レ射撃部 京都大学ライフリ いざな スモールボア ライフルヘの誘 い KYOTO UNIV.Rifle Shooting Team A Small Bore Rinc P 堀 田 和久 lner Lecture l.1 セットアップ(1) まずは射場 に行くまでに,銃 の各部をよく確 かめておきましょう。 SBラ イフル の種 類 いわゆるスモールボアライフルとは,日 径 が 5.6mm(0.22イ ンチ)の 銃身を持ち,「 22日 径 ロ ングライフル (.22“ long ne)リ ムファイヤ ( m ire)」 という種類 の弾を使うものを呼びます。ル ール では,女 子と男子で重さの制限 が異なります。女子 は 6.5kg以 下,男 子は 8kg以 下です 「フリーライフル 」と呼ばれることがあり が,古 い種 目名 のなごりで,そ れぞれ「スポーツライフル 」 ます。 銃身 の長さは,同 じメーカーでも機種 によつて,お よそ 50cmか ら 69cmと 異なっていて,短 いものをショートバ レル ,長 いものをロングバ レルと呼んだりします。そして銃身長の違 いは重さ の違 いにもなります。自分 の銃 の重さがどれくらいであるかは (ARで も然りですが),銃 検 のと きに限らず,知 つておくようにしましょう。 各 部 の名 称 0 1 12-― 一―一一一――― 5 瑯汁Q\ 一一一 ― 3 ︲ ︲ 、 ,, 一 1 1︲ 各 部 の 名 称 (Anschut2 1912 Sports) 1.バ レル (銃 身)barrd 2.ス トック stock 7.チ 8. ークピース Cheek lece サムホール thumb hole 3. ハンドストップ handstop 9. ボルトbok 4.フ ォアェンドレイザー (カ マボコ)forend rJser Ыook 10.リ アサイト(マ イクロサイト)rear dght 5。 フック hook ll.ア クション(機 関部)action 6. フックバットプレート hook butt piate 12.フ ロントサイトfront sight 多 くは既 に ARで お なじみです が ,SBに 独 特 の部 分 がいくつ かあります 。 フオアエンドレイザー は,ス タンディングを撃 つ とき,左 手 に載 せる部分 の高さを調 節す るた めに使います (絵 ではハ ンドストップが一 緒 についています が,同 時に使 うことはありません)。 これ の代わりに,高 さ可変 の「パームレスト」を使 うこともできます。 ′ バ ットプレートには,銃 の重さを支 えたり,肩 付けの位置 を確 実にしたりするためにフックを 付 けることができます。フックのないタイプの銃もまだあるかもしれませんが,も しそうなら一番 に 新しいフックバットプレー トを入手することを薦めます。 サムホール は ARで はないもので,ぶ つう右手 の親指はここに来ます。 ボルトのハ ンドル を上げて後ろに引くと,弾 を入れる部 分 ,薬 室 (chamber)を あけることがで きます。ARで 言うラッチオ ープンの代 わりに「ボルトオープン」して薬 室をあけ,抜 弾するとで 安全確認 とします。 組み立て 機 関部とストックはふつ う2∼ 4本 のねじ(ベ ディングねじ)で 固定されています。新品 の銃 の 最初 の頃や,長 期 間保 管する場合 ,特 に木 のストックでは,ゆ がみ が生じるの防ぐためにゆる めてあることがあります。撃 つ前は必ず このねじを決められたトルクで締める必要があります。た とえばアンシュッツの場 合,銃 身を下 に寝かせて 2本 (20xxシリーズなら 4本 )の ねじを軽く止 まるまで締 めたあと, トルクレンチの場 合 アルミストックなら [ 木 のストックなら 5Nm(ニ ュー トン・メー トル ), : │ 6Nmに 設 定し,ト ルクレンチが折 れて「カチ ッ」と 言うまで ,1/6回 転ず つ ほど交互 に締 めていきます 。 段付 きレンチ (通 称 シュッツレンチ)の 場 合 銃 の重 さに見合 った 方 の へ こみ (5kgま たは 7kg)に 指 をかけ,そ の指 で持 ち上 げて銃 の重さをかけながら 1/6回 転 ず つ ほど交互 に締 めていきます 。 ボルトは普段,銃 から外して運搬・保管します。アクションの左側 のボタンを押しながら手前に引くと抜くことができます。ボルトの中 にはバネと撃針が入つており,右 図のように後ろのシグナ ルピンが出た状態がバネが縮んだ状態,シ グナルピンが 引っ込んだ状態がバネがのびた状態です。ボルトの前の `SЫ e 」 讐 慨退 部分をしっかり持ってボルトハンドルを回す (少 し力がい ります)と ,ピ ンを出したり戻したりできます。ボルトを外し ておくときには,バ ネの保護 のためシグナルピンを引つ込 めて保管します。次に再びボルトを入れるためには,ピ ン を出してからでないと銃 に入りません。 清掃 時などの機 関部 の保護 ために,ボ ル トを抜 いたら,ロ ッドガイドをボル トの代わりに挿 入 します。 ふ つうはボル トもロッドガイドも,チ ークピースが上がっていると入りません。 θ Lecture■ .2 セットアップ(2) 次 に,射 場 に行 つてからその銃を撃てるようになるまでに,銃 にしなければならないことを順 に見ていきましょう。 ポアサイティング (bore dghting) 銃を譲つてもらつて初めての場 合や,新 品のサイトを購入した場合などは,サ イトあわせが必 要です。しかし ARと は威力が違うので安易に標的を外すわけに行きませんし,大 きな紙を用 意して適当に撃つてみるわけにもいきません。そこで,銃 腔 (bore)を 後ろからのぞいて黒点が 見えるようにあわせれば,そ のまま撃てば標的に確実に当たるはずです。この方法をボアサイ ティングと呼びます。 銃 のボル ト(ま たはロッドガイド)と チ ー クピースを外し,合 わせたいサ イトを載せます。ニーリングロール やバイポッド等を使 つて,銃 を台にしつ かり置き,銃 腔を後ろからのぞいて黒点が右 日 のように見えるように銃の 向きを調節します (つ まり 50m先 で弾はこれくらいドロップしているわけ です )。 そのままの状態 でサイトをのぞいたときに,そ の映像 の真 ん 中に 黒 点が来るように,サ イトを調 整 します。こうすれ ば試射 の 1発 目からまず標 的 に当たりますの で ,あ とは試射 を繰 り返してセンター にサイトあわせ をします。 一 般 に,ハ イサイトブ ロックを新 たに付 けるとき程 度 ではこの方 法 は必 要ありませ んが,ど う にも標 的 に当たらないときは これで確かめてみると良 いでしょう。 ・実 射 弾 の入 れ 方・空 撃 ち ボルトを銃 に装着した状態で,ま ず はトリガー のタッチを確 かめるために空 撃ちをしましょう。 その際,必 ずマニュアルを見てトリガーセッティングの方法を確 実にマスターしましょう。 SBで は,薬 表を入れない状態 で空 撃ちをすると,撃 針 が薬 室のへりをたたいてしまうので 薬室を痛 めてしまい,繰 り返すと最悪 の場合 弾が入らなくなってしまいます。そのため,空 撃ち をする場 合,必 ず空薬糞 かプラスチック製 の模擬弾を使 います。 空薬表や 弾を装填する場合 ,必 ず手で薬室 に奥まで押し込んでから,ボ ル トを開めます。 プローンで肩付 けをしたまま装填する場 合などはなかなか手が届かないので,薬 室 に弾を転 がしてからボルトで押 し込んでしまっても構 いませんが,特 に空薬美 は入 りづ らく,薬 室を痛 め かねないので気を付けましょう。 弾 の弾頭 には,銃 身内を通るときの抵抗 を減らすワックスがついています。これは拭き取 つ たりせず にそのまま入れます。地面 に落としたりした弾はなるべ く使わないようにしましょう。 撃 つたあとの薬奏 は,ボ ル トを空 けて手前 に引くと,斜 め右 上方 向に飛んでいきます。勢 い よくボルトを引くととなりの射手 に薬表が当たって迷 惑 です ので,丁 寧 にやります。 イ 特 に 3姿 勢 で,自 分 がスタンディング,隣 がプローンの場合などは,低 いプローン射手 の 頭 の上 に薬奏 が飛 んでしまったりして迷惑です。銃を少し左 に傾 けてボル トを引けば 上 真 に薬 奏が飛ぶので,ケ ンカにならずにす みます。 安全確認などで,撃 つ前 の弾を抜弾するときは,実 弾 がどこかに飛 んでいってなくなってし まわないよう注 意 しましょう。薬室を手でおおい,ゆ っくリボルトを引けば飛んでいくことはありま せん。弾頭 にライフリングの跡が少しつきますが,特 に問題 はありません。 Column■ 弾 の選 び方 SBに もいくつかのメーカー・種類 の弾 が売 られています が,ARの 弾以 上 に大きな値 段 の差 があり,安 いもので 15円 ほど,高 くて 30円 以 上のものもあります 。こうなると や はり高 い方 が 当 たるのか ,い や 自分 はまだ 下手なので安 いので いいか ,な どと考えてしまうか もしれません。 結 論 から言 うと,弾 のグルーピングの 善 し悪 しは「銃 身 とその 弾 の相 性 が合 っている」か どう かで決 まると言 われています。マ シンレストとい う器 具 で銃 身 を固定 し ,各 種 の 弾を実 際 に試 射 し,そ のグルーピングについて分析すると , ・ 弾 の種類 によってグルーピングサイズ は異 なり,(10発 のグルーピングで)lo点 を外 して しまうものも確 か に存在する。 ・ 同じメー カー・銘 柄 のものでも製造 ロット(同 じ工 場 の ライン・製造 時期 のもの について 同 じ番 号 が付 けられる)に よってグルーピングは異 なる。 ● 一つ の銃で良 いグルーピングを示した弾 でも ,別 の銃 では 良い とは 限 らない。 という結果 が 出ると言 われています 。 実際 ,大 きな大会 に 臨む選 手は ,あ らかじめ数種 類 の 弾から選んでそれをまとめ 買 いし ,練 習 から試合 まで同じロットの 弾を使 い続 ける人もいるそうです 。しかしなが ら,我 々 のように の 弾 テスト設備 もなく,同 じロットでそろえられないとなると,結 局大 まかな 銘柄 を好 みで選 ぶ 以外 に 手がありません。 一 方 ,値 段 の違 い は ,弾 頭 や薬 爽 の加 工 精度 ,火 薬 量 の精 度 の違 いで あるとされています。 もちろん 設 計上 は ,火 薬 量や 弾道 など,高 い 弾も安 い 弾も全 く同じなのです が ,ェ 場 では ,ま ず新 しくて精度 の 高 い機 械 で 高 い 弾を作 り,少 し使 い込 んだ 古 い機 械 で安 い 弾を作 るとも言 「試合 用 には 高 い 弾 われています。 ,練 習 用 には安 い 弾」とい う選 び方 はある意 味 リーズ ナブ ル な選択 ともいえます 。 10点 に当たらない 弾で練 習 していては技術 の上 達 が望 めるとは思えませ んが ,高 い 弾を買 うために練 習 の 弾数 が減 ってしまい本末転倒 です。上 手な弾 の選 び方 をしたいものです。 Lecture■ .3 射撃を始める 準備するもの 1.銃 2,ス コープ 3.弾 4.標 的操 作箱 (備 品 5.ラ グマット(備 品 6.伏 射 マット(備 品 7.耳 栓 8.時 計 9.工 具 10,立 射 スタンド 11.ニ ー リングロール ) 12.標 的 ) 13.セ ッティングシー ト ) ARの ときと同様 ,飲 み物 やタオル など,ほ かに要るものは好 みで用意 すれ ばいいでしょう。 耳栓 は,す でに ARで も使 っている人もい るかもしれませんが,そ うでない人も SBを 撃 つ とき には必 ず使 いましょう。耳栓 なしでは,意 外 に大 きい 隣 の射 手 の発 射 音 に驚 いて発 射 してしま つたり,将 来 の難聴 の原 因 になったりします。 SBの 場合 ,特 に 3姿 勢 ではセ ッティングの変 更や スタンドなどの準備も,試 合時 間 に含 ま れてしまいます。プ ロー ンか らスタンディング,ス タンデ ィングか らニー リングにいか に早 く移れる かも技術 の一つ になります ので,特 に工 具や セッティングシー トなどは,手 元 に忘れ ず に用意 しておきます。自分 なりにす ばやく準備 できる方 法 を工大 しましょう。 スコー プ SBに なれるまで苦労するのがこのスコープです。自分 の撃った弾がどこに当たったか確 か めるのと,陽 炎などの様子を確かめるのが 目的です。弾着 がモニター に表示される,電 子標 的 のある射 撃場 の場合 ,ル ール 上使用できないことがあります。 (b) θ (d) 図 の (a)よ うな形のスコープスタンドを,作 つたメーカー の名前 から「フリーランド型」と呼 ばれ 「ポール 」 「足」に分 かれます。3姿 勢 にはこれが一 番便利 ですが,(b)や ています。通称「首」 (c)の ものでも十分使えます 。スコープ本体は,(d)の ように接 眼 レンズが 45度 につ けられた 「斜視型」が必 要 で,倍 率は 20∼ 40倍 のものがあれば十 分 です。スコープは基 本的に利き日 と反対 の 日でのぞきます。特 に姿勢をできるだけ動かしたくないプローンでは,少 し燿を上 げ るだけでも左 日でスコープがのぞ けるように,ス コープの位置 と高さを決 めることがきわめて重 要です (ち なみに上の (a)の 写真は反対側を向いています 。足 の V字 の間に左肘がくるように 置きます )。 ただスタンディングでは,据 銃で体を動かしたときにスタンドを倒 してしまわないよう , 若干遠 い場所 に置くことになりますので,右 日でのぞけれ ば,そ うしても構わないでしょう。 標的 SBで 使う 50m3-G号 標 的はつづら折 りになっています。折り日は非常にデリケートなので , 逆に折 り返したりは絶対 にしないようにします。 新 的 に数発 穴が開 いただけで捨 てるのはもったいないので,セ ンターシール や センター ペ ーパーなどを使 って再利 用します。センターシール は練 習 には便利ですが,lF確 な採 点はで きないので,部 内記録会などの場 合 はセンターペーパー をつ かいます。ちなみ に,公 式試合 のファイナルのために,1点 圏まで書かれたセンターペ ーパーもあります c2・ 3回 再利 用をす ると台紙 の折り目がちぎれたり,交 換機 に詰まったりします ので,幅 の広いセロハ ンテープなど を使 って補強 しましょう。ガムテープだと厚 くなりすぎて交換器 を通らない場合 があります。 監的壕 は各射場 によつてクセがありますので,確 実にセットする方法を射場 ごとに覚えてお きましょう。 遠くでも確認 できるように,SBの 的には次 のようにマークを付けることがあります。 ● ● 試射的 (黒 線 ) 終了的 (赤 線) │●礁 予備的 (青 線) Lecture■ .4 試合 の進行 とルール 種目 名前 50mラ イフル 50mラ イフル 時間 P:40発 45多 ) Si40発 1時 間 15分 K:40発 1時 間 P,S,KI各 20発 2時 間 15分 S:10発 (各 75秒 ) P:60多 巻 1時 間 15分 P:10発 (各 45秒 ) 3× 40 3× 20 ファイナ ル 弾数 50mラ イフル 伏 身J 学連試 合 では 50m3× 20と S:10発 (各 75秒 ) 50mp60が 男女 両方 に開催 されますが,オ リンピックでは男 子 50m3X40と 50mP60(と 10mS60)で ,女 子種 日は 50m3× 20(と 10mS40W)だ けです。 ARの 3姿 勢 と同様 ,P→ S→ Kの 順 番 で行 われます。50m3× 40で はふ つ う姿勢 ごとにイン 種 目が ター バル があります。全 員 がプ ローンを終 了した後 ,(最 大 )10分 のインターバ ル を挟 んでスタ ンディングの本射 が 始まり,全 員 が スタンディングを終 了 した後 ,(最 大 )10分 のインターバ ル を挟んでニー リングの本射 が始 まることになっています。 ファイナ ル はエアライフル 同様 ,3分 間 のプレノくレーションタイムと,5分 間 の試 射 のあと,本 射 1発 目が始まります。プ ローンのファイナル は 45秒 なので (実 際 は短 く感 じないとは思 い ま す が)特 に注 意 してください。 ロ 由 ル ル 基本 的にはエアライフル と同じですが,SBで 特 に覚 えておきたいル ール から紹介 していき ます。各姿勢 についてのルールは,そ れぞれの姿勢 の章 で紹介 します。 用具 ・ 風旗 が SB射 場 には必 ずあります が,個 人で用意することはできません。 ・ 銃 の重量は,女 子は 6.5kg以 下,男 子 は 8kg以 下です。銃 の各部 の ヽ法 に関してはバ ッ l‐ トフックの長さとパ ームレストの高さ以外 には一切規 定はありません。エアライフルでは使 え ない高 いハイサイトブ ロックも,銃 口より前 にフロントサイトが出ることも許 されます。銃身長 にも規制 がありません。 ・ 銃 のセガ ィングは射撃中も自由 に変えることができます。複数丁の銃を使うことができま す。各姿勢 1丁 ずつというのも可能です。ただしこれは「銃とその部品」で,ジ ャケッ トや グローブ,ブ ー ッは 1つ ずっしか使うことはできません (ふ つうのズボンやスニーカーは この「1つ 」には入りませんので,「 プローンではスニーカー,ス タンディングでは射撃ブー θ ツ」というのも可能です)。 ・ スリングや ニーリングロール には寸 法 の規定がありますが,既 製品ならまず問題 はありませ ん。プローン用 のマットは射場備え付けのもの以外 は使 えません。 ・ 銃器検査 に必 要なものは ARと ほぼ同じです。3姿 勢 の場合 ,銃 の重量検査は本来各 姿 勢 のセッティングごとで 3回 行われますが,多 くの場合 ,各 姿勢 用の全 部の部 品を足して も規定重量 に満 たないことが多く,は かりに全部乗せて 1回 で済ませてしまうこともあります。 試合進 行 ・ フアイナルの本射 中をのぞいて,プ レパレーションタイム,試 射 ,本 射 のいつでも,空 撃ち 練習 ができます。 o 学生 のほとんどの試合では「1目 的 2発 撃ち込み」です。1枚 の標的に 2発 ずつ撃ち込 「 みます。全 日本や選 抜などでは 1圏 的 1発 撃ち込み」や ,「 プローンのみ 1圏 的 1発 撃 ち込み」などの場 合もあります。試合ごとにルールを確 かめましょう。 ・ 1圏 的複数撃ち込 みの場合で,「 2発 撃ったはずなのにどうしても 1発 に見える。これを 1 発 と数 えられて,1発 足りないととられると困る」という場合 ,「 同弾確日」と射場長 にコール すれば,よ り高精細なスコープで確認 してもらい ,2発 であることのお墨付きをもらうことがで 「同弾確認 できました」といわれた場 合,そ のまま撃ち続けます。 「同弾確日できま きます。 せんでした。予備 的 に 1発 撃ち込んでください」といわれた場合 ,各 姿勢最後 の予備 的 に 1発 撃ち込みます。1発 か 2発 かの確認 は審査室 にゆだねられますが,も し 1発 と判 定さ れれば,予 備的 の弾を採用してもらえます。2発 とされた場合 ,予 備 的は無視されます。 0 1枚 の的 にたくさん撃ちすぎた場合 (1発 撃ち込みで 2発 撃つたり,2発 撃ち込みで 3発 撃 ったり)を 目的問誤射 といいます 。できるだけ射 場長 にその 旨を申告し,次 以 降 の標 的 で多 かった分を減 らして調節します 。圏的問誤 l・ l` は,2発 まではペナルティはありませんが , 3発 目から2点 ず つの減点となります。 ● 隣 の標的に撃ち込んでしまった場 合を監的問誤射 といいます (ARで はまず考えられませ んが,SBだ としばしば見られます )。 その弾は 0点 となり,さ らに 2点 の減点となります。一 方 ,監 的問誤身 をされた場 合 は,す ぐに射場長 に申し出ます。そのときの解 釈 はいささか 1‐ 複雑 です。身 場 ジュリー に判断を仰ぐことになるでしょう。 「弾 の不発」があつた場合 ,そ の弾 は無 視 して取り出し う 1発 撃 つことができま す。ファ ,も J・ ・ イナル の場合も,1回 に限って,も う一度 75秒 (Pで は 45秒 )で 再射することができます。 Lecture■ .5 試合進行 シミュレーション ルール を見ただけでは実際にどのように運営されているのかがわかりにくいでしょうから,実 際に 3姿 勢 の試合 に出たとして,物 語風 にシミュレートしてみましょう。 銃 検・的 設 置 E射 座 準 備 さあ,射 場 に着 きました。あなたの回転 は朝 一 番 の回転です。銃検会場 は既 に開いている ので,銃 検 の用意をします。装備を身 につ け,銃 にサイトもくつっ けて,許 可証 ,標 的,銃 検用 紙 を持 って銃 検会場 に向かいます。スリングも忘れず に。銃検 では弾許 可もチェックします 。 弾は必要ありません。全 部検 査が終わったら,装 備 を射座 に置き,標 的を監的壕 に設置 しに 行きましょう。戻つてきたら必ず交換機 のスイッチを押して動きを確 かめましょう。 的を設置したら今度 はスコープを組まなくてはいけません。3姿 勢ならポールも 3本 つ けてし まいましょう。立射 スタンドもの ばしておきましょう。 Preparatlon begins nowi 射場役員 がやつてきました「弾数チェックです。」SBで は監的問誤射を見つ けやすくするた め,は じめに持ってきた弾数 と終わつたあとの弾数を数えさせられます。正 直 に持 ってきた弾を 見せ ,数 を申告します 。そして,撃 つ 前 に本射用の弾ケースと試射用の弾ケースを分 けてしま いましょう。空 の弾ケースを持 つてきて,箱 から出した 50発 の弾の 20発 分を取りよけます。試 射から本射 に移 るときに,試 射用 のケースを脇 によけてしまえば,本 射 で超 過 弾をしたりする 心配もありませんからね。 プローンにかけられる時 間は長くありません,10分 でしつかり空撃ちもやつて,射 撃 開始を 待ちます。 射 撃 開 始 :す ると同弾 確 認 … 試合が始 まりました。試射も調子よく行き,本 射 に入ります。本射 コールは必要ありません。1 圏的 2発 撃ち込みなので,1枚 に 2発 ず つ撃つていきます。なかなかの好調 です。とそのと き !セ ンター に気をよくして 2発 目を撃 つたはず が,ス コープを見る限り1発 にしか見えません。 弾は減 っています 。的外を撃 ったはずはありません。そこで「〇的 ,同 弾確認 お願 いします !」 とコールします。射場 役員 が大 きなスコー プで確認 してくれ ます 。「○的 ,同 弾確認 できまし た !」 やはり 2発 で合っていたようです。いい感 じで 20発 を撃ち終わりました。最後 の的と予 備的を先 に送 つてしまい,ス タンディングの試射 1枚 目を出しておきましょう。 スタンディング開始 :す ると目的問誤射… 素早くセッティングを代え,ス タンディングの試射に入ります。思うような試射でなくても落ち 着 い て ,決 めてい た弾 数 で うまく切 り上 げて本 射 に入 ります 。苦 戦 しつ つ 進 んで い つたところ ノθ , しまつた !ス コープ をのぞくと 3発 穴が開 いてい ます 。弾も減 っていて,ど うや ら勢 い 余 つて標 的を交換 し忘れたようです 。ここは落 ち着 いて「0的 ,0枚 日,目 的 問 誤 射 しました」とコール します 。射 場 役 員 のスコープ確認 後 ,「 ○的 ,圏 的 問誤 射確 認 できました。次 の的 を減 らしてく ださい」といわ れ ,素 直 に次 の的を 1発 にします。次 の的もや つぱり 2発 撃 ってしまつたら,そ の次 の 的で 1発 に減 らしましょう。 ニー リング 開始 !同 弾 つばいけど… スタンディングもなんとか切り抜けました。あとはニーリング 20発 です。焦 りながらも調子 は 「2発 くつついていて同弾 っぽ 悪くありません。すると,ふ と見るとまた 10点 に同弾 しています。 いけど,ど う見 ても横 に長いなあ」ぱっと見て 2発 に見えるものは,同 弾確認 の必要 はありませ ん。むやみに同弾をコールするのも面倒ですからね。 射撃終 了 ! 「○的全弾終 了 ,安 全 確認 ,射 撃ち終わりました。思 ったより時間の余裕 はあったようです 。 座離れます。」すると程なく射場 役員 が「残 弾数を教えてくださぃ」とや ってきます。ここでも l■ 直に残 り弾数を答えて,お しまいです。 ‐ 全員 の射撃が終了したら,手 早く片づ けましょう。銃 のクリーニングは身寸 座ではなく銃器 手入 れ室 ,も しくはベ ースに帰ってやりましょう。 Lecture■ .6 銃 のクリーニング 射撃を終えたら,空 薬奏 の整理の清掃 と標 的交換機 の鉛 の除去だけでが片 づ けではありま せん。SBで は毎回の射撃のあとに銃 のクリー ニングが必要になります。 SBで は ARに 比べ銃腔 内への鉛 の付着が多く,こ れを放 つておくとよリイオン化傾 向の低 い鉄でできた銃身 を溶かしてしまい ,精 度を下げてしまいます 。また火 薬 かすも放 置すると水 分を含み ,腐 食 の原 因になります。つまり,当 たる銃を長く保 つためには適切なクリーニングが 不可欠です。 しかしながら,ラ イフリングの微細な凸凹 にある程 度 の鉛 がのって,い わばコー ティングされ た状態 がもつとも安 定した精度 がでるとされています ので,す っか り鉛を取りきってしまうと,ま た鉛 のコー ティングができるまでに弾数 を必 要としてしまいます。そのため「毎回 の射撃後 の適 「長期間使わないときの丁寧なクリーニング」と使 い分けなくてはいけません。 度なクリーニング」 ・ クリーニングロッド ・ ロッドガイド ・ アダプター o クリーニングパ ッチ/ク リーニングフェル ト(マ カロニ) ● ブロンズブラシ/サ イロンブラシ ガンオィル ・ ● ソルベ ント ・ ウエス 銃 のクリーニングには以上 の用具が必要です 。クリーニング ロッド(洗 い矢 )は ,ガ ンケース 内で曲がったりしないよう,丁 寧 に扱 います。ロッ胡 イドは,ソ ル ベ ントなどの薬 品をトリガー機 構 の 中に流し込 まないためと,ロ ッドが銃腔を痛 めないために必 ず要ります。フェルトパ ッチや マカロニは,そ れにあつたアダプターをロッドの先につ けて使 います。ガンオイル は主に外側 の 汚れを落とすもので,CRC 5-56の ようなスプレーオイルでも構 いません。ソルベントは銃腔 内 の鉛や火薬 かすを溶かして洗 い流 すため のもので ,缶 や瓶入 りのものがあります。ウエス (汚 れふき)は ティッシュペ ーパーでも構 いませんが,毛 羽 立 ちの少ないキッチンペ ーパーや ム ,キ ワイプなどがあると良いでしょう。 実際の手 l頂 については諸説あり,ど れも経験 則 で 良いとされているだけでベストの方法はわ かりませんが,お およそ次のような方法で行えばよいでしょう。 毎回 の射撃後の清掃 は , 1.ロ ッドガイドを装着 し,ソ ルベ ントを浸したマカロニ/パ ッチを 2回 ほど通す。 2.ソ ルベントが銃腔内の鉛 を溶かすまで数分待 つ。 3。 ノ 』 7 その間 ,銃 日の先 にあるライフリングの 山 (ク ラウン)に ついた燃焼 ガスのカスを,傷 つ けな いよう丁寧 に,ガ ンオイルを浸したペ ーパーで拭き取る。銃身 の外側 の汚れを落 とす。 4。 もう1回 ソルベ ントを浸 したマカロニ/パ ッチを通す。 5,最 後にそのソルベ ントを落とすため,か ら拭きのマカロニ/パ ッチを 1∼ 2回 通す。 6.銃 身全体 の余分なオイル等を軽く拭 いて終了。 マカロニ は往復させて構 いません。パ ッチは一 度通すと銃 日の向こうに落ちてしまうのでそ のまま捨てます。 丁寧なクリーニングはおよそ 500∼ 1000発 ごと,も しくはこれから数ヶ月撃 たない場 合 に行う と良いとされています 。その場合 ,最 初 のマカロニ/パ ッチの代わりにプロンズブラシを数回通 します。ブ ロンズブラシはかなり抵抗 がありますが,銅 は鉄 より柔 らかいのでライフリングを傷 つ ける心配 はそれほどありません。ですが,ブ ロンズブラシは絶対 に往復させてはいけません。 硬 い火薬カスを引き戻さないためです。ロッドを抜くときに銃 日でねじを回してブラシを取 って から,ロ ッドだけを抜きます。そしてから拭きのあと,防 錆 のためにごく軽くガンオイルを浸 したマ カロニ/パ ッチを通しておきます。 Column 2 ストックの使 い方 「前 の持 ひよつとするとARで は,「 師匠に教えてもらつて以来ストックを全く調整 していない」 ち主のセッティングのままだ」なんてことはないでしょうか。SBで は師匠もいませんし,姿 勢 ごと にセッティングを変えますから,銃 のマニュアルを見たり,人 に聞 いたりして,必 ずストックのセッ ティング法を覚 えてお きましょう。トリガーの周りはデリケー トなのでむやみにさわらない方がよ いですが,ス トックのそれ以外の部分は,適 当にいじっても,元 に戻せなくなることはありません から,ど のネジも一 度 はいじってみて,ど う動くのか確 かめましょう。 そしてもう一つ大事なことは,そ の変えたセッティングをメモする方法 を自分 なりに決 めてお きましょう。テークピースやバ ットプレー トの各部には 目盛 りがついていますが,こ の 目盛 りを数 え間違 えたり,右 向きと左 向きを間違 えたりすると,思 った姿勢 がとれずに調子を崩し,ま たそ の原 因もわからないまま試合 が終わってしまうと言うことにもなりかねません。 いい方法としては,姿 勢 ごとに,毎 日同じ順番 で全部の部分のセッティングを/tし ます 。変 えた部分だけメモしたりすると,ほ かの部分 のセッティングを失 ってしまったり,試 合 でセッティ ングをし忘れたりしてしまいます 。面倒 でも,セ ッティングシー トを自分で 作ってコピー したもの を用意するのもよいでしょう。 /t9 Appendix A トラブルシューティング 01.毎 回練習の最初や,試 合の試射の―発目が大きくはずれてしまいます。 銃 身 のクリーニングをしたあと数 発 は,残 つていたオイルや ソル ベ ントが流 れ ,ラ イフリング に ある程 度 の鉛 がのって来 るまで弾 着 が安 定しませ ん。これ は正 常なことで ,こ の安 定す るまで の数 発 をクリーニ ングショットと呼びます 。またクリーニ ングショットの前 に ,一 度 ,乾 拭 きのクリ ーニングパ ッチを通 せ ば ,射 撃前 に銃 身 に異物 がないか確 認 す ることもできます し,1発 目は より安 定すると思 います。ふつ うは 5発 も撃てば安 定 してくるはずですが,1発 目が 黒 点 にす ら 当たらなかったり,真 ん 中 に当たり出す まで 10数 発 かかつてしまったりす る場合 は,掃 除 の仕 方がまずかったか ,銃 身 が寿命 であるなどの理 由が考 えられるかもしれませ ん。 02.ス コー プが の ぞ けません 。姿 勢 が できたと思 つたら,ス コー プが速 くにあります 。 特にプローンでは大きないらいらの原 因になるかもしれません。なぜなら,裸 でスコープをの ぞいたときと,ジ ャケットを着て銃を持 って構 えたときの形 が大 きく違うからです。最初 の数 回 , 慣れるまでは誰 かに調節 してもらうのも一つの方法です。ですが,迫 々 ,自 分なりにの高さの 設定法や置き場 所 を見 つ けましょう。できるだけ毎回同 じスコープとスタンドを使 いましょう。高 さなどはメジャーで測 つてしまうのも良いかもしれません。コツとしては,ス コー プをのぞ きに行く ために姿勢を動 かす より,ス コープを動かす方がいいですから,ま ずスコープなしで銃を構 え , その位 置でのぞくために最適なスコー プの位置を,一 度 立ってから決めるようにします。 Q3.ア ンシュッツの トリガー セ ッティング方 法 が わ か りませ ん 。 次 の図はアンシュッツの 18xxか ら20xxシ リーズに採用されているトリガー機構 の図です。 . ヽ1、 Lヽ irst stageあ そび の長 さ │,II sear engagementシ アの掛 かり長 さ(ふ つ うはさわつてはいけません) second stageト リガ ー が落ちたあとの動 く 長 さ (ト リガ ー が 落 ちてからストップ す るま 宦Ψ 嘲藝 ノイ 螂 藤 sev ettrnmt での長 さです ) Arst stage pullあ そびの重 さ trigger weightト リガ ー の重 さ これ らのねじをいじつたあとは入 念 に空 撃 ち練 習 を行 い ,き ちんと動 作 するか 確 認 しましょう。ちなみに,機 関部 の左 側 についた「sF」 と書 いたスイッチは,い わゆる「安全装 置」です。もちろんこれだけでは安全確認 にはなりません。安全確認 には必ず抜弾 しましょう。 04.ト リガ ー を引 いたら,か ちん と音 が したのに弾 が でませ ん でした 。不 発 でしょうか ? 猟銃 等講習会でも聞いたとおり,弾 がでない場合 ,数 秒 たってから弾 がでる「遅発」の可能 性がありますので,必 ず lo秒 以上置 いてからボルトオープンしましょう。10秒 たってもでない 場合 ,不 発と考 えられます 。不発 には弾に原 因がある場合と,銃 に原因 がある場合 があります 。 何年も経 った古い弾で火薬 が固着 していたり,不 良品で薬奏 に発火 材 が塗られていなかった りするのが弾による不発です。しかし,一 定の頻度 で何度も不発 が起 こる場合 ,撃 針 が薬奏 を たたく力が不足していることが考えられます 。同じ弾をもう一 度 向きを変えて装填し,撃 ち直す と無事に出ることもあります 。銃砲店 に症 状を伝 え,メ ンテナンスをしてもらいましょう。 ノ」 Lecture 2.■ セッティングと姿勢をつくる なにはともあれ ,ま ず は形から入 ってみることにしましょう。あくまで形を作るための手瞑 であ つて,プ ローンの姿勢 の原理ではない部分もあることを覚えておいてください。左射 手は左右 を置き換 えて読んでください。 プ ロー ンの 形 の 作 り方 射線を気 にせ ず ,射 座 の真 ん 中あたりに伏射 マット(Pマ ット)を 敷きます。このとき,20° か ら 30° ほど斜め右 に向くようにします 。マットの角は射線 をはみ 出しても構 いません。伏射 台 のある射場では伏射台ごと傾 けて,マ ットと伏射台は平行 にします。 そこに,ま ず ジャケットもズボンも着ずに,横 になります .靴 は履 いたままの方がよいでしょう。 裸足 でプローンを撃 つメリットは特 にありません。次 の順で試 してみましょう。 ● マットの縫 い 目を参 考 に,「 左足→ 左臓→ 左猥→ 左肩 → 左肘 → 左手」と,左 のラインが だいたい直線 になるよう,左 肘を決めてから横たえていきます。 ・ うつ ぶせ になったら,寝 転 がつてテレビを見るときのように,両 肘をたてて,手 の上 にあご をのせてみましょう。このとき,肩 や腕を楽にして支えられる時 の,体 と左 肘 の距離 がだい たいの左 肘 の 目安 になります。 ・ 儀を左側のラインで支えているようなイメー ジをします。右肘 は体 の右側 の重さを支えて います が,銃 を支えているのではありません。お へ そより下はべ たんと地面につ けます。 ひとまず右足は射線 のまっすぐ後ろに投げ出す感 じでよいでしょう。 ・ 右肘 はストンと自然な位 置 に着き,左 手を前に出して,前 を見てみましょう。左手の親 指 と人羞し指の間越 しに標 的 の方を見てみましょう。体 の左 側 のラインがまっすぐなの に , 手 の向こうに標 的 が見えないときは,マ ットごと向きを目整 しましょう。 レのセッティング ライフリ SBの たくさんの調整 箇所 のうち,最 初 に人事なのはハンドストップの位置 とストックの長さ です。まずはそれ以外の部 分,バ ットプレートの傾きや 左 右位 置 ,フ ックの向きなどをニュー ト ラル な位 置に戻してしまいましょう。チークピースは一番 下 にし,フ ロントサイトだけを付けます。 そして,ま ずは参考 に SBの バ ットプレートからグリップまでの長さを,ARと 合わせます。もち ろん,同 じでなけれ ばならないという意 味ではありません。バ ットプレー トの高さは,そ の真 ん 中 (肩 の付きそうな位置 )が バ レルラインの延長線上にくる位 の高さにしておきます。 次 にハンドストップの位 置を決 めます。グロープははめず に,次 の順で試 してみましょう。 ● ストックの先 の方 に軽 くハ ンドストップをつけておき,ま だジャケットは着ずに,先 のように o マットの上 に寝転 がります。左 肘 を決めたら,そ れより先 の左手 は下ろしたままにします。 ここで,誰 かにアシスタントを頼み ,銃 を支えてもらいます。バ ットプレートを肩 に付け,競 口を標 的の高さに向くように支えてもらいます。 。 ここで,先 ほどの肘 の位 置を保 ったまま,左 手を餞まで上 げていきます。手 のひ らの指 の方ではなく,親 指のふくらみから手の 付け根をストックにつける感 じにします。 ● この左 手 の位置で,親 指と人差し指 のまたのところにハ ンドストップをとめて もらいます。 ここまでだと,右 手 のグリップの位 置 はしっくりこないかもしれません。右肘 を自然な位 置 に 着 いて,右 手でグリップを握 ろうとしたときに,グ リップがあまりにも近いとか遠 いときには,今 の パ ットプレートからハンドストップまでの距離 を保つたまま,グ リップの位 置 が相対 的 に前後す るようにハ ンドストップ位置 とストックの長さを調 節 します。このとき,ス トックのレール についた 日 盛 りと,バ ットプレー ト側 の 目盛 りの大きさが 違うことがあるので,日 盛 りには頼らず に長 さを合 わせます。 ス リング の 使 い方 一 般 的なスリングは,左 腕 を通す ,滑 り止 めのゴムがついた輸 の方と,ハ ンドストップに止め るための金 具 のついた輸 の方 の,2箇 所 の調整 ができます。このうち前 者 は,頻 繁 には変えな いものの,ス リングの r巻 き方』を決める上で重要です。 この,腕 を通す 輸 の大きさは,小 さくしたからといってしっかり止 まるわけではありません 小 。 さくしすぎると,二 の腕 の血 管を圧迫 し,し びれたり脈を拾 ったりするデメリットがあります。スリン グを腕 に巻いて引つ張 ったときに,ス リングと腕の間に三角形ができるくらいがちょうどよいで しょう。滑り止めのゴムが腕 の後ろにくるように,不 リングの金具を合わせることも重要です。 ここまでできたら,ジ ャケットの左 腕 ににスリングを付けます。ジャヶットの左 肩 にあるベ ル トで スリングを止めますが,フ ックがついてぃたりして,も のによって止 め方が異なるので ,自 分 の道 具 に合 わせてずれ にくい止 め方を工 夫しましょう。位置はひとまず二の腕 の真 ん 中あたりでよ いでしょっ。 ジヤケットを着てスリングを合わせる スリングを付 けたらジャケットを着 てみましょう。ボタンは留 めなくても構 い ませ んし ,一 つ 二っ 留 めてもいいでしょう。ボタンを留 めたからといってジャヶットがずれなくなるわけではないので , 新 しいジャケットなどで,ボ タンを留 めると右 腕 がっ られたりして窮 屈す ぎる場合 は ,留 めること にこだわる必 要 はありません 。もちろん 毎 回 同じ留め方 にします 。 スリングを少し長 めに合わせ,ハ ンドストップに留めたら,グ ロープを着けて銃を構えてみま しょう。スリングを長めに合わせたボんかなり低い位置を向くと思うので,標 的の高さにくるとこ ろまで少しずつ,立 ってはスリングを縮めて餞を構える,を 繰り返します。 ちなみに右肩にあるベルトは,プ ローンを構えたときに,余 ってたるんでいるジャケットの肩 の部分をまとめるためのものです。人に見てもらって,余 っているようであれば,適 当なところま で縮めてもらいましょう。 Lecture 2.2 姿勢を固める 先 の章は,あ くまで形を作るための手順なので,適 当な 目安で長さや位 置を決 めましたが , 実際は 自分 の体 の感 覚をもとに,銃 を静 止 させるための原 理 にかなうような決 め方をしなくて はいけません。ここからは,以 後 のトレーニングにおいて,外 的姿勢を変えたり,各 部を調整 し たりしても,覚 えておかなくてはいけないことがらです。 スリングの役割 プローンの人原則は「左腕の筋使用が全くなく,ス リングが銃の重さを全て担う」ということ です。照準時の銃 日の動きは心拍による動きだけであり,筋 緊張 による動きが出ないようにし なくてはいけません。そのため左腕全体はスリングの張つている方向に完全に脱なします。筋 力はいかなる微調整も行いません。それを実現するため,ス リングの長さの調整と,そ れに伴 ハンドスト う ップ位置の微調整,左 肘の前後方向の位置がきわめて重要になり ます。 練習 の最初 の段階では,ス リングの巻 いてある左上腕 と左 手は,十 数発 ですっかりしびれて しまうくらいの強 いテンションです。そんな中でも,完 全な左腕 のリラックスができているかどうか の内的感 覚に敏感 になることがプローンの成否 のカギを握 つています。 左 上 腕・左 肘 上腕 部 には内側 に動 脈 が通 つています。これを圧迫するようにスリングを巻くと,パ ルスがス リングに伝わり,銃 日の動きに大きく現れます。そこで,で きるだけスリングからの力が腕 の外側 にかかるように工 大 します。さきほど「スリングを引つ張 つた方 に三 角形ができる」と書きました が,あ くまでIarは 二 等辺 三 角形 のまま,外 側 の辺のテンションを強めに,内 側を弱めにするイ メージです。無理 に外巻きにしようとするのは,そ の形を保 つのが大 変で,射 撃全体が難 しくな るので勧 めません。スリングの留め方 ,巻 き方については,工 人 の余地はたくさんあります が , それでも撃つているうちにだんだんずれ てくるものなので,常 に気 を付 けて同じ状態 になるよう にしなくてはいけないということは覚 えておきましょう。 左 肘 は,そ の一 点で銃 の重さと上 半身 の重さの人部分を支えています。そのため左 肘 の位 置 ,特 に体の左側のラインに対しての位置 が姿勢 のバランスを決めています。そのため,先 ほ ど「左足→ 左膝 → 左腰 → 左 肩 → 左肘 → 左手」をまっすぐにすると書きましたが,こ のうちの左 肘 は,ま っすぐにあることが人 事なので はなく,構 えた状態 で銃 と上半 身 が右 にも左にも傾 い て行かず ,パ ランスがとれる点に位 置 しなくてはいけません。右肘 で銃を支えようとしてはいけ ません。もちろん実 際 は右肘も体 の重さを担 ってはいるのですが,そ れはあくまで右半身 のリラ ックスのためであり,上 半身 を支えているわ けではないことをイメージして,左 肘 の位置を研 究 しましょう。ふつうは,体 の左 側 のラインに対 して,左 肘 がほんの 少し内側 に入るような感じです。 左手 ストックとスリングにしっかり挟まれている左手は,ス タンディング同様 ,そ の形 の微調整 が銃 の傾きや安 定に影 響す るので,練 習を繰り返して慎重 に形を決 めてきます。 ・ e 左 手 の親指と人差し指 のまたのところをぴったリハンドストップにつ けます。 ストックはそこから親 指の付 け根 のふくらみ を通り,手 首 の真ん 中をぬけていくように 位 置 します。手 のひ らに乗っているわけではありません。 ・ o 指は開いて脱 力 し,ス トックを握 ったりしません。 スリングの通る位置 は,左 手首がまっすぐになり,し びれたり,痛 くなったりしないような ところを探 します 。 最初 は左 手 のしびれ に苦労しますが,こ こがすぐずれたり浮 いたりすると,弾 着は大きくばら つきます。 下半 身 プローンでは,下 半身 はあまり大きな影 響を及 ぼしません。お腹を浮 かせたりせ ず,お へそ から下をぺたんと着けて接地面積を大きくし,姿 勢を安 定させることと,撃 発 ごとに隣をバ タ′ヽ 夕させず ,常 に同じ状態を保 つようにすることが大事です。 右 ll「 は射 線方 向 に後ろに投 げだし,右 足を外 に向けるのが一 般的ですが ,右 臓 を折 つて 前 に出す と,腹 部 の圧迫 (つ まりは内臓 の動きの影響 )を 減らす のに役 立 ちます。 左 脚 は,銃 に左 右方 向 の不要なテンションを与えないよう,「 左足 → 左臓 → 左腰 → 左肩」の 左側 のラインは極力まっすぐにします。左 の足先 は,銃 の 自然狙点の微調整 をするために少 しずつ動かしたりします 。そのためにも,靴 は履 いたままのほうがよいでしょう。 右 肩・ 右 腕 口 右手 プ ローンの肩付 け│ま 見えにくくて難 しい面がありますが,鎖 骨 のあたりにバ ットプ レー トが密 着するように,形 を工夫します。毎回同じ位置 にすることが重 要で,そ の 目安として′ヽットフック が役 立 ちます。しかし,フ ックが体や腕 に押さえられて不要な力がかかると,あ らぬ方 向に弾着 する原因になつたりしますので,時 には人に見てもらいながら向きや 角度を調整しましょう。 そして,右 肩のリラックスは,左 腕 のリラックスと同じくらい,そ の弾着 に大きな影 響を及 ばし ます。銃 の反動をダイレクトに受けるため,右 肩 で銃 を押していると,そ の悪影響 は上 下方 向 の弾着 のずれにも現れます 。そのため,右 肘 は,右 肩 がもつともリラックスできる自然な位 置 に 着けます。弾を入れたりするたびに右肘 は動かさなくてはいけないので,毎 回 の姿勢 で同じよ うに右 肩がリラックスできているか,同 じ位置に右 肘を着 けているかどうかに敏感 になる必 要 があります 。 また,右 手 のグリップはあくまでトリガリングのために重要なのであって,右 手で銃 を支えるこ とはありません。右手を離 しても銃の方向が 大きく壼わらないよう,バ ランスを考えます 。 Lecture 2.3 実射 の過程 ここまででひとまず姿勢を作ることができました。それでは実際にプローンを「撃 つ」ために気 ヽけたいことを見ていきましょう。 をイ l・ 射 線 合 わ せ・ 自然 狙 点 ここまではあまり射線 について気 にしてきませんでしたが,ス リングやハ ンドストップを合わせ た段 階 で人まかな高さは合つていると思 います。また左 右 方向はマ ットごと動 かして人まかに 合わせることができると思 います。 細かい射線あわせ に入る前に,構 えた段 階 で各部 のリラックスができていないといけません。 特に右肘 の位置 は少し変えるだけで銃 の方 向が大きく変わってしまいます。せっか く射線を合 わせても,右 肩 のリラックスのために少し右肘を動かしてしまっては,ま た違う方 向を向いてしま い,堂 々巡 りになります。 そして,プ ロー ンでは「だいたい黒点 を向いたら終わり」ではありません。完全 にリラックスし た状態 の 自然狙 点がセンター になけれ ば撃 つことはできないと思つてください。試 合での一 発 一発 の成否はこの部分 の精度にもかかっています。 黒点が リング内に収まっていない場 合 構えた状態から右手だけをそっと離 し,右 手を使 って左 肘の位置をごく少しず つ 動かします。 左 肘 を前 に動 かすと銃 は上 に向き,手 前 に動 かすと下に向きます。右 に動かす と右 に ,左 に 動かすと左 に向きます。このとき腰 ,特 にな 猥 の位置を変えないことと,上 半身 のパランスを変 えないよう慎重 に動かすことが重 要です 。ミリ単位 の肘 の動きで銃 日は大きく向きを変えます。 逆 に,肘 を固定したまま腰を動かして調整 する方法もあります が,全 体 が大きく動くので微 調整が難しくなります。 ストックの調整で高さを変えることもできます 。バ ットプレー トを上げれ ば銃 日は上 に ,下 げれ ば銃 日は下 に向きます。スリングの長 さで調整することもできますが,大 きく変えるとハ ンドスト ップや左肘 の位 置も変わってきてしまいます。スリングに長 さ微調整 のねじがついていれば便 利ですが,そ うでない場 合,万 一試合 中に動かすならば,一 日盛 り動かすか動かさないかにと どめましょう。 黒 点が リングに収 まっている場 合 絶対 に力で調節 してはいけません。この範 囲なら,右 脚 の 向きや,足 のつま先の位置 を 「ち よこつと」変えるだけで狙点は十 分動きます。少 し動 かしては各部を完全 にリラックスし,と いう のを繰 り返 して,「 完全にリラックスした状 態 で,狙 点がセンター にある」ようにします。無意 識 に力で合わせてしまわないよう,日 を開じてリラックスをしながら狙 点を確 認するのも一つの方 法でしょう。 呼 吸 による影響 前 の項では触れませんでしたが,腹 式 呼吸をしていると,そ れに合わせて銃 日が上 下して いるのがわかると思 います。撃 つ ときの 自分の呼吸 状態を思 い 出してください。ふ つ うの呼吸 から,ゆ っくり息を吐いていって正 照準にはいったあと,撃 発 の瞬 間までの数秒は息を止 めて います。つ まり,銃 の方向を合 わせるときは,こ の呼 吸状態での狙 点がセンターになるようにし なくてはいけないことになります。 ただしこれは,「 真ん中に向いたときに息を止める」という意 味ではありません。呼吸で方 向 を合わせるのではなく,撃 発 に適した呼吸状態での自然 狙 点を見 つ けるよう心がけてください。 照準 基本的な照 準 の考え方 は,ど の姿勢 でも変わりませんが,sBの プローンも ARの スタンディ ングも同じままで,と はいかないかもしれません。 プローンでは,つ いつい熙準時間が長くなってしまう傾 向にあります。本来,撃 発 に直接リン クするT照 準は最後 の数秒 です。ところが,狙 点合わせ の間ずっとのぞきっぱなしで ,そ のま ま照 準にはいってしまうと,日 の疲れや錯 覚で,正 照準までに,真 ん 中だと思つてねらってい た方 向と,実 際 の銃 の方 向が狂ってしまい (サ イトアライメントが 狂うといったりします),そ のこ とに気 づかないまま撃発してしまうことがあります。もちろん真 ん 中 には 当たりませんよね。 これを避けるために,狙 点が合 って正照準に入る前 に,一 呼吸おいて,軽 く目を閉じたり , 視線をサイトからはずしたりして,日 の状態をリセットするよう,心 がけてみてください。 トリガ リング・撃 発・反 動 トリガリングも,ほ かの姿勢 と違うや り方をして苦労を増やすのは合 理的ではありません。グリ ップをある程度しっか り握 ることで,よ いトリガリングができるのもほかの姿勢 と同じです。強 いて いえば,こ こまでの狙 点 の作 り方と照準 の仕方でもわかるように,だ んだんと 10点 圏を追いか けていくような撃ち方ではなく,セ ンター に止まっている状態での丁寧か つ大胆なトリガリング が求められるでしょう。 フロントサイトの動きが小さいが故に全く揺れていないと感じて適 当に撃 ってしまう人がありま す が,心 拍 による動きは少なからず残 り,そ れを無視 して撃 ってしまうのは 当然不利 です 。最 初は難 しいです が,自 分 の心拍音を聞きながら,心 拍の合間に撃 つようにします。 また,sBで は ARに なかった反動を経験することになります。初期 の段階では,反 動をコン トロール したり,反 動からフィー ドバ ックをえたりすることは しいです が,「 銃 日が小さく,ま っす 難 ぐ上に跳ねて,同 じところに戻つてくる」のが理 想的な反動であることは覚 えておいてくださぃ。
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