ブラジルレポート8月号(2) - 日本フィナンシャルセキュリティーズ

レアル ・ 円
緊急レポート ブラジル・レアルが 13 年振りの安値水準に 80
70
①
ブラジル ・ レアルの推移
リーマン ・ ショック
ルーラ政権への懸念
②
SANNS2500089
欧州危機発生
米ドル ・ レアル
③
米国金融
引締め懸念
米ドル ・ レアル ( 右軸)
60
平成 27 年 8 月 12 日作成
1.5
2.0
2.5
50
純債権国に転換
40
3.0
レアル ・ 円 ( 左軸)
ルセフ政権発足
30
20
1.0
データ元:ブラジル中銀
3.5
米ドル ・ レアル
約 13 年振りの安値
財政健全化に着手
J M J A N F A J O D MM A N J A J S D MM A O J A J S N F M J O J M J A N F A J S D MM A O J A J S D F M A O J A J S N F M J O D MM A O J A J
4.0
2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015
政府が今年度のプライマリーバランスの目標を引き下げたことを発端として外為市場ではブラジル ・ レアルが対米ドルで急落、 一時 13 年振り
となる水準まで下落した。 市場ではブラジル長期債務の格下げ懸念が強まっており、これがレアルに対する売り圧力となっている模様(米ムディー
ズ社は Baa2 から Baa3 に引き下げている)
。13 年前、ルーラ大統領が当選した時に財政拡大懸念からレアルが急落した(いわゆるルーラ・ショッ
ク)水準近くまで通貨安が進んでいる。 今後通貨レアルがどのように動くのか予想するためには当時と比較分析することが重要と考えられる。 そ
こでレアルが変動相場制移行後の安値をつけた 2002 年、 高値をつけた 2011 年当時、 そして現在との経済環境を比較してみた。
経済規模(名目 GDP)
では約 4.5 倍、これに伴う債務残高は 2.3 倍となっており対外債務残高は GDP 比で 40%程度から 20%前後に低下、
さらに 13 年前は債務国であったが現在は債権国に転換している。 問題の双子の赤字、 経常赤字と財政赤字については経常赤字はレアルが
高値をつけた時点よりも改善傾向に向かっているものの、 財政赤字は拡大傾向にある。 新興国市場では通貨安が進行することで外貨建て対
外債務の負担が増加してデフォルト懸念が高まり、 更に通貨安を生み出すという悪循環を招く。 ただブラジルの場合は対外債務が新興国の平
均的な水準と比べると低いことや、 対外債務における外貨建て債務の比率が 27%程度と 13 年前(58%)に比べて対外債務の構造が大き
く変化しており通貨安に対する耐性は大きく改善、 短期対外債務の残高に対して外貨準備が約 6 倍強と緊急時にも耐えられる規模に拡大して
いることも他の新興国に比べて財務的に堅牢であることが示されている。 こうした状況をふまえると対外債務に対する返済能力が高いブラジルの
通貨レアルはやや売られ過ぎの水準まで下落している可能性があると考えられよう。
①
2002 年 10 月 10 日
ルーラ・ショック
②
2011 年 4 月 21 日
米 Q3 後のリスクオン
2015 年 8 月6日時点
③ 財政再建見直し発表後
レアル ・ドル
3.9450
1.5635
3.5325
レアル ・ 円
31.34 円
52.32 円
35.30 円
米ドル ・ 円
123.64 円
81.81 円
124.75 円
5,106 億㌦
26,131 億㌦
22,825 億㌦
8.45%
6.51%
9.56%
378 億㌦
1,552 億㌦
2,552 億㌦
経 常 収 支(GDP 比)
▲76.4 億㌦(▲1.5%)
▲525 億㌦(▲2.01%)
▲383 億㌦(▲1.7%)
対 内 投 資(GDP 比)
166 億㌦(3.2%)
666 億㌦(2.5%)
309 億㌦(1.4%)
財 政 収 支(GDP 比)
▲658 億レアル(▲4.4%)
▲1,080 億レアル(▲2.5%)
▲3,352 億レアル(▲6.2%)
475 億レアル(3.2%)
1,287 億レアル(2.9%)
87 億レアル(0.15%)
8,973 億レアル(59.8%)
15,085 億レアル(34.4%)
20,482 億レアル(34.4%)
2,292.3 億㌦
3,780.9 億㌦
5,465.3 億㌦
249.3 億㌦
459.3 億㌦
583.5 億㌦
▲1,276 億㌦
5,268 億㌦
9,196 億㌦
外 貨 準 備
396 億㌦
3,520 億㌦
3,721 億㌦
政 策 金 利
21.0%
12.0%
14.25%
長 期 金 利
22.730% :注 1
12.689%
13.535%
10,167.70
66,132.86
50,864.88
GDP(名目・ドル)
消費者物価指数
貿 易 収 支
基礎的収支(GDP 比)
公的純債務残高 (GDP 比)
対外債務残高
短期対外債務残高
対外純債権 (▲は債務)
株価(ボベスパ指数)
注 1:2002 年は LFT(変動金利国債)10 年物の利回りを使用、2011 年と 2015 年は NTN-F(利付国債)10 年物の利回りを使用している
ブラジル中銀、 IMF のデータを元に NFS が作成
1. 外貨建て債券取引にかかるリスク
重要な注意事項
外貨建て債券取得時よりも外貨の円に対する為替水準が低くなった場合(円高時)には債券を円換算した
価値は下落し、反対に外貨の円に対する為替水準が高くなった場合(円安時)には債券を円換算した価値
為 替 変 動 リスク
は上昇します。したがって利金・償還金もしくは債券売却代金として支払われる外貨の円に対する為替水
準によって上下し、これにより投資元本を割込む恐れがあります。
金融商品市場における相場その他の指標にかかる変動などにより、損失が生じる恐れがあります。市場価
価 格 変 動 リスク 格は基本的に市場の金利水準の変化に対応して変動します。金利が上昇する過程では債券価格は下落し、
逆に金利が低下する過程では債券価格は上昇することになります。したがって、償還日よりも前に換金す
る場合には市場に応じた価格での売却となりますので、投資元本を割込む恐れがあります。
信 用 リ ス ク
発行体の経営・財務状況の変化及びそれらに関する外部評価の変化等により、投資元本割れや支払いが
遅延または不払いとなる恐れがあります。
カントリーリスク 利金・償還金もしくは売却代金として支払われる外貨発行国の国情の変化により、投資元本割れや途中売
却ができなくなる恐れがあります。
流 動 性 リ ス ク 市場環境の変化により流動性(換金性)が著しく低くなった場合、途中売却ができなくなる恐れがありま
す。
2. 外貨建て債券取引にかかる手数料等諸費用について
■ 外貨建て債券を三京証券と相対で取引 ( 店頭取引)する場合は、購入対価のみをお支払いいただきます。
■ また外貨建て債券の取引に際して円貨から外貨へ、もしくは外貨から円貨へ交換する際には外国為替市場の動向をふまえ
て三京証券が決定する為替スプレッドを加味した為替レートを適用するものとします。当該スプレッドについてのご質問
は担当者もしくは最寄りの店頭にお尋ねください。
■ 外貨建て債券のお取引に際しては「外国証券取引口座設定申込書」を取り交わす必要がございます。三京証券約款集の
「外国証券口座約款」をご一読ください。
3. 外貨建て債券取引にあたっての留意点について
● お申込みの際は、必ず『外貨建て債券の契約締結前交付書面』をお読み頂き、説明を受けご理解して頂いたうえで、お客
様ご自身の判断によりお申込みください。なお、不明な点があれば担当者にお問い合せください。
● 利金・償還金ともに外貨建てですが、三京証券ではこれを原則円貨に交換して、お客様の口座に入金いたします。
● 国内受渡は通常、約定日から起算して4営業日目 ( 約定日を含む)となります。
● 国内での利金・償還金のお支払いは各利払日、償還日の翌営業日以降となります。
● 既発債(既に発行され流通市場で取引されている債券)につきまして、販売価格、買取価格は随時変動いたします。
● お客様が三京証券にてご購入された債券は「外国証券口座約款」に基づき証券指定の海外保管機関において保管されます。
● 無登録格付け会社によって付与された信用格付けに関しては、「無登録格付に関する説明書」をご確認下さい。
● 外貨建て債券のお取引は、クーリング・オフの対象にはなりません。
金融商品取引契約をされる場合、当該金融商品の「契約締結前交付書面」
(もしくは目論見書及びその補完書面)
また
は「上場有価証券等書面」の内容を十分にお読みいただき、
ご理解いただいたうえでご契約ください。
この資料は個々の投資家の特定の投資目的、投資金融商品または要望を考慮したものではありません。
ここに掲載した過去の実績や数値は必ずしも将来の成果を示唆するものではありません。投資に関する最終的な決定
は投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いいたします。
この資料は日本フィナンシャルセキュリティーズが信頼できると判断した情報等に基づいて作成されたものですが、そ
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この資料は、作成時の法令等・諸規則を
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