平成27年5月22日付修正情報

平成 27 年度版 建設機械施工技術必携 修正情報
頁
項目
修正前
修正後
33 第1章 LESSON6
基礎工
LESSON 6 基礎工
LESSON 6 基礎工
基礎工
第1章
土木工学一般
第1章
土木工学一般
土木工学一般
第1章
土木工学一般
第1章
基礎工
基礎とは,構造物下部にあって,構造物の荷重を地盤へ伝える構造部分の総
基礎とは,構造物下部にあって,構造物の荷重を地盤へ伝える構造部分の総
称であり,基礎形式および特徴を理解する。
称であり,基礎形式および特徴を理解する。
1.6.1 基礎工の分類
1.6.1 基礎工の分類
基礎の工法・形式別の分類を次に示す。
基礎の工法・形式別の分類を次に示す。
設置ケーソン
図1.6-1 基礎工法の分類
図1.6-1 基礎工法の分類
1.6.2 基礎形式と特徴
1.6.2 基礎形式と特徴
⑴ 直接基礎
た杭の頭部を,フーチングと剛結合により一体と
⑴ 直接基礎
た杭の頭部を,フーチングと剛結合により一体と
直接基礎は,「道路橋示方書」では,「地盤を比
する弾性体基礎」と定義している。
直接基礎は,「道路橋示方書」では,「地盤を比
する弾性体基礎」と定義している。
較的浅く掘削し,フーチングを構築する基礎が荷
杭基礎は,支持力の確実性,施工性,経済性な
較的浅く掘削し,フーチングを構築する基礎が荷
杭基礎は,支持力の確実性,施工性,経済性な
重を直接支持層に伝える浅い剛体基礎」と定義し
どにすぐれ,多くの構造物の基礎として採用され
重を直接支持層に伝える浅い剛体基礎」と定義し
どにすぐれ,多くの構造物の基礎として採用され
ている。
ている。
ている。
ている。
直接基礎は,所要の支持力が得られる良質な支
一般的な杭工法の分類は,(次ページ図1.6-2)
直接基礎は,所要の支持力が得られる良質な支
一般的な杭工法の分類は,(次ページ図1.6-2)
持地盤に直接支持させるため,支持地盤は十分な
のとおり。これらの工法の長所,短所は,(次
持地盤に直接支持させるため,支持地盤は十分な
のとおり。これらの工法の長所,短所は,(次
強さと厚さが必要である。
ページ表1.6-1)のとおりである。
強さと厚さが必要である。
ページ表1.6-1)のとおりである。
⑵ 杭基礎
また,杭の特徴は材質の特徴などにより大きく
⑵ 杭基礎
杭基礎は,「道路橋示方書」では,「打込み杭工
異なる。杭の材質による分類例は,
(次ページ図
杭基礎は,「道路橋示方書」では,「打込み杭工
異なる。杭の材質による分類例は,
(次ページ図
法,中掘り杭工法および場所打ち杭工法で設置し
1.6-3)のとおり。
法,中掘り杭工法および場所打ち杭工法で設置し
1.6-3)のとおり。
33
また,杭の特徴は材質の特徴などにより大きく
33
平成 27 年度版 建設機械施工技術必携 修正情報
頁
項目
修正前
修正後
256 第6章 LESSON2
構造と機能
第6章 締固め建設機械
正逆転の切換えは,滑り平歯車を左右に動かし,
第6章 締固め建設機械
④ 油圧駆動式には,次のような特徴がある。
動力を傘歯車に伝達することで回転が逆転する。
特徴としては,構造が極めて簡単で,調整不要で
ある(前ページ図6.2-2)。
2) 摩擦クラッチ式
前述の歯車クラッチ式と原理的には同じで,傘
歯車の内側の滑り平歯車が噛合う部分が摩擦ク
ラッチに置換わったもので,動力を切らずに前後
進の切換えができる。
⒝ 動力の断続,加減速,前後進の切換えがレバー
2) 摩擦クラッチ式
前述の歯車クラッチ式と原理的には同じで,傘
一本でできる。
⒞ レバーを中立にすると,ダイナミックブレー
歯車の内側の滑り平歯車が噛合う部分が摩擦ク
ラッチに置換わったもので,動力を切らずに前後
キがかかる。
⒟ 機械駆動式に比べて構造が簡単である。
進の切換えができる。
6.2.5 差動装置(ディファレンシャル)
⑷ トルクコンバータ
④ 油圧駆動式には,次のような特徴がある。
⒜ 無段変速であり,かつ負荷に無関係に変速が
できる。
⒝ 動力の断続,加減速,前後進の切換えがレバー
一本でできる。
⒞ レバーを中立にすると,ダイナミックブレー
キがかかる。
⒟ 機械駆動式に比べて構造が簡単である。
ただし,摩擦クラッチ板は調整が必要であり,
現在ではあまり使われていない。
トルクコンバータにパワーシフトトランスミッ
特徴としては,構造が極めて簡単で,調整不要で
ある(前ページ図6.2-2)。
できる。
ただし,摩擦クラッチ板は調整が必要であり,
⑷ トルクコンバータ
正逆転の切換えは,滑り平歯車を左右に動かし,
動力を傘歯車に伝達することで回転が逆転する。
⒜ 無段変速であり,かつ負荷に無関係に変速が
現在ではあまり使われていない。
トルクコンバータにパワーシフトトランスミッ
6.2.5 差動装置(ディファレンシャル)
ションを組合わせることにより,前記の機械駆動
ローラが曲線走行すると,内輪に比べ外輪は長
ションを組合わせることにより,前記の機械駆動
ローラが曲線走行すると,内輪に比べ外輪は長
式の「クラッチ,変速機,前後進機」の働きをし
い距離を走行する。そこで内輪を減速し,外輪を
式の「クラッチ,変速機,前後進機」の働きをし
い距離を走行する。そこで内輪を減速し,外輪を
ている。
増速し,滑らかに走行ができるように差動装置が
ている。
増速し,滑らかに走行ができるように差動装置が
特徴は,運転操作が楽で,動力系統に急激な負
ある。
特徴は,運転操作が楽で,動力系統に急激な負
ある。
荷変動を与えないので,耐久性が増す。
差動装置(ディファレンシャル)は,自動車と
荷変動を与えないので,耐久性が増す。
差動装置(ディファレンシャル)は,自動車と
同様に,遊星傘歯車式差動装置(ディファレン
6.2.4 変速機(油圧式)
シャルギヤ)が多く用いられ,内輪と外輪の差を
修正している。
同様に,遊星傘歯車式差動装置(ディファレン
6.2.4 変速機(油圧式)
シャルギヤ)が多く用いられ,内輪と外輪の差を
修正している。
① 駆動系の油圧回路に,閉回路方式(HST)を
不整地や軟弱地盤では差動装置が働き,片輪が
① 駆動系の油圧回路に,閉回路方式(HST)を
不整地や軟弱地盤では差動装置が働き,片輪が
採用し,前後進の切換えは,ポンプの吐出油の
スリップし走行不能になる。このような場合はデ
採用し,前後進の切換えは,ポンプの吐出油の
スリップし走行不能になる。このような場合はデ
回路を切換えることによって行うため,前後進
フロック(差動固定装置)を使用し,両輪を一定
回路を切換えることによって行うため,前後進
フロック(差動固定装置)を使用し,両輪を一定
機は不要である。
のトルクで駆動させる。
機は不要である。
のトルクで駆動させる。
② 油圧ポンプは,可変容量型アキシャルピスト
ノースピンディファレンジャ装置は,左右の車
② 油圧ポンプは,可変容量型アキシャルピスト
ノースピンディファレンシャル装置は,左右の
ンポンプが一般的で,エンジンに直結している
輪に一定以上の回転差が生じた時に,片輪のみに
ンポンプが一般的で,エンジンに直結している
車輪に一定以上の回転差が生じた時に,片輪のみ
動力を伝えるものである。
ものと,エンジンの動力を分配するギヤボック
に動力を伝えるものである。
ものと,エンジンの動力を分配するギヤボック
スに取付けたものとがある。
スに取付けたものとがある。
ポンプの制御は,リンクまたはケーブルで前
後進レバーと連結したものと,電気制御による
操作がある。
③ 油圧モータ,ポンプはアキシャルピストン型
ポンプの制御は,リンクまたはケーブルで前
①
⑥
②
⑦
操作がある。
③ 油圧モータ,ポンプはアキシャルピストン型
が多く,モータは定容量型か2段変速型で,減
が多く,モータは定容量型か2段変速型で,減
速機を介してロールや車輪に取付けられてい
速機を介してロールや車輪に取付けられてい
る。
る。
④
⑤
⑥
③
②
⑦
④
図6.2-3 遊星歯車式差動装置
256
①
後進レバーと連結したものと,電気制御による
③
⑤
図6.2-3 遊星歯車式差動装置
256
平成 27 年度版 建設機械施工技術必携 修正情報
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項目
修正前
修正後
267 第6章 LESSON5
運転・取扱い
LESSON 5 運転・取扱い
第6章
LESSON 5 運転・取扱い
第6章
締固め建設機械
締固め建設機械
運転・取扱い
運転・取扱い
締固め機械を運転する際は,周囲の人の安全に注意する。建設工事に伴う騒
締固め機械を運転する際は,周囲の人の安全に注意する。建設工事に伴う騒
音,振動による影響を低減するように心がけ,運転・取扱いについては締固
音,振動による影響を低減するように心がけ,運転・取扱いについては締固
め機械の特性を理解する。災害を防止するため,労働安全衛生規則について
め機械の特性を理解する。災害を防止するため,労働安全衛生規則について
理解する。
理解する。
5) 停 止
6.5.1 基本的な運転操作方法
5) 停 止
低速で走行中の場合は,クラッチを切り,ブレー
6.5.1 基本的な運転操作方法
キを徐々に踏込んで停止する。
低速で走行中の場合は,クラッチを切り,ブレー
キを徐々に踏込んで停止する。
運転操作方法は,機種により異なるがここで
高速で走行中の場合は,まずアクセルを戻し,
運転操作方法は,機種により異なるがここで
高速で走行中の場合は,まずアクセルを戻し,
は,締固め機械の代表的なローラ類について基本
ブレーキを静かに踏んで減速してからクラッチを
は,締固め機械の代表的なローラ類について基本
ブレーキを静かに踏んで減速してからクラッチを
事項を説明する(エンジンの始動等については,
切り,ブレーキをさらに踏込んで停止する。ハン
事項を説明する(エンジンの始動等については,
切り,ブレーキをさらに踏込んで停止する。ハン
第2章 LESSON 2 参照)。
ドブレーキをかけて,変速レバーを中立に戻して
第2章 LESSON 2 参照)。
ドブレーキをかけて,変速レバーを中立に戻して
⑴ 機械駆動式の場合
⑴ 機械駆動式の場合
から,ブレーキペダルを離す。
から,ブレーキペダルを離す。
1) 発 進
⑵ 油圧駆動式の場合
1) 発 進
周囲の安全を確認し,主クラッチを切り,変速
1) 発 進
レバーを希望の速度段に入れ,次に前後進レバー
エンジン回転速度を上げ,ハンドブレーキをゆ
レバーを希望の速度段に入れ,次に前後進レバー
エンジン回転速度を上げ,ハンドブレーキをゆ
を入れてハンドブレーキをゆるめ,クラッチを静
るめ,前後進レバーを進行方向に倒す。なお,変
を入れてハンドブレーキをゆるめ,クラッチを静
るめ,前後進レバーを進行方向に倒す。なお,変
かに接続して発進する。
速スイッチや変速レバーを所定の位置にする。
かに接続して発進する。
速スイッチや変速レバーを所定の位置にする。
トルクコンバータ付きは,変速レバーを入れ,
2) 前後進切換え
トルクコンバータ付きは,変速レバーを入れ,
2) 前後進切換え
前後進レバーを入れてハンドブレーキをゆるめ,
前後進レバーを所定の進行方向へゆるやかに倒
前後進レバーを入れてハンドブレーキをゆるめ,
前後進レバーを所定の進行方向へゆるやかに倒
エンジン回転を徐々に上げて発進する。
す。
エンジン回転を徐々に上げて発進する。
す。
2) 変 速
3) 停 止
2) 変 速
3) 停 止
ローラの変速機の歯車は,噛合わせにくいの
前後進レバーを中立すると停止し,駐車ブレー
ローラの変速機の歯車は,噛合わせにくいの
前後進レバーを中立すると停止し,駐車ブレー
で,前進から後進へ変速するときはいったん停止
キをかける。なお,緊急の場合には,足踏みブ
で,前進から後進へ変速するときはいったん停止
キをかける。なお,緊急の場合には,足踏みブ
して行う。
レーキまたはブレーキスイッチを押して停止する
して行う。
レーキで停止することができる。
走行中の変速は,車速にエンジン回転を同調さ
ことができる。
走行中の変速は,車速にエンジン回転を同調さ
⑶ 転圧作業上の注意
せて,変速レバーを入れ,クラッチ接続する。
① エンジン始動後直ちに発進すると,エンジン
せて,変速レバーを入れ,クラッチ接続する。
⑶ 転圧作業上の注意
3) 前後進切換え
① エンジン始動後直ちに発進すると,エンジン
3) 前後進切換え
摩擦クラッチ式では,前後進レバーを中立に
の摩耗を早める。エンジンを始動したら10~15
摩擦クラッチ式では,前後進レバーを中立に
し,必ずいったん停止してからレバーを入れク
分間,暖機運転を行う。
し,必ずいったん停止してからレバーを入れク
ラッチを接続する。この時に主クラッチは切る必
② ローラは車体質量が重いため,急発進,急停
ラッチを接続する。この時に主クラッチは切る必
の摩耗を早める。エンジンを始動したら10~15
分間,暖機運転を行う。
② ローラは車体質量が重いため,急発進,急停
止,急旋回は,機械を損耗させる結果となるの
要はない。
止,急旋回は,機械を損耗させる結果となるの
要はない。
歯車クラッチ式の場合,主クラッチを切り,必
で,緊急時以外は行わない。
歯車クラッチ式の場合,主クラッチを切り,必
③ 振動ローラは突起物,溝などの障害物や凸凹
ずいったん停止してからレバーを反対方向に入れ
の多い不整地を走行する場合は,振動を停止し
ずいったん停止してからレバーを反対方向に入れ
る。
4) 差動装置のロック
悪路で車輪がスリップするようなときは,デフ
ロックレバーを使用する。
③ 振動ローラは突起物,溝などの障害物や凸凹
の多い不整地を走行する場合は,振動を停止し
る。
低速で走行する。
4) 差動装置のロック
④ 振動ローラは停止中は,ドラムに振動をかけ
ない。作業を行うときは,一定速度に達してか
ら振動をかける。
悪路で車輪がスリップするようなときは,デフ
ロックレバーを使用する。
で,緊急時以外は行わない。
低速で走行する。
④ 振動ローラは停止中は,ドラムに振動をかけ
ない。作業を行うときは,一定速度に達してか
ら振動をかける。
⑤ マカダムローラやタイヤローラのデフロック
267
267
第6章
締固め建設機械
⑵ 油圧駆動式の場合
周囲の安全を確認し,主クラッチを切り,変速
第6章
締固め建設機械
1) 発 進
平成 27 年度版 建設機械施工技術必携 修正情報
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項目
修正前
修正後
276 第6章 LESSON6
施工方法
第6章 締固め建設機械
第6章 締固め建設機械
ロールやタイヤの沈下が大きい場合は,重ね
6.6.3 路盤の締固め
⑴ 概 要
幅を大きくするとローラマークの発生を減少さ
せることができる。
施工能力を高めるために,重ね幅は必要最小
ロールやタイヤの沈下が大きい場合は,重ね
6.6.3 路盤の締固め
⑴ 概 要
幅を大きくするとローラマークの発生を減少さ
せることができる。
施工能力を高めるために,重ね幅は必要最小
路盤は,下層路盤と上層路盤に分けられ,粒状
限にし,最初の面を2回(1往復)転圧し,全
路盤は,下層路盤と上層路盤に分けられ,粒状
限にし,最初の面を2回(1往復)転圧し,全
路盤,セメント安定処理路盤,石灰安定処理路盤,
体をできるだけ均一に締固める。次に,転圧を
路盤,セメント安定処理路盤,石灰安定処理路盤,
体をできるだけ均一に締固める。次に,転圧を
粒度調整路盤,瀝青安定処理路盤などがあるが,
開始した箇所に戻って3回目の転圧を開始す
粒度調整路盤,瀝青安定処理路盤などがあるが,
開始した箇所に戻って3回目の転圧を開始す
締固め方法は同じである。
る。各折返し点は,1~2mずらす。
締固め方法は同じである。
⑵ 転圧の要領
② 初転圧では,材料の沈下が大きく材料が前後
⑵ 転圧の要領
る。各折返し点は,1~1.5mずらす。
② 初転圧では,材料の沈下が大きく材料が前後
路盤材料の転圧は,以下の要領で実施する。
左右に動くので,転圧後の路盤に凹凸ができ易
路盤材料の転圧は,以下の要領で実施する。
左右に動くので,転圧後の路盤に凹凸ができ易
① 材料の敷均しが終了したら,路肩側(低い側)
い。均一に締固め,凹凸の発生を少なくするた
① 材料の敷均しが終了したら,路肩側(低い側)
い。均一に締固め,凹凸の発生を少なくするた
から,駆動輪を前にして転圧し,センターライ
めに,転圧区域内の折返し点以外の箇所では,
から,駆動輪を前にして転圧し,センターライ
めに,転圧区域内の折返し点以外の箇所では,
ン側(高い側)へ順番に移動して転圧する。
停止,発進,加減速,後退,ステアリング操作
ン側(高い側)へ順番に移動して転圧する。
などを行なわない。
初転圧が完了した場所で幅寄せし,規定の速
初転圧が完了した場所で幅寄せし,規定の速
停止,発進,加減速,後退,ステアリング操作
などを行なわない。
度で転圧区域へ進入し,一定速度で転圧し折返
振動ローラは,初転圧は無振動で行う。
度で転圧区域へ進入し,一定速度で転圧し折返
振動ローラは,初転圧は無振動で行う。
し点で同一レーンを後退する(図6.6-6)。
③ 転圧ゾーンで前進が困難になった場合は,直
し点で同一レーンを後退する(図6.6-6)。
③ 転圧ゾーンで前進が困難になった場合は,直
ロールやタイヤを重合わせる幅(オーバー
ちに後退し,差動装置をロックして再度進入
ロールやタイヤを重合わせる幅(オーバー
ちに後退し,差動装置をロックして再度進入
ラップ)は,振動ローラで5~10 cm,マカダム
し,途中でステアリング操作は行わない。差動
ラップ)は,振動ローラで5~10 cm,マカダム
し,途中でステアリング操作は行わない。差動
ローラでロール幅の1/2,タイヤローラでタ
をロックしても走行できない原因は,材料の敷
ローラでロール幅の1/2,タイヤローラでタ
をロックしても走行できない原因は,材料の敷
イヤ幅の1/2程度とする。
均し厚さが不適当か,締固め機械の質量の過大
イヤ幅の1/2程度とする。
均し厚さが不適当か,締固め機械の質量の過大
などが原因である。対策としてブルドーザなど
などが原因である。対策としてブルドーザなど
接地圧の小さい機械で転圧を行い,敷均し厚を
接地圧の小さい機械で転圧を行い,敷均し厚を
減少させる,材料の粒度の再調整などを行う。
減少させる,材料の粒度の再調整などを行う。
④ 転圧は,図6.6-1に示すように材料が規定の
④ 転圧は,図6.6-1に示すように材料が規定の
含水比の間に完了する。
含水比の間に完了する。
⑤ 敷均しが終わると同時に1往復転圧して表面
⑤ 敷均しが終わると同時に1往復転圧して表面
を締固め,水分の蒸発を防ぐ。全体の転圧が遅
を締固め,水分の蒸発を防ぐ。全体の転圧が遅
れている場合でも,必ず,敷均し直後に1往復
れている場合でも,必ず,敷均し直後に1往復
転圧する。
転圧する。
⑥ 転圧中に,ロールやタイヤに材料が付着して
⑥ 転圧中に,ロールやタイヤに材料が付着して
薄くはがれることがあるが,はがれた箇所は材
薄くはがれることがあるが,はがれた箇所は材
料を追加し,周囲の材料をほぐしてよく混ぜた
料を追加し,周囲の材料をほぐしてよく混ぜた
後,再度転圧する。
後,再度転圧する。
⑦ マカダムローラは,転圧効果がおよぶ範囲が
⑦ マカダムローラは,転圧効果がおよぶ範囲が
10 cm 程度で沈下が少ないので初転圧に適して
10 cm 程度で沈下が少ないので初転圧に適して
いる。タイヤローラは,深い箇所まで接地圧が
いる。タイヤローラは,深い箇所まで接地圧が
伝播し,転圧効果がおよぶ範囲が20 cm 程度あ
伝播し,転圧効果がおよぶ範囲が20 cm 程度あ
り,二次転圧に適している。
り,二次転圧に適している。
タイヤの接地圧は,高い方が転圧効果が大き
タイヤの接地圧は,高い方が転圧効果が大き
く,一般に,0.5~0.6MPa で使用する。
く,一般に,0.5~0.6MPa で使用する。
初転圧に,接地圧が高い機械を使用すると,
初転圧に,接地圧が高い機械を使用すると,
材料により凹凸が発生し易いため接地圧の小さ
材料により凹凸が発生し易いため接地圧の小さ
い機械を使用し,二次転圧は,接地圧の大きい
図6.6-6 路盤の転圧要領
276
い機械を使用し,二次転圧は,接地圧の大きい
図6.6-6 路盤の転圧要領
機械を使用する。
276
機械を使用する。
平成 27 年度版 建設機械施工技術必携 修正情報
頁
項目
修正前
修正後
278 第6章 LESSON6
施工方法
第6章 締固め建設機械
第6章 締固め建設機械
二次転圧に使用するタイヤローラの空気圧は,
6.6.4 アスファルト混合物の締固め
⑴ 概 要
0.3~0.6 MPa,最大0.7MPa である。
小規模工事では,初転圧から仕上げ転圧までマ
二次転圧に使用するタイヤローラの空気圧は,
6.6.4 アスファルト混合物の締固め
0.3~0.6 MPa,最大0.7MPa である。
小規模工事では,初転圧から仕上げ転圧までマ
カダムローラ,振動ローラ,コンバインドローラ
⑴ 概 要
アスファルト混合物の締固めは,規定の締固め
を兼用することが多い。
アスファルト混合物の締固めは,規定の締固め
を兼用することが多い。
密度と平坦性を確保するために,最適の締固め機
コンクリート版上に敷均された薄層の混合物を
密度と平坦性を確保するために,最適の締固め機
コンクリート版上に敷均された薄層の混合物を
械を使用して転圧する。
転圧する場合は,低接地圧のタイヤローラ,無振
械を使用して転圧する。
転圧する場合は,低接地圧のタイヤローラ,無振
また,混合物は,アスファルトの性状,骨材の
動の振動ローラが適している。
また,混合物は,アスファルトの性状,骨材の
動の振動ローラが適している。
密度,温度などによって転圧効果は変化するの
4) 仕上げ転圧
密度,温度などによって転圧効果は変化するの
仕上げ転圧は,二次転圧でできたローラマーク
で,混合物の性状や転圧方法に関する多くのノウ
で,混合物の性状や転圧方法に関する多くのノウ
ハウが必要である。
⑵ 機械の選定
(わだちなど)を消し,小さな凹凸を平坦にするた
ハウが必要である。
カダムローラ,振動ローラ,コンバインドローラ
4) 仕上げ転圧
仕上げ転圧は,二次転圧でできたローラマーク
(わだちなど)を消し,小さな凹凸を平坦にするた
めに,全面を2~4回転圧する。
⑵ 機械の選定
アスファルト混合物を締固める手順は,次のと
仕上げ転圧には,線圧34 kN/m 以上のローラを
アスファルト混合物を締固める手順は,次のと
仕上げ転圧には,線圧34 kN/m 以上のローラを
おりで,各段階での最適締固め機械を使用する。
使用すると,転圧効果が大きい。
おりで,各段階での最適締固め機械を使用する。
使用すると,転圧効果が大きい。
継目転圧→初転圧→二次転圧→仕上げ転圧
⑶ 転圧作業
継目転圧→初転圧→二次転圧→仕上げ転圧
めに,全面を2~4回転圧する。
⑶ 転圧作業
1) 継目転圧
締固めは冷え易く,締固め不足が生じ易い継目
1) 継目転圧
締固めは冷え易く,締固め不足が生じ易い継目
アスファルトフィニッシャで敷均した直後の縦
部分から転圧を始める。
アスファルトフィニッシャで敷均した直後の縦
部分から転圧を始める。
横の継目は,マカダムローラや振動ローラを使用
1) 継目転圧
横の継目は,マカダムローラや振動ローラを使用
1) 継目転圧
し,駆動輪を前にして転圧する。
継目には,図6.6-7に示すようにラップジョイ
し,駆動輪を前にして転圧する。
継目には,図6.6-7に示すようにラップジョイ
2) 初転圧
ントとバットジョイントがある。
2) 初転圧
ントとバットジョイントがある。
初転圧は,一般に,前後輪の線圧がほぼ等しい
一般に,バットジョイントが 多く,転 圧 方 法
初転圧は,一般に,前後輪の線圧がほぼ等しい
一般に,バットジョイントが 多く,転 圧 方 法
10~20tマカダムローラ,無振動の振動ローラを
は,横 継目,縦 継目,構造物との継目,自由端,
10~20tマカダムローラ,無振動の振動ローラを
は,横 継目,縦 継目,構造物との継目,自由端,
使用する。小規模工事では4~5t コンバインド
ホットジョイントの順に転圧する。
使用する。小規模工事では4~5t コンバインド
ホットジョイントの順に転圧する。
ローラを使用する。
ローラを使用する。
敷均しが終わると同時に転圧を開始し,混合物
敷均しが終わると同時に転圧を開始し,混合物
の温度が高い間に転圧すると,転圧効果が大き
の温度が高い間に転圧すると,転圧効果が大き
い。
い。
3) 二次転圧
3) 二次転圧
二次転圧は,8~20t タイヤローラ,6~10 t
二次転圧は,8~20t タイヤローラ,6~10 t
振動ローラを使用する。小規模工事では4~5t
振動ローラを使用する。小規模工事では4~5t
コンバインドローラを使用することもある。
コンバインドローラを使用することもある。
二次転圧は規定の締固め度が得られるまで転圧
二次転圧は規定の締固め度が得られるまで転圧
するもので,最適な機械を選定する。
するもので,最適な機械を選定する。
タイヤローラによる転圧は,交通荷重より少し
タイヤローラによる転圧は,交通荷重より少し
高い接地圧で行うと,骨材の噛合わせがよく,深
高い接地圧で行うと,骨材の噛合わせがよく,深
さ方向に均一に締固めることができ,8~10回転
さ方向に均一に締固めることができ,6~10回転
圧する。
圧する。
線圧,振動数,振幅などが適切な振動ローラを
線圧,振動数,振幅などが適切な振動ローラを
使用すれば,一般に,4~5回転圧すると規定の
締固め度が得られる。
278
使用すれば,一般に,4~6回転圧すると規定の
図6.6-7 継目の種類
締固め度が得られる。
278
図6.6-7 継目の種類
平成 27 年度版 建設機械施工技術必携 修正情報
頁
項目
修正前
修正後
281 第6章 LESSON6
施工方法
LESSON 6 施工方法
⑥ 斜面の締固めでは,ロールやタイヤに材料が
LESSON 6 施工方法
4) 仕上げ転圧
⑥ 斜面の締固めでは,ロールやタイヤに材料が
4) 仕上げ転圧
押されて移動するので,必ず斜面の下部から上
仕上げ転圧は,二次転圧で発生したマットの
押されて移動するので,必ず斜面の下部から上
仕上げ転圧は,二次転圧で発生したマットの
部に向って初転圧は行う。案内輪を先行させて
ローラマークや小さな凹凸を消し,平坦に仕上げ
部に向って初転圧は行う。案内輪を先行させて
ローラマークや小さな凹凸を消し,平坦に仕上げ
転圧し,支持力が増加したマット上を駆動輪が
ることを目的として,一般には混合物温度が80℃
転圧し,支持力が増加したマット上を駆動輪が
ることを目的として,一般には混合物温度が80℃
通過するようにして転圧する。
以上の間に行う。
通過するようにして転圧する。
以上の間に行う。
3) 二次転圧
仕上げ転圧の際の注意点は,次のとおりであ
3) 二次転圧
仕上げ転圧の際の注意点は,次のとおりであ
二次転圧は,規定の締固め度を得るために行う
る。
二次転圧は,規定の締固め度を得るために行う
る。
ので,二次転圧の終了温度は一般に70~90℃であ
① 温度が80℃以下の混合物を高い線圧のローラ
ので,二次転圧の終了温度は一般に70~90℃であ
① 温度が80℃以下の混合物を高い線圧のローラ
る。マットの変形(凹凸),クラックなどの発生が
で転圧すると,クラックが発生したり,骨材が
る。マットの変形(凹凸),クラックなどの発生が
ゆるむなどマットを損傷する。
少ない締固め機械を使用する。二次転圧の際に注
少ない締固め機械を使用する。二次転圧の際に注
意することは,次のとおりである。
① タイヤローラの空気圧は,0.5~0.6MPa を
標準とする。
① タイヤローラの空気圧は,0.5~0.6MPa を
続して均一に転圧する。
標準とする。
③ 仕上げ転圧が終わったマットの上に,締固め
② 空気圧は,次表を参考にして調節する。
空気圧
意することは,次のとおりである。
② 平坦に仕上げるために,全面をできるだけ連
混合物の状態
高接地圧
・骨材(砕石)の多い混合物
・低温の混合物
低接地圧
・細粒分(砂)の多い混合物
・高温の混合物
施工条件,気象条件などの変化に応じた転圧
③ 振動ローラのインパクトスペーシングは,混
敷均し厚が薄く,下層の温度が低いと極端に
材料の温度,気温,下層の表面温度,風速,太
陽光線の影響を受けて変化する。
② 混合物の転圧温度は,アスファルトの種類に
転圧が難しい混合物:20~25mm
よって異なり,特記仕様書などに規定されてい
④ 転圧パターンは初転圧と同様とし,できるだ
る。次表に標準の転圧温度範囲の一例を示す。
け初転圧に接近して行う。
⑤ 駆動輪を先に転圧したレーンへ,次のように
オーバーラップさせて幅寄せを行う。
・タイヤローラは,駆動輪の幅の1/2
・マカダムローラは,駆動輪の幅の1/2
・振動ローラは,前輪または後輪を15~20 cm 幅
⑥ 転圧回数は,基本的には試験施工を実施して
決定する。
タイヤローラは6~8回,振動ローラは無振
動で2回(1往復)と有振動で4~6回を標準
表6.6-3 転圧温度範囲の一例
(針入度)
外縁部とジョイント
初
転
圧
二 次 転 圧
仕 上 げ 転 圧
(単位:℃)
ストレート ストレート ストレート 40~60
60~80
80~100
130以上
130 〃
105~130
90以上
125以上
125 〃
100~125
90以上
120以上
120 〃
90~120
80以上
(出典:「舗装機械の使い方」)
③ 転圧温度が高いほどよく締固められるが,同
時に,混合物が軟質なため,ロールの線圧が過
大の場合,転圧中に動き易くヘアークラックが
混合物の状態
① 転圧が可能な時間帯は,混合物の敷均し厚と
・骨材(砕石)の多い混合物
・低温の混合物
低接地圧
・細粒分(砂)の多い混合物
・高温の混合物
施工条件,気象条件などの変化に応じた転圧
③ 振動ローラのインパクトスペーシングは,混
敷均し厚が薄く,下層の温度が低いと極端に
合物の動きや,転圧効果を見ながら調節する。
材料の温度,気温,下層の表面温度,風速,太
陽光線の影響を受けて変化する。
作業を行う。
転圧が可能な時間帯が短くなる。
転圧し易い混合物 :30~38mm
② 混合物の転圧温度は,アスファルトの種類に
転圧が難しい混合物:20~25mm
よって異なり,特記仕様書などに規定されてい
④ 転圧パターンは初転圧と同様とし,できるだ
る。次表に標準の転圧温度範囲の一例を示す。
け初転圧と時間を置かず行う。
⑤ 駆動輪を先に転圧したレーンへ,次のように
オーバーラップさせて幅寄せを行う。
・タイヤローラは,駆動輪の幅の1/2
・マカダムローラは,駆動輪の幅の1/2
・振動ローラは,前輪または後輪を15~20 cm 幅
⑥ 転圧回数は,基本的には試験施工を実施して
決定する。
タイヤローラは6~10回,振動ローラは無振
動で2回(1往復)と有振動で4~6回を標準
発生し易い。
機械を長時間置かない。
⑷ 転圧作業上の注意
表6.6-3 転圧温度範囲の一例
(針入度)
外縁部とジョイント
初
転
圧
二 次 転 圧
仕 上 げ 転 圧
(単位:℃)
ストレート ストレート ストレート 40~60
60~80
80~100
130以上
130 〃
105~130
90以上
125以上
125 〃
100~125
90以上
120以上
120 〃
90~120
80以上
(出典:「舗装機械の使い方」)
③ 転圧温度が高いほどよく締固められるが,同
時に,混合物が軟質なため,ロールの線圧が過
大の場合,転圧中に動き易くヘアークラックが
発生し易い。
とし,締固め機械の種類,混合物の種類,転圧
転圧速度は,早過ぎると転圧中に混合物が押
とし,締固め機械の種類,混合物の種類,転圧
転圧速度は,早過ぎると転圧中に混合物が押
温度,転圧中のマットの状態を見ながら調節す
されて移動するため,転圧効果が減少するとと
温度,転圧中のマットの状態を見ながら調節す
されて移動するため,転圧効果が減少するとと
る。
もに,ヘアークラックの発生原因となる。
る。
また,遅過ぎると転圧中に混合物の温度が低
下し,転圧効果と施工能力が減少する。
もに,ヘアークラックの発生原因となる。
また,遅過ぎると転圧中に混合物の温度が低
下し,転圧効果と施工能力が減少する。
281
281
第6章
締固め建設機械
転圧が可能な時間帯が短くなる。
転圧し易い混合物 :30~38mm
続して均一に転圧する。
高接地圧
作業を行う。
第6章
締固め建設機械
合物の動きや,転圧効果を見ながら調節する。
空気圧
① 転圧が可能な時間帯は,混合物の敷均し厚と
ゆるむなどマットを損傷する。
③ 仕上げ転圧が終わったマットの上に,締固め
② 空気圧は,次表を参考にして調節する。
機械を長時間置かない。
⑷ 転圧作業上の注意
で転圧すると,クラックが発生したり,骨材が
② 平坦に仕上げるために,全面をできるだけ連