平成 28 年度産婦人科専門医育成プログラム (Ⅰ)研修目標 産婦人科臨床の主要4分野、すなわち婦人科腫瘍学、周産期医学、生殖内 分泌学、女性医学(女性のヘルスケア)において必要とされる基礎的知識と 臨床技術を習得する。 (Ⅱ)プログラムの目的と特徴 1) 原則として初期臨床研修を終了し、将来産婦人科専門医を目指す者を対 象とする。 2) 本プログラムを修了すれば、日本産科婦人科学会専門医制度の専門医 試験受験資格を得ることができる。 3) 日本産科婦人科学会により作成された研修目標を達成するとともに、プロ グラムの後半には関心を持ったサブスペシャリティーでの研修も行う。具体 的には日本婦人科腫瘍学会、日本婦人科内視鏡学会、日本周産期・新 生児医学会、日本生殖医学会の各専門医取得への準備を本研修期間中 に開始できる。 4) 大阪大学産科婦人科学講座研修プログラムに登録し、大阪大学と調整の うえ大阪大学や関連施設で修練することができる。 (Ⅲ)プログラムの指導体制 部長 西尾 幸浩 産科婦人科学会指導医、母体保護法指定医 副部長 久本 浩司 産科婦人科学会認定医、母体保護法指定医 医長 柏原 宏美 産科婦人科学会指導医、母体保護法指定医 医長 北井 美穂 産科婦人科学会指導医、母体保護法指定医 (Ⅳ)産婦人科修練カリキュラム 1)日本産科婦人科学会専門医研修カリキュラムに準拠しておこなう。 http://www.jsog.or.jp/activity/sen_curriculum.html を参照 2) 到達目標 ① 初期臨床研修から引き続き、医師として必要な一般的知識、技術、 態度、考え方の習得、および救急などのプライマリケア修練 ② 産婦人科診療に必要な検査、診断、治療のための知識と技術の習得 超音波検査、胎児モニタリング、子宮卵管造影 など ③ 入院患者の術前術後を中心とした全身管理、合併症に対する対策、 およびターミナルケアなどの習得 ③ 正常分娩の取り扱い、異常分娩の診断と取り扱い ④ 産婦人科治療に要求される手術手技の習得 代表的な婦人科良性疾患(子宮筋腫、卵巣腫瘍)などの手術に、術 者・助手として経験を積む 【 1年目 】 産科・婦人科いずれも標準的な手術において、助手としてのト レーニングをした後、一部または全部を術者として手術を施行 することができるレベルを目指す。 ≪到達目標レベル≫ 正常分娩における会陰切開縫合 婦人科良性腫瘍開腹手術(子宮筋腫、卵巣腫瘍など) 【 2 年目 】 標準的手術を術者として施行し、さらに難易度の高い手術に 対し第一助手が十分できるレベルを目指す。 ≪到達目標レベル≫ 1 年目手術の更なる習得 難易度の高い子宮全摘術、筋腫核出術など 鏡視下手術、骨盤臓器脱手術の基本手技の習熟 婦人科悪性腫瘍手術の第一助手 【 3 年目 】 難易度の高い手術を術者として施行できる。 ≪到達目標レベル≫ 1 年目、2 年目手術の更なる発展と応用 婦人科悪性腫瘍手術の修練を通して骨盤内臓器の立体的解 剖を習得する。 基本的な内視鏡手術・腟式手術を術者として遂行する能力を習 得する。 骨盤臓器脱手術の助手を遂行する能力を習得する。 ⑤ 産婦人科の外来診療については研修の状況をみて妊婦検診、婦 人科外来の基礎から研修を開始する予定にしている。婦人科外来に ついては婦人科腫瘍学、生殖内分泌学、老年医学の各分野におけ る諸検査、診断法の習得を目指す。 ⑥ 指導医のもと日本産科婦人科学会をはじめとする主要学会、地方部 会にそれぞれ最低年1回の発表、研修期間中に最低1編の筆頭著者 論文作成を行う。 (Ⅴ)日本産科婦人科学会の専門医卒後研修 産婦人科専門医受験資格として下記の要件が必要とされるが、当院での3年間 の研修で資格を得ることが可能である。 詳細は下記を参照のこと http://www.jsog.or.jp/activity/pro_doc/pdf/manual_2015.pdf (Ⅵ)週間スケジュール 研修期間中の週間スケジュールの一例 8:30~ 午前 午後 入院患者診察 入院患者診察 (8:30~8:45) 入院患者化学療法 各種の外来検査、処置 術前症例検討 手術(2 列) 手術(2 列) (8:10~8:40) 手術に参加 手術に参加 月曜日 モーニング カンファレンス 火曜日 水曜日 モーニング カンファレンス 部長回診(10:00~11:00) (8:30~8:45) 手術(隔週 1 列) 木曜日 モーニング カンファレンス 金曜日 土曜日 各種外来諸検査 各種の外来検査、処置 手術(2 列) 手術(2 列) (8:30~8:45) 妊婦検診外来担当 手術に参加 新着論文抄読会 手術(1 列) 誘発分娩取り扱い (8:10~8:50) 婦人科外来担当 新入院手術患者診察 病棟当番 外来(当番医) このほかに、1ヶ月あたり平日4回、土曜、休日各1回の当直業務があります。 (Ⅶ)プログラム終了後のコース ① 当院常勤医師として勤務を継続 ② 大阪大学産科婦人科講座に所属 ③ 大阪大学の関連病院外科への就職 ④ その他 上記の進路にあたっては、各施設の定員、本人の進路希望をもとに指導医が 相談することとしています。当院とは違った特色を有するさまざまな大阪大学 関連施設で研修することを視野に入れ、できるだけ、大阪大学産婦人科への 入局を推奨しています。 (Ⅷ)大阪警察病院産婦人科の年次臨床統計 年次 腹式単純子宮全摘(カッコ内は附属器手術併施) 腹腔鏡補助下子宮全摘出術(LAVH) 全腹腔鏡下子宮摘出術(LH) 腟式単純子宮全摘 子宮筋腫核出術(カッコ内は附属器手術併施) 子宮腺筋症腫瘤減量術 腹腔鏡下子宮筋腫核出術 腟式筋腫核出術 子宮鏡下子宮筋腫核出術 附属器摘出手術 卵巣嚢腫核出術(通常開腹法) 卵巣嚢腫核出術(小切開開腹法) 卵巣嚢腫核出術(腹腔鏡)(カッコ内はSILS) 腹腔鏡下多嚢胞性卵巣白膜焼灼術 その他の腹腔鏡手術(診断目的、内膜症焼灼など) 円錐切除術 広汎子宮全摘出術 子宮肉腫手術 子宮体癌手術 卵巣癌手術(腫瘍減量術を含む) 外陰癌手術 試験開腹術 子宮脱手術 (従来法) 子宮脱手術 (TVM法) 子宮脱手術(仙骨固定) 尿失禁手術(TOT) 外陰小手術(バルトリン腺嚢胞など) 開腹止血・膿瘍ドレナージ術 子宮外妊娠手術(開腹) 子宮外妊娠手術(腹腔鏡) その他 婦人科手術小計 帝王切開(予定)(カッコ内は卵管結紮不妊手術併施) 帝王切開(緊急) 産褥子宮摘出術 子宮頸管縫縮術 卵管結紮不妊手術 手術室での人工妊娠中絶術・流産手術 その他 産科手術小計 産婦人科年間分娩数 2010 64(24) 15 2 3 44(7) 3 2 6 36 32 13 13 55 4 1 73 8 0 13 17 0 5 15(7) 64 2011 47(19) 12 4 8 25(6) 0 3 6 65 29 6 9 74 3 4 76 7 0 10 18 0 0 21(14) 53 7 3 1 4 8 4 515 8 4 1 5 10 2 510 50(2) 38 0 1 0 4 46(2) 41 1 1 0 3 93 480 92 410 2012 51(21) 7 7 6 42(14) 0 10 2 66 23 4 6 76(37) 1 1 75 9 0 21 14 0 2 14(6) 50 3 5 8 0 0 5 14 522 2013 46(22) 3 18 3 32(7) 0 3 2 46 13 2 0 62(31) 2 4 66 11 1 17 14 0 1 26(9) 27 1 4 7 0 1 6 7 425 2014 40(17) 2 27 4 12(3) 0 15 9 35 11 0 2 100(38) 0 0 64 10 1 18(5) 8 0 1 24(14) 46 16 2 6 0 1 8 4 466 49(1) 35(1) 0 1 0 0 2 87 435 40(1) 29(0) 0 0 0 0 2 71 408 39(1) 27 0 1 0 2 0 69 374
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