2015/09/12 障害を受容するとは 障害受容と自立 ~もし、あなたが障害児を授かったら~ • カンファレンス等でよく「あの方は障害を受 容できていない」などの話が聞かれることが ある。私も入職時は、受容して早く前に向け るように支援しなくてはと考えていた。 • しかし、本当に障害を受けいれられる人は 存在するのか? 緑の屋根診療所 理学療法士 冨沢徳 私の経験① 私の経験② • B様33歳(当時) • 病名:非ヘルペス脳炎後遺症 • A様10歳(当時) • 病名:18トリソミー • 彼は歩くことも座ることも、しゃべることも出来ない。 母親は、私に「この子に一体何ができるのですか?」 と訴えてきた。そこから、子供のために必死に働き 満身創痍になっているが、弱音を吐けない辛さが伝 わってきた。 • 「ママはよく頑張っているので一人で抱えずに、 決して頑張りすぎないように」としか声かけできな かった 歩行器での歩行は自立。働き盛りで家庭もあったA様 は自暴自棄になった時期もあった。私は、彼の歩きた いという気持ちを尊重し歩行練習を行った。 理由は・・・ 「誰だって若い時に歩けなくなったら、歩けるようになり たいと思うのは当然だ。だから、周りが反対をしても、彼 の意思を尊重しよう」と思ったからである。 親が与える影響 障害者本人が、自らの障害をどうとらえる かは、親の態度が大きく影響する。 かわいそう! 不幸! ここで質問 もし、障害児を授かったら、あなた は産みますか?(産ませますか) それとも産みませんか?(産ませま せんか) 障害は「不幸」という烙印を押 していないはいないだろうか? 1 2015/09/12 受容ではなく共存を 受け入れろ と言われて も困るよ! 健常者に生まれたからと言って幸せな 人生を歩めるとは限らない。 受容 • しかし 障害者に生まれたからと言って、 不幸になるとも限らない。 • つまり 生きてみなければ、その人の人生が不幸か どうかわからない。 障害との共存 私の出会いと挑戦 この夏、一人の脳性麻痺の少年とその家族に 出会った。 彼が考える「生きる」とは、チャレンジすること! そのために大事にしていることは、「人に頼る」 彼の夢はボランティアスタッフと2人で、全国を 旅すること。私は、彼の夢を叶えるために、ボラ ンティアに立候補した。(詳しくは発表にて) 障害自立 健常者は何も頼らずに自立していて、障害者は頼らない と生きていけない人 真実は逆 健常者は様々なものに依存出来ていて、障害者 は限られたものにしか依存できていない。 膨大な物に依存しているのに、何も依存して いないと感じられる状態こそが、自立である。 まとめ ○障害は、十人十色である。ただ理解しがたい ものではなく、一人一人の人間が抱える コンプレックスに違いがあるのと同じである。 ○プロの目線を持つのも大切だが、セラピスト も患者さんも一人の人間である。だからこそ、 たまにはセラピストという肩書を捨てて接する ことも、時には大切ではないだろうか。 2
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