2015/08/02更新『夢の島熱帯植物館 ニュース vol.30』

夢の島熱帯植物館 ニュース
vol.30
2015年 8月
【榎本館長からのメッセージ】
今 年 も、あつい!暑 い!熱 い!夏 がやってきました。 「異 常 気 象 」という言 葉 も耳 慣 れてしまうほど、年 々暑 さを増 しており、
つい先 日 は38度 を記 録 した所 もあるくらいです。皆 様 どうか熱 中 症 や熱 射 病 にはお気 を付 け下 さい 。そしてこんな暑 い時 こそ
熱 帯 植 物 館 !「暑 いのに熱 帯 植 物 館 はちょっと・・・」と言 う方 !実 は外 よりも涼 しく過 ごせること、ご存 知 ですか?
夏 場 は窓 を開 放 し、運 河 からの外 気 を取 り入 れ暑 さを抑 えています。土 日 は、大 温 室 でスコールの疑 似 体 験 ができるイベン
トもあり、思 いもよらぬ「涼 」が得 られます。それでも「日 中 はねぇ・・・」と言 う方 には、今 年 の8月 は毎 週 末 (金 ・土 )、夜 間 開 館
を開 催 中 です。夜 間 はイベントも盛 りだくさん!ぜひ 熱 帯 植 物 館 の魅 力 を堪 能 しつつ、涼 みにお越 しください。
館長
屋外で見られる熱帯植物の紹介(副館長:矢部)
▲サンジャクバナナ
(バショウ科)
二十四節季の大暑が過ぎ、夏の暑さも本番となりました。公園のヒマワリ畑の前ではパパイヤ
がぐんぐん育ち始め、青い葉を広げ始めました。植物館の入口へ続くアプローチにも背丈を超
える高さのパパイヤの鉢を並べ、皆様を熱帯の世界に誘っております。
このパパイヤの列と対をなす、大きな葉の鉢物が今回取り上げます『サンジャクバナナ』です。
このバナナの鉢の中にひとつ、赤銅色の「奇妙な」突起が垂れ下がる株があります。この突起
は苞(ほう)と呼ばれる葉の変形で、その付け根に長細い雌雄花を並んでつけます。受粉し苞
がめくれると果実となってゆきます。果実が成熟するまで数ヶ月を要しますので、夏期の間はご
覧いただけます。
サンジャクバナナの果実は市販のバナナより小ぶりですが味は濃厚とのことです。そして苞の
中、蕾や花も食用になります。アクがあるので水にさらす必要があります。植物館内の売店で
はバナナの花の水煮缶を販売しております。シャクシャクした食感が特徴です。味は食べてから
のお楽しみです。料理の具材としても使え、館長のお勧めは「煮物」と「カレー」だそうです。
大きな葉も特徴の一つです。これほど育つには十分な水分が不可欠で、毎朝たっぷり水やり
をおこなっています。大きく丈夫な葉は東南アジアではランチョンマットやお皿、蒸し料理の包装
材に、古代中国では葉の基部を扇に使用していました。
温室で見られる熱帯植物の紹介(植物館植栽担当:横平)
ここ数年、大温室内Aドームのエリアの中でも、特に代表的な植物としてご
サガリバナ
案内しているものに、樹高8メートルの『サガリバナ』があります。
(花と蕾)
原産地は、アフリカやインド、マレー半島から太平洋諸島で、日本では奄美 (サガリバナ科)
大島より南の地域で広く分布しています。マングローブなどで構成される湿性
林の中に生育し、ときに群落をつくることがあるそうです。
高さは 10 メートルにもなる常緑高木で、葉の大きさも約 40 センチと大形で
す。花は、葉の腋から藤の花のような 60 センチ位の房状で垂れ下がってつき
ます。その様子から「サワフジ」という別名もあります。丸い蕾が夕方になると
ほころび、まるで虫の羽化のように、縮れていた雄しべが時間とともにピンと張
っていくのです。この雄しべが花弁よりも長く突出しているところがとても美しく
この花の特徴であり、強い芳香も放ちます。
開花は夜で朝には花が落ちてしまうため、8 月の毎週末に行われる夜間開
館時の観賞がお勧めです
今 月 の 花 と 果 実
♪ この時期の人気者 ♪
▲ イビセラ
+
▲ ポンテデリア
▲ ステノカルプス・シヌアツス
予告: 次回は 8/25 の発行予定です。
梅雨が明けて、暑さの質が一変!
植物も天候に体調を合わせながら
次々に花を咲かせています。
ハイビスカスは、毎日瑞々しい花
を更新。滝の飛沫に潤いながら、
水辺の植物はのびのびと生育中。
前庭の池では熱帯スイレンが繊細
な花弁を広げ。どこからともなく鴨
の夫婦が泳ぎにやって来ます。
池でトンボが飛び、草むらに
カマキリ。畑のヒマワリと
ユーカリの葉影。
毎日が夏休み!