どうして TPP は日本国内で激論になったか?

どうして TPP は日本国内で激論になったか?
TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)交渉は 10 月 5 日に米アトランタでの閣僚会
合で大筋合意しました。これにより国内総生産で世界の 4 割近くを占める巨大経済圏
がアジア太平洋地域に生まれる道筋がつきました。しかし、日本は参加国として、最近
TPP に参加すべきかどうかという問題について国内で激論になりました。
その原因を分析する前に、まず TPP はいったいどんな組織かについて明らかにする
必要があります。
TPP 交渉はチリ、シンガポール、ニュージーランド、ブルネイの間で 2005 年に始
まりました。一番目立つ特徴はお互いに関税を撤廃する点です。当初は参加する国が少
ないのでそれほど注目を集めませんでした。しかし、2008 年にアメリカが交渉参加
を表明することを皮切りに、オーストラリア、ペルー、べトナム、日本、カナダ、マレ
ーシア、メキシコなどより広い範囲で参加する国を募って、徐々に注目度は高まってき
ていました。既存の多国間自由貿易協定(FTA)の枠組みに比べると、TPP 交渉では
2 つの目標を目指しています。1.
「全体をカバーする」。というのは、TPP はアジア
太平洋圏だけではなくて、全世界をカバーする貿易ルールを再構築することも重視して
います。そして、関税の撤廃や引下げのみならず、投資、知的財産権、技術的貿易障壁、
競争政策などこれまでの国家間貿易協定より広い範囲でルールを定めました。2.「高
い基準」。すなわち環境保護、原産地などの方面で高い基準の条件がついています。こ
の二つの点が TPP 交渉の中心になりました。
では、影響範囲がそんなに広くて、全世界に注目されている新しい貿易協定はなぜ日
本国内で激論になったのでしょうか?次は賛成派と反対派の意見をそれぞれ見てみま
しょう。
賛成派は「日本は TPP に参加しないと世界の孤児になる」と主張しています。日本
は今人口減少し続け、高齢化問題もだんだん深刻になってきているために、国内の需要
がだんだん縮小しています。このことが、潜在的な成長力の低下と経済の低迷にも繋が
っています。これからの 20 年や 30 年、将来に向けて、日本は成長するためには、成
長のエンジンとも言えるアジア太平洋の地域を日本の成長に取り込めるのではないで
しょうか。そのために、日本は TPP に入り、高い基準を利用すれば、東アジアで能動
的物事を進めることが望めます。
しかし、反対派は TPP のデメリット、特に日本の農業と食品安全に与える不利な影
響を強調して日本の参加にネガティブな意見を出しました。まず、TPP によって、ア
メリカ、オーストラリア、東南アジアから安い農作物が日本国内に無関税で輸入すれば、
日本の農作物はその価格差に対抗できません。そのまますると、日本はだんだん農作物
の輸入に依存して、食糧自給力を完全に喪失する恐れがあります。また、農家は収穫品
の価格低下により、収入が減らされることで、日本の全体の失業率を上げ、社会不安に
なり、国家にとっても巨大な負担になるかもしれません。そして、食品安全について日
本の国民も不安を持っています。TPP では「非関税障壁の撤廃」という原則がありま
す。それは日本の食品の安全基準に大きな影響を与えます。例えば、アメリカは日本に
遺伝子組み換え食品、多数の食品添加物、食品農薬の残留値に対して規制の緩和を要求
しています。そうすると、日本の高い食品安全の基準は大幅の緩和を強いられて、食品
安全のリスクがずいぶん上がる恐れがあります。
以上、賛成派と反対派の意見を総合的に見ると、TPP 交渉は日本にとって発展のチ
ャンスとも言えるし、チャレンジとも言えるのではないでしょうか。リスクを低減する
ために今大事なのは、TPP 参加国の基準を明確にし、国際基準を調和して統一させる
ことだと思います。そして、交渉を通じて政府間の紛争を協商、解決しなければなりま
せん。国々が手を取り合って同じ目標に進む覚悟さえあれば、TPP は将来日本だけで
はなく、太平洋地域または全世界にたくさんの恵みを与えられると私は信じています。
協商…相談によってある目的にそった取り決めをすること。
(
「スーパー大辞林」より)
外交学院
陳南星
(クレア北京事務所インターン勤務)