スタッフに透析知識調査を試みて 太田ネフロクリニック 看護部 ○高橋智仁 山中祐治 二階堂剛史 酒井伸一郎 【目的】 個々の透析知識を把握し苦手分野を克服で きれば、より安全に透析治療が行えるので はないかと考え知識調査を実施した 【対象及び方法】 対象:当院透析室従事者26名 (看護師21名 臨床工学技士5名) 方法:日常業務に必要なことや基礎知識を中 心に問題を作成し、勤務年数に関係な く実施(新人には入社3カ月後に実施) 透析室従事者の勤務年数比較 9 8 7 6 5 4 3 2 1 0 (名) 1年未満 1~5年未満 5~10年未満 10年以上 当院の透析技術認定士保持者数 7 6 5 4 3 2 1 0 (名) 看護師 臨床工学技士 テスト問題の概要 検査データ 当院の治療方針 5% 10% 透析中監視項目 感染症 透析時使用薬剤 15% 10% 20% 20% バスキュラー アクセス 20% 透析の原理 解剖生理 試験問題一部抜粋 スタンダードプリコーションについて記入しなさい 不均衡症候群の原因を記入しなさい 血圧の定義と正常血圧を記入しなさい 1日の塩分摂取量は何g以下が適正か記入しなさい サブラッドはなぜA液とB液が隔壁されていますか リクセルはどんな目的で使用しますか フサンの半減期はどれくらいですか 以上、全100問すべて記述式となります 分野別テスト結果割合 当院の治療方針 透析中監視項目・感染症 解剖生理 透析の原理 バスキュラーアクセス 透析時の使用薬剤 検査データ 0 割 2 割 4割 6割 8割 10 割 透析経験年数別テスト結果割合 10 5 0 (割) 1年未満 1~5年未満 5~10年未満 10年以上 【結果】 勤続年数に関係なく、解剖生理や検査データ 基準値等の基礎的間違いがみられた 使用薬剤の薬理作用が理解できていないスタ ッフが5割を占めた バスキュラーアクセスについては8割が理解していた 再試験では全員合格し、苦手分野の再確認が できた 【考察1】 感染症の知識不足を補うため、感染委員会 を交え知識の向上を図った 透析を行うためには穿刺は必須であり、失 敗は患者様とスタッフ間でストレスとなる ので、失敗の確率を減らすために各自知識 の向上を図っていたと思われる 【考察2】 チーム医療を円滑に行うには、スタッフの 知識向上と業務統一化が必要である 当院では全員の透析技術認定士の取得を目指 しており、達成に向け今後も知識調査を継続 することが必要である 勤務年数に関係なく基礎的問題ができていな いのは、目的意識の欠如が原因であり認定士 取得だけでなく更なる知識向上が必要である
© Copyright 2024 ExpyDoc