デネ ブ デネ ブ デネ

デネブ
久万高原天体観測館 ︵ ︶
0110
ベガ︵織姫星︶、わし座のア
ルタイル︵彦星︶、はくちょ
角﹂は、まだ西の空高いとこ
ろに見えています。こと座の
見える夏の星座はなかなか高
度が下がりません。特にやや
北よりに位置する﹁夏の大三
す。
日の入りの時刻がどんどん
早くなるこの時期、西の空に
九月も後半を迎えると、つ
いこの間までの暑さがウソの
ようにめっきりと涼しくなっ
てきます。まだ時折秋雨前線
が停滞して天気がぐずつくこ
ともありますが、十月の声を
聞く頃にはいわゆる帯状の高
気圧におおわれ、安定した晴
天が続くようになります。い
よいよ﹁星見の秋﹂の到来で
変だなぁ、まるでホタル
像できるでしょう。でも
お尻が一番明るいなんて
星、とたどっていくと、
夜空を飛ぶ白鳥の姿が想
の二つの星の間にあるの
がおなかの星、その両側
に見えるのがつばさの
同じくはくちょう座の星
でアルビレオ、これがく
ちばしに当たります。こ
単に見つけることができるで
しょう。
デネブという名前は、アラ
ビア語でしっぽ、あるいはお
尻を意味します。その名前が
示す通り、デネブははくちょ
う座のしっぽに当たる星で
す。またベガとアルタイルの
真中よりも少しデネブに近い
あたりに見つかるのが、
∼天翔ける白鳥の輝くお尻
う座のデネブの作る大きな直
みたいだ、という声が聞
こえてきそうです。
ところで夏の大三角の星々
が明るい理由は同じではあり
ません。まずアルタイルとベ
ガが明るいのは地球に近いた
めです。その距離は、それぞ
れ ・8光年と ・3光年。こ
れはこの時期に目で見える星
の中では一番目と三番目の近
さです。一方デネブはおよそ
千五百光年というはるか彼
方にあります。この距離では
ほとんどの星は肉眼では見え
ないほど暗くなってしまいま
す。つまりデネブが明るいの
は、星自体が大きく、非常に
明るく輝いているためです。
その明るさは私たちの太陽の
およそ六万倍!
はくちょう
座は見かけだけでなく、実際
にお尻の輝くホタルのような
星座なのです。
15
1
−
し
久万美術館だより
−
ぞ う ざ ん
ぞ う た く
ご う ほ う ら い ら く
め
し ん が ん
い
し
のぼり
企画展﹁伊予の豪傑
特に、
一枚の紙に一∼四 字の大 書
吉田藏澤・三輪田米山 ﹂
は、
大らかで力 強いものです 。
ま
十/六
︵金︶
∼十一/二十六
︵日︶
た、
今も中予各地の神社の幟旗
米 山の
や神 名 石 、
注 連 石にも 、
◆今年の企画展は、
吉田藏澤と
三 輪 田 米 山の二人 をご紹 介し
字を使ったものが残っています。
ます。
残 念なことに、
藏 澤・米
ただ、
山ともに、
真 贋のはっきりしない
約二百 年 前 、松 山 藩の代 官
ものも少なくないようですが⋮。
だった吉 田 藏 澤は、墨で大 幹の
◆トークやコンサートも開催
竹の絵を豪快に描きました。正
絵手紙作家の小
岡子規も﹁藏山の書と藏澤の竹 期間中には、
は私の宝物⋮﹂と、
心酔していま
池邦夫氏によるトーク
︵ 十月六
の
した。藏 澤の作 品は、今 も 愛 好
日︶
や、﹁三曲 尺-八・琴・三絃 ﹂
演奏
︵十一月十二日︶
も予定して
家の間で大 切にされていて、世
います。
お楽しみに。
に出ていないものもまだまだあ
◆十 十・一月の休館日
るようです。
毎週月曜日。
ただし十月九日
今 回が初 公 開となる作 品 も ︵祝︶
は開館し、
十月十日
︵火︶
が
あります。
振替休館。
明治時代、
松 山・久 米の
一方 、
十月三日
︵火︶
∼五日
︵ 木 ︶、十一
日尾八幡神社の神主だった三輪
月二八日
︵火︶
、
二九日
︵水︶
は展
田米山は、
気取らない豪放磊落
な書で人々から親しまれました。
示替え等のため臨時休館です。
べ い ざ ん
吉田藏澤「菊」
(初公開)
三輪田米山「忠孝」
41
角三角形は、どれも明るい星
ですから、初心者の方でも簡
デネブは天の川の中にあるため、望遠鏡でのぞく
と周囲に微光星がたくさん見えます。
☎
25
12
10 月号