しがだい41_p.8-9 筒井正夫

滋 賀 大 学
の
い ま
総合研究棟<士魂商才館>
❸旧植民地地域を中心としたアジア関連資料。特に戦前期の朝
鮮・満洲・台湾地域に関する貴重な史資料群が一処に会する
経済学部教授 筒井正夫
こととなりました。
❹戦前・戦後の経済・経営に関する基礎文献・各種調査報告書。
各産業の実態を調査した報告書や各地の商工会議所や同業
組合関係資料、農会や産業組合といった農業関連団体資料な
ども収集しています。さらにこれら書架と間仕切りなく繋がっ
た広い閲覧室が設けられました。
セミナー室Ⅰ
外観
平成26年5月、彦根キャンパスの中央に位置する中庭部分に、
これらの図書や史資料は、貴重図書・資料を除いて原則として
次に、2階部分には、伊藤忠商事など近江商人系企業の貴重資
開架とし、学生や研究者が自由に手にとって閲覧できるように致
料を中心とした史料館の収蔵庫と滋賀県関係その他の貴重資
玄関
しました。今後いっそう、文献検索やデジタルアーカイブの充実
料を納める経済経営研究所の収蔵庫が設置されています。史料
の拠点として誕生いたしました。そうした
などインターネットからの利用促進にも力を入れていきたいと
館とは渡り廊下で繋がっており、史料の搬入出のための利便性
建設の主旨から、
この建物は、彦根高等商
存じます。
が図られています。
業学校の建学の精神にちなんで総合研究
閲覧室の隣には、会議室兼研究室が設けられ、経済経営研究
3階には図書館書庫とともに、大・中・小のセミナー室が設けら
棟<士魂商才館>と名付けられました。
所やリスク研究センター等が主催する様々な研究会やセミナー、
れ、学生や教員による学習・教育・講演・セミナー等のための多
竣工後、内部の整備が整うにつれて利用
所蔵資料を用いた勉強会、種々の会議等に活用することができ
機能的な空間として活用できるように工夫されています。大セミ
されてまいりましたが、12月5日には開館
ます。
ナー室(セミナー室Ⅰ)には階段状の収納式座席のほか、優れた
音響・映像装置も備えられています。また広々としたラウンジの
式典が行われ、いよいよ本格的に利用に
窓からは彦根城が一望でき、学生や研究者が集える憩いの空間
供されることとなりました。
し こん
として活用していただきたいと思います。
総床面積1960㎡、コンクリート3階建ての総合研究棟<士魂
しょうさい かん
ひこ ね ろん そう
商才館>が竣工しました。
この建物には、経済経営研究所とリス
1階部分には、経済・経営に関する史資料の収集と
『彦根論叢』
このように総合研究棟<士魂商才館>は、図書館・史料館・経
ク研究センターが移転するとともに、図書館書庫や史料館の収
などの学術雑誌の発行、講演会やワークショップの企画運営を
済経営研究所・リスク研究センターが連携・協力して、貴重な史
蔵庫また大・中・小のセミナー室やしがだい資料展示コーナーが
行っている経済経営研究所と、アジア地域を中心に国際的な共
資料や図書を集中的に配架・収蔵し、それらを用いた研究・教育
設けられ、内外の貴重な史資料の収集・保管をはかるとともにそ
同研究を組織したり、各分野のリスク研究を総合的に進めてい
のための新たな知の拠点として、今後の滋賀大学の発展に寄与
れらを用いた総合的な教育・研究を推し進め、さらには大学の
るリスク研究センターが入りました。
することが大いに期待されています。
理念や歴史、研究教育の成果等を発信する、地域に根差した知
奥には、集密書架を中心とした幾層もの書架が設置され、次
のような特徴ある史資料が配架されました。
❶近現代における滋賀県の諸産業や地域社会・行財政・統計等
しがだい資料展示コーナー
に関する様々な資料が配架されています。そのほか明治期に
さらに、1階には、
「しがだい資料展示コーナー」が設けら
湖北・伊香郡で設立され今の江北図書館へと引き継がれてき
れ、主として旧彦根高等商業学校以来の滋賀大学の歩みや当
た貴重な和洋の書籍や史資料が寄託されています。
館に関係する本学の活動を顕彰できる史資料を展示し、学生
や来学者に本学の歴史と研究・教育の姿勢を学びとることが
開館式典の様子
8
❷社史・団体史資料、営業報告書・有価証券報告書・実業家伝記
できる空間としたいと存じます。また、当館に収納されている
等、企業経営に関する基礎資料。特に近江商人系の企業に関
貴重史資料等を展示紹介する試みも随時行っていきたいと思
する資料は心がけて収集しています。
います。
ラウンジから望む天守閣
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