モザンビーク国マプト市における持続可能な3R活動推進プロジェクト

第4回 廃コン協/OECC 合同セミナー
事例紹介(2)
モザンビーク国マプト市における
持続可能な3R活動推進プロジェクト
平成27年3月12日
日本工営株式会社
副田 俊吾
1
本日の発表内容
1.
2.
3.
4.
5.
6.
はじめに
モザンビーク国の概要
本プロジェクトの背景
本プロジェクトの概要(目標、成果、活動)
本プロジェクトでのこれまでの取り組み
今後の予定、課題
2
1.はじめに
現在のプロジェクトの進捗
はじめに(プロジェクトの進捗)
2013年3月~2017年2月までの4年間のプロジェクト期間の半分が経過
したところで、M/P改訂に向けての個別活動が佳境を迎え始めている。
1年次
2年次
3年次
4年次
(2013/3 - 2014/3)
(2014/4 - 2015/3)
(2015/4 - 2016/3)
(2016/4 – 2017/2)
レビュー・
評価
成果1
(課題分析)
成果2
(収集運搬)
成果3
(財務管理)
成果4
(3R導入)
既存M/Pのレ
ビュー・改訂
中間
終了時
実行計画・
モニタリング
廃棄物管理ガイ
M/P改訂支援
ドライン策定
現況調査・把握 PP②実施
PP②計画
PP①計画
PP②検証
収集改善実行計
PP①実施/検証 画策定支援
現況調査・把握 予算編成支援
予算編成支援
財務管理改善実
財務報告書作成 財務報告書継続 清掃料金見直し 行計画策定支援
現況調査・把握 PP④計画/実施 PP④継続/検証 3R導入・住民
3Rフロー作成 PP③計画
PP③実施/検証 啓発実行計画策
住民啓発支援
住民啓発支援
住民啓発支援
定支援
4
2.モザンビーク国の概要
内戦終結後の目覚ましい経済成長
モザンビーク共和国
東京/神田
モザンビーク/
マプト
約13,000km
6
モザンビーク国の概要






国土面積:79.9万km2(日本の約2.1倍)
人口:約2,583万人、増加率:2.26%(2013年)
首都:マプト市(人口:約120万人)
公用語:ポルトガル語、通貨:メティカル
一人あたりのGDP:579.5USD(2012年)
ポルトガルの植民地から1975年に独立するものの、す
ぐに内戦が始まり、1992年にようやく終結。
 その後、豊富な資源力(天然ガス・石炭、農林水産等)
を背景に年間7~8%の経済成長。
 日本も様々な分野で資金・技術協力を行ってきており、
「地域経済活性化」、「環境・気候変動対策」、「行政
能力向上・制度整備」が援助重点分野
7
3.本プロジェクトの背景
急激な都市化と既存マスタープラン
とのかい離
プロジェジェクトの背景
マプト市における急激な経済成長と人口増加
マプト市廃棄物管理条例の制定
1997
2007
適正廃棄物管理に係る包括的な指針の必要性
ドイツ政府(GTZ)支援によるマスタープランの策定
マスタープラン目標達成に向けた能力向上の必要性
廃棄物管理改善と3R導入に係る技術協力を日本に要請
JICAによる技術協力プロジェクト形成に向けた詳細計画調査
2012/11
プロジェクトの枠組みの合意(R/Dの署名)
2013/3
コンサルタント選定
プロジェクト現地活動の開始
9
既往マスタープラン
未来像
よりきれいで健康的な都市
一般目標
環境インパクト削減及び衛生
環境改善を保障するために
実施されるマプト市に適合し
た持続可能な都市固形廃棄物
の管理
目次
1.
2.
3.
4.
5.
6.
要約
廃棄物管理の法的背景
廃棄物管理の基本情報
廃棄物管理の現況
廃棄物量の予測
廃棄物管理計画
1)組織・制度
2)収集・運搬
3)処理・処分
4)財務・その他
7. 実施計画
8. モニタリング・評価システム
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4.本プロジェクトの概要
PDM:Project Design Matrix
(目標、成果、活動、指標)
4つのパイロットプロジェクト
プロジェクトの概要
<上位目標>
マプト市の都市環
境・住環境が改善
される。
<プロジェクト
目標>
マプト市役所の廃
棄物管理能力が強
化される。
成果1
マプト市役所に
おける廃棄物管
理に係る課題分
析能力が向上す
る。
<評価の指標>
•不適切に処分される廃棄物処分量が減少する。
•1人当たりの廃棄物処分量が減少する。
<評価の指標>
•プロジェクト終了後のM/Pがマプト市役所に承認される。
•Xx個の3Rシステムがマプト市で提案される。
•マプト市の廃棄物管理ガイドライン、プロジェクト終了
後のM/Pのドラフト、2021に向けた実行計画が整備さ
れる。
成果2
プロジェクト活
動地域における
(民間との連携
を含む)廃棄物
収集・運搬能力
が向上する。
成果3
マプト市役所の
廃棄物管理に係
る財務管理能力
が向上する。
成果4
プロジェクト活
動地域における
(民間業者を含
んだ)廃棄物処
分量削減のため
の3Rが導入さ
れる。
12
成果1に係る活動
1-1 既存のマスタープランをレビューし、現状との相違点
を確認する。
1-2 現在発生しているごみ量ごみ質データ、最終処分量
データの信頼性を収集、レビューする。
1-3 既存のマスタープランをアップデートする。
1-4 アップデートされたマスタープランに基づき、プロ
ジェクト期間中の実行計画を作成する。
1-5 マプト市の廃棄物管理に関するガイドラインを作成す
る。
1-6 プロジェクト終了後の廃棄物管理にかかる目標を設定
し、プロジェクト終了後のマスタープラン案を作成す
る。
1-7 2021年に向けた実行計画を作成する。
13
成果2に係る活動
2-1. マプト市における廃棄物収集運搬の状況を把握する。
2-2. 民間業者と連携した廃棄物収集・運搬PP案を作成する。
2-3. 民間業者と連携した廃棄物収集・運搬改善PPを実施す
る。
2-4. 活動2-3で実施した廃棄物収集・運搬PPの結果をレ
ビュー、フィードバックする。
2-5. 活動2-1の結果をもとに、郊外地区一次収集での分別回
収導入のためのPP計画を作成する。
2-6. 活動2-5で計画した郊外地区一次収集での分別回収導入
のためのPPを実施する。
2-7. 活動2-6で実施したPPの結果をレビュー、フィード
バックする。
2-8. 廃棄物収集・運搬の改善にかかる実行計画を作成する。
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成果3に係る活動
3-1. 現在の廃棄物管理にかかる財務体制の課題を確認、分
析する。
3-2. 毎月定期的に廃棄物管理の支出と収入データを収集す
る。
3-3. データを入力し年間予算と月間支出額を算出する。
3-4. 年次会計報告書を作成する。
3-5. 年次予算計画書を作成する。
3-6. 料金徴収体系を見直す。
3-7. 財務管理の改善にかかる実行計画を作成する。
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成果4に係る活動(1)
4-1. 有価物(古紙・ガラス・金属・プラスチック)及び有
機性廃棄物のリサイクル事業の現状を確認する。
4-2. (ウェストピッカーとの連携を含めた)有価物のリサ
イクルの可能性を確認する。
4-3. 3R導入のための啓発プログラムをレビュー、改善す
る。
4-4. 改善された3R導入のための啓発プログラムを実施す
る。
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成果4に係る活動(2)
4-5. 活動4-2で確認した既存有価物リサイクル事業推進の
ためのPP計画を作成する。
4-6. 活動4-2で確認した既存有価物リサイクル事業推進の
ためのPP(民間業者連携)を実施する。
4-7. 活動4-6で実施したPPの結果を検証し、推進計画を
作成する。
4-8. 有機性廃棄物の有効利用にかかるPP実施計画を作成
する。
4-9.有機性廃棄物の有効利用PPを実施する。
4-10. 活動4-9で実施したPPの結果を検証し、有機性廃
棄物の有効利用事業の推進計画を作成する。
4-11. 有価物PP及び有機性廃棄物PP拡大の実行計画を作
成する。
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プロジェクト実施体制
合同調整委員会(JCC)
委員長:マプト市役所廃棄物管理審議員
モザンビーク側委員
・環境調整省
・マプト市役所財務審議員
〃
保健審議員
〃
経済活動審議員
・一次収集者代表
・民間業者
・NGO
JICA
・モザンビーク事務所
・東京本部 (必要に応じて)
オブザーバー
・日本大使館
・その他委員長が任命する者
・プロジェクトディレクター:
廃棄物管理審議員
・プロジェクトマネージャー:
DMSC局長
・プロジェクトメンバー:
- DMSC計画・モニタリング部
- DMSC廃棄物管理部
- DMSC人事総務・財務部
技術協力
・総括/廃棄物管理
・副総括/廃棄物収集・運搬
・3R計画
・住民啓発/社会調査
・財務強化
・インパクト評価
・業務調整
・ローカルスタッフ
- DMSC国際関係室国際関係部
JICA専門家チーム
カウンターパート(マプト市役所)
プロジェクトチーム
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5.これまでの取り組み
フロー、ごみ量・ごみ質
分別収集PP、有機物PP
マプト市区分(市街地・郊外部)
新規処分場予
定地
フレン処分場
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マプト市のごみの流れ
発生
家庭系・事業系ごみ
市街地
収集・運搬
最終処分
民間委託、市直営
民間委託
フレン処分場
郊外部
民間登録業者、市直営
事業系ごみ
商業・産業
市場
特別収集
市街清掃
民間委託
市直営
民間委託、市直営
市直営
農村
農村部処分場
国内産業
プラスチック
国内消費
不法投棄
物質回収・再利用
民間(RECICLA、PAGALATA等)
NGO(AMOR、LVIA等)
凡例
循環資源
コンポスト
国外輸出
古紙、段ボール、
アルミ等
収集、処分への流れ
21
マプト市の廃棄物管理(収集・運搬)
肖像権の都合により
HPへの写真掲載は控えております。
22
マプト市の廃棄物管理(最終処分)
肖像権の都合により
HPへの写真掲載は控えております。
23
マプト市での資源化活動
肖像権の都合により
HPへの写真掲載は控えております。
24
ごみ量・ごみ質調査
肖像権の都合により
HPへの写真掲載は控えております。
25
ごみ量調査結果
1400
0.4
Average UGR
0.35
Bulk Density
0.3
1000
0.25
800
0.2
600
0.15
400
kg/litle
g/day-capita
1200
0.1
200
0.05
0
0
Low
Income
Middle
Income
Urban
High
Income
Low
Density
Middle
Density
High
Density
Suburban
 ごみ発生原単位は約600g~1,200g/人・日、嵩比重は
0.2~0.35、郊外部は砂の混入が多い
26
ごみ質調査結果
 発生場所によって、組成は異なる。
 16~39%の紙・プラ類といった無機資源物が見られる。
27
分別回収パイロットプロジェクト
 郊外部のマイクロエンタープライズによる1次収集の仕
組みを活用し、発生源分別・回収を試行。
 住民協力を得るためにいくつかの介入手段を試行。
肖像権の都合により
HPへの写真掲載は控えております。
28
分別回収PP(準備)
肖像権の都合により
HPへの写真掲載は控えております。
29
分別回収PP(実施)
肖像権の都合により
HPへの写真掲載は控えております。
30
有機廃棄物パイロットプロジェクト
 郊外部の家庭で、プラスチック容器による堆肥化技術
を利用した有機廃棄物の発生削減を図る。
 適正技術検討のため、地元の大学と連携
肖像権の都合により
HPへの写真掲載は控え
ております。
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有機廃棄物削減PP(準備)
肖像権の都合により
HPへの写真掲載は控えております。
32
有機廃棄物削減PP(実施・モニタリング)
肖像権の都合により
HPへの写真掲載は控えております。
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6.今後の予定・課題
マスタープラン策定に向けて
PPの検証、C/Pのオーナーシップ
今後の予定・課題
レビュー・
評価
成果1
(課題分析)
成果2
(収集運搬)
成果3
(財務管理)
成果4
(3R導入)
3年次
4年次
(2015/4 - 2016/3)
(2016/4 – 2017/2)
終了時
廃棄物管理ガイ
M/P改訂支援
ドライン策定
PP②検証
収集改善実行計
PP①実施/検証 画策定支援
予算編成支援
財務管理改善実
清掃料金見直し 行計画策定支援
PP④継続/検証 3R導入・住民
PP③実施/検証 啓発実行計画策
住民啓発支援
定支援
• 4つのPPの実施・検証
• 検証結果を踏まえたマス
タープランの改訂支援
• 財務持続性の検証
• マスタープランに沿った
具体的な行動計画の策定
支援
 C/P主体でのM/Pの改訂
 マプト市の実状に沿った
3R計画の検討
 ステークホルダー(国・
市、住民、事業者)との
情報共有・連携
35
発表は以上です。
ありがとうございました!
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