Technical News ●毛髪構造の断面 SEM 観察 TN455 Cross-sectional Observation of Human Hair Microstructures by SEM [概 要] 毛髪構造の観察には、分解能に優れる TEM(透過型電子顕微鏡)法が用いられてきました。しかし、TEM 法の試料前処理工程は煩雑で、薄片化時に構造の脱落が起こる懸念もあります。近年の SEM(走査型電子顕 微鏡)装置の性能向上により、TEM 法で観察していた微細領域の評価が可能となってきました。SEM 法では 試料の薄片化が不要で、広い視野で観察できる利点があります。毛髪の断面作製に、生物試料の化学固定法 とクライオ Ar イオンミリング法を組み合わせることで、ダメージの少ない平滑な断面が得られます。得られ た毛髪断面を高分解能 SEM で観察することにより、微細構造の評価が可能となりました。 [事 例] 低エネルギー損失 BSE (Low Loss BSE) 像および低角散乱 BSE (LA-BSE) 像による毛髪断面の観察 Low Loss BSE 像と LA-BSE 像は、得られる情報が異なります。Low Loss BSE 像は組成コントラストが強調 された像が得られるため、メラニン顆粒や CMC(Cell Membrane Complex)などの毛髪の微細構造の観察に有 利です。LA-BSE 像は凹凸情報が得られるため、毛髪の空隙率評価が可能です。 図 1 毛髪断面の全体像 図 2 毛髪の微細構造 [キーワード] 生物組織、電子染色、ダメージ評価、クライオ-CP 作成:筑波事業所 (TH1505)4-R0-(49) 当社ホームページはこちらから: http://www.scas.co.jp/ その他技術資料も用意致しております: http://www.scas.co.jp/analysis/
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