平成 27 年度 校内研究計画 新潟市立岡方第一小学校 研究推進委員会 1 研究テーマ 「学び方」を身に付け、学びを実感できる児童の育成(2 年次) ~「課題」とそれに正対した「まとめ」を位置づけた授業、ノート指導を通して~ 2 研究テーマ設定の理由 (1) 児童の実態から 当校では、「勉強大好き岡一っ子」 「友達大好き岡一っ子」「自分大好き岡一っ子」「ふるさと大好 き岡一っ子」を合い言葉とし、教育目標「木も草も小鳥も生きている」の具現のために、全職員一丸 となった取組を行っている。 昨年度から上記の研究主題のもと研究を行ってきた。1年間の取組の成果として挙げられるのが、 1 つは、 「課題」と「まとめ」のある授業が定着したことである。昨年度の新潟市生活・学習意識調査 では、「授業で「課題」や「まとめ」が示されているか」との問いに、肯定的に答えた児童は、90% を超え、新潟市の平均よりも上回った。これは、全学級で、教師も児童も意識して取り組んでいたこ との表れである。2つは、児童が学習をノートにまとめられるようになったことである。全校で統一 して取り組む事項を示したことにより、児童のノートにも「課題」 (赤枠)と「まとめ」 (青枠)が最 低限書かれている状態になってきた。また、「ノートの達人コーナー」等の成果でノートにまとめよ うという意欲も高まっている。 一方で、 「板書を写すだけで、ノートに自分の考えが残っていない。」 「ノートを書くだけで精一杯 になってしまい、自分の考えを表現したり、深めたりすることができない。 」 「学びを実感するまでに は至っていない。 」などの課題がある。 今年度も昨年度と同様に、児童に追求する「課題」を明示し、それに正対した「まとめ」をしっ かりと位置づけた授業を展開していく。さらに今年度は、学びの自覚化を促すために、「振り返り」 にも力を入れていく。また、昨年度同様に、 「何を考え」 「何が分かったのか」が振り返ることのでき るノートになるように、ノート指導にも力を入れていく。今年度は、「課題」と「まとめ」を書くこ とを基本にしながらも、自分の考えをノートに書かせるということに重点を置く。 (2) 教育の今日的な課題から 学習指導要領では「基礎的・基本的な知識・技能を確実に習得させること」「課題を解決するための 思考力、判断力、表現力」をバランスよく育むことが求められている。新潟市の学校教育実践上の努 力点にも「基礎・基本の定着と思考力・判断力・表現力の育成、学ぶ意欲の喚起を図る教科指導」を 掲げている。基礎・基本の習得を図ることが重要であることや、思考力・判断力・表現力を育む、学 ぶ意欲を喚起することが述べられている。これらの力を育むことが、当校の児童の実態から考えても 喫緊の課題である。 これらの今日的課題を解決するために、 「新潟市の授業作り」のリーフレットでは、 「ねらいの明確 化と事実に基づく達成状況の評価」 「かかわりの重視」 「言語活動の充実」などを授業作りの視点とし 1 てあげている。今年度も「課題」とそれに正対した「まとめ」のある授業を展開することを重点とし ている。当校の研究のテーマは、まさに新潟市の重点に正対したものである。 また、2013 年に国立教育政策研究所が示した「21 世紀型能力」の中核とされている「思考力」の 中に「メタ認知能力」が挙げられている。当校の研究テーマは、「メタ認知能力」の育成に通じるも のがある。 以上、(1)(2)から、上述の研究テーマを設定した。 3 目指す児童の具体像 ○「学び方」を身に付けるとは・・・ 「学び方」とは、どの学年、どの教科(体育・図工・音楽など難しい場面が多い教科もある。 )に おいても行われる汎用性のある学びの方法である。当校の児童に身に付けさせたい「学び方」は、 「学習をノートにまとめること」である。しかし、単に板書を写すだけの受け身的なノートになら ないように注意したい。「何について、どのように考え、何が分かったのか」が分かるノート作り を目指したい。今年度は、まず自分の考えを必ず書くことを重点的に取り組む。 以下、最低限、全校で統一して取り組む事項である。 ①「課題」を書き、赤で囲む。 ③ 日付を書く ②「まとめ」を書き、青で囲む。 ④下敷き・ミニ定規を使う。 ⑤行・マスを開けて、見やすく書く。 ⑥ 基本的に板書は写す。 ⑦ 算数の文章題は問題もかく。 ⑧ 自分の考えを書く。 ノートの達人コーナーでも各学年から手本にすべきノートを出してもらい、その中から、全校で 共通して取り組む事項があれば、取り上げていきたい。 ○「学びを実感する」とは・・・ 学びを実感するとは、 「今日の学習で何が分かり、何ができるようになったか」を児童自身が自覚 する姿である。学びを実感させることで、 「できた」 「わかった」という充実感や達成感を味わわせ ること、また、学びを次の時間に生かそうとしたり、他の場面で活用しようとしたりする姿を期待 したい。 しかし、 「学びを実感した姿」というのは、なかなか見えづらい。今年度は、自分の学びを自覚化 させるために、自分の学習の過程や変容を振り返らせる「振り返り」の時間も大切にしたい。(振 り返りのさせ方については後述) 、とは言っても、現状を考えると毎時間、 「振り返り」をさせるこ とは難しい。そこで単元レベルで考え、単元の中の「導入」「展開」「まとめ」の3場面くらいで、 振り返る場面を作るように心がける。 また、 「学びを実感した姿」を数値的に判断する材料として、今年度はワークテストを用いる。前 期と後期のワークテスト(国・算)で個人平均 80 点以上とれているかどうかで判断する。 5 研究仮説 「課題」とそれに正対した「まとめ」と適切な場面での「振り返り」を位置付けた授業を実践し、「何に 6ついて、どのように考え、何が分かったか」が分かるノート作りを行わせれば、児童は学びを実感できる 研究の視点 だろう。 2 ①「課題」とそれに正対した「まとめ」+「振り返り」について ② ノート指導 <①「課題」とそれに正対した「まとめ」+振り返りについて> ○「課題」と「まとめ」について 昨年度から取り組んでいることと同様である。授業構想カード(資料)を活用しながら以下の手順 で授業を構想していく。 その1 本時のねらいの設定と児童の実態把握・分析 その2 まとめの明確化 その3 学習課題の設定 その4 学習課題を生み出す活動や教材提示の考案 その5 学習課題を解決するための手だての考案 (新潟市教育委員会 若手教師のための授業づくりガイドブック 平成 27 年度版より) 「課題」については、教師から一方的に出されるものではなく、教材提示と発問の工夫により、児 童に問いをもたせ、一部の児童だけでなく学級全体で共有していきたい。また、課題を解決するこ とによって授業のねらいを達成できる課題を設定したい。 ○「振り返り」について 「振り返り」を書かせると、 「振り返り」と「まとめ」が同じになってしまうことが少なくない。 まず、 「振り返り」と「まとめ」は違うことを児童に意識させる。まとめは、 「何が分かったか」で 振り返りは、「どのように分かったか」と考える。自分の学習の過程や変容に着目させて振り返ら せるとよい。書く内容と、書く方法を具体的に示して振り返らせると有効である。 例1 書く内容を例示し、選択させて書かせる方法 「今日の振り返りを次の3つから選んで書きましょう」 ①「なるほど・よくわかった」 ②「変わった」 ③「次は…」 例2 書き出しや文型を示して、作文形式で書かせる方法 (新潟市教育委員会 若手教師のための授業づくりガイドブック 平成 27 年度版より) <②ノート指導について> ○「何について、どのように考え、何が分かったか」が分かるノートになっているか 学びを実感させるためには、 「何を追究し、どのように考え、何が分かったのか」を自覚させる 手立てが必要である。その手立てが「ノート」である。 「ノート」は、板書とリンクさせて考えていく必要がある。授業の流れ、児童の思考の流れが一 目で分かるように構造化された板書をしていく必要がある。また、児童がノートをとることだけで 精一杯になり、課題について考えたり、考えを発表したり、友達の考えを聞いたりすることがおろ そかにならないように、授業者は、どのようなことをノートに書かせたいかを精選して構想してお く必要がある。最低限、「課題」と「まとめ」、「自分の考え」が書けるように授業を構想し、ノー ト指導をしていく。 7 研究教科 3 大研・中研は 「国語」 もしくは 「算数」 8 研究の方法 授業研究を中心とした仮説検証型の研究を推進する。仮説は「5」のとおり。 (1)授業研究について 授業研究は、1~6 年の担任が1回行う。また、年に 2 回の区担当主事訪問時は、 「授業構想カード」 を書き、授業を行う。 かがやき学級と菅原先生は、小研として年に 1 回授業研究を行う。 大研 中研 小研 教科等 国語もしくは算数 国語もしくは算数 自由 回数 1回 5回 2回 指導案の形式 細案 A44ページ程度 指導案検討会参加者 全員 指導案検討会の時間 授業参観 細案 A44ページ程度 略案 A41ページ程度 学年部・研究主任・教頭 学年部・研究主任・教頭 60分間程度 50分間程度 40分間程度 全員 全員 学年部+校長+教頭+希望者 研究主任 協議会時間 外部指導者による指導 80分間程度 60分間程度 40分間程度 (指導の時間含む) (指導の時間含む) (指導の時間含む) あり(未定) なし なし ※ここで表記している学年部とは、上学年部(4・5・6年+菅原)・低学年部(1・2・3年+近) とする。 大研は、岡方地区三校合同学力向上部会にあてる。11 月 27 日(金) (2) 授業分析について ・研究授業では、参加者が児童の姿から研究の視点でその有効性を分析する。 ①「課題」は、妥当だったか。 (児童に問いは生まれていたか? ねらいと整合していたか?) ②「課題」を解決するための手だては有効だったか。 ③ 「何について、どのように考え、何が分かったか」が分かる板書・ノートであったか。 ・大研・中研の授業は、授業参観後に全員参加して協議会を行う。大研は、外部指導者、中研は、 校長から指導を受ける。協議会に参加できない場合は、付箋をまとめて、協議会司会者に渡す。 ・協議会後に授業者が各自、成果と課題をレポートにまとめて(授業後、2 週間以内)、職員に配 布する。今年度、研究収録は発行しない。 ・協議会後、授業や協議内容をまとめて、研究主任が研究通信を出す。 (3)評価について ・ 「算数」 ・ 「国語」のワークテストで全員が80点以上をとれているかを視点に分析・評価する。 ・ノートに「課題」と「まとめ」 「自分の考え」が書かれているかを評価する。 ・新潟市生活・学習意識調査において「普段の授業では、課題が提示されていると思いますか」 「普 4 段の授業では、最後に学習内容をふり返る(まとめ)を行っていると思いますか」の質問に対す る肯定的評価で評価する。また、 「振り返り」にかかわる質問項目を作成し、評価する。 7 『学び合い』について 昨年度と同様に、 「異学年合同『学び合い』 」を行う。ただし、内容については、 「学力アップ」 を意識したもの(Web 配信テスト・ぐんぐんプリント・県小教研のテスト)など行うこととする。 ・6月から、月に 1 回 3 学年合同の異学年交流『学び合い』の授業を進めていく。 (水曜日 2・3限) ・回数や組み方については、後日、研推から提案。 ・授業の進め方は概ね「最初の語り 3 分」-「自由交流 37 分」-「評価のフィードバック 5 分」 8 日常の取組 (1) 「課題」 「まとめ」のプレートを活用した授業(1 日2時間以上)また、今年度「振り返り」のプ レートも用意する。 (2) ノートにコメントを書き、励ます。 (週に1回程度) 工夫したノートを紹介する「ノートの達人コーナー」の設置(5月1日から) (3) 板書や模擬授業を取り入れた指導案検討会とファシリテーションの手法を用いた授業検討会 (4) 外部講師を招いて、 「振り返り」 「ノート指導」に焦点を当てた研修会の実施(夏休み前) 9 その他の取組(学力向上に関わって) (1) Web配信テスト 国語・算数テストの実施 ・3 年生以上は、毎月、Web配信テストを活用し、基礎・基本の定着を図る。 ・テストの直し・解説を重視して定着を図る。結果をファイリングする。 ・算数に関しては、90 点以下の児童は、再テストを行い、全員が 90 点以上を目指す。 ・1・2 年生は、毎月、国語・算数テストを行う。確実に押さえたい基礎的・基本的な内容を中心に出 題し、全員が 90 点以上を目指す。 (2) 学力アップタイムについて ・火・金の朝の 15 分(8:10~8:25)を学力アップタイムとする。火は算数、金は国語を全校で行う。 内容は、担任に一任するが、Web 配信テスト、ぐんぐんプリントなどを積極的に活用する。 ・クラブ・委員会の終了した 1 月から 5 時間程度、2 年~6 年を対象に学力アップ教室を実施する。 (2) 家庭学習の奨励 ・低学年 20 分以上 中学年 40 分以上 高学年 60 分以上 を家庭学習時間の目安とする。 ・市教委配布の「家庭学習のススメ」などを活用し、保護者への啓発を図る。 ・家庭学習強調週間の実施(6 月・9 月・11 月・2 月)年 4 回 (3) NRT・県小教研調査・全国学力調査の分析(6~8月) ・児童の実態を把握し、授業の改善に役立てるため、上記の学力検査を分析し、共通理解を図る。 5 10 研修組織 校長・教頭 教務主任 研究全体会 研究主任 研究推進・学力向上評価部会 ◎平野 伊藤 花岡 <下学年部> 伊藤 種岡 ●研究・研究通信 山内 近 ●ノートの達人コーナー …花岡 Web ファイル <上学年部> 花岡 新保 …平野 平野 菅原 ●家庭学習 …伊藤 ●学力調査・Web配信 …菅原 <各組織の役割> 校長・教頭 ・指導、助言 研究主任 <研究推進> ・校内研修計画の立案と推進 研究推進委員会 ・指導案及び授業の考察の形式作成、提案 (学力向上評価部会) ・全体研修会の準備と運営 ・外部講師との連絡・調整(依頼は、校長・教頭) ・集録の計画、研究のまとめと分析 ・参考資料の収集 ・研修便りの作成 ・研究会の提案 指導案の形式 タイムスケジュールの作成 <学力向上> ・家庭学習強調週間の立案と推進 ・学力検査の調査・報告・分析のまとめ ・Web 配信テスト配布と結果のまとめ ・学校評価にかかわること 研究全体会 ・研究の方針及び計画の検討、決定。 ・研究に関わる共通理解 ・校内研修の反省と来年度の課題検討 各学年部 ・児童の実態分析 ・指導案の事前検討 ・授業の考察 11 指導案の形式 「指導案の形式」後日提示 12 授業実践のまとめ 「授業実践のまとめ」後日提示 6
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