平 成 27 年 度 校内研究会 1 研 究 主 題 「 自 ら 気 づき 、課 題 解 決 に取 り組 み 、 よ り よ い生 活の 実 現 の ため 、主 体 的 に 活動 でき る 生 徒 の育 成 ~JRC活動の理念を基盤にして~ 」 2 主 題 の 構 造 一”自ら気づき” よりよい気づきをするための学習活動を教師がどう仕組むかが大切になる。生徒の気づきは、 自分や集団の課題設定につながるものになる。生徒の意識調査などのアンケートをもとにした討 議や、視聴覚資料を用いた指導や、講師招聘して行う講演会による啓発、課題設定と将来的な課 題解決や実践を見通すことのできる自己評価能力やメタ認知力を向上させること、などがこの場 面における指導として考えられる。また、本校の「目指す生徒像・人間像」にある「自主的」な 姿勢を育てるためにも、与えられた課題の共有ではなく、生徒「自ら」が自分で課題を見いだす ことが重要になる。 二”課題解決に取り組み” JRC態度目標にある「考える」の実践。課題が設定された次の段階として、その課題を解決 していく道筋を「考える」ことが必要になる。小集団グループや学級会、生徒会、委員会組織を 用いた話し合い活動が重要になり、その課題や解決方法を共有していくコミュニケーション能力 も大切になる。土台になるのは、教育課程における学習活動から習得した知識や技能における基 礎・基本であり、課題解決能力であると考えられる。 三”よりよい生活の実現” よりよい学校生活の向上のための活動を通して、生徒自身が活動に加わり成果を上げていく達 成感を味わうこと。そうした活動を通して、生徒個々がそれぞれの生活や学習活動も向上してい くことを目指すもの。その結果、個々の生徒は、集団への帰属感が高まるほか、自己肯定感や自 己効力感が向上することを目指したい。同時に、生徒は心情的も豊かになる道徳授業の実践や、 道徳的な実践力を身につけていくことも大切になる。「生活」という表現で、学校生活にとどま らず、個人の生活、社会生活等広く解釈をする。 -1- 四”主体的に活動できる生徒” 「主体的」(自分の意志・判断に基づいて行動するさま)な行動とは、生徒個々の意志決定が 前提となり、それをもとにした集団の意志決定が行われることが大切になる。また、よりよい実 践につなげられるかは、生徒個々の判断力によるところも大きい。実践の半ばにおいて新たな課 題が生じたとき、それに対応する判断力や、集団としての方向性を導き出すコミュニケ-ション 能力や討議の能力も必要となる。いずれにしても、本研究においては、「活動」をどう仕組んで いくかが大切になる。 同時に、「活動」は、秘密裏に行われるものではなく、校内へ、異校種へ、地域へと力強く発 信されていくものでありたい。その結果、「活動」の中から新たな「気づき」が生まれ、主題の 始まりに戻っていく。しかし、こうした「活動」の中から生まれた新たな「気づき」は、生徒個 々、集団の力をさらに高めていくものであり、主題にまとめた生徒の活動や教師の活動も飛躍的 に向上するものになる。 -2- 3 主 題 設 定 の 理 由 一 南中学校の現状から 本校の伝統として、「応援」「合唱」「演劇」があげられることが多い。生徒は、全力で応援 をし、その集団をよりよくまとめ上げていく工夫や手立てを考え、努力を惜しまない。また、合 唱や演劇においてもよりレベルの高いものを目指し、表現力を磨いている。その結果、みんなみ 祭やみんなみ合唱祭では素晴らしい発表があり、行事が終わった後の生徒の達成感も大きい。 しかしながら、そうした成果が平素の学校生活に還元され、よりよい学校生活の実現につなが っているかというと必ずしもそうではない現状がある。それは、生徒の自治活動への意識の低さ や、生徒会をはじめとする生徒組織が有機的につながり機能していない部分が原因ではないかと 考えられる。 二 青少年赤十字研究指定校として 本指定校の主旨としては、JRCの実践目標を基盤に、様々な活動を展開する中で、態度目標 である「気づき・考え・実行する」生徒の育成が図られ、命を大切にし、他者に対する思いやり の心を持ち、学習活動にも真剣に取り組む心を育てることを目的にしている。 本校の実態と照らし合わせる中で、生徒一人ひとりにJRCの態度目標を育むことにより、生 徒達は、自らの手でよりよい学校生活の実現を考え、行動する態度が育っていくものと思われる。 その結果、生徒集団は、自らの気づきをもとに、その課題にどう立ち向かい解決していくかその 術を学習し、実践へとつなげていくことができる集団へと成長するものと考えられる。こうした スキルは、日常的に様々な集団で実戦可能なものであり、本来的な生徒自治の力を育てていくも のと考えられる。また、行事などで得た達成感や課題をいかに自分たちの集団を向上させたり、 豊かな生活の実現へとつなげたりしていくのかというスキルにもなる。 三 本校の教育実践として 本校の目指す生徒像・人間像に、「自主的、意欲的に行動する人」「健康で強い体力を持った 人」「創造的思考力を発揮する人」「明朗で心の美しい人」がある。こうした生徒像にせまるた めには、JRCの態度目標である「気づき、考え、実行する」生徒の育成は不可欠である。また、 実践に於いて、JRC実践目標である「健康・安全」「奉仕」「国際理解・親善」を焦点化して 授業や特別活動に生かしていくことは、さらにその効果を高めていくものと考えられる。 教育活動すべてにそれらのことを当てはめていくのではなく、既存の教育活動の効果をさらに 高めていくことができる実践を積極的に取り入れていくことは、本校の教育活動をさらに活性化 していくものである。 四 生徒の変容をイメージして 生徒自治が支える学校であり、生徒自治の力がよりよい授業をつくり、学習活動をより充実さ せていく。その結果、その成果は個々の生徒に還元され、さらに充実した生活が実現できること が目的である。常に活動によって生徒の変容をイメージし、それを見取る手立てを持つことで、 教師集団の力も高まっていくと思われる。 -3- 4 研 究 仮 説 生徒が主体的に、課題に気づき、課題設定が行われると、 ①意欲的に課題解決に取り組む生徒の姿勢がうまれ、 ②この発想を練り上げる集団での討議が仕組まれ、 ③目的を共有した活動が展開され、発展的な課題への気づきも生まれ、 集団の力や自治的な力を育てるとともに、個々の生徒が主体的に活動する力や意欲を 高めるであろう。 さらにこうした生徒や生徒集団の変容は、個々の生徒の ④集団の一員としての帰属意識を高め、 ⑤自己実現による達成感が生まれ、 ⑥心情的にも、態度としても、実践力が高まり、 自己肯定感、自己効力感が高まり、個々の生徒、生徒集団は発展的に成長し(構造図 に示すような、発展的なスパイラルが生まれ)、学校目標である「統一と調和のとれた 人間の形成」に迫れるであろう。 5 研 究 の 方 向 性 一 生徒会委員会において研究を具現化していく (重点) 生徒会委員会において、研究を生徒の活動として形にしていく。従来の生徒会委員会は、当番 活動の場であることが否めない。生徒の気づきやその場をつくり出すことから始まり、前述した 研究を生徒の活動へと実現する場をつくる。 つまりは、生徒会委員会において、活動の主題をつくり、「気づき、考え、行動する」ことを 実践し、その結果を発信していくことを目指す。さらには、構造図で示したような、新たな気づ きをつくり、活動を発展させていくことを目指したい。 二 領域研究の充実 (重点) ①特別活動の研究 特別活動の教育課程を見直すとともに、研究の目的と合致する部分を、指導事項として明確 化し、各学級、学年、全校で授業実践することを前提とし、教育理論の共通理解をはかり、 授業実践へとつなげていく。 -4- ②道徳教育における道徳的実践力の向上 道徳教育では、前述してきた研究をより効果的にするための心情的な成長を図るとともに、 それに基づく道徳的実践力を高めることに研究の主眼をおきたい。秋に行われる、道徳の公 開授業を一つの目標に。 ③総合的な学習の時間 総合的な学習の時間においては、教育課程を変更していくことは考えない。こうした研究の 実践の結果育まれた力が、総合的な学習の時間をより有効に進めるものになり、総合的な学 習の時間で育まれた力がさらに生徒の変容につながるような相乗効果を期待したい。 三 行事の目標を再構築 生徒会行事、学校行事の意義付けを再構築し、生徒への意識付けを行う。または、再構築の場 を生徒と共有する中で、生徒の自治的な能力の伸長を図る場としても考える。 四 教科指導の充実 (2年目の重点) まずは基礎・基本の定着を図ること。さらには、「気づき」「考え」「実行する」意義を各教 科の教育活動にいかせるような形にとらえ、効果的に指導が行える場面においては積極的に取り 入れていく。教科の特性によっては、JRC実践目標そのものを教科指導の中に取り入れられる ものもあり、その場合は、積極的に取り入れていく。特に国語科と数学科では授業実践を行う。 五 地域との連携 まずは、南中学校の実践を積極的に地域に発信していくことを考える。学校便り等の広報活動 の充実を図るようにしたい。将来的には、委員会活動などで、より地域の力を用いた方が効果的 であると考えられる場合には、教育活動に積極的に利用する。 六 小学校(湯田小・伊勢小)との連携 まずは、「校内研究連絡調整会議」を立ち上げる。それぞれの研究内容や、学校行事、生徒会 ・児童会活動の情報交換や活動の調整を行い、中学校の生徒と小学校の児童とで活動を作り上げ ていくような場を設定する。 七 実践を発信すること (重点) 本年度の校内研究に基づく実践においては、それぞれの情報や、実績を積極的に発信する方向 性を全教職員で確認したい。情報発信のツールは様々にあるので、より有効な手段で、効果的な 発信の方法を同時に研究したい。 八 教師の意識改革 前年度の実績を踏襲する、前年度の資料を利用する、課題は与える、課題解決の過程は教師が すべて御膳立てする、といった意識をしっかり変革していくための研究でありたい。(自省の心 も込めて)生徒の自治的な力を伸ばし、よりよい学校生活を実現する教師の指導を模索したい。 -5- 27年度の研究の柱 1 委員会活動の活性化を実践の場としてとらえる、JRC態度目標の向上 平成26年度より取り組んだ、委員会活動の活性化を通して、生徒一人ひとりが、JRCの態 度目標、実践目標を具現化していく取り組みを推進していく。公開研究会においては、各委員会 の取り組みをポスターセッションで発表していく方向で考えている。26度は、2学期が主な活 動時期になったが、27年度は、4月からスタートを切れるように準備していくことが大切にな る。この取り組みは、28年度以降もつながるようになると、南中における委員会活動が、地道 な活動として継続性を持つことができる。 2 特別活動の目的を共有する教育活動の実践 26年度は、「クリーンアップ大作戦」を通して、目的を共有し、系統的な指導を組み立てる ことで、トップダウンの指示で参加する行事、受動的に参加する行事ではなく、生徒一人ひとり が主体的に関わっていけるような指導を行った。その実績をもとに、27年度は、同じように焦 点化する行事を設定し指導を行うことや、学級指導における題材において、共通理解を深めるこ とで実践的な態度を養われ、生徒一人ひとりが主体的な関わりを持てるような活動を仕組んでい く。まさに、「気づき・考え・実行する」場面を全校体制でつくりあげるものである。 3 道徳教育を通した心情的な高まりと、道徳的実践力の向上 JRCの実践目標を題材に「健康安全、奉仕、国際理解・親善」を具現化する授業であったり、 態度目標の「気づき・考え・実行する」ことを授業に積極的に取り入れていったりすることを考 えたい。そうした授業づくりの中で、道徳的実践力の向上を図りたい。 ○ 道徳的実践力とは、人間としてよりよく生きていく力であり、将来出会うであろう様々な場面、状況においても、道徳的価 値を実現するための適切な行為を主体的に選択し、実践することができるような内面的資質を意味しています。 (北海道教育委員会 抜粋) 4 確かな学力を向上させる教科教育の充実 文部科学省の定義する「確かな学力」は、本校研究主題の意図するところでもある。26年度 は、教育活動における「気づき・考え・実行する」とらえを、特別活動の実践へと向ける方向を 確認したが、このことは当然、教科指導にも反映されてしかるべきものである。27年度は、本 研究主題の意図するところを具現化し、文部科学省で言う「確かな学力」向上のための教科指導 研究を「国語・数学」の2教科で研究を進める。 5 小学校、地域との連携によるJRC活動の実践 26年度に組織した、「青少年赤十字活動研究推進連絡会」「青少年赤十字活動研究推進協議 会」の活動を推進する。おもに、あいさつ活動、清掃活動、花植え活動などを活動の基盤とし、 あくまでも、細くとも長く続く取り組みを目指した活動に取り組んでいく。 -6- ※地域・小中連携 研究推進協議会 第1回協議会 4 月 研究推進連絡会 南 中 湯田小 伊勢小 第1回連絡会 「組織の立ち上げ、方針確認」 「組織の立ち上げ、方針確認」 元気にあいさつ「あさがお運動」 花 い っ ぱ い (4月13日~17日) 大 作 戦 5 月 6 月 7 元気にあいさつ「あさがお運動」 (5月25日~28日) 元気にあいさつ「あさがお運動」 (6月22日~26日) 元気にあいさつ「あさがお運動」 (7月13日~16日) 月 8 第2回協議会 第2回連絡会 月 9 元気にあいさつ「あさがお運動」 (9月24日~29日) 月 10 月 11 月 元気にあいさつ「あさがお運動」 (10月 日~ 日) 11 月6日 公 開 研 究 会 (南中・湯田小・伊勢小) 元気にあいさつ「あさがお運動」 12 月 クリーンアップ大作戦 1 月 第3回協議会 第3回連絡会 2 月 3 月 -7- (11月24日~27日) (12 月 3 日) 全体像イメージ 構想 -8- 「確 かな学 力 」 学 習 資 料 文部科学省HPより抜粋 変化の激しいこれからの社会を生きる子どもたちには、[生きる力]、[確かな 学力] を育むことが必要です。 [生きる力]とは 変化の激しいこれからの社会を生きる子どもたちに身に付け させたい[確かな学力]、[豊かな人間性]、「健康と体力」の3つの要素からな る力 [確かな学力]とは 知識や技能はもちろんのこと、これに加えて、学ぶ意欲や ① ② 自分で課題を見付け、自ら学び、主体的に判断し、行動し、よりよく問題解決す ③ ④ ⑤ ⑥ る資質や能力等まで含めたもの ① 基礎基本の定着 ② 学習に対する意欲 ③ 課題を見つける「気づき」 ④ 課題解決の過程を自ら見いだす ⑤ 自己判断、自己決定 ⑥ 実行する ⑦ 問題解決能力 新たな課題の設定 -9-
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