【集団健診】子宮頸がん検診HPV-DNA併用検診モデル 事業開始

【集団健診】子宮頸がん検診HPV-DNA併用検診モデル
事業開始
【はじめに】住民健診において、平成 24 年度から子宮頸がん検診HPV-DNA併
用検診モデル事業を開始しました。この事業は、平成 23 年度に自治医科大学産婦人
科学講座の鈴木光明教授が中心となり、「栃木県小山地区HPV‐DNA併用検診実
行委員会」が設立され、小山市・下野市・野木町及び当事業団に協力依頼があり、実
行委員会・市町・当事業団で打ち合わせを重ね実施体制を構築しました。
【検診手法】子宮頸がんの多くは、ヒトパピローマウィルス(HPV)の持続感染が
原因であることが判明しており、HPV-DNA併用検診は、従来の細胞診検査に加
えHPV-DNA検査を併用することでがん化する前の細胞を早期に発見することが
可能となり、がん予防に有効な検診です。また、両検査とも陰性の場合は検診間隔を
延長することができるため、受診者の負担が軽減されます。検診結果の運用は、日本
産婦人科医会がん対策委員会の子宮頸がん検診リコメンデーション(一部改正)に基づ
いて実施しました。
HPV-DNA検査の検査法は、子宮頸がんを引き起こす 13 種類の高リスク型HP
V群を検出でき、CIN2以上の高度病変検出に高い感度を有するハイブリットキャ
プチャー2(HC2)法としました。
また、併用検診実施に伴い、細胞採取方法を直接塗抹法から液状化検体細胞診法に
変更し、受診者の負担を増やすことなく、従来どおり1回の細胞採取で細胞診とHP
V検査が同時に実施できるようにしました。この変更により細胞の乾燥や細胞少数が
ほぼ無くなり、検査精度が大きく向上しました。
【効果確認】
モデル事業開始前には実行委員会及び各市町が協力し、商業施設でのイベントや広報等にお
いてHPV‐DNA併用検診の普及に努めた結果、平成 24 年度のモデル地区における子宮頸が
ん検診受診者数は、前年度と比較し 1,452 名(14.3%)増加し、なかでも 20 歳~30 歳代は 786
名(34.9%)増加するなど受診率向上に一定の効果が認められました。
【検診結果】
検診の結果、「異常認めず」で次回受診が 3 年後の方が約 93%、「精検不要」で次回受診が 1
年後の方が約 3.5%、「要精検」で医療機関受診の方が約 3.5%となりました。
【まとめ】
今後は、併用検診を受診した方に対しては決められた間隔で次回受診するよう管理していくこ
と、また未受診の方に対しては併用検診の有効性をPRし受診率を向上していくことが重要で
あると思われます。
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