ベクトルを用いた解法とメネラウスの定理を用いた解法の比較 20150325

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木村の数学小ネタ
ベクトルを用いた解法とメネラウスの定理を用いた解法の比較
問題
平行四辺形 ABCD において,辺 AB を 1:1 に内分する点を E,辺 BC を 2:1 に内分する
点を F,辺 CD を 3:1 に内分する点を G とする。線分 CE と線分 FG の交点を P とし,線
分 AP を延長した直線と辺 BC の交点を Q とするとき,比 AP:PQ を求めよ。
(2013 京大 文理共通)
1
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ベクトルを用いた解法

d
A
D
G
E

b
P
B
Q
F
C


AB = b , AD = d とすると,
条件より, AE =
 2
 
1 
1
b , AF = b + c , AC = b + d , AG = b + d
4
3
2
よって,EP:PC= s : 1 - s ,FP:PG= t : 1 - t ( s, t は実数)とすると,
AP は,
(1 - s )AE + s AC = (1 - s ) × 1 b + s(b + d )



2

1+ s 
=
b + sd
2
または




(1 - t )AF + t AG = (1 - t )æç b + 2 d ö÷ + t æç 1 b + d ö÷
3 ø è4
è

4 - 3t
2+t 
b+
d
=
4
3
ø
と表される。


1 + s 4 - 3t
2+t
=
かつ s =
これと b と d は 1 次独立であることから,
2
4
3
これを解くと, s =
よって, s =
2
8
,t=
11
11

8
1+ s 
19  8 
b + sd に代入することにより, AP =
b+ d
を AP =
11
22
11
2
2
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したがって, AQ = k AP ( k は実数)とすると,
19k  8k 
b+
d ・・・①
AQ =
22
11
また,Q は直線 BC 上の点だから,


AQ = AB + u BC = b + ud ( u は実数) ・・・②
とも表せる。
①,②より,
8k
19k
= 1,
=u
11
22
これを解くと, k =
よって, AQ =
16
22
,u=
19
19
22
AP
19
ゆえに,AP:PQ=19:3
3
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メネラウスの定理を用いた解法
A
D
G
E
P
B
F Q
C
R
△ABQ と線分 EC について
メネラウスの定理より,
ここで,条件より
EB CQ PA
×
×
=1
AE BC QP
CQ PA
EB
×
=1
= 1 だから,
BQ QP
AE
\
AP BC
=
PQ QC
・・・①
△EBC と線分 AQ について
メネラウスの定理より,
ここで,条件より
AB QC PE
×
×
=1
EA BQ CP
QC PE 1
AB
×
=
= 2 だから,
BQ CP 2
EA
4
\
BQ
PE
= 2×
QC
CP
・・・②
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直線 AB と直線 GF の交点を R とすると,
△EBC と線分 PR について
メネラウスの定理より,
RB FC PE
×
×
=1
ER BF CP
・・・③
ここで,
条件より,
FC 1
=
BF 2
・・・④
△GFC∽△RFB(証明略)で,
また,条件より,
よって,
GC 3
=
EB 2
RB RB GC
=
×
=3
EB GC EB
④と⑤を③に代入すると,
これと②より,
RB FB
=
=2
GC FC
\
RB 3
=
ER 4
・・・⑤
3 1 PE
PE 8
× ×
= 1 すなわち
=
4 2 CP
CP 3
BQ 16
BC 19
= すなわち
=
QC 3
QC 3
ゆえに,①より,
AP 19
=
すなわち AP:PQ=19:3
PQ 3
5
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三角形 ABC の辺を AB,BC,CA と表し,
それぞれの辺の内分点・外分点を P,Q,R とすると,
比の取り方は下表となる。
辺
内分点・外分点 比の取り方
AB
P
AP/PB
BC
Q
BQ/QC
CA
R
CR/RA
すると,メネラウスの定理の式とチェバの定理の式は,
‫ ۾ۯ‬۰‫ ۿ‬۱‫܀‬
´
´
‫۾‬۰ ‫ۿ‬۱ ‫ۯ܀‬
=1
と統一できる。
後は,
外分点の数が偶数のときは,
「チェバの定理より~」
外分点の数が奇数のときは,
「メネラウスの定理より~」
とすればよい。
A
P
R
B
Q
C
6