反射防止膜用フッ化マグネシウムナノ粒子 反射防止膜とは 反射防止膜はカメラレンズや液晶モニターなど の表面に塗布されており、その目的は主に次の 二つが上げられる。 1) 光と透過率の向上 光学レンズでは、レンズ一枚光が通過するた びに光の強さは約 8 % 低下する。複数枚の組み 合わせレンズを使用するカメラレンズでは光が ほとんど通過しなくなる (真っ暗)。 2) 液晶モニター画面に映る反射画像の防止 (低減化) 液晶モニターの画面には、入射した光の一部 がその画面上で反射するため、その正面にある 物体の 「画像 A」 が液晶モニター上に 「反射画 像 A'」 として薄く写る。 4%減 4%減 A A' 反射防止膜の用途 建材用途 基本的には、ガラス面やプラスチック素材の面で鏡のように反射してくる光を抑 制することにより、自分の姿やその他の反射像を消すことが目的となる。 例えば、以下のような場所や物で支障が出ている。 Show windowに 自分の姿が映る と中が見づらい ホテルの窓ガラスに室内の家具等 が反射して見えるため、夜景が綺 麗に見えない 反射防止膜の用途 建材以外の用途 GREEN HOUSE HP より 応用製品 Nikon HP より きょうとグリーン ファンド HP より GLAFAS HP より 図1:反射防止膜が用いられている応用製品 当社フッ化マグネシウムの効果 下記の写真に反射防止膜の有無を比較した。 反射防止膜を形成していないディスプレーを見た際に 室内灯が右側には鮮明にみられる。 反射防止膜 有 反射防止膜 無 液晶ディスプレー等での自画像の映り込みの防止 反射防止膜の原理 屈折率 n が 1 に近いものが 望ましい。 暑さ100nm が一般的 図2:ガラス基板上に施された反射防止膜とその原理 慶応義塾大学 理工学部 物理情報工学科 白鳥研究室 HP より 低屈折率材料としてのフッ化マグネシウムの用途 フッ化マグネシウムは無機化合物中では極めて低い屈折率 (n = 1.38) と高い光透過性を持つため、以前から光学材料として用 いられてきた。さらに、これはモース硬度 6 とフッ化物中では硬 い部類に属し、モース硬度 7 の石英に次ぐ硬度がある。また、そ の結晶の強度も石英に次ぎ、日常の取り扱いでは傷がつき難い。 1. ソーラーパネル用反射防止膜の主原料 ○ 塗布面の厚さは 100 nm 程度であるから、 Mg F2 の粒子径は 10 nm 以下。 粒子径 10 nm 以下の Mg F2 の合成は十分に可能。 ○ 現在、主流の反射防止膜塗の顔料は中空シリカ。粒子径が 10 nm 以 下の中空シリカを安価に量産することは困難。 2. 液晶画面保護フィルムへの添加剤 ○ フッ化マグネシウムは樹脂に比べ十分に硬く、樹脂中に添加すること で耐摩耗性の向上が期待。 ○ ガラスに似た光沢を有しており、添加された樹脂表面の光沢が改善 ?。 当社フッ化マグネシウムのご紹介 No. 34 No. 36 No. 35 図4:液相中において合成されたフッ化マグネシウム微粒子の含水ゲルの写真 当社フッ化マグネシウムのご紹介 図3:液相中において合成されたフッ化マグネシウム微粒子の SEM 画像 (Sample No. 01) 当社フッ化マグネシウムのご紹介 図5:液相中において合成されたフッ化マグネシウムの微粒子の SEM 画像 (Sample No. 39) ※ No. 34 と同等の合成条件で合成 当社フッ化マグネシウムのご紹介 図6:液相中において合成されたフッ化マグネシウムの微粒子の SEM 画像 (Sample No. 02) ※ No. 36 と同等の合成条件で合成 当社フッ化マグネシウムのご紹介 500 nm 直径 10 nm 以下 50 nm 20 nm 図7:液相中において合成されたフッ化マグネシウムの微粒子の TEM 画像 (Sample No. 3) ※ No. 36 と同等の合成条件で合成 まとめ 1. 得られたフッ化マグネシウムナノ粒子の SEM, TEM 画像から判断して、ナ ノ粒子の最小粒径は、一次粒子の直径は 10 nm 以下のもが得られてお り、これらは合成条件を変えることでゲル状の分散体注1) や二次粒子の直 径が最大で 500 nm の球状凝集体が得られる。 2. 本手法により合成されたフッ化マグネシウムナノ粒子の結晶性は良いた め、十分な光学特性が期待できる注2) 。 注 1) 光散乱法による粒子の推算値は 50 nm 程度であることが分かって いる。 注 2) 乾燥粉末の粉末 X 線回折による成分分析の結果、フッ化マグネシ ウム結晶の集合体であることが分かっている。また結晶性が悪ければ、 見かけの屈折率が上昇するとも言われている。 当社フッ化マグネシウムの新聞記事
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