1:1410003 登録日

算数科学習指導案
算数ルームⅠ(じっくりコース)
6―2教室(どんどんコース)
授業Ⅱ
指導者
じっくりコース 講師 東山 洋介
どんどんコース 教諭 松野 広
1 単元名
「形の特徴を調べよう」
2 単元の目標
○身の回りから対称な図形を見つけようとする。
[関・意・態]
○対称という観点から既習の図形を見直し,その性質をとらえて,図形に対する見方を深める。
[数学的な考え方]
○線対称,点対称な図形をかくことができる。
[技能]
○線対称,点対称な図形の意味や性質について理解する。
[知・理]
3 単元について
(1)学習指導要領について
C図形
(1)図形についての観察や構成などの活動を通して,平面図形についての理解を深める。
イ 対称な図形について理解すること。
〔算数的活動〕ウ 身の回りから,縮図や拡大図,対称な図形を見付ける活動
(2)教材について
○本単元では,これまでに学習してきた基本的な平面図形について,対称性という新しい観点で考察すること
で,既習の平面図形をまとめ直し,図形に対する感覚を豊かにすることをねらいとしている。
○児童は,これまでに平面図形について色板や折り紙などを重ねる,切るなどの経験から,対称性について触
れてきている。これらの経験を踏まえ,観察や構成,作図などの活動を通して線対称,点対称の観点から考
察させていく。
○対称な形について観察し,線対称や点対称な形の性質やかき方を学習することを通して,概念の明確化を図
ると共に,図形のもつ美しさに触れさせていく。
○既習の図形についても対称性を考察し,
表にまとめるなどの活動を通して,
図形の性質の理解を深めていく。
(3)児童の実態
①調査対象 第6学年2組 男11名 女10名 計21名
②調査方法 レディネステスト
(新しい算数6年上 東京書籍ワークシート編「対称な図形」
)
③調査実施日 平成26年4月
④結果と考察
問題のねらい
じっくりコース
どんどんコース
(8名) 正答者数
(13名)正答者数
①
合同な図形を見付ける
5名
13名
②
合同な図形の対応する辺の理解
6名
11名
③
合同な図形の対応する角の理解
7名
13名
④
線対称な図形の対称の軸を見付ける(未習)
7名
12名
⑤
点対称な図形の回転の意味の理解(未習)
0名
5名
レディネステストの結果から,
合同な図形の弁別や対応する辺や角について概ね理解していることが分かった。
レディネスが不十分な児童に対しては,既習事項を確認するなどして対応していく。未習である線対称について
はほとんどの児童が理解していることから,日常にある様々な図形の対称性を考えさせるなど,児童の生活に密
着した活動を発展させていく。しかし,点対称については,理解していないことから,回転することを視覚的に
とらえさせるなど丁寧に指導していく必要がある。
(4)指導に当たって
【じっくりコース】
①図形を操作し,図形に対する見方を養う工夫
単元導入時に,アルファベットを2つのグループに分けたものを用意し,どのような観点で分けたのかを考
えさせ,実際に図形を切る,回転させるなどの視点を与え,今までとは異なる発想を促す。さらに,日常生活
の中の対称な図形を考えさせ,問題に取り上げるなどして,図形に対する興味・関心を高めていく。
②視覚的に理解させる教材の工夫
線対称の定義である折って重ねることや,点対称な図形を 180°回転することを視覚的にとらえさせるため
に,トレーシングペーパーに図形をかいたものを提示したり,視聴覚教材を活用したりする。
③学習形態の工夫
集団での話し合いを行う際に,自信をもって発表させたり,友達の発表を振り返ったりできるよう,ペアで
の話し合いの時間を設ける。
【どんどんコース】
①図形を操作し,図形に対する見方を養う工夫
単元導入時に,アルファベットを2つのグループに分けたものを用意し,どのような観点で分けたのかを考
えさせ,実際に操作させることで,今までとは異なる発想で分けられていることに気付かせる。さらに,日常
生活の中の対称な図形を考えさせ,対称な軸や対称の中心を考えさせることで,進んで生活に生かす態度を養
う。
②算数的な用語を意識して説明させる工夫
相手に分かりやすく説明するために,辺,垂直,平行などの既習の用語を意識させる。自力解決の際にノー
トに記述させたり,発表の中で補足させたりするなどして,用語の定着を図る。
③適用問題の工夫
学習の理解を深めるために,適用問題として身の回りから対称な図形を見付ける活動を設定する。図形のも
つ美しさや,日常生活に対称な形が用いられていることを実感を通して理解させる。
(5)志教育の視点
「かかわる」
・・・自分の考えを交流させる段階で,ペアで対話させたり,集団で発表させたりすることを通し
て,考えの違いに気付かせ,他者理解を深める。
4 単元の観点別評価規準
○身の回りから対称な図形を見つけ,対称性について調べようとしている。
[関・意・態]
○様々な図形を対称という観点でとらえ,対称の軸や中心という言葉を用いて説明している。
[数学的な考え方]
○線対称,点対称な図形をかくことができる。
[技能]
○線対称,点対称な図形の意味や性質について理解している。
[知・理]
5 単元構想(12時間扱い)
(別紙参照)
視点1
6-2 本時の指導(どんどんコース)
(1) 小単元名 「線対称」
(2) 本時の目標
○対称という観点から既習の図形を見直し,図形に対する見方を深める。 [数学的な考え方]
○線対称な形と対称の軸の意味について理解する。
[知・理]
(3) 指導の方向(校内研究の視点による授業づくり)
校内研究の視点における手だて
①算数的活動の工夫
・図形を折る,回転させるなどの操作を通して,線対称と点対称に分類された意図を考えたり,説明した
りする活動に主体的に取り組ませる。
②重点とする指導事項
1 交流の場の工夫
・ペアやグループの話し合いを行わせ,考えの共有化や深化を図る。
2 目的意識を明確にもたせる工夫
・友達が分類したアルファベットについて説明させることで,相手の分類の意図に気づかせる。
①表現や考えのよさを児童に理解させる工夫
・児童のつぶやきや発表を取り上げ,考えのよさを教師が価値づけ,称賛することで,児童に考え方のよ
さを共有させる。
②互いの表現や考えのよさ,算数の有用性を分かち合うシェアリング
・学習のまとめの後に,「どの考えがまとめにつながったのか」を確認し,考えのよさを振り返る。
(4) 学習過程(別紙参照)
(5) 準備物
○教師 掲示用アルファベット,児童用アルファベット
○児童 教科書,ノート,のり
(6) 評価の観点と方法
○対称という観点から既習の図形を分類し,分類の根拠を説明することができたか。
[数]
(発表の様子,ノート)
概ね満足できる(B)
努力を要する児童への手だて
十分に満足できる(A)
図の重なりを根拠に説明し,両方に 図の重なりを根拠に説明している。 友達の考えを参考にさせ,自分の考
入るもの,どちらにも入らないもの
えをもたせていく。
の説明もしている。
○線対称な形と対称の軸の意味について理解することができたか。
[知・理]
(適用問題の状況)
十分に満足できる(A)
概ね満足できる(B)
努力を要する児童への手だて
線対称な図形を見付け,全てに対称 線対称な図形を見付け,書いた図形 教室の中にある線対称な図形を考え
の軸をかくことができる。
の8割に対称の軸をかくことができ させたり,友達の考えを参考にさせ
る。
たりする。
(7) 板書計画
視点2
問題 ①,②のグループは形の特ちょうに目
をつけて分けています。どんな特ちょ
うに目を付けているかを考えてみまし
ょう。
①折ると重なるグループ
課題 他のアルファベットも①,
②のグループに分け,形の
特ちょうを調べよう。
約束
①調べる
②理由(折り目をかく)
線対称
まとめ アルファベットは4つのグル
ープに分けることができる。
①折ると重なるもの
②逆さまにすると重なるもの
③①と②どちらにも入るもの
④①と②どちらにも入らないもの
③①②のどちらにも入るグループ
・折り目があり重
なる
・折り目がたくさんある。
・Oは円とみると無限にある。
線対称,点対称
②逆さまにすると重なるグループ
点対称
・逆さまにしてもNになる
④どちらにも入らないグループ
線対称
対称の軸で折ると,
ぴっ
たり重なる形
対称の軸
視点1
6-1 本時の指導(じっくりコース)
(1)小単元名
「線対称」
(2)本時の目標
○対称という観点から既習の図形を見直し,図形に対する見方を深める。[数学的な考え方]
○線対称な形と対称の軸の意味について理解する。
[知・理]
(3)指導の方向(校内研究の視点による授業づくり)
校内研究の視点における手だて
① 算数的活動の工夫
・図形を折る,回転させるなどの活動を通して,線対称と点対称にグループ分けされたアルファ
ベットの分類の意図を考えさせる。
② 重点とする指導事項
1 交流の場の工夫
・自力解決後,ペアで対話を行い,互いの考えを説明したり,考えを補足したりして理解を深め
させる。
2 目的意識を明確にもたせる工夫
・見通しの段階で,分類されたアルファベットのグループの特徴を表す名前をつけさせ,自力解
決に取り組ませる。
① 表現や考えのよさを児童に理解させる工夫
・児童の表現のよさや考えのよさを教師が価値付け,称賛することで,児童に表現のよさや考え
のよさを全体で共有させる。
② 互いの表現や考えのよさ,算数の有用性を分かち合うシェアリング
・学習のまとめの後に,
「どの考えがまとめにつながったのか」を確認し,考えのよさを振り返る。
(4)学習過程(別紙参照)
(5)準備物
○教師:掲示用アルファベット,児童用アルファベット
○児童:ノート,教科書
(6)評価の観点と方法
○対称という観点から既習の図形を分類し,分類の根拠を説明することができたか。
[数]
(発表の様子,ノート)
十分に満足できる(A)
概ね満足できる(B)
努力を要する児童への手だて
図の重なりを根拠に説明し,両方 図の重なりを根拠に説明してい グループ分けをできた根拠を考
に入るもの,どちらにも入らない る。
えさせたり,友達の説明を参考に
もののあることに気付いている。
させたりする。
○線対称な形と対称の軸の意味について理解することができたか。
[知・理]
(適用問題の状況)
十分に満足できる(A)
概ね満足できる(B)
努力を要する児童への手だて
線対称な図形を見付け,全ての図 線対称な図形を見付け,書いた図 線対称な図形を見付けることが
形に対称の軸をかくことができ 形の8割に対称の軸をかくこと できない。
ができる。
る。
(7)板書計画
視点2
問題
①,②のグループは形の特ちょうに目をつけ
て分けています。どんな形の特ちょうに目を
つけているか考えてみよう。
課題 他のアルファベットを①,
②のグループに分けて,形の特ち
ょうを調べよう。
約束
①グループに分ける。
②理由を説明する。
①
②
まとめ
①横や縦に半分(折り目)に折ると
ぴったり重なる。→線対称な形
折り目の直線を
対称の軸という。
①ぴったりグループ(重なる)
線対称
・半分に折ったら重なる。
②くるっとグループ(180度回転)
180度回転させる同じ形となる。
②印をつけて,180 度回転させると
元の形になる。
第6学年
単元名:形の特ちょうを調べよう(12時間扱い)
<本単元を通して身に付けさせたい数学的な考え方>
ア 対称という観点から既習の図形を見直し,その性質をとらえて,弁別した理由を考え,説明するこ
とができる。
イ 線対称や点対称の形の性質について,対称の軸,対称の中心,構成要素に着目して考えることがで
きる。
単元の特性
・これまでに学習してきた基本的な平
面図形について,対称性という新し
い観点で考察し,図形に対する感覚
を豊かにすること。
・対称な形について観察し,線対称や
点対称な形の性質やかき方を学習
することを通して,概念の明確化を
図ると共に,図形のもつ美しさに触
れさせる。
児童の実態
・算数が好きで理解力
がある児童が多い
が,説明が苦手であ
る。
・未習の内容も理解し
ている児童も多く
見られる。点対称に
ついては,回転の意
味を理解していな
い。
本単元を学習する際に必要な既習事項
・4学年「垂直・平行と四角形」
:垂直,平行,平行四辺形,ひし形,台形
・5学年「合同な図形」
:合同の意味,合同な三角形,四角形
・5学年「正多角形と円周」
:正多角形の概念,かき方
本単元における算数的活動
①身の回りから対称な図形を見付ける活動
②線対称や点対称であることを図を基に根拠を説明する活動
本単元における算数的活動の位置付け
時数
じっくりコース
算
単位時間の問題と練り合いの方向,解決のツール, ○
算数的用語
評
数学的な考え方の評価
価
問題
①
形の特徴に目をつけて2つの仲間に分けてあるア ア
ルファベットを分類する。
※分類することを通して,対称性について調べて
いくことへの興味・関心をもたせる。
練り合いの方向 分類型練り合い
どんどんコース
単位時間の問題と練り合いの方向,解決のツール,
算数的用語
問題
身の回りにある線対称な形を考える。2つ折りに
した紙に半分の形をかき,それを切り抜いて線対
称な形をつくる。
※線対称の定義を確実に理解させ,作った形で確
認させる。
用語やツール
線対称,対称の軸
問題
線対称な図形の重なりあう頂点,辺,角について
調べる。
※対称の軸が1本の場合について「対応する」と
いう言葉の意味を確実に理解させる。
用語やツール
対応する辺,対応する点,対応する角
①
問題
2つ折りにした紙に半分の形をかき,それを切り抜
いて線対称な形をつくる。
※作った形が線対称の定義に基づくかを確認させ
る。
用語やツール
線対称,対称の軸
問題
対応する点をつなぐ直線と軸との関係について考
える。
※1つの線対称な図形を用意し,それぞれに自力
解決を行わせ,共通点をまとめていく。
練り合いの方向 集約型練り合い
問題
線対称な図形のかき方を考える。
※見通しで出来上がりの図を予想させ,既習事項
を基にかくと便利であることに気付かせる。
練り合いの方向 集約型練り合い
②
イ
E
第1時(本時) 第2時
第3時
第4時
第5時
②
イ
問題
26文字のアルファベットを形の特徴に目をつけて
分類する。
※分類することで,対称という観点から図形をとら
えなしていることに気付かせる。
練り合いの方向 分類型練り合い
問題
線対称な図形の重なりあう頂点,辺,角について調
べる。
※対称の軸が1本の場合だけでなく,2本以上ある
場合は対応する辺や角が変わることも理解させ
る。
用語やツール
対応する辺,対応する点,対応する角
問題
対応する点をつなぐ直線と軸との関係について考え
る。
※線対称な図形を児童に考えさせ,全ての図形にい
える共通点をまとめさせる。
練り合いの方向 集約型練り合い
問題
線対称な図形のかき方を考える。
※作図の過程で気をつけたことを話し合い,既習事
項を用いてかく有用性に気付かせていく。
練り合いの方向 集約型練り合い
算
○
評
価
①
ア
E
A
①
②
イ
②
イ
第6時
第7時
第8時
第9時
第10時
第11時
第12時
問題
アルファベットのSやZの特徴について調べる。
※対称の中心を画鋲でとめたり,トレーシングペ
ーパーを用いたりして,180 度回転することを
視覚的に理解させる。
用語やツール
点対称,対称の中心
問題
点対称な図形の重なりあう頂点,辺,角について
調べる。
※視覚的な理解を通して,対応する部分を丁寧に
確認していく。
用語やツール
対応する辺,対応する点,対応する角
問題
点対称な図形の対応する点や辺と対称の中心との
関係について考える。
※1つの点対称な図形を用意し,それぞれに自力
解決を行わせ,共通点をまとめていく。
練り合いの方向 集約型練り合い
問題
点対称な図形のかき方を考える。
※見通しで出来上がりの図を予想させ,既習事項
を基にかくと便利であることに気づかせる。
練り合いの方向 集約型練り合い
問題
既習の四角形について,線対称であるか点対称で
あるかを調べる。
※実物を操作することで,対称であることをとら
えさせる。
問題
既習の三角形や正多角形について,線対称である
か点対称であるかを調べる。
※ペアやグループで正多角形について調べ,表に
まとめる活動を通して,規則性に気づかせる。
練り合いの方向 集約型練り合い
問題
59 ページ しあげのもんだい
①
②
イ
②
イ
②
②
ア
問題
アルファベットのSやZの特徴について調べる。
※対称の中心を画鋲でとめたり,トレーシングペー
パーを用いたりして,180 度回転することを視覚
的に理解させる。
用語やツール
点対称,対称の中心
問題
点対称な図形の重なりあう頂点,辺,角について調
べる。
※視覚的な理解を通して,対応する部分を丁寧に確
認していく。
用語やツール
対応する辺,対応する点,対応する角
問題
点対称な図形の対応する点や辺と対称の中心との関
係について考える。
※点対称な図形を児童に考えさせ,全ての図形にい
える共通点をまとめさせる。
練り合いの方向 集約型練り合い
問題
点対称な図形のかき方を考える。
※作図の過程で気をつけたことを話し合い,既習事
項を用いてかく有用性に気づかせていく。
練り合いの方向 集約型練り合い
問題
既習の四角形について,線対称であるか点対称であ
るかを調べる。
※方眼紙にかいてある図を基に,対称であることの
根拠を説明させる。
問題
既習の三角形や正多角形について,線対称であるか
点対称であるかを調べる。
※調べた正多角形について表にまとめることを通し
て,一定の規則性があることも類推させる。
練り合いの方向 集約型練り合い
問題
59 ページ しあげのもんだい
宮城単元ライブラリー
①
②
イ
②
イ
②
②
ア
(4)学習過程(じっくりコース)
段階
主な学習活動
1
発問・指示
予想される児童の反応
本時の問題を把握する。
問題
①,②のグループは形の特ちょうに目をつけて
分けています。どんな形の特ちょうに目をつけ
ているか考えてみよう。
①
問題把握・見通し12分
②
形の特ちょうに目をつけて,とありますが,どのよう
に調べますか。
①,②のグループの名前を付けましょう。
この他にもアルファベットを分けられそうですね。今
日学習することは何ですか。
課題
他のアルファベットを①,②のグループに分け
て,形の特ちょうを調べよう。
・①のアルファベットは,形が丸くなっている
部分がない。
・②のグループは,回転させて逆さまにしても
形は同じになる。
・①の形の特ちょうがよくわからない。
・どのように調べよう。
・合同な図形では,ぴったり重なることを勉強
したから,図形を重ねてみる。
・アルファベットを折って重ねてみる。
・アルファベットを回転させてみる。
・①は,縦や横に折って重ねるとぴったり重な
る。
・②は,半回転させると元の形と同じだ。
・①は,ぴったりグループ。
・②は,くるっとグループ。
・他のアルファベットもグループ分けしよう。
・形の特ちょうを調べよう。
指導上の留意点○
評価※【視点との関連】
○図形を折る,回転させるなどの活動を通し
て,線対称と点対称にグループ分けしたアル
ファベットの分類の意図を考えさせる。
【視点1-①】
○前学年までの学習を想起させ,「図形を重ね
て調べる」ということを気づかせる。
○アルファベットのカードを操作することで,
重なり方の違いによって分類していること
に気づかせる。
○回転させる点対称な形については,180度
回転することを意識付けるために,アルファ
ベットの上に印をつけさせる。
○①,②のグループに簡単な名前を付け,自力
解決の際に役立てる。その際には,重なりの
特徴を表しているものを取り入れる。
○児童の言葉を取り入れて,課題を設定する。
○見通しの段階で,形の特徴に分けたアルファ
ベットのグループに特徴を表す名前をつけ
させ,自力解決に取り組ませる。
【視点1-②-2】
2
他のアルファベットについてもどちらのグループに
なるか調べる。
自力解決10分
今回は,D・Nの2つのアルファベットを調べましょ
う。さっきと同じように調べたら,①どちらのグルー
プになるか分ける。②その理由を書く(アルファベッ
トに印や線を書く)
。ということをしましょう。
全体で発表する前に,隣同士でペアになって調べたこ
とを発表しましょう。友達のいいと思った説明の仕方
や共通点も見つけましょう。
①
②
<予想される反応>
・Dは,横に半分に折るとぴったり重なるから
①のぴったりグループだ。180度回転して
も同じ形にはならないから②ではない。
・Nは,半分に縦や横に折っても重ならないか
ら①のグループではない。だけど,180度
回転すると元の形になるから②の方だ。
※見通しで考えた対称という視点を基に,その
性質をとらえて分類した理由を説明してい
る。
(自力解決の様子)
A:図の重なりを根拠に説明し,両方に入る
もの,どちらにも入らないもののあること
に気付いている。
B:図の重なりを根拠に説明している。
C:分類することも説明することができない。
○自力解決後,ペアで対話を行い,互いの考え
を説明したり,考えを補足したりして理解を
深める。
【視点1-②-1】
○早く終わった児童には,他のアルファベット
についても考えさせる。
準備物
掲示用
アルフ
ァベッ
ト
児童用
アルフ
ァベッ
ト
練り合いの方向性:自力解決でDとNを①,②のグループに分類し,集団解決でその根拠を話し合う。
(分類型練り合い)
3
集団解決
自力解決したことを発表し,
2つのグループに分類し
た根拠を伝え合う。
DとNを,なぜそのように分けたかを発表しましょう。
共有
Dは,①のグループと同じぴったりグ
ループです。横に線を引いて折ると形
がぴったり重なります。
Nは,②のグループと同じくるっとグル
ープです。印を付けて 180 度回転させる
と元の形と同じ形になるからです。
まとめ
4
分類されたアルファベットを見て,
本時の学習のまと
めを発表する。
13分
アルファベットを,形の特ちょうに目をつけて調べる
と,どのように分けられることが分かりましたか。
・2つのグループに分けることができた。
・折ったり,回転させたりすると見つられた。
・縦や横に半分に折るとぴったりと重なるグル
ープと,印をつけて 180 度回転させると元の
形になるグループがある。
○アルファベットを分類する児童,説明する児
童に役割分担することで,全体で意見や発表
を共有させて考えを深めさせる。
○児童の表現のよさや考えのよさを教師が価
値付け,称賛することで,児童に表現のよさ
や考えのよさを全体で共有させる。
【視点2-①】
○児童の言葉で学習のまとめを行う。
まとめ①縦や横に半分に折るとぴったり重なるグループ。
②印をつけて,180 度回転させると元の形になるグループ。
友達のどの考えがまとめにつながりましたか。
5
線対称という形の言葉を確認し,
線対称の定義を理解
する。
①のグループのように,折ってぴったり重なる図形を線
対称な形といいます。
自己評価
10分
線対称とは…1本の直線を折り目にして二つ折りにし
たとき,両側の部分がぴったり重なる形を
線対称な形といいます。また,この直線を
対称の軸といいます。
6
適用問題に取り組む。
身近な形で線対称な形になるものさがしましょう。見つ
けたら,その形の名前や絵をかいて発表しましょう。ま
た,絵を書いたら対称の軸をかき入れましょう。
・~さんの説明が分かりやすかったです。
・~さんの言葉は,形の特ちょうを表す説明と
してよかったです。
<予想される児童の考え>
・線対称な形
飛行機,机の板面,☆のマーク,三角定規(二
等辺三角形)
,地図記号
○学習のまとめの後に,「どの考えがまとめに
つながったのか」を確認し,考えのよさを振
り返る。
○①のグループを「線対称な形」という図形で
あることを確認し,線対称の言葉と定義を理
解させ,線対称について学習していくことを
確認する。
※線対称な図形を身の回りから見付けること
ができる。
(適用問題の状況)
A:線対称な図形を見付け,全ての図形に対
称の軸を書くことができる。
B:線対称な図形を見付け,書いた図形の八
割に対称の軸をかくことができる。
C:線対称な図形を見付けることができない。
○見付けることができない児童に対しては,教
室の中にあるものや筆記用具などから考え
させたり,友達の考えを参考にさせたりす
る。
(4)学習過程(どんどんコース)
段階
主な学習活動 発問・指示
予想される児童の反応
1 本時の問題を把握する。
問題把握・見通し 1 0 分
問題 ①,②のグループは形の特ちょうに目をつけて
分けています。どんな特ちょうに目を付けてい
るかを考えてみましょう。
①
②
実際にアルファベットを折ったり,動かしたりして,
どのような仲間分けであるか考えましょう。また,そ
の理由もかきましょう。
①,②のグループに名前を付けましょう。
他のアルファベットも①と②のグループに分けること
はできそうですか。
今日学習することは何ですか。
課題 他のアルファベットも①,②のグループに分
け,形の特ちょうを調べよう。
自力解決8分
2 他のアルファベットについてもどちらのグループになる
か調べる。
他のアルファベットも調べましょう。全て一人で調べ
るのは大変なので,それぞれ4つずつ調べてもらいま
す。調べる順番は①どちらのグループになるか調べ
る。②その理由を書く(①については,折り目に線を
引く)です。
<予想される反応>
・BやCは横に折ると重なるので,①のグループにな
る。
・Nは折っても重ならない。でも,回すと元の形と同
じになるから②のグループになる。
・Fは折っても回しても重ならない。どうしよう。
・①のグループは縦に折ると重なりそう。
・Eは縦に折れないけれど,90°回転させれば縦に折
れる。
・実際に折ってみると①はどれも重なる。
・Eは横に折れば重なるね。
・①は逆さまにすると違う形になる。
・②のグループは上下逆さまにしても同じ形になる。
・②は折っても重ならない。
・①は重なるグループ,ぴったりグループ
・②は逆さまグループ,回転グループ
準備物
掲示用問
題文
掲示用ア
ルファベ
ット
児童用ア
ルファベ
ット
○児童の言葉で課題を設定する。
・他のアルファベットも分けることができそう。
・できないものもあるよ。
・他のアルファベットも調べてみようが課題になる。
・重なり方に目を付けて他のアルファベットも分けて
いく。
①のグループ
②のグループ
③どちらにも入るグループ
④どちらにも入らないグループ
もし,2つのグループに入らないものがあれば,そのグ
ループの名前をかいて,分けた理由もかきましょう。
指導上の留意点○ 評価※【視点との関連】
○図形を折る,回転させるなどの操作を通して,線対称
と点対称に分類された意図を考えたり,説明したりす
る活動に主体的に取り組ませる。
【視点1-①】
○操作させることで,重なり方の違いによって分類して
いることに気づかせる。
○ペアやグループの話し合いを行わせ,考えの共有化や
深化を図る。【視点1-②-2】
○①,②のグループに名前を付け,自力解決の際に役立
てる。その際には,重なりの特徴を表しているものを
取り入れる。
○どの児童にも①~④のアルファベットを与えることを
基本として,自力解決に取り組ませる。
○児童の実態によっては,③のグループを入れずに,①
を2種類考えさせる。
○自力解決の順番を示し,考える目安とさせる。
※見通しで考えた対称という視点を基に,その性質をと
らえて弁別した理由を説明している。
(自力解決の様子)
A:図の重なりを根拠に説明し,両方に入るもの,
どちらにも入らないものの説明もしている。
B:図の重なりを根拠に説明している。
C:説明することができない
○C児に対しては,友達の考えを参考にさせ,自分の考
えをもたせていく。
○①,②以外にも③や④のグループがあることに気付か
せる。机間指導を行った際のつぶやきなどを取り上げ
ていく。
自力解決
用アルフ
ァベット
集団解決 共有・比較検討17分
練り合いの方向性:自力解決したことを①~④のグループに分類し,その根拠を話し合う。(分類型練り合い)
3 自力解決したことを発表し,4つのグループに分類した
根拠を伝え合う。
分類したアルファベットを見て,なぜそのように分け
たかを発表しましょう。
①グループ
どのアルファベットも折り目
があり重なるので,全て①の
グループに入ります。
どのアルファベットも折り目
が 1 つしかないことが分かり
ました。
②グループ
Nを90度回転させる
と,Zになるので,同
じグループなると思い
ます。同じように上下
逆さまにしてもNにな
るので,②のグループ
です。
4 分類されたアルファベットを見て本時の学習で分かった
ことを発表する。
③グループ→折り目が2つあるグループ
Hは真ん中で縦に折っても横に
折っても横に折っても重なりま
す。
③グループ→①,②どちらにも入るグループ
でも,Hは逆さまにしてもHになるので,①のグ
ループにも②のグループにも入ります。だから,
③は①,②のどちらにも入る仲間になります。
④グループ
→①,②のどちらにも入らないグループ
Fは逆さまにしてもFにはならないし,ぴったり
重なる折り目がない。だから,①にも②にも入ら
ないグループです。
○自力解決が終わった児童から,順番にアルファベット
を黒板に分類して掲示させる。
○友達が分類したアルファベットについて説明させるこ
とで,相手の分類の意図に気づかせる。
【視点1-②-2】
○児童のつぶやきや発表を取り上げ,考えのよさを教師
が価値づけ,称賛することで,児童に考え方のよさを
共有させる。【視点2-①】
○児童の発表の中で,「折ると重なる」「逆さまにする
と重なる」など重要である言葉がない場合には,他の
児童に補足させる。
まとめ・自己評価10分
・4つの仲間に分けることができる。
・2つに折ると重なる仲間,逆さまにすると重なる仲 ○ペアやグループの話し合いを行わせ,考えの共有化や
間,どちらにも入る仲間,どちらにも入らない仲間
深化を図る。【視点1-②-1】
アルファベットをこのような形の特ちょうに目をつけ
がある。
○児童の言葉で学習のまとめを行う。
て分けると,どのように分けられることが分かりまし
・アルファベットはこのような見方をすると,4つの ○学習のまとめの後に,「どの考えがまとめにつながっ
たか。
種類に分けられる。
たのか」を確認し,考えのよさを振り返る。
まとめ アルファベットは形の特ちょうに目をつけると,4つのグループに分けることができる。
【視点2 - ②】
①折ると重なるもの ②逆さまにすると重なるもの ③①と②どちらにも入るもの ④①と②どちらにも入らないもの
・○○さんの説明の仕方で僕は分かりました。
友達のどの考えがまとめにつながりましたか。
・○○さんのまとめの言葉の使い方がよかったです。
5 線対称と点対称の言葉を確認し,線対称の定義を理解す <予想される児童の考え>
○線対称,点対称の言葉と,線対称の定義を理解させ,
る。
まず線対称について学習していくことを確認する。
○対称の軸の用語については,次時にノートに記録する
①や③のグループのように折ると重なる図形を線対称
な図形と言います。②や③のグループのように,逆さ
ので,本時については,黒板で確認し,適用問題の状
まにすると重なる図形を点対称な図形と言います。
況でどのくらい理解したかをおさえていく。
※線対称な図形を身の回りから見付けることができる。
線対称とは…1本の直線を折り目にして2つ
(適用問題の状況)
折りにしたとき,両側の部分が
対称の軸
A:線対称な図形を見付け,全てに対称の軸をかく
ぴったり重なる形を線対称な形
ことができる。
と言います。また,この直線を
B:線対称な図形を見付け,書いた図形の8割に対
対称の軸といいます。
称の軸をかくことができる。
6 適用問題に取り組む。
C:線対称な図形を見付けることができない。
身の回りにある線対称な図形を見つけましょう。
○見付けることができない児童に対しては,教室の中に
考える順番①図形をかく②対称の軸をかく
ある線対称な図形を考えさせたり,友達の考えを参考
にさせたりする。
○時間があれば,本時の学習感想を記入させる。その際
には,本時の学習で分かったこと,発表のしかたでよ
かったことを書くなど観点を示す。