第3学年3組 道徳学習指導案 検印 平成27年6月26日(金)第6校時 指導者 1 主題名 みんなのためにできること [内容項目4―(2)勤労] 2 資料名 わらじ作り 出典 みんなのどうとく3年 埼玉県版 3 主題設定の理由 教諭 (1) ねらいとする道徳的価値について 本主題である中学年の内容項目4-(2)は「働くことの大切さを知り、進んでみんなのために 働く。 」となっている。働くことは、単に自分が生活していくためだけではなく、社会生活を支えて いくことにつながっている。その反面、働く過程において、大変さや面倒くささを伴うものである。 しかし、それを乗り越え、責任を果たした時には、仕事を成し遂げた満足感を味わい、他の人から も喜ばれる快い気分に浸ることができる。よって、働くことの楽しさや喜びの体験を積みながら、 働くことの意義に気付かせることが求められる。生活の中で、皆のためにできることを考え、仕事 を見付けたり、進んで参加したりしようとする態度を育てていきたい。 (2) 児童の実態 本学級の児童に、働くことについてのアンケートを行い、実態把握を行った。 1 当番活動を忘れずに行っていますか。 はい (27人) ・ いいえ (1人) 2 係活動は忘れずに行っていますか。 はい (26人) ・ いいえ (2人) 3 「はたらく」とはどういうことだと思いますか。(複数回答可) ・人の役に立つこと(8人) ・お金をかせぐこと(3人) ・みんなのために (11人) ・家族のため ・社会のために (3人) ・人が喜ぶために (2人) ・物をつくるために(2人) ・ほめられるために(2人) (12人) ・生活を良くする(便利)ために(3人) ・地球・環境のために(2人) 4 学校や家でお仕事をがんばって役に立ったけいけんはありますか? はい (27人) ・ いいえ (1人) その時どんな気持ちがしましたか?(複数回答可) ・うれしかった(12人) ・よかった(6人) ・すっきりした(8人) ・いい気持ち(6人) ・もっとやりたい、またやろう(4人) ・楽しかった(4人) ・がっっばったな ・めんどくさいな (6月17日実施 調査人数28名) 本学級の児童は素直で友だちに対しての思いやりもある。周りの友だち一人ひとりの気持ちにより 添おうとしている場面も見られる。また、当番活動を進んで行い、 「ボランティア」の言葉かけで、 自分の当番以外の仕事も進んで手伝ってくれる児童も多い。しかし、中には自分の仕事に責任を持っ て行うことができず、仕事を忘れる日が続いたり、最後までやりきれなかったりする児童もいる。働 くことの大切さや、みんなのために働くことについて考えて取り組むまでには至っていない。児童の 身近な仕事については、責任を果たすことでどのようにみんなの役に立っているのか理解できる時期 になってきている。アンケート結果からも分かるように、周囲の人々の役に立つ経験から働くことの 意義を感じとっている児童も多くいる。今までの経験も踏まえ、さらに自分たちにできることを考え 仕事を見付け、それに参加しできるようにしたい。 (3) 資料について 薪を背負い本を読んでいる姿で有名な二宮金次郎の少年時代の話である。主人公の少年二宮金次 郎が病気になった父親に代わり、大水の災害によって村の田畑を覆った石やどろを村人たちといっ しょに取り除く仕事や、この仕事をするのに欠かせないわらじを懸命につくる姿が描かれた資料で ある。わらじ作りについては、他の人から仕事の依頼をされたものではなく、自ら考えて取り組ん だ仕事である。よって、進んで仕事をすることの大切さや、その仕事がどのようにみんなの役に立 っているのかを実感させることができる資料である。 4 研究主題との関わり 研究主題「確かな力を持ち、豊かな心で学び、思いや願いを実現する子の育成」 ~生きる力を育む健康教育の推進~ めざす児童像 ・社会のルールやマナーを身につけ、自他を尊重する児童 ・力いっぱい運動し、思いっきり汗をかく児童 ・自らの力で進んで基本的生活習慣を確立し、健やかな心身をもつ児童 研究の仮説 ・豊かな体験を通して、教育活動全体で道徳教育の充実を図ることができれば、社会のルー ルやマナーを身につけ、自他を尊重する児童を育成できるであろう。 ・体育授業および体育的活動を通して魅力的な運動(運動遊び)を提供できれば、体を動か す喜びを味わい力いっぱい運動する児童を育成できるであろう。 ・家庭や地域と連携を図りながら保健・安全教育および食育の充実を図ることができれば自 らの力で進んで基本的生活習慣を確立し、健やかな心身を持つ児童を育成することができ るであろう。 本主題である中学年の内容項目4-(2)は「働くことの大切さを知り、進んでみんなのために働 く。 」ことを「わらじ作り」をきっかけに、今の生活の中でみんなのために自分にできることを考え させ、実践していけるようにしていきたい。また、家庭での仕事についても考える機会とし、研究仮 説にある豊かな体験活動、家庭との連携を図り、目指す児童像の「自他を尊重する児童」、 「自らの力 で進んで基本的生活習慣を確立し、健やかな心身をもつ児童」の育成をめざしていく。 5 本時のねらい みんなのために自分のできることを考え、仕事を見つけたり、力を合わせて仕事をしたりしようと する態度を育てる。 6 学習指導過程 段階 導 入 学習活動と主な発問 1 予想される児童の反応 ・指導上の留意点 ☆評価の観点 これまでに一生懸命 ・掃除はしゃべらないで頑張ってい ・掃除や当番活動の様子の写真を提示 働いたことを思い出 す。 るよ。 ・当番活動は協力してやっている よ。 し注目させる。 展 2 開 資料「わらじ作り」 について知り、話し合 い方向性をつかむ。 (1)登場人物や条件・ ・学校の校門前にある像(二宮金次郎) 情況を知る。 は何をした人なのか想像させる。 (2) 範読を聞く。 (写真) ・歴史的な背景や二宮金次郎の生い立 (3)話題の整理と確認 ちなどの条件・情況を説明してから をする。 教師が読み聞かせる。 ・主人公になったつもりで考えながら 聞くように指示する。 ・児童の発言を中心に、児童と共に柱 立てをする。 3 主人公の気持ちを中 心に話し合う。 (1)村人たちが休んで ・お父さんの代わりとしてがんばるぞ ・頑張って働いても、大人のように仕 いる間にも働いてい ・みんなにめいわくはかけたくない 事ができないもどかしさを感じて る金次郎は何を思っ ・大人のようには働けないよ いる金次郎の気持ちを考えさせる。 ているのか。 ・みんなが休んでいる間になんとか して追いつきたいな (2)みんなのためにわ らじ作りをしている ・みんなの役に立ちたい ・これなら自分にもできそうだ ・誰かに頼まれたのではなく、村人の 困っている様子を見て、自分で考え 金次郎はどんな思い ついてわらじ作りをしている金次 をもっているのか。 郎の思い、考えをとらえさせる。 (3)わらじを喜んでい ・みんなが喜んでくれてうれしいな ・ほめられることを目的とせず、村人 る村人たちを見て、 ・みんなの役に立ったのかな たちの喜ぶ姿を見て、もっと頑張ろ 金次郎はどんな気持 うと思っている金次郎の気持ちを ちになっただろう。 考えさせる。 (4)村人たちに心から ・頑張った甲斐があった ☆人に感謝されることで自分の仕事 感謝された金次郎は ・これからも、自分にできることを に自信を持ち、自分にできる仕事を どんなことを考えて することの大切さを実感した金次 がんばろう いたのだろうか。 郎の思いや考えを捉えることがで きたか。 3 日常経験を思い起こ ・先生に係の仕事を一生懸命やって ・アンケート結果を示し、働くことに し、人の役に立つこと ほめられたのがうれしかったな ついて考える。 について話し合い、み ・掃除を班で協力してできたことが ・日頃の係活動や給食当番、掃除当番、 んなのためにできるこ とを考える。 よかったな ・これからも自分にできることをさ がしてがんばりたいな 日直の仕事、家庭での自分の仕事な ど、一生懸命やった経験を想起さ せ、その時の気持ちを考えさせる。 ・みんなの頭が良くなるような問題 ・今の生活の中で、家族や学級のため を考えたいな にできることを考え、道徳プリント ・みんながうれしくなるような工夫 をしたいな に記入させる。 ☆働くことのよさやこれからやって みたいと思う仕事など、自分の考え をもっている。 終 4 教師の説話を聞く ・自分たちの頑張りが誰かの役に立っ 末 7 ていることを実感させる。 板書計画 ・ み ん な の た め に 働 く こ と の 大 切 さ 8 資料 が ん ば ろ う ・ こ れ か ら も 、 自 分 に で き る こ と を ・ 頑 張 っ た 甲 斐 が あ っ た ・ み ん な の 役 に 立 っ た の か な ・ み ん な が 喜 ん で く れ て う れ し い な た の だ ろ う か 。 村 人 た ち に 心 か ら 感 謝 さ れ た 金 次 郎 は ど ん な こ と を 考 え て い な っ た だ ろ う 。 ・ み ん な の 役 に た っ た の か な ・ み ん な が よ ろ こ ん で く れ て う れ し い な ・ わ ら じ を 喜 ん で い る 村 人 た ち を 見 て 、 金 次 郎 は ど ん な 気 持 に ・ み ん な の 役 に 立 ち た い な ・ こ れ な ら 自 分 に も で き そ う だ も っ て い る の か 。 ・ み ん な の た め に わ ら じ 作 り を し て い る 金 次 郎 は ど ん な 思 い を ・ ・ な ん と か み ん な に お い つ き た い ・ お と な の よ う に は は た ら け な い よ ・ 村 人 の み ん な に め い わ く は か け た く な い ・ お 父 さ ん の か わ り に が ん ば る ぞ い る の か 。 村 人 た ち が 休 ん で い る 間 に も 働 い て い る 金 次 郎 は 何 を 思 っ て 像 ( 写 真 ) 豊 か に し た あ れ た 六 百 の 村 む ら の 田 畑 を 二 宮 金 次 郎 の ま ず し い 農 家 に 生 ま れ る わ ら じ 作 り 二 宮 金 次 郎
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