて参り
(復職・復学)が阻まれたり著しく制限されたり
ます。当院のリハビリ訓練は原則として休祝日
する事例も少なくないのが現状です。また社会
途絶えることなく 1 年間を通じて実施しており
の急速な高齢化とともに脳卒中有病者の激増を
ますが、これは柔軟な人員配置が可能な民間病
予想するデータもあります。斯様な時代背景を
院ならではのことと自負致しております。
踏まえ、発病 2 週間以降~6 か月目までの後遺
この様な機能訓練と身体管理で構成される
症治療にあずかる回復期リハビリテーションの
「医学的リハビリ」を遂行するかたわらで、ケ
重要性が益々高まってくると考えられます。
ースに応じて、リハビリのもう一つの側面であ
る「社会的リハビリ」にも着手します。社会的
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January 1, 2015
医療法人松田会
リハビリの役割は、患者さんの抱える経済面~
家庭・地域・職場・就学環境面での問題点やご
心配ごとを出来得る限り払拭し、円滑な医学的
リハビリを実現させ同時に生活運営を早期に安
定化させることです。これには、種々の社会支
松田病院
‹脳卒中リハビリテーションに対する当院
の姿勢›
周
辺をのどかな田園や里山に囲まれ
遠方には蔵王連峰を望み、落ち着
いた環境の中で回復期リハビリテ
援制度(障害者手帳~障害年金・生活自立訓練
ーションに取り組んで頂けます。仙台市郊外の
施設・就労訓練支援施設…)や介護保険サービ
立地ですが公共機関~一般・高速道を通じての
スのご案内、諸機関との連絡調整などが該当し
アクセスも良好で、市内外を問わず広く急性期
ます。
病院からの脳卒中回復期リハビリ患者さんの受
直近数年間を振り返りますと、さまざまな取
け入れを行っています。入院の皆様に対して科
り組みの結果、当院でのリハビリテーション終
学的で客観性のあるリハビリテーションを提供
了後に自宅に戻られる患者さんの割合(在宅復
することは云うまでもありません。加えて、皆
帰率)は 7 割以上で推移しております。無論そ
様が高いモチベーションを保ちながらリハビリ
の中には入院時点で重症であった患者さん方も
訓練と退院後の生活再建に邁進して頂けますよ
含まれています。また在宅復帰後もご希望をう
う、幅広い観点から治療~御相談をうけたまわ
かがい、維持期リハビリ(関連機関への通所・
る所存です。
訪問リハビリ)を継続して頂いております。
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January 1, 2015
医療法人松田会
松田病院
リハビリテーション科
連載企画 第1回
いつまでも健康でいきいきと!!
~介護予防のリハビリテーション~
松田病院
リハビリテーション科
理学療法士
金子亮太郎
「健康寿命」という言葉をみなさんは耳にしたことは
ておりませんが、症状が軽度の状態から予防すること
ありますでしょうか。一般的な寿命は生まれてから死
が大切といわれています。運動によっても予防できる
ぬまでの時間の長さを指しますが、健康寿命は日常的
と考えられており、有酸素運動の下で二重課題(例え
に介護を必要としないで、自立した生活ができる生存
ば計算をしながら身体運動をするなど)という二つの
期間を指します。よって寿命から健康寿命を引いた年
課題を同時に行うことも有効という研究もあります。
数が介護を必要とする状態となります。図にあるよう
に、2010 年の厚生労働省の調べでは、平均寿命と健康
寿命の差は男性で 9.13 年、女性で 12.68 年となってお
り、どちらも約 10 年間は何かしらの介護を必要とする
状態となっています。このような状態に加え、年々要
また、介護が必要な方と接していると、関節疾患、
骨折・転倒については、高齢による衰弱と関連性があ
るように感じます。一般的に年齢を重ねていくと筋肉
介護者が増加し続けているという背景から、健康寿命
量が減少しやすくなり、身体のバランスのとりかたも
を延伸し、要介護状態になることを予防することでい
難しくなります。そうなると転びやすくなり、それを
つまでも住み慣れた地域で暮らしていくことができる
恐れるあまり外出の機会も減ってきます。外出の機会
ようにと、「介護予防」という概念が生まれました。
が減るということは活動量の低下に繋がり、さらに筋
では介護予防が大切といっても何をどうしたらよい
力や体力が低下するという負のスパイラルに陥 り ま す 。
のでしょうか。近年、要介護状態となる原因として多
関節疾患でも同様に筋肉量の減少により、関節疾患の
い疾患が、脳血管疾患、認知症、高齢による衰弱関節
増悪を来し、重度の方では関節の痛みが現れ、外出す
疾患と骨折、転倒となっております。
ることが億劫になります。その結果、さらに筋力が低
脳血管障害については、高血圧症や高脂血症という
下し関節疾患の増悪を来たし、負のスパイラルに陥り
生活習慣病が原因となることが多く、適度な運動や塩
やすくなります。このような状態にならないようにす
分を控えるなどの適切な食事が必要となります。
るためにも、しっかりと筋力や体力の低下を予防し、
認知症について、最近の統計では 65 歳以上の 4 人
に 1 人が軽度も含め認知症の症状があるのではないか
維持していくことが大切です。
要介護状態となる直接的な要因ではありませんが口
と言われています。この薬を飲めば確実に良くなる、
腔の機能を維持していくことも大切です。口は話すこ
この食材を食べると良くなるということはまだわかっ
との他に、噛む、飲み込むといった機能があり、それ
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January 1, 2015
医療法人松田会
松田病院
らの機能が低下すると栄養を摂取することが難しくな
ります。しっかり運動しても栄養がなければ力になっ
さらに通所リハのみならず、地域包括支援センターが
ていかないのです。
主催する介護予防事業にも参加し、体力測定や転倒を
予防するための運動、体力をつけるための体操などを
これらのことを踏まえ、私たちは介護予防のリハビリ
行なっております。楽しく運動し、ご自分の健康を考
テーション(以下、リハ)に携わっています。医療法
える良い機会となり、毎年参加される方も多数いらっ
人松田会には介護予防通所リハがあり、主に理学療法
しゃいます。
士や作業療法士が身体機能や生活動作の実施状況の確
認をし、利用者様の状態にあった運動や生活動作練習
を提供しています。認知症についても、前述したよう
に二重課題や手先を使う運動などを取り入れ、認知機
能低下を抑制できるように努めています。また、言語
聴覚士による口腔機能の検査やリハも行っております 。
団塊の世代が 75 歳以上となる 2025 年には、4 人に 1
人が 75 歳以上という超高齢社会に突入します。私たち
はこの地域の皆様が少しでも住み慣れた環境で、安心
して生き生きと暮らしていけるよう、健康を支え、介
護が必要となることを予防するという面から貢献して
まいりたいと思います。
昨年 12 月 11 日、西 3 階回復期リハビリテーション病棟にて
クリスマス会が開催されました。クリスマスへのわくわく感を感じ
ながら、プレゼント作りの作業や音楽を通じて患者様のリハビリ
への意欲を引き出し「やれる!できる!」と自信を持っていただけ
るよう回復期リハビリテーション病棟スタッフ一丸となって準備し、
当日はキャンドルの灯火に囲まれた厳かな雰囲気から始まりハンドベル、子供たちの合唱、患者様・ご家族・病棟
スタッフ一緒の合唱を行い、栄養課より特製のクリスマスケーキも振るまわれ、笑顔あふれる時間を過ごすことが
できました。回復期リハビリテーション病棟ですので、脳梗塞の後遺症で麻痺のある方や離床がまだ難しい方もい
らっしゃいますが、リハビリチームとの連携で車いすに起きて参加する事ができ「きよしこの夜」や「ふるさと」
を歌ったり、時折涙する方もいらっしゃいました。年末の寒い時期でしたが、患者様やご家族様の心に残る温かい
会だったと思っていただけましたら幸いです。
西 3 階病棟は、病床数 48 床で、主に脳血管疾患・大腿骨頚部骨折・圧迫骨折・肺炎後の廃用症候群の疾患が主
となっています。スタッフは専従医師1名、看護師 20 名、介護士 10 名、看護助手1名、医師、理学療法士、作業
療法士、相談員、管理栄養士、薬剤師、医事スタッフ等と連携を図りながらチーム医療に
取り組んでおります。回復期リハビリテーション 10 箇条を掲げ日々患者様が安心、安全な入院生活をおくること
ができるようケアさせていただいております。
西3階
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January 1, 2015
回復期リハビリテーション病棟師長
渡辺
医療法人松田会
ノロウィルスについて
松田病院
・感染した家族の便や嘔吐物を処理する時は、使
医療安全管理室
感染対策担当看護師 笹木英恵
新しい年を迎え、美味しいものを食べる機会が
い捨て手袋、マスク、エプロンを着用し処理後
は流水と石鹸で十分に手を洗いましょう。
●もしノロウィルスにかかってしまったら?
嘔吐や下痢による脱水症状を起こすことがあ
多くなる時期になりました。
牡蠣など、二枚貝を食べることが多い冬のこ
ります。嘔吐がおさまったら少しずつ水分を補給
の時期にノロウィルスの感染が増えます。今回は
し、消化のしやすい食事をとるように心がけまし
ノロウィルスについてお話しします。
ょう。
ご家族の嘔吐物を処理する際は、使い捨て手
●ノロウィルスとは?
袋マスク、エプロンを着用し 500ml のペットボト
季節的に秋口から春先に多くなる胃腸炎、食
ルに塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)をペ
中毒の原因ウィルスで、ご存じの方も多いかと思
ットボトルキャップ2杯(10ml)入れたものを作
います。潜伏期間は1~2日、強い感染力を持っ
り、キッチンタオルを浸して広げないように集め
ているのが特徴です。症状は下痢や嘔吐、腹痛な
ビニール袋に入れ、最後に上から残った塩素系漂
ど胃腸炎の症状がでます。どこから感染するかと
白剤液をかけて処分します。処理後は石鹸で手を
いうと、汚染されている貝類を十分な加熱をしな
洗い、部屋の換気を行いましょう。
いで食べる、感染している食品取扱者の手を介し
洋服やシーツに付いたものの洗濯は、洗剤を
て作られた食品を食べる、感染した人の便や吐物
入れた水の中で静かにもみ洗いをします。その際
に触れる。またウィルスで汚染された手で触れた
はしぶきを吸い込まないように注意してください 。
場所に触れることでの感染があります。まれに吐
下洗いしたものを 85℃・1分以上の熱水洗濯が適
物が飛散したものを吸い込むと感染することもあ
しています。また色落ちに注意が必要ですが塩素
ります。
系漂白剤で消毒も有効です。その後高温の乾燥機
やスチームアイロン、布団乾燥機を使うと効果的
です。下洗いした場所は塩素系漂白剤で消毒し洗
●ノロウィルスを予防するためには?
・ノロウィルスにはアルコール消毒薬は効果があ
りません。食事の前、調理の前、トイレの後な
浄しましょう。
症状が消失した後も、約1週間は便の中にウ
どに石鹸と流水で手をよく洗い、清潔なタオル
ィルスが排出される可能性があるので、注意が必
で手を拭きましょう。
要です。
・牡蠣や二枚貝を食べるときは 85℃以上で1分間
大切なのは流水で十分手洗いを行うことです。
以上調理し、中までしっかり火を通しましょう
しっかり手洗いを行い、ウィルスから体を守り、
。
寒い冬を乗り切りましょう。
・調理器具(まな板・包丁・ふきんなど)は、良
く洗った後、熱湯で消毒(85℃で1分間以上)
または塩素系漂白剤などで消毒しましょう。
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January 1, 2015
医療法人松田会
松田病院
この度松田病院では、以下の概要で患者様の満足度調査を行いました。ご協力いただきました患者様やご家族
様には感謝申し上げます。結果内容を真摯に受け止め、患者様の満足度向上に努めてまいります。
期間
外来 10 月第 3 週
入院 10 月に退院された方
方法
外来については午前、午後と任意の 10 名~20 名に調査用紙をお渡し、入院された方には、退院
時に調査用紙をお渡ししました。
西棟及び東棟外来で合計 171 枚の調査用紙を回収しました。
病棟では合計 49 枚の調査用紙を回収しました。
質問
各質問について 1 点(最低)~5 点(最高)の 5 段階評価をしていただきました。最初の8つの
質問は、医療の内容説明や待ち時間、身だしなみについて、後半の6つの質問は、松田病院の
設備について、一番最後は、松田病院への満足度をお聞きしました。
会計での待ち時間につきまして
は、平成 27 年度に医事システム
の更新を予定しており、改善を
見込んでおります。診察での待
ち時間につきましては、予約制
などを含めまして検討を重ねて
まいります。
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January 1, 2015
医療法人松田会
松田病院
~女性の痩せ型 過去最多の12% 男性の肥満 28.6%は高止まり~
【健康管理室 保健師 伊藤・八田・佐藤】
平成 26 年も終わり、新しい年をお迎えのことと
存じます。
①
さて、昨年末には平成 25 年の国民健康・栄養調
査の結果(20 歳以上対象)の概要が報告され、20
代の女性の痩せと運動不足、男性の 30 代の男性は
②
休日ごろごろし、肥満傾向ということが、わかりま
した。
1. 身体状況
① 肥満と痩せの状況
②
③
30 代が最も低い状況である
歩数の状況では、男性の平均歩数は 7099
歩で 10 年間で減少傾向にあり、女性は
6249 歩で 10 年間で変化が無かった。
生活活動の実践度(日常生活で体を動かす
ことを実行していて十分に習慣化している )
者の状況は、男女ともに 3 割を超え、平成
痩せの女性は 20 代が一番多く 21.5%で、
ついで 30 代の 17.6%となっており、過去
10 年間でも増加傾向にあります。一方男性
18 年より増加している。年齢階級別では男
性の 70 歳以上、女性の 60 代が最も高い一
方、「実行しておらず、実行しようとも考
の肥満者の割合は、28.6%で、平成 22 年
までの増加傾向だった状況が変化が見られ
ず、40 代が 34.9%と多く、ついで 50 代の
31.1%となっており、働き盛りの男性が肥
えていない」者の割合は、男性の 30 代、
女性の 20 代が最も高い 13.4%と 12.6%で
ある。
身体不活動の状況(座ったり寝転がったり
④
満傾向が高い状況になっています。
【肥満と痩せの判定は、BMI(Body Mass
Index)を用い、標準は 22 で「やせ」は BM
して過ごす時間が、一日に 10 時間以上あ
る)者の割合は、平日で男性 25.8%女性
20.3%。休日では男性 27.6%女性 21.4%
I18.5 ㎏/㎡未満、「肥満」は BMI25kg/㎡
以上。】
糖尿病・血圧・血中コレステロールの状況
糖尿病を強く疑われる者の状況は、男性は
となっている。年齢階級別では、男性は平
日では 50 代、休日では 30 代が、女性では
平日・休日共に 20 代が最も高くなってい
る。
16.2%一方、女性は 9.2%で、平成 18 年か
ら見ても変化が無かった。
血圧は、男性の収縮期(最高)血圧の平均
値は 135.3mmHg であり、平成 19 年から減
少傾向である。女性の収縮期血圧の平均値
は、129.5mmHg で、10 年間で減少傾向に
ある。収縮期(最高)血圧が、140mmHg
3.
その他
① 喫煙は、現在習慣的に喫煙している人の割
合は 19.3%で、男性は 32.2%、女性で 8.2%
②
以上の者の割合は男性 38.3%、女性 29.6%
である。血中コレステロールの平均値は男
性 196.6mg/dl、女性 207.3mg/dl で、男女
2.
運動習慣者の状況は、男性 33.8%、女性
27.2%であり、年齢階級別では男女ともに
ともに 10 年間で変化が無かった。総コレ
ステロールが 240mg/dl 以上は、男性で
10.3%女性では 16.8%である。
身体活動・運動の状況
であり、10 年間では減少傾向にある。男性
では 30 代が 44%と一番高く、女性では 20
代の 12.7%が一番高い状況。
朝食の欠食率
男性では 14.4%、女性では 9.8%。年齢計
級別では、男女共に 20 代が最も高く、男
性で 30%、女性で 25.4%である。
生活習慣病の予防には、20 歳代・30 歳代のころ
からの、生活習慣の見直しが大切です。
気がついたときから、朝食を摂り、喫煙をせず、適
切な栄養と運動を取り入れた、健康的な生活習慣に
していきましょう。
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January 1, 2015
医療法人松田会
外来予定表 平日
11
松田病院
診療時間 8:30-11:30/14:00-18:00
January 1, 2015
℡378-5666
医療法人松田会
松田病院
大根のゆずそぼろあん(2 人分)
【作り方】
①
②
③
④
当院管理栄養士の
とっておきレシピ
大根は 4 センチ幅の輪切りにして水から 5 分程下茹でする。ねぎはみじん切り、ゆずは汁を絞り、
皮はすりおろす。
鍋にだし、しょうゆ、みりんを入れて①を煮る。
①のねぎと豚肉を鍋に入れて炒め、A の調味料で味をつけ、仕上げにゆずの汁と皮を加える。
②を器に盛りつけ③をかける。
材料 2人分
大根
200g
だし
100㏄
醤油
大さじ1/2
みりん
大さじ1/2
豚ひき肉 50g
長ねぎ
1/2本
A
砂糖
大さじ1/2
醤油
大さじ1/2
みそ
大さじ1/2
ゆず
1/4個
編集後記・編集委員より
寒い季節はやっぱりお鍋です!最近は種類が豊富で何鍋にするか
迷ってしまいますね。
どんな鍋でも、みんなで楽しくワイワイ食べると心も身体も温まります。
(K.H)
鍋料理の名脇役、ポン酢。この「ポン」は、オランダ語で柑橘類の果汁を意味する
pons(ポンス)に由来という説があります。普段意識せず使う言葉に外来語は意外に
多いものです。言葉に敏感に、次号の編集も頑張ります!(Y.K)
体を温める食べ物と言ったら、「鍋物」ですが、羊肉と鹿肉も体を温める熱性食品な
んだそうです。そういえば北海道ではよくジンギスカンを食べますよね。モンゴルで
も羊肉を食べる習慣があるようですよ。
(Y.S)
最近は、スーパーでも多くの鍋スープがあり、とてもおいしいですね。野菜とお肉をス
ープに入れるだけ。短時間で専門店の味!共働きの我が家の味方です。(N.S)
発行 医療法人松田会 松田病院(編集:広報委員会)
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January 1, 2015