薄肉球状黒鉛鋳鉄の疲労強度に及ぼす レアアース含有量の影響

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薄肉球状黒鉛鋳鉄の疲労強度に及ぼすレアアース含有量の影響
研究論文
薄肉球状黒鉛鋳鉄の疲労強度に及ぼす
レアアース含有量の影響
船 曳 崇 史* 清 水 一 道* 河 合 秀 樹*
戸 舘 海 灯* 白 井 雅 人**
Research Article
J. JFS, Vol. 87, No. 3(2015)pp. 175 ~ 180
Effects of Rare Earth Content on Fatigue Strength of
Spheroidal Graphite Cast Iron with Thin Section
Takafumi Funabiki*, Kazumichi Shimizu*, Hideki Kawai*,
Kaitou Todate* and Masato Shirai**
Spheroidal graphite cast iron is widely used for various purposes due to its excellent mechanical properties. To improve
its mechanical properties, rare earth is added.
In this study, the effects of rare earth content on fatigue strength were investigated. Test specimens were added with 2.0%,
0.5%, 0.3% and 0% rare earth, and fatigue tests were performed using a plane bending fatigue test machine. The stop condition in the fatigue tests was 107 times of repetitions or fracture of specimen. Fatigue strength was taken to be load stress of
specimens that had not fractured.
From the results of the plane bending fatigue test, the fatigue strength of test specimens containing rare earth was found
to be about 307MPa. The fatigue strength of that without rare earth was 293MPa, which is a decrease of 8% compared to
test specimens containing rare earth. The factors decreasing fatigue strength were studied by the observation of the fractured surface of the test specimens. As a result, casting defects were observed in the fractured surface. We therefore applied
the
parameter model to casting defects, evaluated using stress intensity factor ⊿K and threshold stress intensity
factor ⊿K th. As a result, it was found that the difference between ⊿K and ⊿K th increased in test specimens not containing
rare earth, and this is thought to lower fatigue strength.
In addition, test specimens not containing rare earth showed less nucleation effects of graphite than those that did, suggesting that the volume expansion of the graphite during crystallization decreases expansion pressure, resulting in the large
casting defects.
Keywords : spheroidal graphite cast iron, rare earth, fatigue strength, casting defect,
parameter model
Mg は脱酸,脱硫によって O や S との化合物を生成し黒鉛
1.緒 言
の核となる効果がある.そして,レアアース(以下,RE)
球状黒鉛鋳鉄はフェライトやパーライトなどの基地組
に関しても,添加量が微少ながら黒鉛の球状化を安定させ
織と球状の黒鉛から構成されている.黒鉛の先端に応力が
る作用があり,球状黒鉛の核生成や球状化阻害元素の中和
集中する片状黒鉛鋳鉄と比較して,球状黒鉛鋳鉄は黒鉛が
などによって黒鉛の球状化率や粒数を向上させる効果が
球状であることから,応力の集中が緩和されるため,引張
ある.よって,高品質な球状黒鉛鋳鉄を製造するために,
強さや伸びなどの機械的性質に優れている.そのため,強
RE は欠かせない存在となっている .
度部材として自動車部品等に幅広く用いられている.球状
しかしながら,世界の RE 生産量の 9 割以上を中国が占
黒鉛鋳鉄の機械的性質に影響を与える要素の一つとして,
めており,日本では海外からの輸入に頼っていることか
1)
黒鉛の球状化率があり ,球状化率が 80% 以上で良好な性
2)
3)
ら,国際情勢の影響によって,価格が高騰し安定した供給
4)
質を示すことが知られている .
が困難となる可能性がある .以上の理由から,球状化剤
球状黒鉛鋳鉄を製造する際に用いられるのが球状化剤
の RE 含有量を低減した場合でも,機械的性質が劣らない
であり,球状化剤の主成分として Si や Mg,そして,Ce
球状黒鉛鋳鉄の開発が必要となっている.
や La などの希土類元素(レアアース)が含有されている.
球状黒鉛鋳鉄が多く使用される自動車部品はデフケー
受付日:平成 26 年 11 月 13 日,受理日:平成 26 年 12 月 5 日(Received on November 13, 2014; Accepted on December 5, 2014)
* 室蘭工業大学大学院工学研究科 Graduate School of Engineering, Muroran Institute of Technology
** 岩見沢鋳物
(株)
Iwamizawa Casting Co., Ltd.
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スやマニホールドなど薄肉である場合が多いことから,
5)
各 RE 含有量における黒鉛の球状化率及び粒数の測定を
RE を低減させることでひけ巣が生じやすくなる .機械
行った.測定方法は JISG5502 に準じ,光学顕微鏡にて,
構造用部品の破損原因の大半が金属疲労によるものである
倍率を 100 倍とした写真を 5 視野撮影し,黒鉛測定用の画
ことから,疲労強度は重要な機械的性質となっており,疲
像処理ソフトにて算出した.
6, 7)
労強度はひけ巣の影響が大きいことが知られている
.
黒鉛の球状化率と粒数を確認後,供試材を 0.3% ナイター
そこで本研究では,球状化剤中の RE 含有量を調整した
ルで腐食し,光学顕微鏡を用いた 200 倍と走査型電子顕微
球状黒鉛鋳鉄を使用して,ひけ巣による影響が大きい疲労
鏡を用いた 2000 倍にて組織観察を行った.
強度に着目した.使用される部材が薄肉であることから,
2. 2 引張試験及び硬さ試験
平面曲げ疲労試験によって評価を行い,RE 含有量が疲労
万能試験機を使用し,引張試験にて引張強度を測定し
強度に及ぼす影響について調査した.
た.一般的に使用される引張試験片は Y ブロックから切
り出されることが多い.しかしながら,本研究では薄肉の
2.実験方法
供試材を使用するため,肉厚の差によって引張強度に影響
8)
2. 1 供試材の溶製と組織観察
を及ぼすこと を考慮し,後述する平面曲げ疲労試験片を
RE 含有量を 0%,0.3%,0.5%,2.0% の 4 種類に調整し
引張試験に使用した.
た球状化剤を用いて薄肉板状供試材を溶製した.使用した
硬さ試験にはビッカース硬さ試験機を使用した.対面角
各球状化剤の化学成分を Table 1 に示す.供試材として用
136deg. のダイヤモンド正四角錘圧子にて試験荷重を 30kgf,
いた球状黒鉛鋳鉄は,鉄スクラップを原材料として溶解後,
荷重保持時間 10s として 10 点平均にて測定を行った.測定
サンドイッチ法にて球状化処理を行った.接種剤は Table
したビッカース硬さをブリネル硬さに換算を行った.
2 に示す化学成分のものを,取鍋接種及び注湯流接種にて
2. 3 疲労試験と疲労破面観察
統一して使用した.供試材を 120×40×5mm の薄肉板状と
溶製した薄肉板状供試材を Fig. 1 に示す寸法の平板平
し,薄肉供試材用の木型を使用して造型した砂型に出湯温
滑試験片に加工した.疲労試験には,平面曲げ疲労試験機
度 1683K にて注湯した.各供試材の球状化処理後の溶湯
を用いた.実験条件は応力比�1 の両振りとし,繰返し速
における化学成分を Table 3 に示す.Table 3 より各供試
度 20Hz の正弦波荷重として,室温大気中にて平面曲げ疲
材において Si や Mg の量に差が生じたが,これは本実験
労試験を行った.試験停止条件を試験片の負荷応力が試験
において使用した球状化剤は実際に鋳造現場にて使用され
開始時における負荷応力の 70% まで低下 , または繰返し
ているものであるため,各元素の量が統一されていないこ
数が 1×10 回に達した場合とし,未破断であった試験片
とが要因であると考えられる.
の負荷応力を疲労強度とした.負荷応力が低下した試験片
7
をエタノールとドライアイスを用いて 223K 以下で 5 分間
Table 1 Chemical composition of nodularizer.(mass%)
保持して冷却後,衝撃を加えることで脆性破壊させた.破
球状化剤の化学成分.
Sample
RE0%
RE0.3%
RE0.5%
RE2.0%
Si
46.27
45.95
45.90
49.32
Mg
5.80
5.64
5.88
3.96
Ca
3.02
2.81
2.89
0.36
Al
0.81
0.23
0.42
2.25
RE
0.28
0.42
2.25
Table 2 Chemical composition of inoculant.(mass%)
接種剤の化学成分.
Si
73.7
Ca
1.75
Ba
0.93
Al
2.06
Fe
Bal.
Table 3 Chemical composition of molten metal.(mass%)
溶湯の化学成分.
Sample
RE0%
RE0.3%
RE0.5%
RE2.0%
C
3.44
3.27
3.39
3.42
Si
2.93
3.06
2.75
2.99
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Mn
0.27
0.27
0.31
0.31
176
P
0.021
0.021
0.020
0.021
S
0.009
0.008
0.008
0.008
Cu
0.06
0.06
0.09
0.09
Mg
0.057
0.050
0.053
0.036
Cr
0.039
0.037
0.049
0.049
Ce
0.001
0.003
0.004
0.012
La
0.001
0.002
0.002
0.007
unit : mm
Fig. 1 Schematic diagram of plane bending fatigue test
specimen.
平面曲げ疲労試験片の寸法.
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薄肉球状黒鉛鋳鉄の疲労強度に及ぼすレアアース含有量の影響
断した試験片の破面をマクロ観察及び走査型電子顕微鏡
となり,RE0% の試験片と比較すると RE を含有した試験
を用いたミクロ観察を行った.
片では粒数が増加する傾向を示した.
Fig. 3 及び Fig. 4 に各供試材における 200 倍と 1000 倍の
3.実験結果及び考察
組織写真を示す.Fig. 3 より各供試材においてブルースアイ
3. 1 供試材の組織及び静的機械的性質
組織であり,パーライト率は約 40% であった.Fig. 4 より層
Fig. 2 に各 RE 含有量における球状化率と黒鉛粒数の
状のパーライトが確認され,セメンタイトが単体で存在しな
関係を示す.Fig. 2 より球状化率に関しては各 RE 含有量
かったことから,各試験片においてチルは生じていなかった.
において 80% 以上となり,良好な性質を示した.黒鉛粒
Fig. 5 に各 RE 含有量における引張強さと硬さを示す.
2
数については RE 含有量 0% では 275 個 /mm ,0.3% では
2
2
2
308 個 /mm ,0.5% では 354 個 /mm ,2.0% で 357 個 /mm
Spheroidal ratio
Nodule count
400
RE0.3%
RE0.5%
RE2.0%
2
350
60
40
300
20
0
RE0%
0
0.28
0.42
Rare earth content , %
2.25
250
Fig. 2 Effects of rare earth content on spheroidization
and nodule count.
黒鉛の球状化率と粒数に及ぼす RE 含有量の影響.
RE0%
10μm
Fig. 4 Microstructure of specimens in 2000-fold magnification.
2000 倍における組織写真.
RE0.3%
RE0.5%
Tensile strength , MPa
600
RE2.0%
Fig. 3 Microstructure of specimens in 200-fold magnification.
200 倍における組織写真.
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Brinell hardness
300
550
250
500
200
450
100μm
Tensile strength
0
0.28
0.42
2.25
Rare earth content , %
Brinell hardness , HB
Spheroidization , %
80
Nodule count , counts/mm
100
Fig. 5 より引張強さは 500MPa 以上となり,硬さは各 RE
含有量において約 200HB となり差は生じなかった.
150
Fig. 5 Effects of rare earth content on tensile strength
and Brinell hardness.
引張強さとブリネル硬さに及ぼす RE 含有量の影響.
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3. 2 平面曲げ疲労特性に及ぼす RE 及びひけ巣欠陥の
破面のミクロ観察により確認された各 RE 含有量 にお
ける鋳造欠陥を Fig. 7 に示す.各 RE 含有量の試験片にお
影響
平面曲げ疲労試験によって得られた各 RE 含有量における
いて鋳造欠陥は中央付近に集中して発生する傾向が同様
S-N 曲線を Fig. 6 に示す.Fig. 6 より各 RE 含有量における
に確認されたため,鋳造欠陥の位置による疲労強度への影
疲労強度は,0% で 293 MPa,0.3% 及び 0.5% では 307MPa,
響については考慮しないこととした.
2% では 308MPa となった.RE を含有した試験片では疲労
鋳造欠陥は,き裂の発生起点や進展速度に影響し破断に
強度に明確な差は生じなかったが,RE 含有量 0% の試験片
至る原因となるが,これらの欠陥全てが破断の原因である
では,他の試験片と比較して約 15MPa 低い値となった.
とは断言できない.そこで,村上らが提案した
破面のマクロ観察結果より,RE 含有量及び試験片の負
メータモデルから,鋳造欠陥の評価を行った .
荷応力によって,試験片の破面形態に変化は確認されな
ラメータモデルは鋳造欠陥が内接する矩形範囲面積の平
かった.
方根のことであり,欠陥の面積をき裂長さに代替すること
パラ
9)
パ
ができる.これを用いることで形状が複雑な鋳造欠陥でも
比較が可能になり,この値が大きくなると,き裂の起点と
Fatigue
RE strength
2.0% 308MPa
0.5% 307MPa
0.3% 307MPa
0% 293MPa
400
380
なりやすくなる.
RE 含有量 0.3 ~ 2% の試験片では
Stress , MPa
が 50 ~ 100 µm で
あるのに比較して RE0% の試験片では 100 ~ 300 µm の大
きな鋳造欠陥が確認された.
360
確認された鋳造欠陥の個数が最も多かった RE0% の試
験片において計測した
340
から以下の(1)式を用いて各
10)
試験片における疲労限度 σ w の推定を行った .
320
(1)
300
α は欠陥位置による係数で表面近傍では 1.43,内部では
1.56 である.HV は各試験片のビッカース硬さ試験によっ
280
260
4
10
5
10
6
10
7
て得られた値を使用した.Fig. 8 に
と(1)式によっ
σ
て推定した w の関係を示す.Fig. 8 より推定した σ w は実
8
10
Number of cycles to failure , cycles
10
測値と比較して 80 ~ 120MPa 程度低くなっており,安全
側の推定値となった.
次に
Fig. 6 S-N diagram.
の値を用いて,き裂先端における応力場の強
さを表す応力拡大係数範囲⊿K を算出した.⊿K は以下の
S-N 線図.
11)
(2)式から求めた .
⊿K=α⊿σ
240
Fatigue limit w , MPa
パラメータモデルを適用した結果,
(2)
ここで α は鋳造欠陥の存在位置による定数であり,内部
欠陥の場合は α=0.5,表面近傍部に存在する欠陥の場合は
α=0.65 である.また,応力範囲⊿σ は計測対象の鋳造欠
220
陥が存在した試験片におけるσ max − σ min の値を代入した.
さらに,⊿K の比較対象として,下限界応力拡大係数範囲
200
12)
⊿K th を算出した.⊿K th は以下の(3)式から求めた .
1/3
−3
)
(3)
(
⊿K th=3.3×10 (HV+120)
HV は(1)式と同様に各試験片のビッカース硬さ試験に
180
よって得られた値を使用した.⊿K th は,き裂が伝播する
最小の ⊿K を示しており,⊿K が⊿K th を上回った場合,
160
その欠陥からき裂が伝播し破断に至る原因となった可能
性がある.これら
140
50
100
150
200
250
300
350
各 RE 含有量の試験片において
400
験片の負荷応力,
Fig. 7 Relationship between fatigue limit σw and
疲労限度 σ W と
178
の関係.
が最大となった鋳
造欠陥を Fig. 9 に示し,最大寸法の鋳造欠陥における試
√area , m
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の値から⊿K,⊿K th を算出し,
疲労強度低下との関連性について調査を行った.
.
,⊿K,⊿K th を Table 4 に示す.
Table 4 より本実験で求めた ⊿K th は,小川らの鋳鉄の値,
約 3 ~ 15MPa
13)
の値の範囲内であった .RE を含有し
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薄肉球状黒鉛鋳鉄の疲労強度に及ぼすレアアース含有量の影響
RE0%
RE0.3%
RE0.5%
RE2.0%
100μm
Fig. 8 Observed casting defect.
観察された鋳造欠陥.
RE0%
Table 4 Parameters of casting defects of maximum
size.
RE0.3%
最大寸法の鋳造欠陥におけるパラメータ.
RE0.5%
RE2.0%
Sample
RE0%
RE0.3%
RE0.5%
RE2.0%
Stress[MPa]
302
314
316
314
√areamax[μm]
294.5
74.4
77.9
52.0
ΔK[MPa √m]
9.2
4.8
4.9
4.0
ΔKth[MPa √m]
6.4
4.1
4.0
3.7
ΔK/ΔKth
1.44
1.17
1.24
1.08
試験片においてチルは発生していなかったが,黒鉛粒数が減
少していた.本実験のように注湯温度 1678K において CE 値
が 4.5 以下の場合,注湯から凝固までの過程において収縮す
る傾向が大きくなっており,ひけ巣の発生し易い状態となっ
15)
ている .さらに,粒数が減少したことで黒鉛の晶出に起因
100µm
する体積膨張による膨張圧が低下し,ひけ巣が潰されなかっ
Fig. 9 Casting defect of maximum size.
たため鋳造欠陥の寸法が大きくなり,疲労強度が低下した可
最大寸法の鋳造欠陥.
16, 17)
能性が示唆される
た試験片では⊿K /⊿K th の値が 1.08 ~ 1.24 であったが,
RE0% の試験片では⊿K /⊿K th の値が 1.44 と大きくなって
.
4.結 言
球状化剤中の RE を低減した球状黒鉛鋳鉄を使用して平
おり,このことが RE を含有した試験片と比較して疲労強
面曲げ疲労試験を行うことで疲労強度に及ぼす RE 含有量
度を低下させた要因と考えられる.
の影響について調べた結果,以下のことが明らかになった.
2
Fig. 1 より RE を含有した試験片の黒鉛粒数は 300 個 /mm
2
以上であったが,RE0% の試験片では 275 個 /mm であった.
サンドイッチ法で製作した球状黒鉛鋳鉄のチル化臨界粒数は
2
14)
300 ~ 400 個 /mm であることが知られており ,RE0% の
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1) RE を 0.3%,0.5%,2.0% 含有した球状化剤を使用し
た試験片では,疲労強度が 307,308MPa となり,差は
生じなかったが,RE0% では 293MPa となり 8% 程度
低下した.
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2) 破面に確認された鋳造欠陥を⊿K,⊿K th で評価し
た結果,疲労強度が低下した理由として,RE0% の試
験片における鋳造欠陥の ⊿K /⊿K th の値が 1.44 とな
り,RE を含有した試験片と比較して大きかったこと
7)田村宏,杉山好弘,白木尚人,松坂慶太,梅原努,宇
佐見兵衛:鋳造工学 73(2001)605
8)晴山巧,小綿利憲,堀江皓,山田亨,平塚貞人:鋳造
工学 76(2004)830
9)村上敬宜:金属疲労微小欠陥と介在物の影響(養賢堂)
が要因であると推察される.
3) RE0% の試験片は黒鉛の核を形成する能力が RE を
2
含有した試験片よりも劣るため,粒数が 300 個 /mm
以下となったことで,黒鉛が晶出する際の体積膨張が
小さくなり,鋳造欠陥が大きくなった可能性が示唆さ
(1993)54
10)白木尚人,渡辺拓也,菅野利猛:鋳造工学 86(2014)
454
11)村上敬宜:金属疲労微小欠陥と介在物の影響(養賢堂)
(1993)17
れる.
12)村上敬宜:金属疲労微小欠陥と介在物の影響(養賢堂)
参考文献
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鋳造工学 84(2012)675
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造工学 72(2000)317
82(2010)344
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