17670 データベース応用 3年前期 2単位 選択必修 Applications of Databases 工藤 司 【講義概要】 情報システムは実世界のデータを収集、蓄積し、これを活用して様々な機能を提供するようになっている。データベースはここで活用される データの集合、およびそれを管理するデータベース管理システムを指し、大量のデータを処理するために必須のものとなっている。 本講義では、実際の情報システムの中でデータベースがどのように活用されているか、また、そのためにデータベースはどのよう機能を備 えているかを説明する。さらに、演習を通じて、実際のシステム構築・運用手順に沿って、データベースの構築方法やデータベースが果たす役 割について学ぶ。 【授業計画】 1 情報システムとデータベース 9 システム構築演習 (2) 前回に引き続き、履修登録システムを事例として、入力データの 授業概要の説明:情報システムにおけるデータベースの役割を エラーチェックを行う機能を実装する。 事例に基づいて説明する。情報システムの構築、運用・保守の 手順を概説し、本授業の流れについて説明する。 2 モデル化と設計 10 システム構築演習 (3) 履修登録システムを活用して、正規化を行わない場合にどのよう データベースは実世界の構造をデータの視点からモデル化し な課題が発生するかを、データ操作の演習を通じて学ぶ。 たものといえる。具体的な業務システムを取り上げて、リレーショ ナル(関係)データ・モデルの考え方について説明する。さら に、業務システムの中で活用するために要件定義について説 明する。 ノートパソコンの設定の確認と、必要なソフトのインストールを行 う。 3 テーブルと SQL 11 システム構築演習 (4) バッチ処理により入力されたデータを加工し、テーブルの更新、 リレーショナルデータモデルの概念を解説し、テーブルの設計 および必要なレポートを出力するための機能を構築する。 を行う。その上で、SQL によりテーブルの生成し、および簡単な データ操作を行う。 4 データベースの設計理論 (1) 12 システム構築演習 (5) 生産管理における所要量計算システムを事例として、データベー データベースの設計を行う上で必要となる ER モデルと正規化 スの設計を実施する。さらに、データベースを構築し、正規化した に関する基本的な概念と、データベースの設計手順を解説す テーブルの結合によりデータが一覧表として取得できることを学 る。さらに、簡単なテーブルを正規化し、実際のデータ操作を通 ぶ。 じて正規化が情報無損失分解であることを学ぶ。 5 データベースの設計理論 (2) 13 システム構築演習 (6) 前回に引き続き所要量計算システムにおいて、SQL だけで製品 正規化したテーブルを事例として ER 図を作成する手順を説明 の精算に必要な部品の所要量が計算できることを学ぶ。さらに、 する。さらに、ER 図における関連の意味や、多対多関連解消の SQL により様々な統計資料を作成する方法を理解する。 必要性を説明する。その上で、ER 図からテーブルを生成し、デ ータ操作を行う手順を学ぶ。 6 データベース設計演習 14 トランザクション処理 簡単なテーブルを事例として、データベースの設計、テーブル 業務システムのオンラインサービスでは、同時に多数のユーザが 生成、データ操作の一連の手順を演習として実施する。 データベースの更新や検索を行う。これを矛盾なく実行するため のトランザクション処理について説明する。さらに、MySQL にお いて、どのように使用するかを説明する。 7 データ操作演習 15 トランザクション処理演習 より高度な SQL を使用して、基本的なデータ操作を行う手順を 実際のデータ操作を通じて、コミットやロールバックを使用する上 学ぶ。 での留意点、ロックに伴う問題を回避する方法について学ぶ。 8 システム構築演習 (1) 16 定期試験 履修登録システムを事例として、データ中心アプローチによる、 要件定義以降のシステム設計手順を解説する。 さらに演習として、データベース設計で設計されたテーブルに 基づき、システムの機能を設計し、実装に必要なワークテーブ ルを生成する。 【授業形態】 講義およびノートパソコンを使用した演習によって行う。 【達成目標】 1) 情報システムにおいてデータベースの果たす役割を理解している。 2) 簡単な業務を行うためのデータベースの設計ができる。 3) データベースおよび SQL を使用して、簡単なデータの管理や加工を行うシステムを構築できる。 【評価方法】 期末試験 50%(全て持ち込み不可)、演習 50%で評価する。 【評価基準】 秀:100~90、優:89~80、良:79~65、可:65~50、不可:49 以下 但し、期末テストが 90 点、80 点に満たない場合は、各々、秀、優にはならない。 -328- 【教科書・参考書】 教科書:特に指定しない。 参考書:白鳥則郎(監修)「データベース -ビッグデータ時代の基礎-」共立出版 【履修条件】 「プログラミング言語」、「データベース基礎」(C/D)の単位を修得していること。 「経営工学概論」を履修していることが望ましい。 【履修上の注意】 演習はノートパソコンに MySQL、および授業で必要なソフトをインストールした環境で行う。2 回目以降の授業ではノートパソコンを持参すること (初回はガイダンスのため不要)。 【準備学習の内容】 授業ごとに2時間以上復習を欠かさないこと。演習問題について内容をよく理解し応用できるようにすること。 【ディプロマポリシーとの関連割合】 知識・技術:30%,思考・判断:30%,関心・態度:20%,コミュニケーション:20% -329-
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