成人継続教育論 - 東北大学大学院教育学研究科・教育学部

成人継続教育論
授業科目
単位
担当教員
講義題目
成人教育論特論Ⅰ
2
石井山竜平
地域学習のデザイン
開講学期
第 1 学期
(火・ 3 )
[授業目的と概要/学習の到達目標]
地域再生のための学習のこれからを展望するために,教育哲学・教育史・教育
実践研究の関心から「地域と教育」を問い続けてきた大田堯(1918∼)の教育論
への理解を深める。大田は,
「地域と教育」への関心の延長に,学校をはじめと
する制度的空間を超えて生活の場で営まれる「人間の育ち」の過程をとらえると
ころから,教育をとらえなおすという作業を今日に継続してきた。
本講義では,そうした大田の論考に直接学ぶとともに,その観点を積極的に継
承して近頃まとめられた佐藤一子の地域学習論を検証する。
[授業内容 ・ 計画]
前半は,テキストの精読と並行して,成人教育をめぐる基本的認識を講義で学
ぶ。後半は,東北の地域学習の取材・報告をしてもらう。
[評価方法]
出席,報告の内容,最終レポートにもとづく総合評価。
[テキスト]
・佐藤一子編『地域学習の創造』
(東京大学出版会,2015年)
・『太田堯自撰集成 全四巻』
(藤原書店,2013年)
[履修上の注意]
定例の時間以外で,仙台ないしは被災地域で取り組まれている地域問題にかか
わる学習会や,地元社会教育職員が取り組む学習会への参画の機会がある。
−23−
授業科目
成人教育論研究
演 習 Ⅰ ・ Ⅱ
単位
担当教員
講義題目
各2
石井山竜平
過疎化と生涯学習計画
開講学期
第 1 ・ 2 学期
(火・ 4 )
[授業の目的と概要/学習の到達目標]
今日の日本では,かつての人口,産業構造にもとづいて設置された公共施設が
維持できない事態が広がっている。こうした段階における地域生涯学習計画はい
かにあるべきかを,事実に向きあいながら検討する。
[授業内容 ・ 計画]
昨年度に引き続き,山形県川西町吉島地区を主要フィールドに調査をおこなう。
川西町では2002年度,行財政改革の一環として,公民館から行政職員を引き上
げ,施設は指定管理者制度に基づいて地域に委ね,職員は住民からの公募,とい
う内容の公民館改革が断行された。
そうした中,川西町の一地区,吉島地区では,それを地域を変える契機にと,
施設の受け皿組織として全世帯加入の NPO 法人「きらりよしじまネットワーク」
を創設(2007年)
。それによって,形骸化していた地域の諸団体を再編すること
で,各町会から地元の若者が NPO 事務局スタッフに推挙されるしくみができあ
がり,集められた青年たちが諸事業を経験する中で地域の方々からこれからの地
域を担う存在として認知されていくという,地域人材育成のサイクルが駆動しは
じめている。
この事例を多角的に分析し,最終的には演習参加者全員による共同論文を仕上
げる。
[評価方法]
報告の内容,調査への貢献度,分担レポートの質などから,総合的に評価を行う。
[テキスト ・ 参考書]
授業で提示する。
[履修上の注意]
この授業はⅠ ・ Ⅱを同一年度に受講することを前提にしている。また,実際に
現地に伺うこともあり,開講時間・時期に限定されない取り組みとなること,ご
留意いただきたい。
−24−
授業科目
成人教育論研究
演 習 Ⅲ ・ Ⅳ
単位
各2
担当教員
講義題目
高 橋 満
石井山竜平
成人教育研究の新動向
開講学期
第 1 ・ 2 学期
(木・ 4 )
[授業目的と概要]
成人教育をめぐる注目すべき研究成果をとりあげ,成人教育論研究分野に所属
する教員及び大学院生全員での検討を行う。また,研究科年報や学会年報・紀要
投稿予定者や,学会発表予定者の事前検討会もあわせて行う。
[学習の到達目標]
教員も院生も共に学びあう場であるので,到達目標は特に設定しない。
[授業内容 ・ 計画]
・日本社会教育学会等の紀要論文,及び年報論文などの検討
・学会発表,論文投稿の事前検討
[評価方法]
出席及びレポート,討議への参加などを総合的に評価する
[教科書]
なし
[テキスト ・ 参考書]
なし
[その他]
成人教育論研究分野に所属する院生は,すでに受講済みの学生であっても,原
則参加すること。
−25−
授業科目
単位
担当教員
2
高 橋 満
リカレント教育論
特
論
Ⅰ
講義題目
開講学期
対人支援者の専門性と
第 2 学期
力量形成
(木・ 2 )
[授業目的と概要]
この講義では,「労働の場の学習」論の立場から,対人援助職の専門性とは何か,そ
の力量形成のプロセスについて検討する。職業能力開発では,通常,学校などのフォー
マルな教育や,ノンフォーマル教育である職場での研修に焦点が当てられ研究がすすめ
られてきた。あるいは,D ショーンに依拠して「省察」の意義が一面的に強調されてき
た。
「労働の場の学習」という視角は,これにたいしてインフォーマル・エデュケー
ションとしての学びのプロセスを重視する。
[学習の到達目標]
対人援助職の専門性とは何か。それを固体主義的ではなく関係的能力として理解する。
こうしたとらえ方を支える学習論について基本的な理解をもつ。実証的な分析方法につ
いても学習する。
[授業内容 ・ 計画]
1 .オリエンテーション
8 .保育者の自己形成と実践コミュニティの
2 .序章 対人支援者の力量形成
変容のプロセス
3 .支援の原理としてのケアの哲学
9 .学童保育における支援者の専門性と力量形成
4 .対人支援が「成人教育」になるとき
10.岐路に立つ青少年施設と職員の力量形成
5 .看護の力をどう高めるのか
11.図書館司書の専門性と職場の構成
6 .支援のネットワークをつくる保健師の力量
12.博物館職員の専門性と力量形成
7 .ソーシャルワーカーの力量形成と意識変容 13.公民館職員の専門性とは何か
[評価方法]
出席(70%)と発言(30%)により評価する。
[教科書]
高橋満・槙石多希子編著『対人支援者の学びの空間―実践コミュニティと力量形成』
創風社,2015刊行予定。
[テキスト ・ 参考書]
その他,必要な文献はそのつど紹介する。
[その他]
授業終了後のオフィスアワーの時間に個別指導する。
2016年度開講しない。
−26−
授業科目
リカレント教育論
研究演習Ⅲ・Ⅳ
単位
担当教員
講義題目
各2
高 橋 満
生涯学習の理論的動向
開講学期
第 1 ・ 2 学期
(水・ 2 )
[授業目的と概要]
この授業では,欧米の成人教育理論の最前線に研究動向を理解することをめざし
て,いくつかの研究雑誌に掲載された論文を検討していく。今年度は,social
capital, resilience, empowerment などの概念を使った論文に焦点を当ててとりあげる。
[学習の到達目標]
生涯学習・成人教育に関する欧米の研究課題や研究成果について理解し,自ら
の研究課題を再検討することをめざします。
[授業内容 ・ 計画]
以下の研究雑誌を中心に,学会の研究課題や自分の関心にあった論文を選択し
つつ,読み進めていきます。
Adult Education Quarterly
New Direction for Adult and Continuing Education
必要に応じて,関連する日本の文献を検討していく。
[評価方法]
出席(70%)と報告の内容(30%)により評価する。
[教科書]
なし
[テキスト ・ 参考書]
なし
[その他]
授業終了後のオフィスアワーの時間に個別指導する。
2016年度開講しない。
−27−
授業科目
単位
担当教員
スポーツ文化論特論Ⅰ
2
甲 斐 健 人
講義題目
開講学期
体育・スポーツ社会学に
第 2 学期
おける質的研究
(金・ 3 )
[授業目的と概要]
スポーツ社会学,体育社会学領域における質的研究を検討し,主に方法論に関
する理解を深める。質的調査を行うための考え方についても検討する。そのため
に,関連する領域の文献も検討する。
[学習の到達目標]
スポーツ社会学,体育社会学領域における質的研究の研究課題,方法論に関す
る理解を深める。質的研究で示されるデータを見て,そのデータ作成のためにど
の程度の労力が必要かを予測できるようになる。
[授業内容 ・ 計画]
質的方法をもちいたスポーツ社会学,体育社会学領域の文献を理解するため
に,下記の点に留意しながら,関連する知見について理解を深める。
①論文の研究課題,方法論とは何か
②質的研究の意義や特徴
③質的研究の課題,方法論の理解
④質的研究の調査上の問題点(留意点)
[評価方法]
出席内容(60%)とレポート(40%)によって評価する。
[教科書]
[テキスト ・ 参考書]
佐藤郁也『フィールドワークの技法』新曜社,2002年
安渓遊地・宮本常一『調査されるという迷惑』みずのわ出版,2008年
石岡丈昇『ローカルボクサーと貧困世界』世界思想社,2012年
松村・石岡・村田編『
「開発とスポーツ」の社会学』南窓社,2014年
など
[その他]
−28−
授業科目
単位
担当教員
講義題目
スポーツ文化論特論Ⅱ
2
市毛 哲夫
オリンピックを考える
開講学期
第 1 学期
(火・ 5 )
[授業目的と概要]
オリンピックは近年非常に巨大化したスポーツ・イベントになったが,その基
となったすなわち古代ギリシアにおけるオリンピックどのようなものであったの
かを理解するとともに,近代オリンピックの理念とその変遷について考えていき
たい。
[学習の到達目標]
オリンピックという事象を通して人間とスポーツの関わり方の変化を理解する。
[授業内容 ・ 計画]
1 ∼ 5 .古代ギリシア・オリンピック
6 ∼10.日本人とオリンピック
11∼15.経済活動あるいは産業としてのオリンピック
[評価方法]
出席80%,レポートとその発表内容20%
[教科書]
特に用いない。
[テキスト ・ 参考書]
片木 篤 著「オリンピック・シティ 東京1940/1964」河出ブックス 2010
桜井万里子 編「古代オリンピック」岩波新書 2004
古川隆久 著「皇紀・万博・オリンピック」中公新書 1998
橋本一夫 著「幻の東京オリンピック」NHK ブックス 1994
[その他]
第 1 回目の授業で詳しい説明をするので必ず出席すること。
−29−
授業科目
スポーツ文化論
研究演習Ⅰ・Ⅱ
単位
担当教員
講義題目
各2
甲 斐 健 人
開講学期
体育・スポーツ社会学研究の 第 1 学期(金・ 2 )
構想と展開
第 2 学期(金・ 4 )
[授業目的と概要]
この授業では,関連領域を含めた体育社会学,スポーツ社会学領域の文献を取
り上げ,検討する。あわせて,各自の研究課題にそって,事例研究および学術論
文の作成を進めていくための研究発表と討論を行う。
[学習の到達目標]
研究対象についてのアプローチの方法や分析視点を身につけ,学術論文作成の
技法を学ぶ。
[授業内容 ・ 計画]
授業では,各自の研究課題にそって,研究の構想や展開,実証的研究の進め方
等について報告し,参加者で検討する。
問題意識を作る
研究課題の設定
研究計画の策定
実証的研究の方法
論文作成
[評価方法]
出席(50%)と報告内容(50%)によって評価する。
[教科書]
なし
[テキスト ・ 参考書]
なし
[その他]
−30−
授業科目
単位
担当教員
講義題目
2
市 毛 哲 夫
レジャーと社会,人間
スポーツ文化論
研 究 演 習 Ⅲ
開講学期
第 2 学期
(火・ 2 )
[授業目的と概要]
ライフスタイルやクオリティーオブライフに大きな影響を与えると思われるレ
ジャーいう概念の成立過程を概観し,それを基にレジャーに関する研究方法の進
展や動向を攻究する。レジャーの複雑で曖昧な姿への理解を深める。
[学習の到達目標]
レジャーが人間の生活や諸活動に深く関わっていることを理解する。
[授業内容 ・ 計画]
1 .時間としてのレジャー
2 .活動としてのレジャー
3 .経験あるいは状況としてのレジャー
4 .子どもとレジャー
5 .青年とレジャー
6 .成人とレジャー
7 .加齢とレジャー
[評価方法]
出席80%,レポートとその発表内容20%
[教科書]
「レジャーの社会心理学」ロジャー・C・マンネル他著 速見敏彦監訳 世界
思想社2004
[テキスト ・ 参考書]
授業中,適宜紹介する。
[その他]
第 1 回目の授業で詳しい説明をするので必ず出席すること。
−31−
授業科目
単位
担当教員
講義題目
2
市 毛 哲 夫
スポーツ・イベントと社会
スポーツ文化論
研 究 演 習 Ⅳ
開講学期
第 2 学期
(火・ 3 )
[授業目的と概要]
スポーツ・イベントのグローバル化と巨大化は我々の社会や生活にどのような
影響を及ぼしているのかについて検討し,その光と影について討論し理解を深め
る。
[学習の到達目標]
スポーツの産業化や商業化がそれを享受する人々や社会にどのような影響を及
ぼしているかを理解する。
[授業内容 ・ 計画]
1 .Sport and International Political Economy
2 .Playing an Aerial Game
3 .Recapturing Olympic Mystique
4 .Global Struggles, Local Impacts
5 .The Media Sport Cultural Complex
6 .Paradoxes of Material Culture
7 .Selling Places
8 .Public Policy, Sport Investments and Regional Development Initiatives in Japan
9 .The‘Green’Games Sydney 2000 Played
10.The Political Economy of Sport in the Twenty-first Century
[評価方法]
出席80%,レポートとその発表内容20%
[教科書]
The Political Economy of Sport[2005]John Nauright & Kimberly S. Schmmel eds.
Plagrave Macmillan.
[テキスト ・ 参考書]
授業中,適宜紹介する。
[その他]
第 1 回目の授業で詳しい説明をするので必ず出席すること。
−32−