5 横浜簿記テクノビジネス専門学校

5
Ⅰ
横浜簿記テクノビジネス専門学校
日本語教育機関の所在地及び代表者
1.所
在
地
〒220‐0023
電話
2.設
置
者
3.役職・代表者名
Ⅱ
横浜市西区平沼1−2−5
岩谷学園 4 号館
045−290−6388
学校法人
理事長
岩谷学園
岩谷伸一
研究内容
1.研
究
課
題
語彙の定着を目指した教材開発
∼アカデミックジャパニーズ等の語彙の習得・定着を目指して∼
2.研
究
組
織
(代表者名)佐藤昇子
(研究員名)渋谷博子
3.研
究
目
大橋昌子
細谷望
的
多くの留学生は、経験のない場面の語彙については洞察を働かせにくいようで、覚える
ことに苦労している。「日本留学試験」に出てくる語彙は、既存の教科書には見られない語
彙が多く、教室の中ではなかなか得にくい。しかし、これらの知らない場面やそれに関わ
る語彙については、貪欲に知りたがる学生は案外多い。
そこで教室では得にくい語彙の数々を毎日継続して学習できる形にすることで、
「日本留
学試験」への容易なアプローチかつ語彙の確実な定着を目指した教材開発を、本研究では
目的としている。
Ⅲ
研究成果の概要
1.研究の目的
多くの留学生は、経験のない場面の語彙については洞察を働かせにくいようで、覚える
ことに苦労している。「日本留学試験」に出てくる語彙は、既存の教科書には見られない語
彙が多く、教室の中ではなかなか得にくい。しかし、これらの知らない場面やそれに関わ
る語彙については、貪欲に知りたがる学生は案外多い。
そこで教室では得にくい語彙の数々を毎日継続して学習できる形にすることで、留学試
験への容易なアプローチかつ語彙の確実な定着を目指した教材開発を、本研究では目的と
している。
2.研究の方法
まず、実際に大学へ行く、本校卒業生から大学の資料を借りる、卒業生にインタビュー
をするなどの調査にとりかかり、実際に大学で使われている語彙や文型、表現の収集を行
った。その後は、テーマの絞り込みである。今回は学術の分野をあえて外し、日常生活分
野にテーマを絞った。これは、本校には日本留学試験を受験しない学生も多くいること、
専門分野は人により異なり、クラスでの一斉授業でどの程度教えればいいか難しいこと、
といった理由による。40のテーマに絞った後、各テーマにおける語彙の選定を行い、問
題を作成した。毎日30分程度で取り組める問題とするため、A4用紙一枚にⅠディクテ
ーション、Ⅱ漢字の表記と読み、Ⅲ語彙、Ⅳ・Ⅴに読解、聴解、聴読解問題を収めること
にした。語彙の定着を図るため、同じ語彙を同一テーマの別問題や違うテーマで繰りかえ
し提出するようにしている。
3.実践の概要
作成した教材を中級レベル以上の8クラスで2003年9月から毎日実施し、それとと
もに学生と実施クラスの教師に作成教材についてのアンケートの記入を依頼した。
学生からの問題の是非に関するアンケートの結果では、全体的に好い感触を得たが、特
に語彙に関する問題の評価が高かった。漢字語彙は、平常の漢字学習時よりも熱心に取り
組む学生も見られた。カタカナ語彙については、何度か繰り返して出題してもなかなか覚
えられない学生も多かったが、「役に立った」という意見がかなり出たことも事実である。
テーマに関しては日常生活に関するものは評価が低く、大学生活に関するものの方が評
価が高いという傾向があった。
教師側からの声でも、1枚のプリントで毎日継続して行うことについてや問題形式など
については評価するものが多かったが、繰り返し導入された語彙は提出頻度の割には定着
度が低い、テーマに偏りがある、テーマによって難易度に大きな差がある、といった意見
も挙がった。
4.今後の課題
本教材のテーマはキャンパスジャパニーズに偏っているが、やはり学術分野もとりあげ
るべきである。しかし、その際どの分野をどのように提出するかが大きな課題である。ま
た、大学教員や日本人学生とのインターアクションが円滑に行える能力の養成を、どのよ
うに教材に取り入れるかも課題であろう。
今後の「日本留学試験」の傾向も見ながら、大学に入ってからの勉学に役立つ、また日
本社会での生活に意義のある語彙の修得を手助けするような教材開発を、更に継続してい
きたい。