最近の労働立法の状況について

最近 の 労働 立法の状況 に つ いて
一有期労働 契約法制 を中 心 に して
2012年 7月 H日
I
第
弁護 士
水 口洋介
有期労働 契約 に 関す る労働 契約法改 正
1
1
有期労働契約 とは
契約期間 と労働 時 間 によ る整 理
無期
有期
契約社 員 、嘱託社員 、 (派 遣社員 )
ノく― 卜、 アル バ イ ト
フル タイ ム
パー トタイ ム
2
正 社員
例外 的
有期労働 契約 と無 期労働 契約 との法的な違 い
(1)雇 用 の安 定、労働 条件 の大 きな格差
労基法
14条
原則
3年 、例外 的 に 5年
似)解 雇 (使 用者 か らの労働 契約 の解 除)
労基法 の適 用 あ り
契約途 中 の 中途解雇 はや む を得 な い事 由
労契法 17条 第 1項 や む を得 な い事 由
労契法
16条
客観 的 に合理 的 な理 由、社会通る 上 相 当
0)雇 止 め
*労 契法 16条 の類推適 用 が あ るか否 か。
・ 実質的 に期 間 の 定 め の な い 労働契約 型
(最 判 (一 小 )昭 和
49年 7月 22日
。東 芝柳 町事件 )
・ 雇用継続 の合 理 的期待型
(最 判 (一 小 )昭 和
61年 12月
4日 。日立 メデ ィ コ事件 )
*有 期労働 契約 の 締結 、更新 及 び雇止 めに関す る基 準 【資料 】
→ 重要 な基準 (以 下、「基 準」 とい う)
→ 有期 労働 契約研 究会 の発 足 厚 労省
3
立 法化 の課題
有期労働 契約労働 者 の数
単位 :万 人 (%)
雇 用者
正 規労働 者
非 正 規 労働者
日
召不日59年
4195
3333(84.7)
604(15,3)
平成 19年
5561
3442(66.5)
1732(33.5)
○有期 労働 契約数
総務省
労働 力調査
437万 人、平成 21年 751万 人 雇 用者 総数 の 13.8%
○実態調査 で は、 常用 労働 者 の22%が 有期 契約 労働者 の割合
平成 21年 の雇用者数 5460万 人 の22%だ と、 1200万 人 が 有期契約労働者 数
昭和 60年
第2
1
有期労働 契約 の 問題 点
低 い 労働 条件
1
1/38
短期雇用 の繰 り返 し。
2
雇用 の不安定
雇用期 間 の終 了で切 り捨 て。
第
3
最大 の 問題 は雇用 の 不安 定。
3
有期契約労働者の保護方法
1
有期 契約締結事 由 の規制 (入 り日規制 )
有期契約 を締結す る事 由 (理 由)を 制 限す る。
有期 労働契約 を締結す る合理 的 な理 由があ る場合 に限定 し、 これ に反すれ ば無期
労働 契約 とす る。
2
雇 止 め規制 (出 日規 制 I)
更新 を拒絶す る正 当な理 由が必要 とす る規制
雇 止 めにつ いて解雇権乱用 法理 の類推適用
3
上 限規制
(出
口規制 Ⅱ)
有期 労働 契約 の利 用期 間 (最 長期 間 )を 制 限す る。
一 定 の上 限以 上 の 契約 (更 新 を服務 )を 許 さず 、違反すれ ば無期 契約
4
均等待遇
比 較 で きる無期契約 労働 者 と同 一 労働 条件 を保 障す る。
同一 価値労働 同 一 賃 金 の原則
第
4
有期労働契約研究会 の 報 告書 (2010年 9月 10日 )
有期 契約 労働者 の 現状 を 「雇 用 の不安定 さ、待遇 の低 さ等 に不 安、不満 を有 し、 こ
れ らの 点 につい て正 社員 との格差 が顕 著 な有 期 労働者 らの課題 に対 して政策的 に対応
す る こ とが 、今 、求 め られ てい る」 と して 、「いか に して 有期 労働 契約 の 不合理 ・ 不
適 正 な利用 を防 止 す るか との視 点が重要」 とす る。
第
5
労働 政策審議会 での 審議 と建議
別紙 資料
第
6
諸外 国の有期労働 契約法制
1
フ ラ ンス
・ 一 時的 な業務 の 遂行 を 目的 とす る場合 で法 律 に列 挙 され た事 由に限 り締結可能
・ 違反すれ ば無期 労働 契約 とな る。
2
ドイ ツ
。労働 契約 の期 間設 定 は、 客観 的 な理 由か ら正 当化 され る場合 に許容 され る。
・ 客観 的 な理 由が存在 しない有期契約 は 2年 間 の み許容 され る。
3
韓国
非 正 規 労働者保護 法 (2009年 7月
1日
施行 )「 期 間制 及 び短時 間労働者保護 法」
(1)契 約期 間
・ 契約期 間 は 2年 以下 と し、期 間 が 2年 を超 え る と、無 期契約 とみ なす。
・ 契約締結事 由 につ い て 規制 な し。
・
2年 経過後 の実施 状況 は
20■ 年調査
契約 終 了 34.5%、 正 規転換
23.3%、
継続雇用 42%
2012年 調 査
契約 終 了 47%、
23%、
継続雇用 30%
正 規転換
-2
2/38
(2)均 等待遇
・ 非 正 規 労働者 の差別禁 止
均等待遇条項
「使用者 は、期 間制 労働 者 (短 時間労働者 )で あ る こ とを理 由に当該事業場 ま
たは事業場 で 同種 または類似 業務 に従 事す る期 間 の 定 めのな い 労働 契約 を締結
した 労働者 に比 して 差別 的処遇 をお こなってはな らな い 」 (8条 )
・ 違反企業 に対 して 労働 委員 会 に是正措 置 を 申 し立 て る こ とがで きる。
・使用者側 に立 証責任 を課 して い る。
・ 韓 国中労委
施行後 4年 間累計
177件 是 正 命 令 が 出 た (処 理件数 986件 の うち 18.5%)
第7
1
2
労働 契約法 の 改 正 案 の内 容 と問題 点
規制方法 として 中間的 な もの
期 間 の 定 め の な い 労働 契約 へ の転換
第 18条
有期 労働 契約 が 5年 を超 えて反復更新 され た場合 は、労働者 の 申込み によ
無期 労働 契約 に転換す る。
問題 点①
5年 前 に雇止 めが実施 され る。
② クー リング期 間 の 抜 け穴
③ 5年 が長 す ぎ る
3
第 19条
雇 止 め の 判例 法理 の法 定化
別紙資料参照
判 例法理 が法 定化 され た と言 えるか。
労働者 の 申込 み、事後 の 申込 み は遅滞 な くの要件
4
合理 的期待 の 存在 時期 が 有期 契約 終了時 と限定 した 問題
第 20条 期 間 の 定 めが あ るこ とに よる不合理 な労働 条件 の禁 止
(1)内 容
有期契約 労働 者 の労働 契約 の 内容 である労働 条件 が 、期 間 の定 めがあ る ことによ
り、期 間 の定 めの な い 労働契約 を締 結 して い る労働者 の 労働 条件 と相違す る場合 に
お いて は、当該 労働 条件 の相違 は、労働者 の業務 の 内容及 び 当該業務 に伴 う責任 の
程度 、 当該職務 の 内容及 び配 置 の配置 の変更 の 範 囲そ の他 の事情 を考慮 して 、不合
理 と認 め られ るも ので あ つて はな らな い。
は)改 正法案の問題 点
①要件
・ 職務 内容 が異 な つた り、配置転換 の範 囲 が異 な るこ とを理 由 とす る労働 条件 の格差
は合 理的 にな る。
②法 的効力
・ 不合理 とされ た場合 は、そ の 労働 条件 の 定 めは無効 とな るのか。
・ 無効 とな った 場合 の 契約 内容 は ど うな るのか 。
③ 立 証 責任
・ 期 間 の 定 めが あ る こ との理 由 につ いて不合理 で あ る との立証 責任 は使 用者 が負 う
のか。 労働者 が負 うのか 。
-3
3/38
Ⅱ パー トタイム労働法改 正
建議 の内容 第 8条 の 改 正
。短時 間労働者 の雇用 管 理 の改善 に 関す る法律
(通 常 の 労働 者 と同視す べ き短時 間労働者 に対す る差別 的取扱 いの禁 止 )
第 8条
事業主は、業務 の内容 及 び 当該 詫 務 に伴 う責任 の 程 度 (以 下 「職 務 の 内容 」
とい う。)が 当該 事業所 に雇 用 され る通 常 の 労働 者 と同一 の短 時 間労働者 (以
下 「職務 内容 同 一 短 時 間労働 者 」 とい う。)で あ って 、当該 事業 主 と期 間 の定
め の な い 労働 契約 を締結 してい る も のの うち、 当該事業所 にお ける慣行 そ の他
の事情 か らみて、 当該事業主 との雇 用関係 が 終 了す るまで の全期 間 にお いて 、
そ の職務 の 内容及 び配置 が 当該通 常 の労働者 の職務 の 内容及 び配 置 の変更 の範
囲 と同 一 の範 囲 で変 更 され る と見 込 まれ る も の (以 下 「通常 の 労働者 と同視す
べ き短 時 間労働 者 」 とい う。)に つ いて は、 短 時 間労働 者 で あ る こ とを理 由 と
して 、賃 金 の決 定 、教育訓練 の 実施 、福利厚 生施設 の利用 そ の他 の待遇 につい
て 、差別 的取扱 い を してはな らな い∩
(賃 金 )
第 9条
事業 主 は、通 常 の 労働者 との均 衡 を考慮 しつつ 、そ の雇 用す る短 時 間労働
者 (通 常 の 労働 者 と同視 す べ き短 時 間労働者 を除 く。 次条第 二 項及 び 第十 一 条
にお いて 同 じ。)の 職務 の 内容 、職 務 の成果、意欲 、能力又 は経験等 を勘案 し、
そ の 賃 金 (通 勤手 当、退職 手 当そ の 他 の厚 生 労働 省令 で定 め る もの を除 く。次
項 にお いて 同 じ。)を 決 定す る よ うに努 め るもの とす る。
2
事業 主 は 、前項 の規 定 にかかわ らず 、職務 内容 同一 短時 間労働者 (通 常 の労
働者 と同視す べ き短時 間労働 者 を除 く。 次条第 一 項 にお いて 同 じ。)で あ つて 、
当該 事業所 にお け る慣行 そ の他 の 事 情 か らみ て 、 当該 事業 主 に雇 用 され る期 間
の うち の少 な く とも一 定 の期 間 にお いて 、そ の職 務 の 内容及 び配 置 が 当該 通常
の労働 者 の職 務 の 内容及 び配 置 の 変 更 の範 囲 と同 一 の範 囲 で 変更 され る と見込
まれ るも の につ いて は、 当該 変 更 が 行 われ る期 間 にお い て は 、通 常 の 労働 者 と
同一 の方法 に よ り賃金 を決定す るよ うに努 め るもの とす る。
Ⅲ
Q¬
労働者派遣法改 正
2012年 の通常国会 において 、労働者 派遣法 が改 正 され た と聞 きま した。
今 回の改 正 は、 どの よ うな理 由 か ら行 われ たの です か。
また、改正の経緯 に つ いて も教 えて くだ さ い。
改正 の 趣 旨 と改正 の 経過
2012年 の通 常国会 にお いて 労働 者派遣法 が 改 正 され ま した。 これ は派遣 労働 につ いて 、
-4‐
4/38
違法 派遣や 日雇 い派遣 な ど、派遣 労働者 の低 労働 条件 ・悪就業環境 が指摘 され る中、2008
年秋 のいわ ゆ る リーマ ンシ ョックの 際 に大量 の 派遣切 りが行 われ る とい う事態 が起 こ り、
。
労働 者派遣法 を抜本改 正 し、労働者 派遣事業 を規制 し派遣 労働者 の不安定 な地位 雇用 を
是 正 して 、派遣 労働者 の保護 と雇用安 定 を図 る必要 が ある こ とか ら行 われ た ものです。
この よ うな改 正 の必要性 か ら当初 の 改 正 案 には、登録型派遣及 び製造業派遣 の禁 止の規
定 が 置 かれ 、原則禁 止 され る 日雇 い 派 遣 の範 囲 は2ヶ 月以 内 の雇 用期 間 の もの とされ るな
どされ て い ま した。
ところが、2011年 12月 に民 自公 の修 正 合意 に よつて、改正法案 か ら登録型派遣及 び製 造
業派 遣 の 禁 止 規 定 は削除 され 、禁 止 され る 日雇 い 派遣 の範 囲 も2ヶ 月以 内か ら30日 以 内に
修 正 され 、 さ らに、違 法派遣 の場合 の 労働 契約 申込みみ な し規 定 も法施行 か ら3年 経過後
に施 行 され る こ ととな り、派遣 労働 者 の保護 のた め の 改 正 が完全 に骨抜 き の もの とされて
しま い ま した。
今 回 の 派遣法改 正 は、派遣労働者 の保護 には極 めて不十分 な ものではあ ります が 、違法
マー ジン
派遣 の場合 にお ける労働 契約 申込み み な し規 定や 日雇 い派遣 の原則禁 上 の規定、
率 の 情報 公 開 を義務化す る規定 を置 くな ど、派 遣労働者 の保護 や 労働者派 遣事業 の規制 に
つ い て若 干 の前進 は見 られ るものです。今後 は、改 正 法 の 中 で使 用 で きるもの は積極的に
活用 し、他 方 で 、今 回 の 改 正 の 問題 点 と限界点 を明 らかに して 、今後 も派遣法 の抜本改 正
を強 く求 めて い く こ とが必要 で す。
Q2
今 回 の 派遣法改 正の概要 を教 えて くだ さい 。
今 回 の 労働者 派遣法 の 改 正 の趣 旨が 、派遣 労働者 の 不安 定 な地位 ・ 雇用 を是正 して 、派
「
遣 労働者 の保護 と雇 用安 定 を図 る こ とにあ る こ とか ら、法律 の名称 が 労働者 派遣事業 の
等 に関す る法律 」 か ら、「労働者派遣
適 正 な運 営 の確 保 及 び
事業 の適 正 な運 営 の確保 及 び瓜遺労働覧 2堡 藍 等 に 関す る法律 」 に変 わ りま した。
「
また、法律 の 目的規 定 (1条 )1こ も 「派 遣 労働者 の保護 」 が明 記 され 、 労働者派 遣事業
の適正な運営の確保 に関する措置を講ず るとともに、江遺菱働覧2保藍鑑ゑ国沈、ぬュな
とする。」 とな りました。
今回の派遣法改正で新 しく加 えられた点、修正 された点で主なものを列挙すると、以下
のとお りとなります。
1
事業規制 の強化
① 日雇労働者についての労働者派遣の禁止 (35条 の3)
② 派遣元事業主の関係派遣先に対する労働者派遣の制限 (23条 の2)
③ 離職 した労働者についての労働者派遣の役務の提供の受入れの禁止 (40条 の9)
2
派遣労働者 の無期雇用化 や待遇の改善
① 有期雇用派遣労働者等の雇用の安定等 (30条 )
5
5/38
均衡を考慮した待遇の確保 (30条 の2)
マージン率等の公開 (23条 5項 )
労働者派遣に関する料金額の明示 (34条 の2)
労働者派遣契約の解除に当たつて講ずべき措置 (26条 8号 、29条 の2)
②
③
④
⑤
3
違法派遣 に対する迅速 目的確な対処
① 違法派遣の場合の労働契約申込みみなし規定 (40条 の6)
② 違法派遣があつた場合の派遣先が国・地方公共団体の場合の措置義務 (40条 の7)
③ 処分逃れを防止するため労働者派遣事業の許可等の欠格事由を整備 (6条 )
Q3
今回の派遣法 改 正 によ り、 日雇 い派遣 が禁止 され るな ど、派遣事業 の 規制 が 今 ま
で よ りも強 化 され る ことに な ると聞 きま した。
その 内容 につ いて 、詳 しく教 えて くだ さ い 。
事 業規 制 の 強 化
(1)日 雇労働者 についての労働者派遣の禁止 (35条 の 3)
今回の派遣法改正 によ り、 日雇 い派遣 は原則禁止 され ることにな りま した。
日雇 い 派遣 の 定義 は、日々 又 は30日 以 内 の期 間 を定 めて雇 用す る労働者派遣 であ り、
日々雇 用だ け ではな く、 30日 以 内であれ ば期 間 を定 めて雇用す る労働者派遣 も原則 と
して行 うこ とはで きませ ん。
よって 、今 まで行 われ て きた ス ポ ッ ト派遣 の よ うな派遣 は原則 としてで きな くな り
ます 。
もつ とも、 日雇 い 派遣 を行 うこ とがで き る例外 が定 め られ ています。
例外 として 日雇 い 派遣 が許 され るもの とされ てい るの は、① そ の業務 を迅 速 かつ 的
確 に遂行す るた めに専 門的 な知識 、技術又 は経験 を必要 とす る業務 の うち、労働者派
遣 に よ り日雇 労働者 を従事 させ て も当該 日雇 労働者 の適 正 な雇用管理 に支障 を及 ばす
おそれ がない と認 め られ る業務 として政令 で定 め る業務 につ いて 労働者派遣 をす る場
合 、②雇用 の機 会 の確保 が特 に困難 で あ る と認 め られ る労働者 の雇用 の継続 等 を図 る
ために必要 で あ る と認 め られ る場合 そ の他 の場合 で政令 で定 める場合 の二つ です。
② につ いて は、例 えば 、60歳 以 上 の 高齢者 、学 生 、副業 ・ グブル ワー クを してい る
人、主 た る生計 の維 持者 でない者 (主 婦等 )を 想 定 され ています が 、詳細 は今 後政令 で
定 め られ ます 。
日雇 い派遣 の原則 禁 止 が骨抜 き とな らな い よ うに、政令 で例外 を定 めるにあた つ て
も、例外 は厳格 に限定的 に規 定 され るべ きです。
(2)派 遣 元事 業主 の 関係派遣先 に対す る労働 者派遣 の制 限 (23条 の 2)
また 、派遣 元事業 主は、関係 派遣先 に労働者 を派遣す る ときは 、関係派遣 先 へ の派
‐6-
6/38
遣割合 を 8割 以 下 とな るよ うに しなけれ ばな らな くな りま した。 いわ ゆるグル ー プ内
企業派遣 の 8割 規制 で あ り、 これ に よ り 「もつ ぱ ら派遣」 はで きな くな ります。
ここでい う 「関係 派遣先」 とは、 当該派遣 元事業 主 の経営 を実質的 に支配す る こ と
が可能 とな る関係 に あ る者 そ の他 の 当該 派遣元事業 主 と特殊 の 関係 の ある者 として厚
生 労働省令 で定 める者 をいい 、典型 的 には親会社や親会社 の子会社 が これ にあた りま
す。
「派遣割合」 とは、1事 業年 度 にお け る当該 派遣元事業 主が雇 用す る派遣労働者 の
関係 派遣先 に係 る派遣就業 に係 る絵班働時 mを 、そ の事業年度 にお け る当該派遣元事
業主 が雇 用す る派遣 労働者 のす べ ての派遣就 業 に係 る検崩働礎鳳 で 除 して得 た割合 を
言 い ます。 派遣 労働 者 の人数 の割合 で はな く、総 労働 時間 の割合 によ つて派遣割合 を
計算 します。
例 えば 、あ る 1事 業年度 にお いて 、A社 が30人 の派遣 労働者 を雇用 してい る として、
そ の 内 の20人 が 関係 派遣先 に就業 し、残 り10人 が 関係 派遣先以外 の派遣先 に就業 し、
そ の総 労働 時間がそれ ぞれ 20,000時 間、 8,000時 間だ つ た とす る と、
20,000日 寺問
×
派遣割合
100(0/0)= 71.40/0
20,000時 間 +8,000時 間
とな ります。
関係派遣先 に対す る労働者派遣 の規制 に関連 して、派遣会社 は、関係派遣先への派
遣割合 を厚労大臣へ報告す る義務 が定 め られま した (23条 3項 )。
また、23条 3項 又 は23条 の2の 規定 に違反 した派遣元事業 主に対 しては、①厚労大臣
は指導又は助言 を行 うことができ、それ でも法違反 が是正 されない場合には、②厚労
大臣は必要な措置 を採 るべ き ことを指示す ることができるもの とされま した (48条 3
項)。 そ して、更 に違反 を続 けれ ば、③派遣業 の許可取消 。事業廃止命令 の対象 とな
ります (14条 1項 、21条 )。
(3)離 職 した労働者 に つ いての 労働者派遣 の役 務 の 提供 の受入れ の禁止 (40条 の 9)
労働 者 が 派遣 先 を離職 した者 で ある ときは 、 そ の離職 の 日か ら起算 して 1年 を経過
す るまでは、当該 労働 者 を派遣労働者 と して受 け入 れ てはな らな い こ ととな りま した。
(雇 用 の機 会 の確保 が 特 に困難 で あ り、そ の雇 用 の継続等 を図 る必要 がある と認 め ら
れ る者 として厚 生労働省令 で定 め る者 を除 きます。)
Q4
今回の派遣法改正によ つて、派遣労働者 の待遇 については、どういつた点が改善
されま したか。
派 遣労 働 者 の 無期 雇 用化 や待遇 の 改 善
-7
7/38
(1)有 期雇用派遣労働者等の 雇用 の安定等 (30条
)
派遣元事業 主 は、 一 定 の 労働者 の希望 に応 じ、次 の各号 のいずれ かの措置 を講ず る
よ うに努 めなけれ ばな らな い とされ 、派遣 元事業主 に派遣労働者 の雇 用安定 のための
措置 を講 じる努力義務 が課 され ま した。
1号
無期雇用 の 派遣労働者 として就業 させ る ことがで きるよ うに就業 の機会 を確
保 し、又 は無期 の直接雇 用 をす るこ とがで きるよ うに雇 用 の機 会 を確保す る と
ともに 、 これ らの機 会 を有期雇用派 遣 労働者等 に提 供す る こと
2号
当該派遣元事業主 が職 業安定法そ の他 の法律 の規 定 に よる許 可 を受 けて 、又
は届 出 を して職 業紹介 を行 うことがで き る場合 にあ つて は、有期雇用派遣労働
者等 を紹介 予 定派遣 の対象 とし、又 は紹介予定派遣 に係 る派遣 労働者 として雇
い入 れ る こ と
3号
前 2号 に掲 げ るものの ほか 、有期雇 用派遣 労働者等 を対象 とした無期雇用 の
労働 者 へ の転 換 の た めの教育訓練 そ の他 の無期雇用 の 労働者 へ の転換 を推進す
るた めの措置 を講ず る こ と
上 記 の 「下 定 の 労働者」 とは 、相 当期 間 にわた り期 間 を定 めて雇用す る派遣労働者
で あ つ た者 そ の他 の期 間を定 めな いで雇用 され る労働者 へ の転換 を推進す る こ とが道
当で あ る者 として厚 生労働省令 で定 める者 に限 る とされ ています 。
(2)均 衡 を考慮 した待遇 の確 保 (30条 の 2)
派遣 元事業 主 は、派遣労働者 の従事す る業務 と同種 の業務 に従事す る派遣先 に雇用
され る労働者 の賃 金 水準 との均衡 を考慮 しつ つ 、 当該派遣 労働者 の従事す る業務 と同
種 の業務 に従事す る一 般 の 労働 者 の賃 金 水 準又 は当該派遣 労働者 の職務 の 内容 、職務
の成果 、意欲 、能力若 しくは経映等 を勘案 し、 当該派遣 労働者 の賃金 を決定す るよ う
に配慮 しな けれ ばな らな い とす る配慮義務 が派遣元事業 主 に課 され ま した。
また、派遣元事業 主 は、派遣 労働者 の従 事す る業務 と同種 の業務 に従事す る派遣先
に雇 用 され る労働者 との均衡 を考慮 しつつ 、 当該派遣 労働者 につ いて 、教育訓練及 び
Lを
福利厚 生 の 実施 そ の他 当該派遣 労働者 の 円滑 な派遣就 業 の確保 のために必 要 な措 督
講ず る よ うに配慮 しな けれ ばな らな い とす る配 慮義務 も合 わせ て 規定 され ま した。
派遣 元 の配慮義務 ではあ ります が 、派遣 先 の 労働者 との均 衡 を失 しない よ うに派遣
労働者 の賃金 そ の他 労働条件 の設 定 が求 め られ ます 。
(3)マ ー ジン率等 の公 開 (23条 5項
)
派遣 元事業 主 は、厚 生 労働省 令 で定 め る ところに よ り、労働者 派遣事業 を行 う事業
所 ご とに、派遣 労働 者数 、派遣 先 の数 、労働者 派遣料 の平均額 か ら派遣労働 者 の賃金
額 の平均額 を控 除 した額 を当該 労働者 派遣料 の 平均額 で 除 して得 た割 合 (い わ ゆるマ
ー ジ ン率 )、 教 育訓練 に 関す る事項 そ の 他 当該 労働者派遣事業 の 業務 に関 しあ らか じ
め 関係 者 に対 して知 らせ るこ とが適 当で あ るもの として厚 生労働省令 で定 め る事項 に
関 し情報 の提供 を行 わなけれ ばな らな い こ ととされ ま した 。
(4)労 働者派 遣 に 関す る料金額 の明示 (34条 の 2)
8
8/38
派遣 元事業 主は、雇入れ等 の際 に、派遣 労働者 に対 し、厚 生労働省令 で定 める とこ
ろに よ り、 一 人 当た りの 労働者 派遣料 金 の 額 を明示 しなけれ ばな らな い こ ととされ ま
した。
(5)労 働者派遣 契約 の 解 除 に 当た つて講ず べ き措置 (26条 8号 、 29条 の 2)
派遣先 は、そ の都 合 に よる労働者派遣契 約 の解 除 に当た つて は、当該派遣 労働者 の
新 たな就 業 の機 会 の確保 、労働者 派遣 をす る事業 主 に よる当該派遣労働者 に対す る休
業手 当等 の支払 い に要す る費用 を確保す るた めの 当該費用 の負担 そ の他 の 当該派遣労
働者 の 雇 用 の 安 定 を図 るた めに必 要 な措 置 を講 じな けれ ばな らな い こ ととされ ま し
た。
また、派遣 元 は、労働者 派遣契約 の締結 の 際 に 、派遣 労働者 の新 たな就 業 の機会 の
確保 、派遣 労働者 に対 す る休 業手 当等 の支払 に要す る費用 を確保す るため の 当該費用
の負担 に 関す る措 置 そ の他 の労働者派遣契約 の解 除 に当た つて講ず る派遣労働者 の雇
用 の安 定 を図 るた め に必要 な措置 に関す る事項 を定 めなけれ ばな らな い こ ととされ ま
した。
Q5
違法派遣 が あ つた 場合 の 労働 契約 申込み み な し規定 とは ど うい つた ものですか。
詳 しく教 えて くだ さい 。
違法派遣 の場合 の労働契約申込みみな し規定
(40条 の 6)
派遣先 が 、次 の 各号 の いずれ かに該 当す る行 為 を行 っ た場合 には、そ の時点 にお いて 、
派遣先 か ら派遣 労働者 に対 し、 そ の 時 点 にお け る当該派遣 労働 者 に係 る労働 条件 と同一 の
労働 条件 を内容 とす る労働 契約 の 申込 み を した もの とみ な され ます 。但 し、派遣先 が 、そ
の行 つた行 為 が 次 の各 号 に該 当す る こ とを知 らず 、 か つ 、知 らなか つた こ とにつ き過失 が
なか った ときは、 この 限 りでは あ りませ ん 。
1号
2号
3号
4号
4条 3項 (派 遣禁 止 業務 )違 反
24条 の 2(無 許 可 。無届 の事 業主 か らの 労働者派遣 の受入れ )違 反
40条 の 2・ 1項 (派 遣 可能期 間)違 反
脱 法 目的 で行 われ た偽装請負等
労働 契約 の 申込 み を した もの とみ な され た派 遣先 は、そ の違反行為 が終 了 した 日か ら 1
年 を経過す る 日まで の 間 は、 当該 申込 み の撤 回 はで きませ ん (40条 の6第 2項 )。
他方 で 、労働 契約 の 申込 み を した もの とみ な され た派遣先 が 、 当該 申込み に対 して 前項
に規 定す る期 間 内 に承諾 す る旨又 は承諾 しない 旨 の意 思表示 を受 けな かった ときには、そ
の 申込み は効力 を失 い ます (40条 の6第 3項 )。
また、み な し規 定 が適 用 され る場合 の派遣元 は、派遣先 か らの求 めに応 じて 、みな し時
点 の派遣労働者 の 労働 条 件 の 内容 を派遣先 に通知 しな けれ ばな らな い こととされ てい ます
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(40条 の6第 4項 )。
派遣 先 が 国・ 地 方 公 共 団体 の 場 合 の 措置 義 務
(40条 の 7)
派遣先 が 国又 は地方公 共 団体 の場合 には、 40条 の 6の 違法派遣 の場合 の労働 契約 申込
派遣労働者 か ら同一 業務 へ の就 労 を求 め られ た ときは、
みみな し規 定は適用 され ませ んが 、
当該 国又 は地方公共 団体 は、 40条 の 6の 規定 の趣 旨を踏 まえて、派遣労働者 の雇用安定
を図 る観 点か ら、関係 法令 の規 定 に基 づ く採用 そ の他 の適 切 な措置 を講 じなけれ ばな らな
い こ ととされ ま した。
厚 労大 臣 の助 言 ・ 公 表
(40条 の 3)
厚 労大 臣は、派遣 先又 は派遣 労働者 の 求 めに応 じ、派遣 先 の行為 が40条 の6第 1項 各号 の
いずれ か に該 当す るか ど うかにつ いて必要 な助 言 をす るこ とがで き、また、違 法派遣 があ
つ た場合 の 労働 契約 申込 みみ な しに対応 して派 遣労働者 が 承諾 したに もかかわ らず、派遣
先 が 派遣 労働者 を就 労 させ な い場合 には 、派遣先 に対 し、 必要 な助言 、指導又 は働告 をす
るこ とができる こ ととされ ま した。
そ して 、 この勧告 に も派遣先 が従 わ なか っ た場合 には 、厚労大 臣は、そ の 旨を公 表す る
ことがで き るこ ととされ ま した。
Q6
今 回 の派遣法 改 正の施行 時期 はい つ です か 。
また、今 回 の 派遣法改 正 の際の付帯決議 に ついて教 えて下 さい 。
今 回 の派遣法改 正 の施行期 日は、公布 の 日か ら 6ヶ 月以 内 の政令 で定 める 日とされ 、具
体的 には、2012年 10月 1日 とな る予 定 で す。 なお、違 法派遣 の あ つ た場合 の 労働 契約 申込
みみ な し規 定 の部分 につ いて は、施行 日は改正法 の施行 か ら更 に 3年 経過後 とな ります。
今 回 の 法改 正 の過 程 で途 中 で抜 け落 ちた登録型派遣 の禁 止 や製 造業派遣 の禁 止 につ いて
は、「登録型派遣 の在 り方 、製造 業務 派遣 の在 り方及 び特 定労働者 派遣事業 の在 り方 につ
いて は、本法施行後 一 年 を 目途 と して 、東 日本 大震 災に よる雇用状況 、デ フ レ 。円高等 の
産業 に与 える影 響及 び 派遣 労働者 の就 労機 会 の確保 等 も勘案 して論 点 を整理 し、労働 政策
。
審議 会 で の議論 を開始す る こ と」 とされ ま した (2012年 3月 27日 ・ 参議 院厚 労委員会 労
働者派遣法 一 部 改 正 法 に対す る付 帯決議 )。
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