「近未来の臨床研修病院」~成長の鍵としてのFaculty Development

特定非営利活動法人 日本医療教育プログラム推進機構
シンポジウム「日本が目指すべき臨床研修のあり方
~臨床研修の日米比較~」
日時:2015 年 11 月 8 日(日曜日)13 時 30 分~17 時
場所:イイノホール&カンファレンスセンター (東京都)
セッション2
『近未来の臨床研修病院
~成長の鍵としての Faculty Development~』
齋藤 中哉(一般社団法人 The Honolulu Academy of Medicine
代表理事・医師)
【よくある悩み】
①「症例に事欠かない地域第一線の病院です。研修医の指導ができる若手医師が集まりません。
」
②「当院は、初期研修医はたくさん集まるのですが、思うように後期研修には残ってくれません。
」
☆☆☆
どこに問題がありますか?
どのように改善すればよいですか?
☆☆☆
【背景】
臨床研修制度改革と専門医制度改革は、米国を手本として執行されています。しかし、表現型の
模倣に終止し、駆動原理を熟慮体得していないため、皮相な形式主義に陥っています。
【要旨】
教育熱心な医師が偶然院内にいる、あるいは、教育熱心な医師を外部から招聘する。日本の臨床
研修病院の多くが、どちらかの方法で教育機能を補填しています。本来組織の機能である教育を
個人に負わせるこれらの方式は、当該個人の燃え尽きや離任の危険を伴います。米国の臨床研修
病院において、教育責任者の主業務は研修医の指導ではなく、指導医の育成と評価とその最適配
置です。大学と緊密に連携しているため、病院の教育担当者は大学の Faculty Development(以
下、FD と略します)に出席し、必要な能力を獲得できます。日本の大学では FD への取り組み
が不十分であり、医師の教育能力開発の場として機能していません。情報化の現在、どのような
拘束を医師に課しても、自己の能力向上を支援する組織に医師は向かいます。FD を自施設流に
定義し、血脈の通ったプログラムとして構築提供できる病院が、近未来の臨床研修病院の姿です。
【Faculty Development とは】
(狭義)臨床研修教育担当者の教育能力開発
(広義)臨床研修教育に限定せず、当該組織に必要な知識/技能/思考/行動の涵養開発の機会
【討議のための話題提供】
①どこまで米国を真似しますか: Guild(expert) vs. Organization(linear & ladder)
②模範はいずこに:米国医科大学(Harvard, Pittsburgh, Hawaii)、民間企業、そして、看護部
③FD を導入するなら「今すぐ、本気で」執行しましょう:予算/誰が/何を/いつ
※以上につき、参加者の皆様およびパネリストと共に、質疑応答と自由討議を実施します。