滋 賀 大 学 の い ま 総合研究棟<士魂商才館> ❸旧植民地地域を中心としたアジア関連資料。特に戦前期の朝 鮮・満洲・台湾地域に関する貴重な史資料群が一処に会する 経済学部教授 筒井正夫 こととなりました。 ❹戦前・戦後の経済・経営に関する基礎文献・各種調査報告書。 各産業の実態を調査した報告書や各地の商工会議所や同業 組合関係資料、農会や産業組合といった農業関連団体資料な ども収集しています。さらにこれら書架と間仕切りなく繋がっ た広い閲覧室が設けられました。 セミナー室Ⅰ 外観 平成26年5月、彦根キャンパスの中央に位置する中庭部分に、 これらの図書や史資料は、貴重図書・資料を除いて原則として 次に、2階部分には、伊藤忠商事など近江商人系企業の貴重資 開架とし、学生や研究者が自由に手にとって閲覧できるように致 料を中心とした史料館の収蔵庫と滋賀県関係その他の貴重資 玄関 しました。今後いっそう、文献検索やデジタルアーカイブの充実 料を納める経済経営研究所の収蔵庫が設置されています。史料 の拠点として誕生いたしました。そうした などインターネットからの利用促進にも力を入れていきたいと 館とは渡り廊下で繋がっており、史料の搬入出のための利便性 建設の主旨から、 この建物は、彦根高等商 存じます。 が図られています。 業学校の建学の精神にちなんで総合研究 閲覧室の隣には、会議室兼研究室が設けられ、経済経営研究 3階には図書館書庫とともに、大・中・小のセミナー室が設けら 棟<士魂商才館>と名付けられました。 所やリスク研究センター等が主催する様々な研究会やセミナー、 れ、学生や教員による学習・教育・講演・セミナー等のための多 竣工後、内部の整備が整うにつれて利用 所蔵資料を用いた勉強会、種々の会議等に活用することができ 機能的な空間として活用できるように工夫されています。大セミ されてまいりましたが、12月5日には開館 ます。 ナー室(セミナー室Ⅰ)には階段状の収納式座席のほか、優れた 音響・映像装置も備えられています。また広々としたラウンジの 式典が行われ、いよいよ本格的に利用に 窓からは彦根城が一望でき、学生や研究者が集える憩いの空間 供されることとなりました。 し こん として活用していただきたいと思います。 総床面積1960㎡、コンクリート3階建ての総合研究棟<士魂 しょうさい かん ひこ ね ろん そう 商才館>が竣工しました。 この建物には、経済経営研究所とリス 1階部分には、経済・経営に関する史資料の収集と 『彦根論叢』 このように総合研究棟<士魂商才館>は、図書館・史料館・経 ク研究センターが移転するとともに、図書館書庫や史料館の収 などの学術雑誌の発行、講演会やワークショップの企画運営を 済経営研究所・リスク研究センターが連携・協力して、貴重な史 蔵庫また大・中・小のセミナー室やしがだい資料展示コーナーが 行っている経済経営研究所と、アジア地域を中心に国際的な共 資料や図書を集中的に配架・収蔵し、それらを用いた研究・教育 設けられ、内外の貴重な史資料の収集・保管をはかるとともにそ 同研究を組織したり、各分野のリスク研究を総合的に進めてい のための新たな知の拠点として、今後の滋賀大学の発展に寄与 れらを用いた総合的な教育・研究を推し進め、さらには大学の るリスク研究センターが入りました。 することが大いに期待されています。 理念や歴史、研究教育の成果等を発信する、地域に根差した知 奥には、集密書架を中心とした幾層もの書架が設置され、次 のような特徴ある史資料が配架されました。 ❶近現代における滋賀県の諸産業や地域社会・行財政・統計等 しがだい資料展示コーナー に関する様々な資料が配架されています。そのほか明治期に さらに、1階には、 「しがだい資料展示コーナー」が設けら 湖北・伊香郡で設立され今の江北図書館へと引き継がれてき れ、主として旧彦根高等商業学校以来の滋賀大学の歩みや当 た貴重な和洋の書籍や史資料が寄託されています。 館に関係する本学の活動を顕彰できる史資料を展示し、学生 や来学者に本学の歴史と研究・教育の姿勢を学びとることが 開館式典の様子 8 ❷社史・団体史資料、営業報告書・有価証券報告書・実業家伝記 できる空間としたいと存じます。また、当館に収納されている 等、企業経営に関する基礎資料。特に近江商人系の企業に関 貴重史資料等を展示紹介する試みも随時行っていきたいと思 する資料は心がけて収集しています。 います。 ラウンジから望む天守閣 9
© Copyright 2024 ExpyDoc