平成24年度府中緑ヶ丘中学校区報告書(PDF文書)

1
年
事業名:府中町立小・中学校教職員が協同で実施する研修推進事業
連携地域名:府中緑ケ丘中学校区小中連携地域
連携地域を構成する学校
学校名
府中町立府中緑ケ丘中学校
府中町立府中南小学校
府中町立府中中央小学校
学級数
19
26
22
児童生徒数
706
769
658
(H25.2.1現在)
1 研究の概要
(1)研究テーマ及び研究のねらい
①研究テーマ
自律する学習主体の確立
~かかわり合う個と集団を育成するための場と指導法の
研究をとおして~
②研究のねらい
目指す子どもの具体像を「自ら進んで学習に取り組む
子ども」として,教師からの一方的な教え込みではなく,
自らの考えを大切にし,友達の考えのよさに触れ,互い
の違いを認め理解し合いながら,その関わりの中から新
しい見方や考え方を学んでいくような子どもの育成を目
指す。
研究仮説を,
「教育活動全般にわたり児童生徒がかかわ
り合う場を仕組めば,協同する集団が育成され,自ら進
んで学習に取り組む子どもを育成することができるであ
ろう」と設定した。
(2)研究組織・体制
(3)取組の重点項目
【教科指導・生徒指導】
国語
低
学
年
小 中
学 学
校 年
高
学
年
中
学
校
算数
数学
低
学
年
中
小
学 学
校 年
高
学
年
重点項目:段落相互の関係をつかむ(説明的文章等)
書く条件の明確化
学んだことを活
用し,自分で考
えたことを順序
立てて伝える子
ども
学んだことを活
用し,自力解決
したことを理由
を付けて伝える
子ども
学んだことを活
用し,自力解決
したことを根拠
を付けて伝える
子ども
・場に応じた声で話す。
・
「はじめに」
「次に」など順序を示す言葉を使って話す。
(書
く)
・問いと答えをとらえる。
・順序・主語・述語の意識をもたせる。
・
「なぜかというと」
「このように」
「こうすると」など理由や
手順,考えの経緯を示す言葉を使って話す。
(書く)
・問いと答え,実験・観察・調査・事例をとらえる。
・要点をとらえ,意味段落に分けたり,文章構成図に表す。
・
「具体的に例をあげると」
「○○の根拠から~といえます」
など根拠を示す言葉を使って話す。
(書く)
・図や表などを示しながら自分の考えを発表する。
・友達の考えを受けて,助言や提言をする。
・問いと答え,実験・観察・調査・事例,要旨をとらえる。
・具体と抽象をとらえる。
論理的に考え,自 ・段落ごとに内容をとらえ,文章全体における役割をとらえさ
分の意見を進ん
せる。
で表現する子ど ・各段落の叙述が論の展開の中で果たしている役割について
も
考えさせる。
・書き手の論理の展開についての意図をとらえることによっ
て文章の内容を的確に理解させる。
重点項目:見通しをもち筋道を立てて考え,表現する
必要な情報の整理(線を引く,メモする)
算数・数学的な表現(用語,式,表,グラフ)の使用
絵・図・式・言葉などで自 ・子どもの生活場面に ・具体的操作など算数的
分の考えを表すことができ 沿った問題提示をす 活動を取り入れる。
る子ども
る。
・学習の内容が分かるノ
既習事項を使って絵・図・ ・課題把握では大切な ート指導を行う。
式・言葉などで自分の考え
情報に線を引くなど
を表すことができる子ども
して意識させる。
既習事項を生かして図・ ・課題把握では大切な
式・言葉などで自分の考え
情報に線を引くなど
を表すことができる子ども
して意識させる。
中 2
学 年
校
3
年
直感的な見方や考え方を深
め,わかりやすく表現する
子ども
数学的な推論の必要性と意
味及びその方法を理解し,
表現する子ども
見通しをもって,論理的に
考察し表現する能力を伸ば
す子ども
外国語・
外国語活動
小 高
学 学
校 年
中
学
校
・具体物を用いて観察や操作,実験などの活動を
取り入れ,自分の考えを分かりやすく発表させ
る。
・根拠をはっきりさせながら説明や論証をさせ
る。
・多くの論証に取組ませる。
・定義や定理,数学的な表現を用いながら,自分
の考えを論理的に表現させる。
重点項目:つながりのある文章を書く(話す)
問いに対する解答素材の提示
答えに対する切り返しの問の準備
接続詞・副詞等の例示
英語で話すことに慣れ,積
極的に英語で自分の考えや
思いを伝えようとする子ど
も
英語を通して自分の思いや
考えを相手に分かりやすく
伝えることができる子ども
・さまざまな話題において,自分の考えや思いを自
由に表現できる場を設定する。
・英語で聞く,話す活動を増やす。
・つながりのある英文を視写させる。
・学習した文法事項を使用して英作文する場合,
関連のある英文を1文付け加えさせる。
・会話練習の際,Q&A+1で会話させる。
【授業づくりの基盤】
小
学
校
中
学
校
①学習規律(姿勢)
いつも背筋を伸ばして良い姿勢で
学習をする子ども
①学習規律(姿勢)
・学習ルールを掲示する。
・児童が足の裏を床につけ,背筋を伸ばして座る
よう,全教職員が意識して指導する。
②生活習慣(礼儀)
自分から進んで気持ちのよいあい
さつをする子ども
①学習規律(姿勢,態度)
授業を受けるにふさわしい態度が
備わっている子ども
②生活習慣(礼儀)
・教職員が模範を示す。
・児童に,レベル設定に合わせた評価を返す。
①学習規律(姿勢,態度)
・例外を作らない。
・できないような時間設定をしない。
②生活習慣(礼儀)
気持ちのよい挨拶と礼ができる子
ども「5秒の礼」
②生活習慣(礼儀)
・実際によくできている生徒を評価する。
・学校生活すべての場面で「5秒の礼」を指導す
る。
2 実践事例
【教科指導・生徒指導】
国語科
(1)学年 小学校 第5学年
(2)単元について
① 単元名 説明のしかたについて考えよう
教材名 「天気を予想する」 武田 康男
② 単元の目標
○ 題材,筆者の考え,文章の書かれ方に興味をもって
読もうとしている。
【国語への関心・意欲・態度】
○ 筆者が伝えたいこと,論の進め方,図表などの活用
について感想を発表し合い,自分の考えを広げたり深
めたりすることができる。
【読むこと ウ】
○ 文章の中での語句と語句との関係を理解することが
できる。
【言語についての知識・理解・技能】
③ 単元の展開(指導計画)
次
一
二
三
学習内容
「天気を予想する」を読み,
「分かりやすい説明の仕方を活用して自分の考えを書く」
という学習課題を設定し,学習計画をたてる。
これまでの学習を活かし,文章構成を4つのまとまりに分ける。
三つの問いと答えの関連のさせ方に着目し,構成と筆者の説明のしかたの工夫を読み
取る。
【本時】
筆者が伝えたかったことをについて書きまとめる。
筆者の論の進め方や説明の仕方について感想をまとめ,交流する。
構成や図・表・グラフ・写真を用いた説明の仕方やその効果について考える。
学習課題を設定し,自分の考えを整理する。
整理した自分の意見を述べるために必要な資料を検討する。
資料を効果的に使いながら自分の意見を述べる文章を書く。
書いた文章を読み合い,友だちの考えや文章の書き方,表の用い方について意見や感
想を交流する。
(3)重点項目との関連
段落相互の関係をつかませるために,文章構成図を書くこ
とや問いと答えの関連に着目し,文章を読み進めることを指
導計画に意図的に入れた。
(4)授業の様子(児童の変容)
本時の目標は,三つの問いと答えの関連に着目し,構成と
筆者の説明の仕方の工夫をまとめることであった。
まず約7割の児童は,接続語や段落ごとのキーワードに
着目して,三つの問いと答えの関連を一人学びで,自分の
考えをノートに書き込んだ。次のペアトークやグループ交
流で課題の明確化を行い,それまで書くことのできていな
かった児童を含め8割程度の児童が自分の考えを書き込ん
だ。さらに,全体で交流し,構成と筆者説明の仕方の工夫
をまとめたが,1.5割の児童は自分の考えをまとめることが
できなかった。これは,配慮を要する児童へのもっと細や
かな手立てが必要であったと考える。
算数科・数学科
(1)学年
小学校 第5学年
(2)単元について
① 単元名 「図形の面積」
② 単元の目標
○平行四辺形や三角形,ひし形,台形の面積の求め方を
考えようとすることができる。
○倍積変形・等積変形などの操作を通し,図形の面積の求
め方を考えることができる。
○求積公式を活用し,基本的な図形の面積を求めることが
できる。
○平行四辺形や三角形の面積の求め方や求積公式の意味を
理解することができる。
③ 単元の展開(指導計画)
1 平行四辺形の面積(4)
2 三角形の面積(4)
3 台形の面積(2)本時(9/14)
4 ひし形の面積(1)
5 面積の求め方のくふう(1)
練習,力だめし(2)
(3)重点項目との関連
算数的活動として図形を分割することを指導計画に意図
的に入れた。また,学習の内容が分かるノート指導にも取
り組んだ。
(4)授業の様子(児童の変容)
授業の中で,底辺と高さが垂直の関係にあることを,どの
図形の面積を考える時でも,色分けした結果ほとんどの児童
は底辺を正しくとらえることができた。
その他,指導のポイント(かく活動)として,長さを求め
る式を書かせたり,根拠を明確にして書かせたりした。
児童は友達の考えを聞いて,情報を正しく判断しながら
答えを導き出すことができた。
外国語活動・外国語科
(1)学年 中学校 第1学年
(2)単元について
① 単元名 「由紀のイギリス旅行」
② 単元の目標
○ 一般動詞三人称単数現在を用いて,ALTの先生に
緑中の先生方の紹介をすることができる。
○ 一般動詞三人称単数現在の肯定文,否定文,疑問
文の構造や意味を理解することができる。
○ 間違うことを恐れず積極的に書くことができる。
③ 単元の展開(指導計画)
1
2
3
~
4
5
~
7
8
学習活動
主語が三人称単数の時の
一般動詞を使用する肯定
文の形,意味,用法を理
解する。
主語が三人称単数の時の
一般動詞を使用する疑問
文・否定文の形,意味,
用法を理解する。
三人称単数現在形を使っ
て,先生を紹介する文章
を書く。
【本時1/2】
本文の読解活動を行う。
主語が三人称単数の時の
一般動詞を用いた肯定
文・疑問文・否定文の定
着の度合いを測る小テス
トを行う。
指導形態
一斉指導
(TT)
一斉指導
(TT)
一斉指導
(TT)
少人数指導
(習熟度別)
少人数指導
(習熟度別)
教師の主な支援
T1,T2:会話しながら口頭導入する。
T1:授業の進行(文法説明)
T2:机間指導,遅れがちな生徒への支
援を行う。
T1,T2:会話しながら口頭導入する。
T1:授業の進行(文法説明)
T2:机間指導,遅れがちな生徒への支
援を行う。
T1,T2:実態に応じた指導方法の工
夫・ワークシートへのアドバイス,個
別の指導を行い,紹介文を書くことへ
の指導を行う。
T1,T2:コースごとにワークシート等
を用いて,内容把握の活動を行う。
T1,T2:文法事項の定着を図る活動,
発展的な学習など生徒の実態に応じて
行う。
ALT:生徒の意欲を喚起し3~4時で取
り組んだ内容を表現させる。
(3)重点項目との関連
学習した文法事項を使用して英作文を書かせることを指
導計画に意図的に入れた。また,授業の最初につながりの
ある英文を視写させることにも取り組んだ。
(4)授業の様子(生徒の変容)
三人称単数の動詞の形をグループでのやり取りを通じて,
ほとんどの生徒が正しくとらえることができた。
最初視写した内容と生徒が書こうとする内容を関連付ける
ことで,つながりのある文を書こうとする意識を持たせるこ
とができた。
友達の書いた英文を読み考えを聞くことで,自分の作文
をよりよいものにしようとする態度が見えた。
ヒントカードを活用して自分でたくさん書こうとする姿
が見られた。
【授業づくりの基盤】
(1)具体的な取組内容
① 学習規律(姿勢)
・正しい姿勢を視覚的にとらえられるよう,写真を教室に
掲示するとともに,
「足の裏,椅子,手」の3点を,子
どもにも分かりやすい合言葉で指導している。
・週の始めに目標を決めて,号令の時から意識させている。
・学級開きのときに学習ルールの一つとして指導している。
② 生活習慣(礼儀)
・全校朝会や各学年学級で挨拶の指導をしていくとともに,
朝の登校指導でも評価をしている。
・委員会や全校朝会で,児童がよい挨拶の例を示した。
・挨拶ボランティア運動や挨拶しようデーを設定し,挨拶
の啓発に努めている。
・中学校では,アンケートの結果を生徒に示し,生徒自身
が振り返る時間を設定している。
(2)児童生徒の変容
① 学習規律(姿勢)
・注意をされたら,自分の姿勢を振り返って直す児童生徒
が増えてきている。
② 生活習慣(礼儀)
・挨拶のものさしを意識した児童生徒が増えてきている。
・挨拶レベルが設定されたことで,児童生徒にとって,よ
り高いレベルを目指す励みになっている。
3 研究の成果と課題等
(1)成果
・指導案の作成を通して指導上の課題を明らかにすること
ができ,授業のねらいを明確にすることができた。
・授業研究会における改善点を反映させた改善指導案をど
の教科でも作成することができた。
・重点項目を「自分の考えを書かせるための手立ての工夫」
としたことで,どの教科でも自分の考えを書かせる授業を
意識して取り組むようになってきた。
・小中学校の接続(学習内容の系統性)を教員が意識するよ
うになった。
(2)課題
・小中学校が連携することで学んだそれぞれのよさや課題を
解決するための手段を検討する必要がある。
・児童生徒の自己評価が甘くなっており,自己評価力の向上
を図る必要がある。
・学習規律に取り組むことの意義を児童生徒に理解させる必
要がある。
(3)今後の改善方策等
・各学校で行っている取組のよい部分を整理して,共通した
取組に発展させていく。
・小中学校の学習内容の系統性を整理していく。
・児童生徒自身に自分たちの学習の状況を振り返らせ,子ど
もたちの行動目標とさせることで自治的活動を仕組む。
・児童生徒が互いにかかわり合う活動を仕組むことで,自尊
感情を高めていく。