CEDXMを活用したビジネスレポート もっとCEDXMが活用されるために CEDXMは、現状ではほとんど活用されていない。その理由を列挙することにする。 しかし問題はCEDXMのデータ書式規約そのものではなく、むしろその使い方からき ているものである。 1.工務店のCADとのリンクが住宅設計統合CADに限られている 工務店側からCEDXMで掃き出すことができるのは、今のところ数百万円もする住 宅設計統合CADに限られており、年間棟数が少ない工務店では、ソフトの金額だけで なく、操作方法を習熟するほどの使用機会が少ないため、CEDXMの掃き出し機能を 持ったCADの導入が難しい。 むしろ価格が 10~50 万円といった営業支援CADに、CEDXMの出力機能を持たせ れば、こうしたソフトは操作も簡単なので多くの工務店で利用することができる。 こうした営業支援CADから出てくるリンク・データは、CEDXMのほんの一部で あるが、それでもプレカット工場での入力作業は容易になる。 2.工務店の作成するCADデータが不正確である 工務店のCADから掃き出されるCEDXMのデータが、不正確な場合が多く、これ を取り込んでも、プレカット工場のCAD/CAMの作業手間はそれほど削減されない。 例えば、図面上では完全なように見えていても、データとしては柱や壁が重複してい て、これを元にCAD/CAMで部材展開しても、おかしな伏図になってしまう。しか し見た目では重複部分がチェックできないので、ひとまず自動展開しおかしな部分を作 ってから、どこが重複しているか判断することになる。 3.プレカット工場側がCEDXMデータをすべて取り込もうとしている 間取り作成だけなのか、構造計算に基づいて伏図まで作成するかなど、工務店でのC ADの使い方は、様々なものになっているので、プレカット工場側のCAD/CAMに CEDXMのデータ取り込み機能を持たせようとした場合、CEDXMの大半を読み込 めるようにしなければならない。 そのため、現在使っているCAD/CAMに、CEDXMのデータ取り込み機能を付 CEDXMを活用したビジネスレポート 加する費用がそれだけ高くなってしまう。しかもプレカット工場で用いているCAD/ CAMソフトには、かなり古いバージョンのものもあり、ソフトをそっくり更新しない とCEDXMのデータ取り込み機能の付加ができない場合もある。 伏図データまで取り込んだところで、不正確なものであるならば、間取りデータだけ というように、プレカット工場側で取り込むデータをもっと限定的なものにすれば、C AD/CAMソフトへの付加も簡単なもので済んでしまう。 4.プレカット工場のCAD/CAMデータが工務店側で取り込めない プレカット工場のCAD/CAMで作成された部材加工データをCEDXMで掃き出 されても、工務店側のCADでは取り込むことができない。CEDXMが、CAD/C AMに読み込むためだけのものならば、CEDXMでなくてもということになってしま う。 しかし、部材加工データを工務店のCADに取り込めたところで、どのように活用で きるかは、具体的なイメージが湧いてこない。 というのも、その段階で工務店が作成すべき設計図は、建築工事で一般的に用いられ ているようなものではなく、大工や専門工事業者が短時間で的確に設計者の意図が理解 できるようなものでならないからである。 5.プレカットCAD/CAMデータを再利用するソフトがない プレカット工場のCAD/CAMで作成された部材加工データをCEDXMで掃き出 し、工務店のCADに取り込むとなると大変であるが、CEDXMはXMLで記述され ているので、EXCELのVBAなどで読み込み、材積の分析ソフトなどを簡単に組む ことができる。 さらにCEDXMをもとに、3次元の汎用CADのデータを作成することもできるの で、軸組みや小屋組みを3次元モデルで確認することができる。 プレカット工場のCAD/CAMがCEDXM対応となれば、工務店からのデータ取 り込みを行わない場合でも、CEDXMで部材加工データを出すことができる。 CEDXMが、プレカット工場のCAD/CAMデータの再利用を容易にしたといっ た面にも、注目すべきであると言える。 CEDXMを活用したビジネスレポート
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