政策法務特殊講義Ⅰ 1 年 2 単 三 好 位 火曜日 1時限 規 正 後 期 授業のねらい 自治体は、各分野において政策を実現するためのさまざまな活動を行っている。行政の活動は、法に基づいて適 正に行われなければならないことから、政策立案に当たり、適切な政策目標を設定するとともに、政策を実現する 手段として、条例という自治立法を適切に活用することが重要である。このためには、現行法令のしくみや法運用 に当たっての実務上の問題点などを十分に理解した上で、政策を法的にどのように仕組めば、合憲か、既存法体系 と整合するかを考えていくことが不可欠となる。とりわけ、2 0 0 0年から施行された第1次分権改革により機関委任 事務が廃止され、自治体の法的権限が拡大したことから、さまざまな政策分野において条例の有効活用が求められ ている。1人ひとりの価値観が多様化した成熟型社会においては、従来の集権的な国法システムでは真に地域社会 のニーズに適合した法政策の実現は困難であることから、ローカル・ルールである条例の重要性は今後も増大する こととなるであろう。このような、政策立案への法的視点を提供し、政策実施のための合理的な法制度設計などを 研究する学問分野が、 「政策法務」である。 本講義では、自治体における政策法務について、政策法務の意義、政策法務の理論的検討、政策法務の実践、の 各視点からその全体像を把握するとともに、条例の実効的な活用方策について考えてみたい。 授業方法 テキストを用いながらの講義とする。受講者には、あらかじめテキストの割り当てられた箇所を読んでレジュメ に要点をまとめて報告してもらい、全員で討議を行う形をとる。 授業計画 1.イントロダクション 2.政策法務とは 3.政策法務の歩み 4.分野別条例の展開 5.住民参加と政策法務 6.政策分析の基礎 7.立法事実と条例評価 8.政策手法と条例 9.憲法と条例 1 0.分権改革の到達点 1 1.条例制定権の限界 1 2.分権時代の条例のあり方 1 3.立法法務の実践 1 4.執行法務の実践 1 5.争訟・執行法務の実践 評価方法 出席及び授業時における質疑応答(5 0%) 、レポート(5 0%)により総合的に評価する。 テキスト 礒崎初仁『自治体政策法務講義』第一法規、2 0 1 2年、2, 3 8 1円(税別) ―9 2―
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