150526 臨床基礎歯科学.pptx

2015年5月26日
2015年度
臨床基礎歯科学
「歯科国家試験 解説」
顎口腔病因病態制御学講座 (薬理学教室)
田熊 一敞
A-64 (第107回 歯科医師国家試験)
64
ワルファリンカリウムを服用している患者への併用で、出血傾向を増強するのは
どれか。 2 つ選べ。
a
アスピリン
b
アシクロビル
c
インドメタシン
d
チアラミド塩酸塩
e
クリンダマイシン塩酸塩
正答: a,c
解説: 血小板凝集抑制作用をもつ非ステロイド性抗炎症薬 (NSAIDs) との併用が
出血傾向を増強する.選択肢中のNSAIDsは「a」および「c」となる.
A-77 (第107回 歯科医師国家試験)
77
治療に免疫抑制薬を用いる疾患はどれか。 2 つ選べ。
a
AIDS
b
糖尿病
c
悪性黒色腫
d
クローン病
e
関節リウマチ
正答: d,e
解説: 免疫抑制薬の臨床適用は,(1) 臓器移植の際の拒絶反応の抑制,(2) 自己免
疫疾患 (関節リウマチ、重症筋無力症、全身性エリテマトーデス、クロー
ン病、潰瘍性大腸炎など)の治療,ならびに(3) アレルギー疾患の治療であ
る.したがって,正答は「d」および「e」となる.
A-91 (第107回 歯科医師国家試験)
91
経口投与で弱酸性薬物の非イオン体型が最も多くなる部位はどれか。 1 つ選べ。
a
口
腔
b
食
道
c
胃
d
回
腸
e
直
腸
正答: c
解説: 弱酸性薬物は,強酸性下においては非イオン体型が多くなる.胃では強酸
である胃液が分泌されるので,正答は「c」となる.
A-102 (第107回 歯科医師国家試験)
102
高齢者にみられる特徴で正しいのはどれか。 2 つ選べ。
a
疾患の症状は定型的である。
b
検査基準値は若年者と同等である。
c
薬剤に対する反応は若年者と同等である。
d
症状が疾患の重症度と解離することが多い。
e
疾患の発症や予後に社会的要因がかかわることが多い。
正答: d,e
解説: 老化により,代謝機能の変化により検査基準値は変化する.また,消化
管・肝・腎などの機能低下により薬剤への反応も変化する.高齢者の病態
発現も一様で無い.したがって,正答は「d」および「e」となる.
A-107 (第107回 歯科医師国家試験)
107 30 歳の女性。歯性上顎洞炎のため、抗菌薬の静脈内投与を開始した。10 分後、
顔面から頸部にかけて皮膚の発赤と膨疹が出現した。
この後、起こり得る症状はどれか。 2 つ選べ。
a
発
熱
b
けいれん
c
血圧低下
d
牙関緊急
e
呼吸困難
正答: c,e
解説: 投薬された薬物(抗菌薬)は,セフェム系あるいはペニシリンによる過敏症
と考えられる.したがって,正答は「c」および「e」となる.
A-117 (第107回 歯科医師国家試験)
117
薬事法の規定に基づき医療機関の管理者が少なくとも 20 年間使用記録を保存
しなければならないのはどれか。 1 つ選べ。
a
麻
薬
b
抗菌薬
c
向精神薬
d
覚せい剤
e
特定生物由来製品(血液製剤など)
正答: e
解説: 2003年に施行された改正 薬事法において,保管期間が10年から20年に延
長された.したがって,正答は「e」となる.
C-68 (第107回 歯科医師国家試験)
68
薬物動態のうち、高齢者で低下するのはどれか。 2 つ選べ。
a
薬物代謝能
b
薬物排泄能
c
血中遊離型薬物濃度
d
水溶性薬物血中濃度
e
脂溶性薬物分布容積
正答: a,b
解説: 高齢者では,肝機能および腎機能の低下により,薬物代謝能および薬物排
泄能が低下する.したがって,正答は「a」および「b」となる.
C-108 (第107回 歯科医師国家試験)
108
歯の変色・着色の原因となるのはどれか。 2 つ選べ。
a
フッ化物
b
アスベスト
c
ニフェジピン
d
マクロライド系抗菌薬
e
テトラサイクリン塩酸塩
正答: a,e
解説: 歯の変色・着色の原因となる事項として,フッ素の多量摂取による沈着,
テトラサイクリンの服用 (妊娠母体,幼少期),歯髄処置,歯の打撲,加齢,
喫煙,飲食 (コーヒー,紅茶,赤ワイン,カレーなど)が挙げられている.
したがって,正答は「a」および「e」となる.
C-118 (第107回 歯科医師国家試験)
118
血中薬物濃度変化(別冊 No. 17)を別に示す。
時間依存性の抗菌薬投与法で最も適切なのはどれか。 1 つ選べ。
a
ア
b
イ
c
ウ
d
エ
No. 17
ア
血
中
薬
物
濃
度
MIC
(最小発育阻止濃度)
時間経過
イ
e
(C 問題 118)
MTC
(最小中毒濃度)
オ
正答: c
解説: 反復投与により,血中薬物濃度を
MIC
時間経過
ウ
MTC
血
中
薬
物
濃
度
MIC
時間経過
エ
MICとMTCの間に維持する.した
がって,正答は「c」となる.
MTC
血
中
薬
物
濃
度
MTC
血
中
薬
物
濃
度
MIC
時間経過
オ
MTC
血
中
薬
物
濃
度
MIC
時間経過
※横軸のスケールは同一
A-35 (第106回 歯科医師国家試験)
35
人工心臓弁置換術を受けた患者の抜歯で適切なのはどれか。つ選べ。
a
全身麻酔下で行う。
b
NSAIDs は減量する。
c
抗血栓療法を中断する。
d
抗菌薬を術前投与する。
e
アドレナリン添加局所麻酔薬は用いない。
正答:d
解説: 人工弁は生体弁に比べて感染に弱いと言われており,人工心臓弁を移植し
た場合,感染性心内膜炎の発症リスクが高くなる (特に術後最初の1年間).
人工心臓弁置換術を受けた患者では,抜歯などの歯科処置の際,抗生物質
や抗菌薬を投与して心内膜炎を予防する.したがって,正答は「d」とな
る.
A-57 (第106回 歯科医師国家試験)
57 薬剤とその拮抗薬との組合せで正しいのはどれか。つ選べ。
a ミダゾラム
フルマゼニル
b プロポフォール
ナロキソン塩酸塩
c ドロペリドール
フェンタニルクエン酸塩
d ベクロニウム臭化物
ネオスチグミン硫酸塩
e チオペンタールナトリウム
アトロピン硫酸塩水和物
正答: a,d
解説: ミダゾラムはベンゾジアゼピン (BZP) 系の麻酔導入薬・鎮静薬,プロポ
フォールはGABAA受容体作動作用をもつ鎮静薬,ドロペリドールはドパミ
ンD2拮抗作用をもつ麻酔薬,ベクロニウムはニコチン性アセチルコリン受
容体を遮断する非脱分極性筋弛緩薬,チオペンタールはバルビタール酸系
の麻酔薬である.このうち拮抗薬との組み合わせが正しいのは「a」およ
び「d」である.
A-62 (第106回 歯科医師国家試験)
62 経口セフェム系抗菌薬の薬物動態に影響を及ぼす加齢変化はどれか。つ選べ。
a 体脂肪の増加
b 脳血流量の低下
c 胃液分泌量の低下
d 唾液分泌量の低下
e 腎クリアランスの低下
正答: e
解説: 高齢者では,肝機能および腎機能の低下により,薬物代謝能および薬物排
泄能が低下する.したがって,正答は「e」となる.
A-69 (第106回 歯科医師国家試験)
69 メチシリン耐性黄色ブドウ球菌の抗菌薬耐性メカニズムはどれか。つ選べ。
a 薬剤の分解
b 薬剤の排出
c 薬剤の不活化
d 薬剤標的分子の変更
e 薬剤による阻害物質の過剰生産
正答: d
解説: β-ラクタム系抗生物質が結合できない新たな細胞壁合成酵素 (PBP2’) を作
るようになったこと,すなわち,薬剤標的分子が変更になったことによっ
て薬剤に対する耐性を獲得したと考えられる.したがって,正答は「d」
となる.
A-73 (第106回 歯科医師国家試験)
歯科用リドカイン塩酸塩・アドレナリン配合局所麻酔薬と併用が禁忌の薬剤はど
73
れか。つ選べ。
a
MAO 阻害薬
b
三環系抗うつ薬
c
非選択性 β 遮断薬
d
フェノチアジン系抗精神病薬
e
スルホニル尿酸系血糖降下薬
正答:問題削除
解説: 「c (非選択制β
β遮断薬)」あるいは「d (フェノチアジン系抗精神病薬)」を併
用禁忌と選択させたかったものと思われるが,「a ~ d」を併用注意とし
ている添付文書もあり,問題として不適切と判断されたと思われる.
≪「c」および「d」を併用禁忌としている添付文書をもとに考慮しても,
1つ選ぶという問いそのものが困難…≫
B-49 (第106回 歯科医師国家試験)
49
24 歳の女性。唾石摘出術後に痛があったため鎮痛薬を投与したところ、全身
搔痒感と呼吸困難とを訴えた。顔面は紅潮し口内には浮腫がみられ、呼吸は努力
性で喘鳴を認めた。体温 35.9 ℃、呼吸数 23/分、脈拍 100/分、血圧 80/40 mmHg
であった。酸素吸入とともに静脈路を確保した。
まず投与すべき薬剤はどれか。つ選べ。
a
フロセミド
b
ジアゼパム
c
アドレナリン
d
フルマゼニル
e
ニトログリセリン
正答: c
解説: 鎮痛薬の投与によるアナフィラキシーショック (過敏症) と考えられる.し
たがって,ショックに対する処置薬を選択し,正答は「c」となる.
C-46 (第106回 歯科医師国家試験)
46
副腎皮質ステロイド薬が使用されるのはどれか。つ選べ。
a
認知症
b
臓器移植
c
脳血管障害
d
自己免疫疾患
e
虚血性心疾患
正答: b,d
解説: 免疫抑制薬と同様に,副腎皮質ステロイドの主な臨床適用は,(1) 臓器移
植の際の拒絶反応の抑制,(2) 自己免疫疾患の治療,ならびに(3) アレル
ギー疾患の治療である.
C-45 (第106回 歯科医師国家試験)
45 アセチルコリン用量 - 反応曲線を図に示す。
(%)
100
アセチルコリン
単独投与
アセチルコリン
+
併用薬①投与
腸
管
平
滑
筋
収
縮
度
0
アセチルコリン濃度
正答: d
併用薬①はどれか。つ選べ。
a アスピリン
b パパベリン塩酸塩
c ネオスチグミン臭化物
d アトロピン硫酸塩水和物
e シルデナフィルクエン酸塩
解説: 用量-反応曲線が,最大反応が変
化せずに右側にしているので,
併用薬は拮抗薬である.した
がって,正答は「d」となる.
C-86 (第106回 歯科医師国家試験)
86
セフェム系抗菌薬を投与した患者に菌交代現象でみられる症状はどれか。つ選べ。
a
下
痢
b
頭
痛
c
発
疹
d
息切れ
e
顔面浮腫
正答: a
解説: 抗生物質あるいは抗菌薬の長期間使用によって,体内に常在する細菌種が
他の菌種に交代し,細菌叢が著しく変化する現象を菌交代現象という.菌
交代現象により,耐性ブドウ球菌性下痢症や肺カンジダ症が起こることが
ある.したがって,正答は「a」となる.
C-87 (第106回 歯科医師国家試験)
87
歯科治療中の偶発症とその治療薬との組合せで正しいのはどれか。つ選べ。
a
喘
息
バルビタール
b
不整脈
リドカイン塩酸塩
c
高血圧
アトロピン硫酸塩水和物
d
全身けいれん
ロキソプロフェンナトリウム水和物
e
メトヘモグロビン血症
メチレンブルー
正答: b,e
解説: バルビタールは抗痙攣薬,催眠薬として用いられる.抗コリン薬であるア
トロピンは消化管の疼痛および尿路の疝痛に対する鎮痙薬,抗胃潰瘍薬,
麻酔前投薬として用いられる.ロキソプロフェンは非ステロイド性抗炎症
薬 (NSAIDs) の一つで消炎・鎮痛薬として用いられている.したがって,正
答は「b」および「e」になる.
C-47 (第106回 歯科医師国家試験)
47 70 歳の女性。口角の痛みを主訴として来院した。食事中に痛みが増悪するとい
う。初診時の口内写真�別冊No. 5A�と細胞診の染色像�別冊No. 5B�とを別に示
す。
有効な薬剤はどれか。つ選べ。
a 5-FU
b アシクロビル
c ビタミン B2 製剤
d ミコナゾール硫酸塩
e アモキシシリン水和物
正答: d
解説: 写真Bより写真Aの症状はカンジダ症
(真菌感染症)と考えられる.したがっ
て,正答は「d」となる.
C-130 (第106回 歯科医師国家試験)
130
初回通過効果を受ける薬物を経口投与した。投与時の条件を示す。
・80% が消化管で吸収される。
・40% が肝臓で初回通過効果を受ける。
・他に減少はない。
この薬物のバイオアベイラビリティ�%�を求めよ。
ただし、小数点以下の数値が得られた場合には、小数点以下第位を四捨五入す
ること。
解答: ①
①
②
② %
正答: ① 4,② 8
解説: 消化管で吸収された薬物は80%.
そのうち,肝臓での初回通過で代謝
されなかった薬物60%が循環血
中に入る.
BA (%) = 0.8 × 0.6 × 100 = 48
A-31 (第105回 歯科医師国家試験)
31
患者が意識を失って倒れた際に、静脈路を確保する目的はどれか。つ選べ。
a
輸
血
b
薬物投与
c
血液検査
d
栄養補給
e
中心静脈圧測定
正答: b
解説: 輸血の必要性が判断できておらず「a」は不適.血液検査用の採血におい
て,血管内に針やチューブの留置の必要はなく「c」は不適.失神時に急
な栄養補給はなく「d」は不適.また,カテーテル挿入を伴う中心静脈圧
測定も行わないので「e」も不適.消去法的な選択においても,正答は
「b」となる.
A-32 (第105回 歯科医師国家試験)
32 骨のリモデリングに関与するのはどれか。つ選べ。
a グルカゴン
b メラトニン
c エストロゲン
d バソプレシン
e エンケファリン
正答: c
解説: 閉経後骨粗鬆症に見られるように,女性ホルモンは骨代謝において重要な
役割を担っている.したがって,正答は「c」となる.
A-34 (第105回 歯科医師国家試験)
34 うま味が生じるのはどれか。つ選べ。
a 食 塩
b ショ糖
c クエン酸
d 塩酸キニーネ
e グルタミン酸ナトリウム
正答: e
解説: 興奮性アミノ酸であるグルタミン酸のナトリウム塩 (MSG)は,昆布や野菜
に多く含まれており,うま味成分として調味料に利用されている.した
がって,正答は「e」となる.
A-38 (第105回 歯科医師国家試験)
38 活性型ビタミン D3 の生成に関与するのはどれか。つ選べ。
a 骨
b 肝 臓
c 腎 臓
d 唾液腺
e 副腎皮質
正答: b,c
解説: ビタミンD3は,肝ミクロソームで25-ヒドロキシラーゼにより,腎ミトコ
α-ヒドロキシラーゼにより,それぞれ水酸化されて活性化型
ンドリアで1α
α,25-(OH)2-D3となる.したがって,正答は「b」および「c」となる.
の1α
A-50 (第105回 歯科医師国家試験)
50 副甲状腺ホルモンの作用はどれか。つ選べ。
a 抗利尿
⬅︎ a: バソプレシン
b 血糖降下
⬅ b: インスリン
c 子宮収縮
⬅ c: オキシトシン
d 血清 Ca 値上昇
e エネルギー代謝促進 ⬅ e: 甲状腺ホルモン (トリヨードチロニン)
正答: d
解説: 副甲状腺ホルモン (parathyroid hormone, PTH)は,細胞外Ca2+レベルを調
節する主要なペプチドホルモンであり,腸管吸収,骨吸収,腎臓排泄を介
していずれも血液 (血清/血漿) 中のCa2+濃度を増加させる.したがって,正
答は「d」となる.
A-63 (第105回 歯科医師国家試験)
63 副腎皮質ステロイド軟膏が奏効するのはどれか。つ選べ。
a 白板症
b 疱疹性口内炎
c 口腔平苔癬
d 口腔カンジダ症
e 慢性再発性アフタ
正答: c,e
解説: 副腎皮質ステロイド軟膏は,炎症性あるいはアレルギー性の皮膚炎に用い
る.「a (白板症)」は喫煙やアルコール摂取の際の刺激,義歯などによる慢
性の機械的刺激で生じた白い角化性の病変であり,副腎皮質ステロイドの
適用外である.「b (疱疹性口内炎)」はヘルペスウイルスの感染によるも
ので不適.「d (口腔カンジダ症)」は表在性真菌の感染によるもので不適.
したがって,正答は「c」および「e」となる.
A-70 (第105回 歯科医師国家試験)
70
血管収縮薬が添加されている歯科用注射用製剤はどれか。つ選べ。
a
リドカイン塩酸塩
b
テトラカイン塩酸塩
c
メピバカイン塩酸塩
d
プロピトカイン塩酸塩
e
ロピバカイン塩酸塩水和物
正答: a,d
解説:歯科用局所麻酔薬(注射用製剤)では,アミド型麻酔薬が用いられている.
また多くの局所麻酔薬が血管拡張作用を示すため,製剤に血管収縮薬が添
加される.「b (テトラカイン)」はエステル型で不適.「c (メピバカイ
ン)」は血管拡張作用を示さず,「e (ロピバカイン)」は逆に血管収縮作用
を示し,いずれも血管収縮薬の添加は不要.したがって,正答は「a」お
よび「d」となる.歯科用局所麻酔で汎用されているXylocaine (リドカイ
ン) およびCitanest (プロピトカイン) を選択するという方法でも可!?
A-115 (第105回 歯科医師国家試験)
115
感染根管治療開始時に抗菌薬予防投与が必要なのはどれか。つ選べ。
a
狭心症
b
B 型肝炎
c
人工弁置換術後
d
心房中隔欠損症
e
感染性心内膜炎の既往
正答: c,e
解説: 【第106回 A-35と同様】人工弁は生体弁に比べて感染に弱いと言われてお
り,人工心臓弁を移植した場合,感染性心内膜炎の発症リスクが高くなる
(特に術後最初の1年間).人工心臓弁置換術を受けた患者ならびに感染性心
内膜炎の既往患者では,抜歯などの歯科処置の際,抗生物質や抗菌薬を投
与して心内膜炎を予防する.したがって,正答は「c」および「e」となる.
A-130 (第105回 歯科医師国家試験)
130
ある薬物の ED50 は 150 mg/kg であった。
LD50 を 1,000 mg/kg としたときの治療係数を求めよ。
ただし、小数点以下第位を四捨五入すること。
解答: ① 阿②
①
②
1000 ÷ 150 = 6.666
小数点以下第2位を四捨五入 ⇨ 6.7
正答: ① 6,② 7
解説: 治療係数はLD50をED50で割っ
た値で,大きいほど安全な薬と
言える.
C-42 (第105回 歯科医師国家試験)
42
濃度依存性抗菌薬はどれか。つ選べ。
a
セフェム系
b
カルバペネム系
c
ニューキノロン系
d
グリコペプチド系
e
アミノグリコシド系
正答: c,e
解説: 抗菌薬による作用として,細菌の増殖を抑制する静菌的作用と細菌を殺す
殺菌的作用の二種類がある.さらに殺菌的作用には,時間依存性と濃度依
存性がある.静菌的作用を示す薬物としてテトラサイクリン系およびマク
β-ラクタム系,濃度依
ロライド系,時間依存性殺菌作用を示す薬物としてβ
存性殺菌作用を示す薬物としてアミノグリコシド系およびニューキノロン
系が分類されている.したがって,正答は「c」および「e」となる.
C-78 (第105回 歯科医師国家試験)
78
リドカイン塩酸塩の薬理作用で正しいのはどれか。つ選べ。
a
抗不安作用
b
抗不整脈作用
c
抗けいれん作用
d
抗血液凝固作用
e
抗アレルギー作用
正答: b
解説: リドカインは,局所麻酔薬のほか,抗不整脈薬 (Ib群)および鎮痛補助薬と
して用いられている.したがって,正答は「b」となる.
C-98 (第105回 歯科医師国家試験)
98
歯周炎の病態に影響する薬物はどれか。つ選べ。
a
抗凝固薬
b
スタチン類
c
カルシウム拮抗薬
d
プロトンポンプ阻害薬
e
アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬
正答: a,c
解説: 抗てんかん薬のフェニトインの副作用でおこる歯肉肥大がもっともよく知
られており,その他にも高血圧治療薬のうちカルシウム拮抗薬や免疫抑制
剤が歯肉肥大を起こすことが知られている.また,抗凝固薬は出血傾向を
高めるため病態への影響が考えられる.したがって,正答は「a」および
「c」となる.
C-105 (第105回 歯科医師国家試験)
105
細菌のタンパク合成阻害薬はどれか。つ選べ。
a
オフロキサシン
⬅︎ a: DNA複製阻害 (ニューキノロン系)
b
アムホテリシン B
⬅ b: 細胞膜機能障害 (ポリエン系)
c
エリスロマイシン
d
β-ラクタム系)
バカンピシリン塩酸塩 ⬅ d: 細胞壁合成阻害 (β
e
ミノサイクリン塩酸塩
正答: c,e
解説: タンパク合成阻害を作用機序とする主な抗感染症薬は,アミノグリコシド
系 (ストレプトマイシン,カナマイシン,ゲンタマイシン 他),マクロライ
ド系 (エリスロマイシン,クラリスロマイシン 他),テトラサイクリン系 (オ
キシテトラサイクリン,ドキシサイクリン,ミノサイクリン 他)およびク
ロラムフェニコールである.
薬理学の国試対策 (感想) (第107~105回 歯科医師国家試験)
下記の事項をきちんと整理しておく.
1. 抗菌薬の作用機序と特徴について
2. 抗炎症薬 (ステロイド & NSAIDsともに) の臨床適用と併用注意について
3. 局所麻酔薬,特にリドカインの臨床適用と特徴について
4. 高齢者の薬物動態における特徴について
5. 口腔領域に副作用を示す薬物について
6. ショック症状の身体的特徴と薬物処置による対応について
7. 主要なコリン作動薬と抗コリン薬の名称と薬理作用について
8. 主要な作動薬と拮抗薬の名称と組み合わせについて