親子の会話に使ってはいけない「4種類の言葉」

「やる気と仕事」の人間学
コラム集 子供とやる気①
親子の会話に使ってはいけない「4種類の言葉」
下 山
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剛
子供は親からどういう言葉を聞かせられたとき、やる気を失ってしまうのだろうか。大別すると
4種類になる。
第1に、最も気をつけなければならないのは 、「おまえはダメだね 」「馬鹿だね」という、子供
の能力そのものを否定するような物言いである。
というのは、親にとっては何ということはない軽い一言でも、言われた子供の方は言葉通りに受
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け止めるほかなく 、「自分はダメなんだ」と思い込んでしまうのだ。そうなったら、やる気どころ
の話ではない。子供に無力感や絶望感を持たせてしまう。
よく 、「子供は七褒めて三叱れ」と言うが、褒める割合が叱る割合を大きく上回っていないと、
子供は劣等感を抱いてしまうものである。そうならないためには、褒めるべきときを見逃さずに必
ず褒める。叱るときにも叱りすぎないことが大事である。
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また、叱り方にもコツがある。もし何かしくじったとしても、子供に能力がないのではなく、運
が悪かったり、やり方を間違えたから失敗したと思わせるのだ。例えば、子供がテストや100㍍走
で最下位になってしまったとする 。いつも最下位なら別だが 、その時に限って失敗したのであれば 、
「今回は運が悪かったけど次は頑張れよ」と声をかける。そして、どうすれば同じ失敗を繰り返さ
ないで済むかを教えるのである。
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2番目は、子供に対してマイナスの期待をぶつけてはいけない、ということだ。例えばテストの
点が悪かったときに 、「やっぱりダメか」という一言である。
心理学に期待効果またはピグマリオン効果と呼ぼれる考え方がある。
子供には「親に嫌われたくない」という親和欲求が存在し、そのため、つねに「親の期侍に応え
よう」という心理が働いている。例えば子供に対して「おまえはいい子だね」とプラスの期待をか
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け続けていれば、本当にいい子になるものだ。その逆に 、「どうせダメだろう(いつもおまえには
できないと思ってたんだよ)」というマイナスの期待を暗示する言葉をかけると、子供はどんどん
やる気を失い 、そのマイナスの期待に応えてしまう 。親はそのあたりに気を配ることが大事である 。
第3に挙げたいのは、子供に対し高すぎる要求水準を押しつけてはいけないということだ。マイ
ナスの期待はいけないと述べたばかりだが、プラスの期待が大きすぎるのも問題だ。
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例えば、それまで60点しか取れなかった子がテストで70点を取ってきた。そのときに「まだ
まだダメだ 」「もっといい点が取れるゾ」などと言ってしまっては台無しである。ちょっとでも点
が上がったのなら 、素直に褒めてあげる 。そうすれば 、子供は成功感を持ちやる気を起こすだろう 。
また 、「お父さん(お兄ちゃん)はいつも90点以上取っていたのに」と、誰かを引き合いに出すの
も好ましくない。その子はその子で、他人との比較で能力を計るのは可哀想である。
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第4に 、「おまえは嫌な子 」「嫌い」というような、親に嫌われているのではないか、と思わせ
るきつい言葉をかけてはいけないということ。親自身が感情的になってしまい、子供に対して否定
的な言葉を投げつけることがあるが、これはまさに禁句である。
なぜなら 、子供は誰しも親に認められ愛されたいと感じている 。これを承認・愛情欲求というが 、
こうした欲求が満たされることで、子供は精神的な安定が得られ、それが自己向上心に結びついて
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いくのである。承認・愛情欲求が不満であれば、やる気は起きないのが道理である。
親も人間 。子供に対して 、つねに冷静に話せるとは限らない 。しかし 、感情的になったとしても 、
その子供の存在自体を否定するような言葉は絶対にかけるべきではないのである。
PRESIDENT 4,JUNE
OAK